ゼロデイ 米中露サイバー戦争が世界を破壊する

  • 文藝春秋 (2017年2月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163905211

作品紹介・あらすじ

今年、アメリカ大統領にドナルド・トランプ氏が就任しました。昨年の選挙戦に大きな影響を与えたのが民主党全国委員会などがハッキングされメールが流出した事件です。民主党内の混乱、不和が露わになり、トランプ氏有利に働きました。このハッキングを行ったのはロシアだと考えられています。自らに近いトランプ氏に利するよう、メールを流出させたのです。インターネットが普及し、サイバー空間が「仮想空間」から「現実」へと変わった現在、ハッキングなどのサイバー攻撃は国の運命すら左右することができます。

また、こうした情報戦だけでなく、ウィルスなどを通じて原子力発電所、電車、石油パイプライン、ダムなどのインフラを物理的に破壊するサイバー攻撃も可能です。2009年、アメリカとイスラエルはイランの核燃料施設を「スタックスネット」と呼ばれるマルウェアを通じて破壊しました。インフラを狙ったサイバー攻撃、「見えない戦争」は世界各地で既に行われています。今や、戦争をするのに爆撃機を飛ばす必要はありません。

サイバー攻撃はいかにして進化してきたのか? 本書ではサイバー空間が初めて国家間の争いの舞台になった1986年の「カッコーズ・エッグ」、ロシア、中国がアメリカを攻撃した90年代の「ムーンライト・メイズ」や「タイタン・レイン」 、エドワード・スノーデンによって暴露されたNSA(米国家安全保障局)による世界規模の監視網、不気味な動きを見せる北朝鮮やイラクなど、サイバー攻撃の歴史を紐解きながら今、世界で何が起こっているのかを解説します。ある専門家は、今のサイバー空間は第一次世界大戦前のヨーロッパを彷彿とさせると言っています。これらの動きは日本に住むわれわれにとっても他人事ではありません。日本もすでにサイバー戦争に巻き込まれているのです。来たるべき大きな混乱の時代を生き抜くために必読の一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 米国や中国のサイバー戦争や世界中で発生しているハッキングの手口などを赤裸々に語っている。相当詳しくないとこの本は書けないだろう。イランの核開発をマルウェアをUSBメモリーに忍ばせてシステム破壊した内容など驚きの内容もあり、楽しく読めた。

  • 【インフラの制御システムを完璧に守るためには、スタックスネットの正体を暴いたドイツ人のラルフ・ラングナーの言葉を借りれば、「内部システムをアナログに回帰させるしか対処法はない」のである】(文中より引用)

    もはや犯罪の領域を超え、今や新たな戦闘領域へと化しているサイバー空間。近年に起こった複数の事件を解説しながら、サイバー戦争の脅威について警鐘を鳴らす作品です。著者は、国際報道に携わる中でサイバー分野に興味を抱いたという山田敏弘。

    近年の国際政治を理解する上で間違いなく有益となる一冊。日々のニュースで見ている以上にサイバー空間を舞台にした鍔迫り合いが「先を行った」ものであることがよくわかるかと思います。サイバー戦争に関する著作は数多くありますが、最初の一冊として取りあえずオススメしたくなる作品です。

    十年ひと昔どころか一年ひと昔の分野だなぁと☆5つ

  • これから起こるであろうサイバー戦争。
    サイバー戦の歴史、個人の犯罪から国の諜報戦、
    小さな火種から大きな火種へ、
    その歴史を振り返りながらサイバー戦術の重要性を説いて行く。
    読み終わって最後に胸に去来するのは、
    住んでいる国の将来へのぼんやりとした不安。

  • いまそこにあるセキュリティ危機の観点からも、フィクション部分の読み物としても興味深い内容。インターポールのセキュリティ担当のエースに日本人がいるとは知りませんでした。

  • サイバー空間における国家間の争いが激化していることを知った。

  • ソフトウェアのセキュリティ上の欠陥で一般に知られてないものをゼロディ脆弱性と呼び、これを利用したサイバー攻撃は防げないため、「ゼロディ」は高値で取引されている。
    この「ゼロディ」をタイトルとした本書はサイバー空間で繰り広げれれている「戦争」を白日のもとに晒したとても興味深い内容です。
    拾ったUSBデバイスをPCに差し込むなどは論外、PCやネットワークそしてIoTの機材などは製造元の確認も重要そうです。

  • 海老名図書館

  • サイバー空間での熾烈な戦いが現実のものとなってきている実態を克明に描写している.中国が自国のサイバー環境を厳しく管理していることは周知の事実だが,その実力を活用することでサイバー戦争を有利に仕向けることが容易であろう.アメリカはスノーデンが暴露したようにこれからも各国の情報を収集するだろう.「ゼロデイ脆弱性」を商品として扱う感覚はこの時代では当然なんだろうが,少し違和感を持つ.意外に能天気な我が国は対策は十分なのか,少し心配だ.

  • まー読みやすいです。専門的なことは
    書いてありません。主に軍事的な観点の記載。新書っぽい。

  • サイバー戦争やサイバー攻撃について国レベルのマクロ視点で一通り描かれている。
    先進的なアメリカ、イスラエルの破壊的サイバー攻撃スタックスネットの全貌や、第三の勢力、北朝鮮、イランのならず者国家の動き。エドワードスノーデンの暴露からアメリカ大統領選のロシアの動きとトランプ爆誕について。その中でもタメになったのは我が国日本の最弱っぷり。サイバー攻撃が憲法9条に引っかかり武力行使できない解釈は新しい考えだった。

    全体的には知ってることがほとんどだったのと、歴史ディテールが細かすぎて読んでいて眠くなった。
    眠気に勝って一読したい本ではあった。

  • サイバー戦争に関する最新のレポ。
    イラン核施設へのサイバー攻撃は、以前にも読んだことがあったが、リアリティある描写に改めて驚愕した。この事件は2009年のことであり、8年経過した現在ではどこまで攻撃力が進化していることか。
    本書の題名にもなっているが、一般に知られていないソフトのセキュリティ上の欠陥を「ゼロデイ脆弱性」というらしい。アメリカなどはこれを売買・収集しているというから、恐ろしい。

  • イラク攻撃のときに、イラク国内へのサイバー攻撃も考慮されたが、イラクの金融機関はフランスと密接なつながりがあって下手するとフランス金融機関にも影響がでかねなかったので、やめられた。

  • コンピューターウィルスやハッキングなどの単語から多くの人が連想するのは、企業や政府機関のサーバーから情報を盗んだり、現金を不正に送金したりという犯罪ではないでしょうか。ところが、もはや攻撃対象となっているのは交通信号の制御や、航空管制、送電網などのインフラを担うシステムであり、これらに潜入してインフラを混乱させ、さらには深刻な事故を発生させてしまうことまで可能となっていると著者は警告してます。
    事実2009年にはアメリカ、イスラエルが主導してイランのウラン濃縮施設の制御システムに潜入し、実際に遠心分離機の一部を誤動作させて破壊する事例が発生しています。
    ますますネットに依存する方向に進む私たちの日常に対し、本書に登場するセキュリティー専門家の次の言葉は印象的です。「IOT(モノのインターネット)という概念まで登場しているが、セキュリティーという見地からは非常に馬鹿げている。デジタルであることのリスクを認識し、インフラのせめて核心部はリレーなどのアナログにしておくこと必要な時代になっている」
    サイバー空間で繰り広げられている国家間の激しい争いの歴史と現状を非常に分かりやすくまとめた1冊だと感じました。「こんなSFみたいな事が既に行われているのか!」と驚かされます。

  • サイバー戦争がどんなものかを一般の人向けに書いた本。一般の人には十分過ぎるほどの情報量。

    「来たるべき大きな混乱の時代を生き抜くために必読の一冊です。」と謳うなら恐怖を煽るだけでいいのか?
    この本読んでも生き抜けないと思う。

    恐怖を煽るという目的には関係ないのだが,細かな間違いがかなり多い。技術の本質を理解していないからだろうと思われる。

  • [memo]
    ・NSA内のTAO(Tailored Access Operations)、TAO内のROC(Remote Operations Center、“ロック”)
    ・NSA内のANT(Advanced Network Technology、サイバー兵器開発部門)、NSA ANT catalog
    ・イスラエルの8200部隊(Unit 8200、≒米NSA)
    ・イギリスのGCHQ(政府通信本部 Government Communications Headquarters)
    ・中国の人民解放軍総参謀部第三部二局の六一三九八部隊
    ・北朝鮮の朝鮮人民軍偵察総局一二一局
    ・「エア・ギャップ」、アトリビューション(発信源)
    ・ナタンズ核燃料施設@イラン、オリンピック・ゲームス作戦→スタックスネット、ラルフ・ラングナー
    ・インターポールのIGCI(サイバー犯罪対策組織 INTERPOL Global Complex for Innovation)、福森大喜

  • 【いま、そこにある危機】サイバー攻撃によって大都市を機能不全に陥れる――これはもはやフィクションではない。国対国の静かなる熱戦の最前線を取材!

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著者プロフィール

山田 敏弘(やまだ としひろ)
岐阜大学教育学部国語教育講座教授。博士(文学・大阪大学)。国際交流基金派遣日本語教育専門家、富山国際大学講師、岐阜大学助教授を経て、2013年より現職。専門は、日本語学、岐阜方言研究。主著に、『日本語のベネファクティブ―「てやる」「てくれる」「てもらう」の文法―』(2004、明治書院)、『国語教師が知っておきたい日本語文法』(2004、くろしお出版)、『国語教師が知っておきたい日本語音声・音声言語』(2007、くろしお出版)、『国語を教える文法の底力』(2009、くろしお出版)、『日本語のしくみ』(2009、白水社)、『その一言が余計です。―日本語の「正しさ」を問う―』(2013、筑摩書房)、『あの歌詞は、なぜ心に残るのか―Jポップの日本語力―』(2014、祥伝社)、『日本語文法練習帳』(2015、くろしお出版)など多数。

「2020年 『国語を教えるときに役立つ基礎知識88』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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