十二人の死にたい子どもたち

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 259
  • Amazon.co.jp ・本 (404ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905419

感想・レビュー・書評

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  • 2016年下半期直木賞候補作品(読了時)
    廃院した病院に集まってきた十二人の子どもたち。彼らの目的は、「集いの場」で集団自殺すること。ところが用意されたベッドの1つに、既に子どもが横たわっていた。彼は他殺と考えられる。自分たちはこのまま自殺をするべきか、犯人を捜すべきか?子どもたちは議論を続けるが、果たして結論は・・・
    犯人探しをしながら互いの胸のうちや生活環境などが明らかになる。自ら死を選ぶ理由はそれぞれだが、そこにどこまで他人が介入できるのか?ミステリーとなっているものの安楽死など、生命の倫理観を問いかける作品。

  • 「死にたい」未成年12人が集まって、集団自殺(安楽死)しようとしていたはずなのに・・・

    最後は、青春小説のようにすがすがしい終わり方。

    登場人物それぞれの個性が話し方からも伝わってくる。
    この子はどんな子なんだろう?どんな環境で生きているんだろう?
    と興味を持ち、各々の「死にたい理由」が語られた時、登場人物たちのバックボーンを知ることになる。

    とても良く出来た本だと思いました。

  • 昔見た映画「12人の優しい日本人」を
    思い出してしまった。(展開が同じ)

    なるほど、死にたい子どもが集まって
    議論するときっとこういう結末になんだろうね。
    基本、人間生きていたいものだと信じたいし
    そういう力を持っていると思う。

  • 自分の心の中身、痛み苦しみは自分にしかわからない。他人から見て、そんなことで...と大袈裟に感じることが、当人にとっては死にたい理由になるほどのことでした。病院の廃墟、ゼロ番の少年、殺人...いつの間にか彼等は謎を解くこと、他の人の痛みを感じることを知ります。死ぬ為に集ってきた、それだけ。だけれど議論を重ねるうち、彼等は死ぬことではなく生きるということを考えるようになっていったのだと思います。少年少女の苦悩はこれで終わりでなく、この先も続くのでしょう。それでもあの日、その足が生きる道を歩いて行ったこと、忘れないのだと思います。

  • よくできた心理劇を見たような読後感。

  • 12人の…というと「怒れる」が思い出される~「集い」の地下多目的ルームに最初に入ったのは,陰鬱なイメージをした小さくなってしまったスーツを着た16歳のケンイチでイジメから逃れるために参加した。17才でハンチグ帽を被ったシンジロウは末期になる前に何とかしたいと考える癌患者だ。黒服のアンリは自由を求めてやって来たという。小柄なメイコは母を捨てた父への当て付けに自分に保険を掛けて参加し,会社が傾いていて保険金に手を出すだろう事が見えている。苛めている奴を階段から突き落として殺したノブオは坊主頭にメガネだが,メガネは放り出してしまいたい。安定薬を母親から飲まされ続けられどもっているタカヒロは安らかな眠りを求めている。15才でタバコを手放せないセイゴは母親に保険金を掛けられている。ゴシックのミツエはアイドルの後追いだ。帽子にマスクのリョウコはリコと言う名でテレビで活躍するアイドルをやめたい。頭の回転の遅い金髪のマイはディープキスをしたオッサンから移された不治の病がヘルペスだと告白して皆に呆れられるが,何で変な顔を向けられるか理解できない。小柄で誰とも目を合わせないユキは事故の後遺症に悩んでいた。サイト管理者で11人を選抜したサトシは,会場とした元病院の自殺した院長の息子で14才,3浪しても医大に合格できない兄を母が刺し,IT会社が使うために改装中の物件に入り込む術を知っているが,死に興味があるのだ。12人目のサトシが入ってきた時,サトシが寝るべきベットには既に人が静かに横たわり,シンジロウが調べても自殺ではなさそうだ。ケンイチが13人目のゼロ番を気にして,直ぐに実行しないで問題解決のために話し合うことを提案し,来た時刻・入館した時刻・番号をとった時刻を摺り合わせても嘘を吐いているのがいるなど新たな問題が出て来て,ゼロ番を運んだことを疑われたノブオが休憩後に姿を消し,協力者はアンリで梅毒中毒で生まれた彼女は不妊報酬制度を求めているのだった。そもそも車イスで連れてきた人物が別にいることに気がついていく…ユキは二人乗りしていた自転車で撥ねられて植物状態となった兄ユウキを連れてきて,それを見つけたアンリとノブオが2階から4階,ベッドで地下へ運んで一緒に旅立つ積もりだったのだ…~冲方丁さんは「天地明察」が良かった~「はなとゆめ」は憶えていない(あれあれ)。これは何だか結末が見えていて,どう着地させるかが焦点だった

  • 十二人の自殺を希望した子供たちが、ネットで募集され、集団自殺を試みるためある建物に集結した。最初に建物に集まる部分から描かれるが、その時点から、何か違和感のようなものが描かれ、12人が集まったとき、自殺するためのベッドには、すでに1人眠っていた。自殺を進めるため、話し合いが行われる。
    ミステリとなっていて、最後にすべて解決するようだが、細かくて、ついていけなかった。
    自殺は話し合う相手がいれば、しなくて済む。そういうメッセージが込められた本で、ミステリが重ねられている本です。

  • この本が言いたいことを言うと、ネタバレになりそうなのであえて書きません。
    ただ、まだ人生の半分も、4分の1も生きていないのに、みんな色々なことを考えていて、疲れちゃうよね……。

  • 読む前から、展開やラストが予想できた、その通りだったけど、
    今や、ネットで、どんな人々とも繋がれる社会になって、
    そのネットで繋がった人たちが一堂に会して直接コミュニケーションし合うと、そこでどんな化学反応が起きるのか〜、それを小説という形で見せてもらえたな〜〜と読直後に思いました。

  • タイトル的に怖そうなので、読むか迷っていたけど、怖い話じゃないと聞いて読み始めました。映画も観てみたいです。

著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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