十二人の死にたい子どもたち

著者 :
  • 文藝春秋
3.26
  • (42)
  • (172)
  • (260)
  • (71)
  • (20)
本棚登録 : 1530
レビュー : 259
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905419

作品紹介・あらすじ

廃業した病院にやってくる、十二人の子どもたち。建物に入り、金庫をあけると、中には1から12までの数字が並べられている。この場へ集う十二人は、一人ずつこの数字を手にとり、「集いの場」へおもむく決まりだった。
初対面同士の子どもたちの目的は、みなで安楽死をすること。十二人が集まり、すんなり「実行」できるはずだった。しかし、「集いの場」に用意されていたベッドには、すでに一人の少年が横たわっていた――。
彼は一体誰なのか。自殺か、他殺か。このまま「実行」してもよいのか。この集いの原則「全員一致」にのっとり、子どもたちは多数決を取る。不測の事態を前に、議論し、互いを観察し、状況から謎を推理していく。彼らが辿り着く結論は。そして、この集いの本当の目的は――。

性格も価値観も育った環境も違う十二人がぶつけ合う、それぞれの死にたい理由。俊英・冲方丁が描く、思春期の煌めきと切なさが詰まった傑作。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 頑張って読み終わった、という感想。
    冒頭はサスペンスみたいで気味が悪く、子供たちが殺しあうホラー系か…?とかまえたけど、全然違った。

    自殺したがっている子供たち12人が病院の廃墟に集まるが、13人目の子供の存在によって雰囲気が変わっていく。

    登場人物が多い分会話量も多く、いらない描写も結構あって、読むのに疲れてきた中盤から飛ばし飛ばし拾い読みした。
    登場人物が中・高生だからか感情移入もできず、とにかく謎をはっきりさせたいためだけに頑張って読んだ。

    途中で気づいた通り(タイトルでなんとなくわかっちゃう)自殺計画は中止され、みんな晴れ晴れとした表情で会場を後にした。

    読んでよかった!とは思わなかったけど、読後感は不思議と爽やかだった。

  • 謎のゼロ番、それをめぐり推理。牽引力があり、一気に読んでしまった。「12人の怒れる男」のように賛否が逆転するという流れは予想したが、期待以上のしめ方であった。意外な終わり方。

  • この本が言いたいことを言うと、ネタバレになりそうなのであえて書きません。
    ただ、まだ人生の半分も、4分の1も生きていないのに、みんな色々なことを考えていて、疲れちゃうよね……。

  • 病院のセキュリティーがザルだったり、ひょいひょいと食べ物を買えるのは現実味がなかった。
    こういう自殺サークルもので、最後は死なないのかな、と思ったけど予想通りだった。
    最初はミステリー風だが、登場人物のキャラがごちゃごちゃしてわかりづらいし、同じことを延々と議論していて面白くない。
    毒親だったり、知的に足りない子など、それぞれが抱える問題だけはリアルな感じがした。
    結局、何も解決していないのは酷いなと思った。
    保険金がかけられている男の子はどうするんだろう?
    反出生主義の女の子だけ異様でなんだか恐ろしかった。

  • 死にたいと思った彼らが集まった時
    誰もが持ってる悩みが他の人にはそんなもんかって思ってしまうことから彼らの気持ちが変わっていく

    悩んでいるとどうしても自分の世界でしか物事を見ないことが誰かに話すことでその世界は何倍にも広がり違った角度から物事が考え方られる

    それだけで人は人生が180度も変わる

  • 「第一章 十二人の集い」
    サイトを通じて集まった者たち。
    各々死にたい理由はあるだろうが、それを実行に移すとなるとどれだけ本気で実行する気があるのか等確かめるのは当たり前の事だろうな。
    最年少にしてサイトの管理人の彼はとてもしっかりしている様で、何処か抜けている様な印象もある様な気がして油断ならない存在に思えるな。

    「第二章 投票」
    一人の死によって割れる票数。
    自分たちも自死するから関係ないと思えばそれまでだが、この中に犯人が居て皆の死後勝手な事をしないとは限らないから検証は必要だろうな。
    小さい事だらけかもしれないが、一人一人が何かしらを目撃や音を聞いた等犯人と思われる人物と居合わせていた可能性はとても高そうだな。

    「第三章 テスト」
    嘘吐きは誰なのか暴くには。
    自分が犯人だと言い残し消えた彼を疑うのが一番なのは分かるが、あのタイミングで消えたというのは少し不自然と思わないのだろうか。
    一番有力で大切な情報を持っているはずなのに共有しない彼女は一体何が目的なのか気になるが、ただ早く終わりを迎えたいだけなのかもしれないな。

    「第四章 告白」
    どうしても扉を早く閉じたい。
    何故彼女はあそこまで0番と疑わしき人を一人勝手に選び、周りを急かしてまで扉を閉めるよう促していたのか彼の登場により明らかになりそうだな。
    周りの自殺動機が明らかになるにつれて水を得た魚の様に活発になり始めた理由は、スケープゴートにしやすい人間が沢山居たからかもしれないな。

    「第五章 最後の時間」
    最終的に皆の口から出た答え。
    誰がこの集いを邪魔したでなく、十三人全員が全てを終わらせるつもりで集まっていたのに最終決議の結果がこうなったのは予想外だったな。
    一人で死ぬ勇気が無いからこそ仲間が居ればと集いに来るのだろうが、逆を言えばどこかしらで生きたい気持ちがあるからこそ来るのかもしれないな。

  • しばらく読書から遠ざかっていたわたしの、久々読書復帰1冊目。なかなかインパクトのあるタイトル。

    あとがきにもありましたが、途中で、12人の怒れる男、12人の優しい日本人を思い出し、なるほど!と思いました。死にたい子どもたちが、映画化されたのも納得。
    選ばれし12人が、それぞれの思惑を絡めて、意見を言い合ううちに状況が二転三転しつつも、ゴールに向かって一気に突き進むかんじは、歴代の12人ものと同様に、引き込まれました。

  • 誰が、っていうのはだいたい想像がつくんだけど、何をどうしてそうなった、っていうのは分からないまま、いつのまにか解決編になっていた…

    最初の、13人目どうする?っていうところで議論に持っていくのがちょっと強引かなあ、と。実際はそのまま実行しそうな気がする。

    12人それぞれの話はわりとあっさり。

    この子どもたちの、どちらかというと親世代に近いので。このくらいの年齢の子に、これを読んだ感想をきいてみたいと思う。
    ・こうやって集まったとして、すぐ実行する?それとも話がしたいと思う?
    ・話したら、考えは変わるだろうか?
    ・「死にたい」=「生まれなければよかった」だと思う?
    などなど…

    この後どうなるか気になるのはサトシかな。
    生かしたいと思っているのか、ただ闇を集めたくなっているのか。




  • なんだろう・・・この感覚は・・・と思ったらアレだ、『インシテミル』的な感覚なんだ

  • 死にたい、って思いつめた12人が集まる。
    誰にも話せない、閉じられた世界から踏み出すと、新答えが転がっている。死ぬ気で踏み出した結果で何かを拾う。ラストまでどこに向かうかわからない。

全259件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

十二人の死にたい子どもたちのその他の作品

冲方丁の作品

十二人の死にたい子どもたちを本棚に登録しているひと

ツイートする