強父論

  • 文藝春秋 (2016年7月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (272ページ) / ISBN・EAN: 9784163904917

作品紹介・あらすじ

阿川弘之氏が94歳で大往生されてから、今年八月で一年。娘佐和子が、強父語録とともに、父との62年間を振り返ります。たとえば――。

「なんという贅沢な子だ。ふざけるな!」……4歳のサワコ嬢は、「このイチゴ、生クリームで食べたい」と口にしただけで、このようにと怒鳴られます。以来、罵倒され通しの日々が続くことになるのでした。

「勉強なんかするな。学校へ行くな」……弘之氏は、特に娘は、勉強なんかしなくてもいいから、家でうまい食事を作れ、という主義でした。大学のテスト期間中も、サワコ嬢はお酌の相手をさせられたのでした。

「子供に人権はないと思え。文句があるなら出ていけ。のたれ死のうが女郎屋に行こうが、俺の知ったこっちゃない」……娘のちょっとした口応えに対して、弘之氏は烈火のごとく怒り、このように言い放ちます。これは弘之氏の口癖でした。

「老人ホームに入れたら、自殺してやる!」……元気な頃の父は、こうくり返していました。足腰が弱ってからは渋々、老人病院に入院しましたが、そこでも「すきやきが食べたい」「ワインが飲みたい」とわがまま放題なのは変わりませんでした。

いまや絶滅寸前の、怖くて強い父親ぶりが存分に描かれます。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

父と娘の複雑な関係を描いた本作では、94歳で亡くなった父親の強烈なキャラクターと、それに対する娘のユーモアと愛情が交錯しています。著者は、父からの厳しい言葉や暴君的な振る舞いを振り返りつつも、その中に...

感想・レビュー・書評

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  • タレント、文筆業とさまざまな分野で活躍する阿川佐和子さんが、94歳で亡くなった父、阿川弘之氏について語った評伝。

    上司が「面白いよ」と貸してくれたのだが、弘之氏のあまりの暴君ぶりに、佐和子さんのユーモアたっぷりの書きぶりも帳消しになるくらい読むのがつら過ぎて、最初は全く笑えなかった。
    でも、読み進めていくと、佐和子さん、なんだかんだで負けていない。だって、あんな父(失礼)の元なのにもかかわらず、父の意向とはことごとく逆を行く人生なのだ。
    女はバカだ、と連呼されながら慶応義塾大学卒業。モラトリアム期間を挟み、キャスターとして活躍。父が亡くなるまで独身で、極めつけは父と同じ文筆家にまでなってしまう。佐和子さんは周りの人からは「小弘之」と呼ばれていたらしい。

    弘之氏自身、子どもたちの中で佐和子さんが自分に一番似ている、と感じていたのかもしれないな、と思う。佐和子さんが文章を書き始めてからの弘之氏とのやりとりは、本書の中でもなんだか心がほっこりするエピソードだ。亡くなる前の弘之氏は、佐和子さんのことを「女の割に」なかなかやるな、と思っていたに違いない。

    弘之氏ほどの暴君ではないが、なかなかの男尊女卑な我が父。ちょっと敬遠気味だったが、久しぶりに会いに行こうかな、と思った。

  • 朋奈ちゃんに読ませたいと思った。
    俺より共感出来る事がたくさんあるだろう。笑
    あと僕はこういうおじさんをやはり嫌いになれない。

  • 阿川さん、軽快でユーモアのある文章が読みやすく、やっぱり上手です。最近女優デビューもしてるけど演技もうまくって。。多才ですね。
    なによりこの、横暴で気難しい父親とのエピソードを読み手に不快な気分を与えずに最後まで読ませたのは、文章力+愛情のお蔭でしょう。

    とはいえ、それを差し引いてもこの父親の理不尽さには唖然としましたけどね。
    具体例は省きますが普通なら絶縁してもおかしくないと思う。よくもまあ屈折せずに生きてきましたね、と声を掛けてあげたいくらいです。
    そればかりか父親の晩年は甲斐甲斐しく入院のお世話までしているのだから、何十年も積み重なったあれだけの出来事をうまく昇華している阿川さんの懐の広さ、肉親に対しての無条件の愛の深さには恐れ入りました。

    ただ、内容には一切口を挟まず、日本語の表現の指導のみを自ら行う作家としてのプロ根性には感銘を受けたし、父親なりの愛情を感じました。

    親子の関係は色々ですからね。そういう関係もあるのかもしれません。。
    でも、私の父親は普通に優しい常識人でよかったです。大事にしなきゃ☆

  • まず「キョウフ論」って…阿川さんがつけたのじゃないだろうなと。それとも「恐父論」じゃあんまりだと思ったか…(笑)

    論とついていますけどもまぁ、エッセイですよね。
    阿川さん流の供養の一つとも言えるような気も。

    こんなお父さんだったら大変だろうなぁ、自分なら耐えられないなぁと思いつつも行間から父娘のやり取りの何とも言えない愛情が伝わってきます。
    お父さんは昔の男だしちょっと男尊女卑も入っていて、愛情がないわけじゃなくてその表現というのができない人だったのじゃないかなと感じましたね。
    本来の親子の愛情表現なんて、ドラマで見るようないかにもなものじゃなくてもっとさらっとした日常的なものなのじゃないかなと思うのです。その意味でも阿川さんの文章には阿川父娘なりの愛情がちゃんと現われていると感じるのです。

    娘が文章を書きだした時、父がそのことには一切反対をせずにその文章を推敲し続けた、というところに私はグッときましたね。
    作家として、たとえ娘であってもおかしな文章を出されてはたまらないという気持ちもこのお父さんならあったかもしれませんが、自分と同じような文筆の道を歩みだしたことがきっとまずは嬉しかったのだろうなと思うのです。
    だから少しでもいいものを、自分も納得のできるものを娘が文章を出すならそういうものを世に出してやりたいという親心があったのではと思います。

    思い返したとき、良くしてもらったことや褒められたことよりも、叱られたり嫌な思いをした時の方をより多く鮮明に思い出してしまう。けれどもそれがたまらなく懐かしいというのがいいだけ大人になってから親を亡くした子供の気持ち、という気もします。

  • 似てます。。。舅に。。。

  • このお父さん、うちの祖父と似た面があったようで発売後すぐ母が買って来て文字通り泣いたり笑ったりしながら読んでいました。

    そしてせっかくだから私もと読んで見たのですがこれ大変。

    本当に泣けて笑えて泣ける。
    外に持ってって読んじゃダメなやつです。

    私には特に横暴な姿を見せなかった祖父だけどなんだか全てが祖父の顔で想像できました。

    ちょうどこれを読んだ日に観た映画ではないけれど、亡くなってから初めてその人を想うこともあるのだと最近感じます。

  • ふむ

  • 「阿川弘之と言うより、阿川佐和子の父と言う方が通りが良い」と阿川弘之が言っていたのを
    何かで読んだことがある。
    娘思いの良い父だと勝手に思い込んでいたのだが、
    そうでもなさそうだ。
    書名の強父論は恐怖論、恐父論に通じるのだろう。

    でも表紙の写真も裏表紙の写真も父娘とも良い顔、良い表情をしている。
    少なくとも、DV親父ではないだろう。

  • 阿川佐和子が父阿川弘之との思い出を綴ったエッセイ。
    平成生まれの私からすると信じられないほどの阿川弘之横暴ぶり。よくもまあ阿川佐和子はグレなかったこと。
    そんな弘之の暴君ぶりに、いかに困らされたかという数々のエピソードが綴られているわけだが、不思議と愚痴っぽさや悲壮感を感じない。普通の人が書いたら愚痴っぽくなりそうなところを軽妙洒脱にまとめあげてしまうあたり、阿川佐和子さすがだなぁと思う。

  • 阿川佐和子さんが描く、父、阿川弘之さんとの日々。今ではなかなかお目に係れない亭主関白で癇癪持ち。さらには男尊女卑な弘之さんのインパクトがスゴイ。佐和子さんも幼いころから、叱られ、怒鳴られて過ごしてきたらしい。でも、作品中、ところどころに覗く、お父様への愛情。お父様からの愛情。特に、文章を佐和子さんに教える時のやさしさが印象的でした。本書では弘之さんと佐和子さんの何枚かの写真が紹介されていますが、どれも幸せそうな雰囲気を醸し出しているように思います。たしかに頑固おやじさんで大変だったのだろうけど、固い絆で結ばれた家族だったのだろうな。そういえば、我が亡き父も同じような気性の持ち主だったっけ。

  • 強烈なお父さんかもしれないけれど、寂しくなりますよね。

  • 相変わらず凄いお父上様!?

  • 16.8.24
    徹子の部屋出演

  • -お父ちゃんがいかに無茶苦茶な人であったか。周囲がどれほどひどい目に遭わされたか。思い出す限り精魂込めて書いてみることにいたします。

    父・阿川弘之の傍若無人ぶりを、娘・阿川佐和子が書く、書く。よくグレなかったよな。…というか、グレることもできなかったのか?

    それでも、どことなく“愛”を感じる。
    親子ってこんなもんなのかな。

  • 笑った、うちの父に似てて。

  • 実に面白い♪
    TVタックルでの強気な印象が思い浮かぶ阿川さんですが、御父様がこういった(強父)方であれば、そりゃそうなるわなって感じです。
    数々のエピソードが盛り沢山(笑)、この調子なら、もう2冊ほど書けそうですね(^^)
    おもわず含み笑いしてしまう作品でした?

  • 大変なお父様であったことには違いないが、娘の愛が感じられる。そこを嫌味なく書いているところが、さすが佐和子さん、上手いと思った。途中、何度も笑ってしまった。読んだ後とても気持ちよかった。

  • なかなかクセがすごい父上だったと思うが、それも他人から見たこと。当の娘として、大変だったんだろうと想像する。

  • さすが、作家の娘。実に読みやすい文章で、数時間で読み終えました。
    若すぎる死は読んでいても辛いものがあるけれど、94歳ともなると、ほとんどの細胞が弱っているので、自然な死を迎えることができるんだなぁ、と人が長生きを望む一端が理解できた気がします。
    正義の御旗を掲げるようになるな、というご意見など、確かに作家らしい教養あるものもありますが、ここに挙げられたほとんどは理不尽というかあまりにもえらそうでいただけません。
    こんな人を父に持たなくてよかったなぁと思うし、ましてや夫でなくて、ほんと!よかった。
    現在、介護中の人には参考になるだろうと思います。

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著者プロフィール

1953年、東京生まれ。慶應義塾大学卒。1999年に檀ふみとの共著『ああ言えばこう食う』(集英社)で講談社エッセイ賞、2000年『ウメ子』(小学館)で坪田譲治文学賞、08年『婚約のあとで』(新潮社)で島清恋愛文学賞を受賞。12年の『聞く力――心をひらく35のヒント』がミリオンセラーとなった。14年、菊池寛賞受賞。近著に『老人初心者の青春』(中央公論新社)、『阿川佐和子のきものチンプンカンプン』(世界文化社)ほかがある。

「2025年 『だいたいしあわせ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿川佐和子の作品

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