スタフ staph

著者 :
  • 文藝春秋
3.18
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本棚登録 : 801
感想 : 137
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  • Amazon.co.jp ・本 (375ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163904801

作品紹介・あらすじ

ランチワゴンは疾走する。
危険な中学生アイドルを乗せて。

街をワゴンで駆けながら、料理を売って生計を立てる女性・夏都(なつ)。
偶然にも芸能界を揺るがすスキャンダルを知ってしまった彼女は、
その流出を防ぐため、緑色の髪をしたアイドル・カグヤと協力することに。
ある女性の携帯電話に残されたメールを削除するという、
難しくないミッションのはずだったのだが――。

想像をはるかに超えたラストで話題騒然となった「週刊文春」連載作。

感想・レビュー・書評

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  • 強さが弱さだったり、弱さが強さだったり。当たり前だと思っている事が当たり前じゃない。という当たり前を再確認させられる。奇想天外なミステリーツアーな物語からは予想出来ないような着地。やられた。

    ソロモンの犬の教授を彷彿させる菅沼先生はMVP。

  • 先にちらっと見たレビューが総じていまいち評価だったので、期待せずに薄目を開けてしらーっと読み始めたのですが、テンポのよさと想像しやすい描写に「おやおや」と目が開いてきました。

    でも読後は、なんとなくみなさんの評価が理解できます。

    下り坂のないジェットコースターといいますか………。

    なんかありそうだぞ、ここからだぞ、みたいなワクワクの助走がずーっと続いて、途中で疲れて、結果そのまま終わっちゃった。

    Staphylococcus。黄色ブドウ球菌。その性質は菅沼先生が丁寧に説明してくれていて、ここからタイトルと主題はきているんですかね。

    その主題はとてもリアルで、心と現実の不可逆性変化といった感じ。充分テーマとしては噛み応えのあるものだと思うんです。

    しかしどうにも、そこへ導くまでのストーリーは現実感が薄く無駄にドタバタ。たたらを踏んで着地したら以外と地面が固かった……みたいな。
    もっと深く重みのある話にすることも、逆にコミカルに徹して楽しくすることもできたのに、中間でグラグラしてます。

  • 離婚した夏都は1人でワゴン車の借金を抱え、移動販売にて生計を立てている。海外に行っている姉の1人息子と共に暮らしているが、ある日人違いからトラブルに巻き込まれる。見るに見かねた夏都は、甥と共に手助けをすることにしたが。。。
    ドタバタとコミカルに話が進むと思いきや、SOSをうまく発信することができない人の内面などを描いていく。

  • 単純に、あんまり面白くなかった。
    いい加減スーパー中学生で話を作るの
    やめてほしいな〜
    いつも興醒めしちゃう…
    思い通りに行ってしまうのとかね…
    ちゃちい。

  • *移動デリで生計をたてる女性、夏都。人違いの誘拐をきっかけに、中学生アイドルのカグヤに力を貸すことに。カグヤの姉である有名女優のスキャンダルを封じるため、ある女性の携帯電話からメールを消去するという、簡単なミッションのはずだったのだが―。あなたはこの罪を救えますか?想像をはるかに超えたラストで話題騒然となった「週刊文春」連載作*

    軽やかなのに、ずしりと重い。何気さを装っていても、気付けば悲鳴さえ上げられなくなっている。
    相反する状況や感情が溢れ出す後半、哀しくてやるせない思いで胸が詰まります。
    クールだから温かい感情や愛情には関心がないと思われ続けてきた智哉の叫びが痛々しい。
    菅沼先生の常人離れした不器用さと、さりげない温かさが救い。

  • 移動デリを経営している女性が甥っ子と共に
    ある芸能人が過去に行った枕営業の証拠となるメールを削除するというミッション?に巻き込まれる話。

    どの登場人物にも全く魅力がなく嘘くさい。
    最終的には、甥っ子が離れて暮らす母親に自分の誕生日には会いに来て欲しいからやったこと…だなんて愕然(笑)
    そんなの自分と母親の問題でしょうよ。
    六本木のクラブに潜入したり、病院のスタジオで危ない目に遭ったり、移動デリの車を爆発させたり、わざわざ事を大きくしてるだけで、さっぱり心に響かない。

    道尾さんの作品はしばらくいいかな…(汗)

  • 久しぶりの道尾作品。離婚して、移動デリを1人で切り盛りする夏都が、事件に巻き込まれる話。正直、事件の展開の意味が分からない。最終的に離れて暮らす家族の愛情を自分に向けさせる為に、中学生が引き起こした事件なのだが、それを描くのに、こういう展開は必要なのだろうか?移動デリも全然関係ないし、終章を読まなければ、意味が分からないまま。好んで読む作家さんではないけど、周囲の評価はいい作家さんなので、たまたま読んだ作品のチョイスが悪かったみたい…

  • 親も一人の人間。やりたいことやって生きる。
    その犠牲になっている子どもの気持ちは、わかっているようで、わからないと思う。大人が抱える感情と子どもが抱える感情は重さが全然違う。人生も、性格も変えてしまうほど大きな影響を及ぼすかもしれない。その子が大人になれば、その時の親の気持ちがわかるようになるのかもしれないけど。
    素直に気持ちを吐き出せない思春期の子どもは難しいと思った。

  • 道尾作品にしては軽く読める。『透明カメレオン』と似た世界観。このドタバタ系も好きなんだけど、カメレオンの方が面白かったな。

  • 【ネタバレ】なんとも安っぽくてつまんないミステリ。あれだけ引っ張っておいてオチが「マザコン」とかありえないでしょ。「ハーレキン」に引き続いてタイトルもわかりにくくて自己満足にも程がある(`Д´)

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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