十二人の死にたい子どもたち

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 263
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905419

作品紹介・あらすじ

廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫をあけると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にとり、「集いの場」へおもむく決まりだった。
初対面同士の子どもたちの目的は、みなで安楽死をすること。十二人が集まり、すんなり「実行」できるはずだった。しかし、「集いの場」に用意されていたベッドには、すでに一人の少年が横たわっていた――。
彼は一体誰なのか。自殺か、他殺か。このまま「実行」してもよいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、子どもたちは多数決を取る。不測の事態を前に、議論し、互いを観察し、状況から謎を推理していく。彼らが辿り着く結論は。そして、この集いの本当の目的は――。

性格も価値観も育った環境も違う十二人がぶつけ合う、それぞれの死にたい理由。俊英・冲方丁が描く、思春期の煌めきと切なさが詰まった傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 安楽死をするために集いに集まった12人の子。集まった場所に、すでに横たわっている子がいたことから、話し合いが始まる。それぞれの思惑の中、推理とともに、各自の理由も明らかになっていく。
    節の変わり目で、視点となる子が変わり、その内面が語られたり、他の子への見方も視点が変えられ、おかしな点を気づかせてくれたりする。それぞれがどういった意図や背景でそう考えるのかという点も類推していくのはおもしろい。なので、自分的には、すでに横たわっていた子=ゼロ番を連れてきたのが誰かという推理視点より、それぞれの心象を描いていく話という視点で読み進めた。
    各自の心境はうまく配置されていて、話はわかるけど、それほどではないとか、誤解に基づくとか、理解し難いとか、それぞれのパターンがある。繰り返される話し合いの中で、それぞれ心情が変わって行く感じがあるが、そこは心情ではなく、主に行為や他の人へのセリフだったりしていると思う。
    なぜ横たわっていたかという謎解きは、時間軸なども絡み、ちょっと理解がおいつかないところがあったが、それは説明不足ではなく、自分の理解力でしょう。
    オチのあたりの心情はもう少し詳しくてもいいかなと思った。オチに向かっていく雰囲気はよく出ているのですが。
    全体としてどう展開していくか興味を持って読んでいくことができて、よかったです。

  • 作者自身がテレビで語っていたように、物語の最後に希望があった(そのコメントが無ければ、手に取ってなかった)

    物語が限定された空間で繰り広げられてるので、物凄い閉塞感。途中まで読んで眠ると、毎度悪夢を見てしまい困るほど。
    ある出来事の検証の為に瞬間的に外に出たり屋上に出たりする度に、私もメンバーと一緒に新鮮な空気を吸い込んでいる気分だった。その分、ラストの開放感、爽快感が際立つ。そして読後はグッスリ寝られた。
    予想以上に物語に併せて追体験してしまった、、それだけ私には影響力が強かった。

    集いに集まったメンバーひとりひとりが、これまで自分の本当の気持ちをぶつける場が無く、まさに自分自身の心の中、という閉塞的な空間でグルグル思考し続けた結果が自殺。こころが痛い。

    ただ皮肉にも、最期の場で、集いに参加した個々の理由を聴いてる内に、それこそひとりひとりの心が動いていくのは本当に面白い。最初はお互いの理由は否定しない、尊重すべき、というより、理由はどうでもいいから早く実行したい、という意見が大半だった。ただ、ひとは話を聴くとどうしても自分の意見を言いたくなるもの。自分の理由こそ正当性が高い、と思ってるからだろう。自分と相容れない理由の人と一緒に"実行"したくない、なんて考えてしまうのもわからなくない。

    でもそういった、対立、衝突をも含んだ、心を交わす場こそ大切なのでは。相手の意見を尊重する、否定しちゃダメ、というアサーティブな姿勢より、まず議論の場を作る、議論を続けることが大切なのでは、と思えた。
    だってこの話では、それでみんなのこころが動いてるから。

    ネットのほうが自由に意見が言えるようで、受け取る側の理解が表層的だったり、意図しないポイントで非難されたりと、閉塞感あるんじゃないかな。この集いに参加したメンバーの年代考えると、ネットが普及して交際範囲が増えてるようで、生の付き合いしにくくなってるのかと少し切なくなる。

    自分の気持ちが受け入れられなくてもいい、批判されてもいい、吐きだす場が無いことが、人にとって一番辛いことなのかもしれない。

    最後、シンジロウを心の頼りに、みんなが帰っていくのを見て、心が温かくなった。そして、管理人サトシとアンリの会話が心に残る。サトシも絶対に"実行したくない"訳でもないのがミソ。アンリの対決宣言、でもいいよね。議論し尽くすことに意味がある。自分の考えを見直す大切な時間。
    自殺はダメ、与えられた命を自から投げ出すのはダメ、なんてモラルを言われても、死に取り憑かれた人には響かないだろうから。

    人と話すこと、わかってもらえなくてもそういう場があること、それがどんなに大切か、深く理解できた気がする一冊だった。
    理解できなくてもいい。非難しても否定してもいい。無関心が一番の罪だ。

  • 正直に、私の読書感で言えば、「退屈」です。

    久しぶりの「冲方丁」作品。
    死に向かっていく12人の子供達の話。だろうと思って手に取りました。
    謎と呼べる謎なのか?謎のための謎なのか?
    ミステリーってカテゴリには入らない感じ。
    最後に救われますが、物語は退屈でした。

  • 怖い系の内容を予想して読んだけど、実際は生きることをさりげなく示唆してくるような内容だったと感じた。
    救われない系かと思いきやめちゃめちゃ救われる。
    ハラハラ感はあんまりないけどひとりひとり死にたい理由は違って、そのそれぞれの心情が描かれていて、たくさんの人生に触れたような気になる。
    謎解きは面白い。

  • 話の流れ、キャラは良かったし続きが気になってどんどん読んで行ったけど、真相のゼロ番がどんな風に運ばれて行ったかとか文章での説明がわかりにくくて読み飛ばしてしまった。。

  • タイトルに惹かれて購入。
    “死”に向かうというゴールがありながらも話し合いの中で“生”を感じさせられるのが何とも不思議な感覚だった。

  • それなりに楽しめたけど、謎自体がどうでもいいというか、謎のための謎であり、パズルめいた面白さ以上のものは僕には感じにくかった。

  • 2016年下半期直木賞候補作品(読了時)
    廃院した病院に集まってきた十二人の子どもたち。彼らの目的は、「集いの場」で集団自殺すること。ところが用意されたベッドの1つに、既に子どもが横たわっていた。彼は他殺と考えられる。自分たちはこのまま自殺をするべきか、犯人を捜すべきか?子どもたちは議論を続けるが、果たして結論は・・・
    犯人探しをしながら互いの胸のうちや生活環境などが明らかになる。自ら死を選ぶ理由はそれぞれだが、そこにどこまで他人が介入できるのか?ミステリーとなっているものの安楽死など、生命の倫理観を問いかける作品。

  • う〰ん そもそも何でそんなに話し合うのかがわからない

  • ううーん、読みづらかった。
    12人の死にたい子ども達が集まったら13人目が眠っていた・・・そこで話し合いがもたれるのだけど、12人のキャラに魅力も感じられないし、途中かなり読み飛ばしてしまった。

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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