陰陽師 玉兎ノ巻

  • 文藝春秋 (2016年9月13日発売)
3.87
  • (21)
  • (40)
  • (28)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 326
感想 : 39
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784163905181

作品紹介・あらすじ

祝・「陰陽師」シリーズ30周年!



連載開始から30年目を迎えた、大人気の『陰陽師』シリーズ。

今回も、稀代の陰陽師・安倍晴明と心優しき笛の名手・源博雅が活躍するほか、

酒をこよなく愛する法師陰陽師・蘆屋道満や盲目の琵琶法師・蝉丸も登場。



月の蝕が起こる夜、奇異なる兎が晴明を呼ぶ――

二本足で立ち、人の言葉を話す兎が探していたものとは。

今宵も晴明と博雅が、平安の都の怪異に挑む。

みんなの感想まとめ

物語は、平安の都を舞台に、陰陽師・安倍晴明と笛の名手・源博雅が織り成す短編の数々を通じて、月にまつわる神秘的なテーマを探求しています。シリーズ30周年を迎えたこの作品は、文章の無駄が削ぎ落とされ、円熟...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 陰陽師30周年だそうで、私が読み始めてから1-2年だと思うのですが、今回もほろほろしみじみ良い作品が集まっています。年を重ねるごとに文章の無駄が削ぎ落とされて、かつ円熟味を増した味わいが素晴らしい。

    これも呪のなせるわざかな?

    いつもながら短編がとても良いと思います。
    今回は「月」にまつわるお話が多かった。その中でも「嫦娥の瓶」と「道満月下に独酌す」が個人的に好きです。

    オススメ♪

  • シリーズ第十五弾。

    ・邪蛇狂ひ
    ・嫦娥の瓶
    ・道満月下に独酌す
    ・輪潜り観音
    ・魃の雨
    ・月盗人
    ・木犀月
    ・水化粧
    ・鬼瓢箪

    今回は表紙にもあるように月に関する話が多かった。

    印象的だったのは道満の過去の一辺が語られる「道満月下に独酌す」と、怖くて哀しい「輪潜り観音」。

    「あと、百年、千年、この苦しみが続くこともあるやもしれぬと?」
    「はい」
    「おおおう……」
    女は哭いた。
    「耐えられぬ。耐えられるわけがない。頼む、晴明とやら、この我を救うてくれ……」
    「それが、できませぬ……」
    「できぬだと……」
    (中略)
    「何故できぬ、晴明。どうして、このお方を救うてやることができぬのじゃ」
    博雅の両眼から、涙が溢れてこぼれた。
    「おう、おう、そなたよ、この我のために泣いてくれるのか。この我のために、涙をこぼしてくれるのか……」
    女は言った。
    女は、泣きながら、微笑したようであった。
    とーー
    すうっと、女の姿が薄くなり、そしてーー
    ふっ、
    と、女の姿が消えた。

    妄執の怨念によって悪鬼に変じてしまった哀しい女を救うことができたのは、天才陰陽師晴明の術ではなく、博雅の優しい涙であった。という話。

    わかってもらえるってそれだけで嬉しいよなーってことだね。

    • みんみんさん
      これ全部変換できるんだよね(꒪⌓︎꒪)
      これ全部変換できるんだよね(꒪⌓︎꒪)
      2024/10/02
    • 土瓶さん
      どうかな~。
      「邪蛇狂ひ」の邪蛇(じゃじゃ)なんかは出ない。造語かな。
      あとはだいたい出ると思うけど。
      どうかな~。
      「邪蛇狂ひ」の邪蛇(じゃじゃ)なんかは出ない。造語かな。
      あとはだいたい出ると思うけど。
      2024/10/02
    • 1Q84O1さん
      ふりがな付けてくれても土瓶師匠の解説が無ければ何のことかさっぱりでした…(ーー;)
      ふりがな付けてくれても土瓶師匠の解説が無ければ何のことかさっぱりでした…(ーー;)
      2024/10/02
  • 今作は主に月がテーマだったのかな
    『道満月下に独酌す』の道満が涙を目に溜めるようなシーンで「ほろほろとこぼれてくる月の光の中に、...」って言葉があって情景と道満がリンクしてて素敵だと思った
    夢枕獏は作詞もして本当に言葉を紡ぐのが上手だと思う

  • 蘆屋道満の人間味が出た巻。
    中国の神仙が登場する話が多いのも特徴的。

  • このシリーズを読むと、なんだか心がしみじみとしてきてしまうのだよ(*´-`)(博雅風)今回は道満も蝉丸も登場して満足♪ずっと読み続けていきたいシリーズ!

  • 晴明と博雅のお互いの距離感だったり、晴明の家の庭の風景だったり、すべてがいつもどおりでゆるりとしていて風情があり、読んでいて心地よかった。
    このシリーズを読むのは、秋の夜が一番ふさわしいように思う。
    芦屋道満に、こんな素敵な話があったとは、またこんなかわいらしい一面があったとはと驚かされた1冊でした。

  • づいぶんと久しぶりの陰陽師の様な気がする。 そしてこれまた久しぶりの本格的陰陽師の様相である。 怨霊や怪がはっきりと登場する。 清明もそれらと明確にタタカウ。 やれ嬉し。 これぞ陰陽師なり! しかと料簡した。

    そして舞台わ全て京の都なり。 わが住まい近江国より程近し。 でわまた京へ登ってみようか。みるか。そういうことになった。m(_~_)m(すまぬw)

  • シリーズ最新作。
    このシリーズは、大体1年に1冊ペースで新刊が出るのをずっと楽しみにしている。
    今年の新作は神話や伝説をモチーフにしている短編が印象的だった。

    『あとがき』によると、もう30年続いてるそうで吃驚した。そうか……そんなに長いのか……。そりゃあ歳をとる筈だ……。

  • 【「酒うまければ、それでよしということか――」】木犀の香が漂う夜、晴明と博雅、蝉丸が酒を飲んでいると天から斧が降ってきて――陰陽師安倍晴明の活躍を描く人気シリーズ第15弾。

  • ちょっと軽すぎたかな。

  • 全9編。道満から仕事を押し付けられるのも久しぶりかも。 また「鬼」の話も久しく出てなかったのでは。しかし、行方が分からないではなく、どうなったのかもわからない結末は、どうなのだろう。

  • 2018.3時点での陰陽師最新刊。驚くことに30周年とのこと。
    シリーズ本で追い続け、全て読了しているのも陰陽師シリーズぐらいである。

    本書ではシリーズを通して、飄々と掴みどころのない蘆屋道満の人間味が垣間見える。

    「道満月下に独酌す」
    「すまぬな。早くおまえのもとに行ってやりたいのだが、この命、なかなか尽きぬ」
    「いつ死んでもよい身じゃが、多少、この世にもまだおもしろみが残っているということじゃ」
    「このおれにも、たまに、酒を飲む相手がいるということじゃ……」

    無駄のない台詞の中に、道満の人間性が表れている。
    実に味わい深い台詞ではないか。

  • 忙しくて読めなかったが念願叶いやっと読めた。
    やはり面白い。
    すぐに読み終わるのがもったいなくて、一字一句ゆっくり読んだ。

    通常、この陰陽師シリーズは常々マンネリだと言われ続けてきた。
    本作も王道のマンネリで、またそれがたまらない味を出している。

    しかし、本書は晴明と博雅が
     「いつまでも、夏であるというわけにもゆくまいよ。おれたちもなあ…」
     「そうだな」
    などと人生黄昏の会話をしていた。
    また、蘆屋道満の悲しい過去をそれとなく書いていた。今後さらに詳しく書く前フリかも知れない。

    それらから夢枕獏はそろそろ陰陽師シリーズのエンディングを考えているのではないかと感じた。
    寂しいことだがそれも諸行無常でやむを得ないと思う。
    あと何冊出版されるのか、不安に思いつつ楽しみにしたい。

  • ややネタ切れ感もあるけど、空気感というかシリーズの良い雰囲気は楽しめます。神様や仙人とか普通に出てくるのもだんだん違和感なくなってきたよ。

  • 題材に難しい印象があったが、読みやすかった。
    陰陽師に興味がわいた。

  • 陰陽師シリーズ。短編9作。

    のっけから怖いお話で始まったけど、あとはほのぼのとしたお話だったり、哀しいお話だったり。今回もいろいろ素敵なお話が詰め込まれていて、一作、一作、丁寧に読ませてもらいました。中でも、晴明と博雅の「呪」のやり取りが大好き。毎回出てくるけど、その度に何て素敵な会話なんだとキュンとした気持ちになる。ずっと読み続けていきたいシリーズ。

  • 芦屋道満の親近感が増した。
    そしていつも美味しそうに酒を呑んでいる二人・・・日本酒久しぶりに飲みたくなって購入。
    養老酒造の「櫂」。冷で呑みたい!
    でも晴明や博雅みたいに一緒に呑んでくれる相手がいないのが哀しいです。

  • 1話ずつ、大切に読みたい1冊。

    蝉丸のCD本も読んで(聞いて)みたい。

  • 獏さんは作家デビュー40年で、陰陽師を書き始めて30年経つそうです。そうなると…どこかで読んだ展開や書き方、登場人物だと思わされるけど、月刊誌で読んでいると「あれ?…読んだぞ!…いや違うか?」と思わされるよね・良いけど~「邪蛇狂ひ」渡辺元綱は家人を4人殺し大蛇に取り憑かれた。「嫦娥の瓶」藤原兼道が捕らえた兎は蝕の月から降りてきた。「道満月下に独酌す」。「輪潜り観音」西の京に住む女は隣の敗れ寺の観音が夢枕に立つようになり幸せになるための首輪を渡され危うく首を吊る所だった。「魃の雨」猟師の叫麻呂が4尺ばかりの目のない女の姿をした化け物を捕らえたら日照りになった。「月盗人」西の京で通う男もいなくなった女の家で行き倒れた男を救う手は神泉苑で三回続けて満月の雫を集めて飲ますことだったのに女が神泉苑に入ると雲がかかって邪魔をするのは二人の女が男を手放したくなかったからだ。「木犀月」博雅と蝉丸が笛と琵琶を合わせていて庭に落ちてきた斧の持ち主は呉剛だった。「水化粧」若い女に取り憑いた鬼女は通ってくる男が捨てた女で絵師・百済川成が使っていた白狐の筆を使い水に映った顔を弄ると好きな顔に慣れるのだった。「鬼瓢箪」唐から来た暾炳が連れてきた由三格塞呀は髪を白くし瞼の裏に土を詰め腹から虫が出てくる~「ゆこう」「ゆこう」そういうことになったのであった。は健在

全35件中 1 - 20件を表示

著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夢枕獏の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×