ブルーネス

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 99
感想 : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (397ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905099

作品紹介・あらすじ

はみ出し者の地震学者たちが、究極の津波予測に挑む――!東日本大震災から三年。かつて地震研究所で広報を担当していた準平は、学界の“プリンス”武智要介に、ある計画に誘われる。準平は、無謀だと思いつつも、武智の強い決意に推されてこの計画に参加することに。他にも、それぞれの思いを抱えた〈チーム武智〉の個性豊かなメンバーたち。彼らは、次々と立ちはだかる困難を乗り越え、プロジェクトを成功させることができるのか。元研究者の著者による、「科学」への思いにあふれたエンタメ長篇

感想・レビュー・書評

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  • いや~面白かった。
    3.11の反省から津波のリアルタイム警報システムの構築に取り組む、はみ出し者の寄せ集めチームの話です。
    こんなに面白いのに何故あまり話題にならないのかと思い、他の人のレビューを見ていたら「予定調和的」という表現が有りました。まあ、確かにそんなところもあります。登場人物のキャラは有川浩っぽいし、ボスとはみ出し者の戦いは池井戸さん的かな。でも私にはそれらは欠点よりも長所のように思えるのです。
    ちなみに『月まで3キロ』で話題になった伊与原さん、地震なども取り扱う地球惑星物理学で東大大学院を出たガチガチの理系さんです。しかも小難しい科学を判りやすく説明することが非常にうまい方です。

  • 地震学の大きな敗北、と言われた東日本大震災から三年。
    様々なジャンルの地震のプロ達が集まり、究極の津波予測に挑む物語。
    個性的で世間の常識からはみ出した地震研究者の彼らは、それぞれの知識を武器に自然科学に立ち向かう。
    震災後文学は色々読んだきたけれど、こういった理系的手法は初めて。
    プロジェクトの仕組み等は専門的で理解はなかなか出来ないけれど、何より説得力がある。

    「地震予知は、すぐにどうにかなる話ではない。起きてしまった地震に対してできることも、ほとんどない。だが、津波は違う。地震が発生してから津波が襲ってくるまで、逃げる時間が十分ある。まずきちんと見張るべきなのは、津波だ」

    「我々科学研究者が問うべきは、人々がなぜ逃げなかったのか、ではない。なぜあの津波の姿を正しくつかめなかったのか、ということだ。科学の領分はまさにそこにある」

    「僕たちには今、やるべきことがある。津波から人々を守るために、やれることがあります。やれることがあったのに、それをやらなかったとなれば、我々はもう終わりです」

    この津波観測システムにはモデルが存在するという。
    より正確なシステムが早く完成されることを祈りたい。
    各々の得意分野を駆使したプロ集団のプロ意識と心意気に、読んでいる私もアツくなった。

  • 初 伊与原新 作品。

    東日本大震災で発生した津波。正確な津波情報を研究するアウトロー集団の奮闘記。

    東日本大震災の発生前後、余震・前震と呼ばれる地震が多数発生している。これは、結果的に3/11に最大の地震が発生したから余震になったに過ぎない。それぞれの地震が発生した段階では、どれが”本震”か特定することは誰が断言できたのでしょうか?

    そして、津波もしかり。私たちは、地震予知は時間がかかるにしても津波予測は明確だと、信じていた。誰も観測していなかったとは。そして、これが、災害大国である日本の現実である。
    きっと、現在のCOVID-19にしても、線状降水帯による大雨にしても、東日本大震災にしても、すべて、”想定外”で片づけられてしまうのであろう。あるいは、”未曾有”として。

    やっぱり、やりたいことをやるには、偉くならなきゃ難しいかぁ。最後の決断は、会長がまだ研究者だったからかもしれない。もし、政治家とか官僚ならば、結論は違っていたに違いない。

    フィクションのため、どこまで技術が進んでいるのかは不明ですが、類似の開発が進行中とのことで、今後、”想定外”の被害となる前に設営されることを心から祈る。
    次の津波による犠牲者が出る前に。

  • SFだと思う。
    震災といえば東日本大震災なんだと再認識。
    地震、津波を扱った物語。
    最初、表紙の人物が誰が誰だか分からなかった、主人公若いんだな、あと武智さんも若い。
    ホリエモンがモデルの人物は良い人そう。

  • 青が好きってだけで手に取った。
    ドラマ化したいキャラ立◎

  • この読み心地の良さ。
    展開としては王道っていうのでしょうかね、でも爽快です。

    また、過去に読んだ2作品と同様ですが、科学技術に関する専門的なことやその世界のことなどが無理なく適度にストーリーに溶け込んでいてよいです。決して簡単じゃない内容のはずなんだけど、とても読みやすくて、イメージしながら読めます(読めた気になれます、かな?(笑))。

    さ、次はどれを読もうかな。

  • 地震ではなく、津波の予測ならできるのでは、ということから始まったプロジェクトだが、課題は山積しており……。科学という方向からのアプローチだけど、実際にそれを「やる」となったらいろいろな協力が必要なんだなー。面白かった。

  • 理系大学院出の自分には結構面白かった。
    展開的には予想よりも盛り上がりに欠けたけれど、読んで良かったと思うだけのものはありました。やっぱり伊与原さんの作品は好きですね。

  • 何かを開発しようとする人たちってエネルギッシュでいいな。ちょっとしたヒントで物事が大きく動くときがくるのだろう。
    人との繋がりも必要。刺激が多いほど、自分の目指すものに早く近づけそうな気がする。

  • 津波予知に挑むお話。
    装置の仕組みとかは想像しきれず、その辺りふわっと読んでしまいました。その分人間ドラマがぐっときました。
    津波について備えるということを、国や研究者や自治体だけの課題ではなく、皆のものにしたいっていう考え、本当にその通りだなぁと思います。
    津波だけじゃなく何か災害に遭った時、誰かに逃げろって言われなくても逃げる事ができるだろうかと自問しました。
    「だって誰も逃げろなんて言わなかったじゃないか」と後悔する事のないように。

    瀬島さんはワールドトリガーの冬島さんのイメージ。

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著者プロフィール

著者紹介
1972)年大阪生まれ。神戸大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科で地球惑星科学を専攻。博士課程修了後、大学勤務を経て、2010年『お台場アイランドベイビー』で横溝正史ミステリ大賞を受賞。2019年『月まで三キロ』で新田次郎賞を受賞した。著書に『磁極反転の日』『蝶が舞ったら謎のち晴れ――気象予報士・蝶子の推理――』『博物館のファントム 箕作教授の事件簿』『ブルーネス』『ルカの方舟』『梟のシエスタ』など。

「2020年 『コンタミ 科学汚染』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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