17歳のうた

著者 :
  • 文藝春秋
3.32
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本棚登録 : 132
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905440

作品紹介・あらすじ

地方都市の17歳の女、5人。東京に好きな人を残し、舞妓としてはたらく彩葉。マグロ漁師の娘として生まれ、漁師の生き方に憧れる留子。伝説のレディース総長を姉に持ち、自らも一目置かれているマリエ。失踪した兄の代わりに、自分が家業を継ぎたい千夏。憧れの幼馴染みに勧誘され、ローカルアイドルになったみゆき。大人でも子どもでもない、17歳の彼女たちに、運命の波が押し寄せる。かつて17歳だったすべての女性に。あのころ感じた得体のしれない衝動を、鮮明に焼き付けた連作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • Owner of a Lonely Heart
     舞妓の道を選んだ彩葉。
    Hero
     マグロ漁師の娘、留子。
    We are the Champions
     姉がもともとレディース総長だった、マリエ。
    Changes
     神社を継ぎたい千夏。
    I Want You Back
     ご当地アイドルとして活動する、みゆき。

    17歳の女の子の話。
    それぞれ、方言丸出しで、それがまた良かったなー。
    どの子も自分の将来について考えてて
    それがまた良かった!!
    今の自分に満足してなくて、でも将来への変化にも
    戸惑いもありつつ、モラトリアムって感じー!!

    「17歳」ってなんか特別な年齢だよねー!!
    なんでそう思うのか分からないけど、
    雑誌もセブンティーンってあるくらいだし、
    なんかいいのよー笑

  • 別々の道へ進んで行った友達同士で久々に集結した時、その瞬間から、何かが違う気がした。何かが変わってしまった。
    今、私が抱えている苦しみをこの子達は知らない。今、皆が楽しい理由を私は知らない。
    もう二度と会うことはないかもの、またね。
    手紙の間隔は開いていって。ねぇ、友情って何だったのだろう。環境が変わるだけで壊れてしまうものがそうならば、私は、私は...。
    手を繋ぎ合ったあの時、確かな想いがその熱にあった。ねぇ、あれはいつ冷めてしまったの。
    離れるだけで冷めてしまう想いならば、私は、私は...。
    17歳。子供だった。若さって最強だった。
    そして、死にたかった。
    過去は誰も、本当の私を知らなかった。
    だから今会えば笑ってこう言う。楽しかったよね。若かったよね。
    それでいい。知られるつもりもないし、知るつもりもない。
    だって私達は、それぞれの過去を生き抜いて、大人になってきたのだから。
    あの頃よく聴いていた曲は、暗黒ソングであり、青春ソングだった。17歳のうた。

  • 冬休み9冊目
    同じ17歳として読まな!と思って読んだ。
    皆それぞれもがいてたけどあんまり共感できるシチュエーションじゃなくてそこまで感情移入できひんかった

  • 17歳の人生観。面白い。
    最後のアイドルのストーリーだけしっくり来なかったのが残念だが、自分の理解力の無さか。
    物語の順番を変えたら星5つだったかな。

  • 17歳、将来のことをたくさん考える時期の一つだと思う
    みんな強くて、ちょっとだけ勇気をもらった

  • 2020/9.16.
    坂井希久子さんだな〜〜〜〜という感じの本。坂井さんマニュアルみたいな。ショートショートで読みやすかった分「うん、面白かったな!」で終わっちゃった。面白かった。

  • まいこさんと神社の娘。よかった。

  • 京都の舞妓、青森の剣道女子、福岡のマイルドヤンキー、
    和歌山の神社の娘、山形のご当地アイドル…。
    まったく異なる環境で生きる5人の"17歳"の衝動を
    焼き付けた連作短編集。

  • 17歳ってこんなにしっかりしてたかな?って自分に重ねて読んでた。
    色々悩んだり思うこともあるけど、どこかみんなすごく前向きで読んでいて私もがんばろうって思えた。

  • 5編の短編を収録。物語はそれぞれ独立しているが
    17歳の少女が主人公、
    日本の地方都市を舞台としている、
    タイトル及びテーマがちょっと昔の洋楽からとっている、
    という共通項がある。

    かつて17歳だった大人が過去を振り返り、今をもう一度見つめて、明日もう1日頑張ってみようか!ってな風に活力を得る。そんな風に楽しむのが、この本のだいご味のように思えた。
    程度の差はあるものの、どの娘も逆境の中にあり、その逆境に諦念を抱きつつあるが、なんとかその殻を打ち破って一歩踏み出そうとする、そんな5編である。勇気をもらわずして、何が大人かっ!

    好みが分かれるところだが、舞子修行をする1話目と、王道ラブストーリーの巫女さんの話が好きだな。

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著者プロフィール

1977年、和歌山県生まれ。同志社女子大学学芸学部卒業。2008年、「虫のいどころ」(「男と女の腹の蟲」を改題)でオール讀物新人賞を受賞。17年、『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』(ハルキ文庫)で髙田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞。著書に、『小説 品川心中』(二見書房)、『花は散っても』(中央公論新社)、『愛と追憶の泥濘』(幻冬舎)、『雨の日は、一回休み』(PHP研究所)など。

「2023年 『セクシャル・ルールズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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