- 文藝春秋 (2017年2月16日発売)
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感想 : 73件
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Amazon.co.jp ・本 (232ページ) / ISBN・EAN: 9784163905631
作品紹介・あらすじ
cakes連載で大反響を呼び、出版社からの書籍化希望が殺到した青春私小説の傑作!
人間関係が極度に不得手のため、孤独な日々を送る青年は、「お笑い」に生きることを決意する。
青春のすべてをテレビや雑誌の投稿企画に費やし、ネタ出しはどんどん加速。ついには日に2000本のボケを作るようになり、深夜ラジオでは広く知られる「伝説のハガキ職人」になるが――。
人間の価値は、人間からはみ出した回数で決まる。
僕が人間であることをはみ出したのは、 それが初めてだった。
僕が人間をはみ出した時、カイブツが生まれた瞬間――
1章 ケータイ大喜利レジェンドになるか死ぬか
2章 砂嵐のハガキ職人
3章 原子爆弾の恋
4章 燃え盛る屍
5章 堕落者落語
6章 死にたい夜を越えていく
その男、あまりにおもしろく、あまりに不器用。他を圧倒する質と量、そして〝人間関係不得意〟で知られる伝説のハガキ職人・ツチヤタカユキ、27歳、童貞、無職。
「僕は今、笑いに一番近い場所にいる。ここで死なせてくれ」
その孤独にして熱狂的な道行きが、いま紐解かれる。
ツチヤタカユキ(つちや たかゆき)
昭和63年3月20日生まれ。大阪市出身。高卒。
3組の芸人の構成作家と、私小説連載を経て、現在に至る。
感想・レビュー・書評
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ストイックさも、突き詰め過ぎると生きづらさを生むかもしれない。
主人公は笑いに取り憑かれたが、
多くの人は「何者かになりたくて何者かになろうとしてそこを目指す」のだろうが、生きづらさやしんどさもあって折り合いをつけて生きてるところもあるのかなあと思った。
笑いのツボは人それぞれだし、笑いって本当に難しいと思う。
私はずれてるのか周りが笑い転げているのに、面白さがわからない時もある。
存在理由なんて私は探さないかな。
だってもう生まれて来てるんだし。寿命分生きると決めている。
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Filmarksでいいねをくださった方がこの本を紹介されていて、そのレビューと紹介文がとても熱く興味をひく内容だったので、ふらふら〜と図書館で借りてみました。
始まり2ページの内容が早速好みじゃなかったから、あぁまたやってしまったよ、やっぱり他の人の好きを私も気に入るとは限らないよね…と思っちゃったんだけど、次のページのケータイ大喜利から一気に引き込まれてしまった。
NHKのケータイ大喜利、めっちゃ観てました! いち視聴者でした! うちらは家で呑気にワハワハ笑って観てるだけだったけど、投稿してる側がこんなとんでもないことになってるなんて思いもよらなかった。。
ラジオは割と聴いてるけど、この方のことは、申し訳ない、存じ上げませんでした。だから、この本にだけしか触れてない場合、時々出てくる「あの人」とか「あの方たち」とかは全く分からないと思う。多分吉本のコンビの芸人さんなんだろうなくらいの感じ。それがもったいないなぁ〜って思ってます、大きなお世話だけど(笑) あ、だけど、大半の方はこの方を知った上で読まれてるか…そうよね。
私はFilmarksの例の方のレビューで情報を得て読み始めたから、情景を具体的に思い浮かべることができました。だから、より衝撃だったし読んでる間ずっと辛くてキツかった(泣)
この本はすごく人を選ぶような気がします。好きな人はたまらなく好きなんだろうな… 私はちょっと…かも。普段触れない世界を覗かせて貰った、くらいな感じです。 -
「伝説のハガキ職人による自伝的小説」ときいて、気楽に読み出したら、まあこれは壮絶であった。異様な熱量に貫かれている。あまりにも思い込みが激しく、あまりにも不器用。目を背けたいのに本を置くことができず、結局一気読みして熱が出そうだった。
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1冊一気読み。わたしは読むのが遅いので時間はかかったけど読みたくなる文章だった。映画版を観たあと、著者のツチヤタカユキ氏のことをすこし調べてたからわかりやすいのもあると思うけど、さすが寝食を削ってまで大喜利という文章を書き続けただけはある、無駄がなくリズムの良い文章は読んでてとても心地よかった。うまい。個人的にはこの本からツチヤさんを知ったひとのためにもオードリー若林さんとのことをはっきり詳しく書いて欲しかったかも。ラジオを知ってるひとや映画を観たひとだけでなく、読書家の方々にもすすめたくなる文学作品でもあると思った。
彼自身がしぬほど苦しんでるのはこちらも苦しくなる。でも彼のことを慕うひとがいるのはとてもよくわかる。うらやましくなる。ところどころ声を出して笑ってしまい、反射的にイイネをつけそうになるネタがあった。面白かった。これまでの経験をいかして活躍してほしい。 -
映画を観に行き、原作とどう違うのかなと思って読んでみた。
主人公はお笑いに目覚めてケータイ大喜利でレジェンドになってから私生活に影響が出るほどに突き詰めてしまう。さらにツチヤタカユキというオードリーann では伝説のハガキ職人になり、若林さんとネタを作るところまでになる。しかし人間不得意でとにかく周りとうまくコミュニケーション取れずにちょっと鬱?状態でギリギリの生活をしていた。
映画で菅田将暉が演じていたピンクはどんな人だったんだろうと思ったが、本当に実在した人で映画で描かれている以上に仲良かったんだと驚いた。
とにかく若林さんの思いやりによって主人公は自殺せずに済んだのかなと感じた。映画ではどう考えてもオードリーの若林なんだなーと思いながら観ていたが、本では「あの人」と描かれていて調べない限りはわからないようになっている。こないだの東京ドームは観たのかな〜と少々気になった。
とにかく突き詰めすぎると周りが見えずで読んでいてとても辛い状態だった。調べたら吉本の新喜劇などに携わっていてちょっと安心した。
映画の漫才のシーンは令和ロマンが指導したらしくとても納得した。 -
笑いに全てを捧げた人間の半生を描いたものだ。
笑いを追求する姿はまさに狂気の権化であり、その覚悟やとても凡人には理解出来ないし、真似も出来ないだろう。
ハガキ職人、構成作家として文章では弁が立つが、笑いのために対人関係を犠牲にしていまい、言葉では自分の気持ちを表出できない。
この本は、そんな当時お世話になった人たちへの感謝の手紙なのかもしれない。
章ごとに、時期が前後して、更に感情の起伏も乱高下するため、著者がどのような感情で過ごしたかを時系列で追うことは難しい。
終始、濃い霧の中を不安と共に進むような感覚で読み進める必要があり、人によっては落ち込んでしまうかもしれない。
当時の著者の精神的な弱点を指摘するのは簡単だが、そのようなものではないのであろう。
まさに「カイブツ」のもがいた経緯そのままである。暗いがとても人を惹きつける文章で、一気に読んでしまった。 -
映画からの一気読み
絞り出る苦悩の汁が苦々しい -
伝説のハガキ職人ツチヤタカユキの著書。
一周回ってなんらかのコメントをするのは野暮だなと思ってしまうくらい、様々な感想が出てくる。
ただただこういう人が世の中にはいるというだけ。
明日も頑張ろうというだけ。 -
エッセイというよりも純文学的なものを感じた。。今まで読んだ本の中で、トップクラスに濃い、重い、強い本。とにかく笑いに人生を捧げてきた男の自伝。どうやって感想を書いたらいいか分からないぐらい、強い執念が伝わってきた。笑いに人生を捧げ、自分と向き合い続けてきたからこそ書けるものだと思った。おそらく彼にゴールはないんじゃなかろうか。ゴールできないんじゃなかろうか。クリシェは避けたいがとにかく凄かった。
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人から勧められて読みました!
笑いに狂う彼の人生に、少し嫉妬しました。それと同時に、努力という言葉では生温いほどに笑いに向き合う彼の姿勢には、驚嘆と尊敬の感情を抱きます。不器用なところも大いにあるのでしょうが、そんな彼に救われる人もたくさんいると思います! -
オードリーの作家をやってきた人の自叙伝。
何かに狂う事は才能。
自分には何ができる? -
延々と自分が上手くいかない言い訳を聞かされていて反論したいのに反論したら自分の親しい人が誰か一人殺されるから我慢して過ごすしかない。そんな気分である。
平凡な日々から逃れたい、というのは極一部の天才が本当にこんな枠に閉じ込められるタマじゃない、と飛び出すか、あるいは何も出来ない言い訳のために使用するかのどちらかだ。
私小説というのを言い訳にしても面白くないし、ちょっと文章を齧った進学校のヘタレ高校生が書きそうな過剰な自意識が垂れ流しになっているだけで嫌気が差した。平凡に生きられない人間が、それ以上に羽ばたけるわけがない。自分はこの言い訳だらけの本が嫌いだし、この著者の本は二度と読まないと思う。 -
究極を突き詰めることの苦悩と快感と精神の境界線をテーマにした作品は様々あるが、こと笑いに関していうと、手品の種明かしがタブーとされているみたいに、裏を知ると笑えなくなっちゃうよなーと思った。努力の種明かししちゃうと無粋に感じてしまう。お笑いは究極のクリエーターだと個人的には思うが、画家やアーティストなんかと比べて損な職業なのかも。
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つらきもちい。
最後、恋の吐き出しになってありがてえ。 -
笑いのカイブツに取り憑かれた男の半生。
自分が信じるものに夢中になって、裏切られて、それでもしがみついて…苦しくて地獄かもしれないけど、こんなに生きること(彼にとっては笑い)に真正面から向き合える彼が少し羨ましい。ピンクと同じ気持ち。 -
壮絶なお笑いにかける思いのたけ、向き合い方。
読んでるこちらも、苦しくなるほど伝わってくる。 -
あまりにも不器用で、あまりにも切実過ぎるツチヤさんの生き様がまんま文章になっていて、読んでいてめちゃくちゃ辛かった。でも、“あの人”に対する想いが書かれた箇所だけは読んでいるこちらまで報われるかのように感じた。映画も楽しみ。岡山天音ならきっと。
ツチヤタカユキの作品
