四月になれば彼女は

著者 :
  • 文藝春秋
3.20
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本棚登録 : 1956
レビュー : 186
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905532

作品紹介・あらすじ

音もなく空気が抜けるように、気づけば「恋」が人生から消えている。そんな時僕らはどうすべきか? 夢中でページをめくった。――新海誠(アニメーション監督)イノセントかつグロテスクで、ずっと愛を探している。川村元気そのもののような小説でした。――星野源(俳優・音楽家)4月、はじめて付き合った彼女から手紙が届いた。そのとき僕は結婚を決めていた。愛しているのかわからない人と――。天空の鏡・ウユニ塩湖にある塩のホテルで書かれたそれには、恋の瑞々しいはじまりとともに、二人が付き合っていた頃の記憶が綴られていた。ある事件をきっかけに別れてしまった彼女は、なぜ今になって手紙を書いてきたのか。時を同じくして、1年後に結婚をひかえている婚約者、彼女の妹、職場の同僚の恋模様にも、劇的な変化がおとずれる。愛している、愛されている。そのことを確認したいと切実に願う。けれどなぜ、恋も愛も、やがては過ぎ去っていってしまうのか――。失った恋に翻弄される12カ月がはじまる。胸をえぐられる、切なさが溢れだす『世界から猫が消えたなら』『億男』の著者、2年ぶりの最新刊あのときのわたしには、自分よりも大切な人がいた。それが、永遠に続くものだと信じていた。

感想・レビュー・書評

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  • 精神科医、藤代は同棲中の弥生との結婚を目前に控えていた。
    四月。
    藤代のもとに大学時代の恋人ハルから9年ぶりに突然手紙が届く。
    なぜ、ハルは手紙を送ってきたのか…
    弥生との関係は…

    なんだろうなぁ…
    いまいちストーリーにのめり込めない。

    227ページのフレーズだけが心に残った。

  • 「いま、そばにいる人のことを本当に愛してますか?」そう問われているようで、読み終わった後も胸の奥の方でざわざわとした何かが動いている。
    誰かと出会い、誰かを愛し、誰かと共に歩いていく。当たり前のように繰り返されてきた「人生」は実は不安定で壊れやすいモノだという事に、本当はだれもが気付いているのかもしれない。だから、それに気付かないふりをして毎日誰かのことを「愛している」と言い続けているのかも。
    藤代とハルの出会いは自然でこのままずっと一緒に生きていくことが極々自然のながれだと思えていたのに。2人の人生が離れて行ったのは、あるいみ2人それぞれの存在があまりにも自然だったからか。
    終わってしまった恋に決着がつけられないまま生きている多くの人にとって、心の小さなささくれを刺激するビターな一冊。
    久しぶりにサイモンとガーファンクルを聴いた。卒業もまた観直してみたい。

  • ヨーロッパの映画のような感情的にならず静かに物事は進んでいく。
    その中に愛という存在をみんな求めてるようで求めていず、個々に散らばっていってしまう感。
    誰を愛し何を求め、どうしたいのか。

    ハルとフジは一緒にいるべきだったと私は思う。

  • 人が人を愛するという刹那的で確かな、なのに、その後の不確かな不安さ。
    掴んだはずなのに、砂が手から溢れ落ちるような、ほろほろとした感覚に満たされる。

    不確かなままに人は生きて、そして死に直面することでまた、確かにカタチが縁取られるものがある。
    身体の生と死。
    心の生と死。

    この作品の中では、人と人が交わることが、まるで瞬間で、一点であるような印象を受ける。
    フジくんとハル。弥生。妹夫婦。フジくんの同僚と患者の少年。
    そしてまた、静かにズレていくことに、もがき苦しんでいるように思う。

    私たちは、ずっと、同じ線上にいられることなんて出来るのだろうか。
    静かにズレていることに気付きながらも、黙ってそれを見送っているような気がする。
    でもある時、それがどうにもならない程に離れてしまったことに気付いた時。

    その時に、自分が曲がる勇気を持つかどうかで、次の点が生まれるのだな、と思った。
    稚拙なレビューだが、ほんとうに些細な、その勇気を見ることが出来た。
    美しく書こうとするほど、切ないストーリーだった。

  • 綺麗なウユニ塩湖に佇む人。色素の薄い世界を移す本を見て、ああこの本はきっと読み終わる頃には感覚が研ぎ澄まされる様な、それでいて心を温めて浄化してくれるんだ、って勝手な期待をしたけど、裏切られた。

    冒頭は、ある女性からの手紙で始まる。
    その人物は主人公の以前お付き合いをしていた、文字通り愛していた女性からで、
    愛し合った”過去”に惹かれながらも、今を生きている現状報告、のような。好きかわからないけれど、その過去以上の心の動く時に出会えていない告白のような、手紙。

    “永遠に手に入らないものにしか
    永遠に恋はできない”

    それはそうなのかもしれないなって
    おもっちゃって嫌になる。

    永遠の本当の愛とか恋とか
    まあ形は多様であるのは前提として、
    それが何十年も1人の人を永遠に愛するものとされていて、結婚はその証であり覚悟で誓いなの。今の社会では。

    その反面、現実には誰しもそんなのないだろうってねえそんな風にみんなおもってるのかなって怖くなる本だった。

    素敵な恋がしたい、汚れのない映画のように憧れるような潔癖な愛が欲しい、
    みんな愛を欲しがるばかりで自分から与えようとはしない愛を貰うための優しさはいくらでも出る
    みたいな、そんな悟りみたいな、人間の本質を見せられてしまうような、なんだかああ世界ってそんな感じかなって、いやだなあってそうおもうはずなのにね


    でもやっぱり人は繋がりたくて、どこかで愛し合った瞬間が稀なものだからこそその瞬間に惹きつけられていつまでも執着して固執して、しまうものなんだろうなって
    思った。


    乱雑な文章だけど、、、

  • 切ない。そして、悲しい。でも、愛は日食みたいって、わかるかも。重なる瞬間は、本当に一瞬で、始まった瞬間がピーク。あとは離れていく一方。そうやって離れていく人間関係もたくさんあるけれど、稀に続く愛がある。絶妙なタイミングで、離れた距離を元に戻す。愛情を確認し合い、離れたと思えば追いかけてみる。それはものすごく億劫にも思えるけど、怠れば愛は終わる。この、切なさと悲しさは、現実にたくさんある。いま、大切な人をちゃんと見つめなくてはいけない。

  • 藤代モテすぎてない? とか、大島がハルを巻き込むとか何?って思うのですが。

    ハルの写真の世界観、「あの頃の私に会いたかった」という気持ち、
    弥生が失恋後猛勉強したりするところはわかるかもと思った。

  • フジくんとハルの恋愛小説。

    藤代と弥生の恋愛。


    結婚を前にした藤代のもとに大学時代の恋人からの手紙が届く。
    想い出と現在が織りなす恋愛小説。

  • あまり何も残らない。耳障りのいい恋愛話。

  • ここ10年くらいでヒットした恋愛映画のマッシュアップをベースに、いくつか気のきいたメッセージ、というか人生訓を織り込んだ作品、という印象。とても器用な人なんだなと思う。大沢たかお主演で映画化したらよろしい。

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著者プロフィール

1979年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒。2010年、米The Hollywood Reporter誌の「Next Generation Asia」に選出され、翌11年には優れた映画製作者に贈られる「藤本賞」を史上最年少で受賞。12年、初小説『世界から猫が消えたなら』を発表。18年、初監督映画『どちらを選んだのかはわからないがどちらかを選んだことははっきりしている』がカンヌ国際映画祭短編コンペティション部門に選出。

「2019年 『ブレスト』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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