米中もし戦わば

制作 : 赤根 洋子 
  • 文藝春秋
4.21
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本棚登録 : 323
レビュー : 40
  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905679

作品紹介・あらすじ

◆トランプ政策顧問が執筆!◆・経済成長のために必要な原油の中東からの輸送ルートは、太平洋地域の制海権をもつアメリカによって抑えられている。・空母と同盟国の基地を主体にした米軍に対抗するため、安価な移動式のミサイルで叩くという「非対称兵器」の開発を中国は進めてきた。・南シナ海や尖閣諸島の海底に巨大な油田が発見された。・南シナ海や尖閣諸島を囲む第一列島線。その内側の制海権を中国は握りつつある。・歴史上、既存の大国と台頭する新興国が対峙したとき、戦争に至る確率は70%を超える。経済、政治、軍の内情……。最前線の情報をもとに、米中戦争の地政学を鮮やかに読み解く。トランプの政策顧問による分析で、日本の未来が見えてくる!解説:飯田将史(防衛省防衛研究所 地域研究部 中国研究室 主任研究官)【目次】■第一部 中国は何を狙っているのか?第1章 米中戦争が起きる確率第2章 屈辱の一〇〇年間第3章 なぜマラッカ海峡にこだわるのか?第4章 禁輸措置大国アメリカ第5章 中国共産党の武力侵略■第二部 どれだけの軍事力を持っているのか?第6章 軍事費の真実第7章 第一列島線と第二列島線第8章 「空母キラー」の衝撃第9章 地下の万里の長城第10章 マッハ10の新型ミサイル第11章 機雷による海上封鎖第12章 深海に潜む核兵器第13章 ヨーロッパの最新軍事技術を手に入れる第14章 小型艦が空母戦闘群を襲う第15章 第五世代戦闘機の実力第16章 宇宙戦争第17章 サイバー戦争第18章 国際世論の操作第19章 「非対称兵器」が勝負を分ける■第三部 引き金となるのはどこか?第20章 台湾という不沈空母第21章 問題児・北朝鮮第22章 尖閣諸島の危機第23章 ベトナムの西沙諸島第24章 南シナ海の「九段線」第25章 排他的経済水域の領海化第26章 水不足のインド第27章 火の付いたナショナリズム第28章 地方官僚の暴走第29章 中露軍事同盟の成立■第四部 戦場では何が起きるのか?第30章 質の米軍vs. 量の中国軍第31章 米軍基地は機能するのか?第32章 中国本土への攻撃第33章 海上封鎖の実行第34章 どんな「勝利」が待っているのか?■第五部 交渉の余地はあるのか?第35章 米軍はアジアから撤退すべきか?第36章 中国の経済成長は何をもたらすのか?第37章 貿易の拡大で戦争は防げるのか?第38章 核抑止力は本当に働くのか?第39章 中国との対話は可能か?第40章 「大取引」で平和は訪れるのか?■第六部 力による平和への道第41章 「戦わずして勝つ」唯一の方法第42章 経済力による平和第43章 軍事力による平和第44章 同盟国を守り抜く第45章 中国の脅威を直視する■解説 飯田将史(防衛省防衛研究所 主任研究官)「日本の安全をどう守るのか」

感想・レビュー・書評

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  • 邦題からお願い多いトンデモ本の一種だろうと思っていたのだが、予想に反して米中の軍事戦略を基にアジア情勢を読み解き、トランプ政権における対中戦略がどうなっているかの背景情報を与えてくれる良書。

  • 最初にもった感想は「題名やばくないか?」でした。
    なんとなく右な人しか読まなさそうな題名。原題は「CROUCHING TIGER」です。ま、確かに人の目を引く邦題ではあります。
    ともかく、この本は売れており、ベストセラーのようです。それくらい、世の中の人が中国を脅威に思っているのでしょう。

    さて、内容的には、地政学や安全保障分野に詳しくない普通の人でも簡単に理解できる感じで、誰にでもおすすめできる本といえます。

    おそらく、マスコミ等に刷り込まれていた考え方が、論理的に崩されていくことと思います。

    たとえば、米中は核保有国で抑止力が働くため戦争は起こりえない、というのがよく聞く論法ですが、歴史的事実からもそれが明確に否定されます。

    また、現代はグローバリズムが普及し、経済的に国同士が相互依存関係にあるため戦争が起こりにくい。あるいは、平和を実現するためには軍備増強よりも、とにかく経済を優先させるべきだ、という論法も、論理的に意味がないとして否定されます。

    ところで、この本を読んでいる間に、著者のピーター・ナヴァロ氏が、トランプ政権にて、国家通商会議のトップに指名されました。
    これからどのような通商政策がとられるのか、万人が興味のあるところだと思います。

    その通商政策を決める組織のトップにナヴァロ氏がつく、ということは、その政策の真の目的は、中国の国力弱体化と米国国力の強化になるだろう・・・と予想できます。

    今後トランプ大統領が打ち出してくる政策に世界が右往左往させられると思いますが、この本を読んでおけば、その裏にはこんな狙いがあるのではないか?と、少し楽しめるかもしれません。

    「左だ」「右だ」ではなく、リアリズムの視点で、ぜひ読むべき本だと思います。

  • 対外政策は先ず内政から

  •  日本に米軍基地がある理由、それは、日本のためだけではなく、米国のためでもある。その起源をさかのぼれば、第2次大戦終了時、日本に武力を持たせないために、日本に米国の核の傘に入れという交換条件であったはず。それが今では、対中国、ロシアという名目に変わり、米国はその抑止力を働かせているという理屈で、日本がもっと費用を負担せよと言っている。現時点で、日本は専守防衛以外の武力は保持していないので、米国に頼るよりほかないが、日本が米国の関与なく武力を持つことは、米国は嫌うはずで、また、地政学上、沖縄とかに米軍基地は必要であると、米軍自体も思っているはずだ。本書は、そのような議論をしているわけではないが、本書を読むことでそのような認識を持てる。

     また、本書では、武力による抑止力について、多くのページを割いている。ソ連との冷戦時代は、変な話、お互いを信頼しあっていた。情報もそれなりにオープンにして、お互いがどのような行動をとるかある程度は想定できたから、均衡を保てていたと言えよう。だが、現在の米中間ではそうはいかない。お互いに相手を信頼しておらず、信頼していないからこそ、恐れるからこそ、武力を拡大し続け、何かの拍子に戦争に発展する恐れがあるというのだ。抑止力について、弱いものは侵略されることは歴史から明らかであるが、強いものが必ずしも侵略されないとも限らない。やられる前にやるという感情もなくはないのだ。怒りやプライドにかけて、やらざるをえないこともあるからだ。

     抑止力について勉強したい人には非常に参考になる書籍だ。武力しかり、経済による拘束しかり。戦争をはじめられないようにするには、やるぞ、やるぞ、とか、相手に自分は何をするか分からないぞ、と思わせることの重要性もある。今のトランプ大統領は、まさにそのとおりだ。

  • 台頭する中国と、アメリカや周辺諸国との対立について、軍事をはじめ、経済やイデオロギーなど、あらゆる側面から分析した一冊。軍事面での対抗戦略(宇宙戦争やマイクロチップの脆弱性問題)は、シミュレーション小説「中国軍を駆逐せよ!」とも符合するところがあった。アメリカやヨーロッパからの、非合法なハッキングや、安易な生産移転による技術流出により、中国の軍事レベルが無視できないレベルまで向上してしまったことや、専ら巨大な市場を獲得することだけを念頭に、中国側の自由化や透明化を求めることなく、西側の経済圏に取り込み経済的繁栄を許したことが、国内の民主化を促すどころか、かえって共産党独裁体制の強化に繋がったことなど、改めてショッキングな内容が多く、中国に対する楽観論が最早成り立たないことを、否応なく意識させられる。通商関係が密であれば戦争にはならないというのが幻想に過ぎず、場合によってはむしろ戦争の原因にすらなること、また核保有国同士の抑止という考え方が、中国に対しては通用しない可能性があることなども、気づきにくい視点だった。本書では経済の対中依存を減らすとともに、脆弱性が露呈されつつある空母や水上艦ではなく、中国側の対策が後れている潜水艦を増強し、アジア諸国の抱える小競り合いに対して支援をすることで、中国にタダ乗りを許さないことが重要と説く。日本としても、防御的である以上本質的に有利に立つことが困難なミサイル防衛に重点を置く現状からシフトする必要があるように考える。本書で述べられている、防衛上の抗堪性向上という点だけでなく、既存の基地負担の軽減という観点からも、各地に拠点を作り分散するというのは、有効な戦略に見える。

  • トランプ政権の対中政策がよくわかる良書。

    なぜ対中貿易赤字を問題視するのか、なぜ対中関税を仕掛けるのか、
    なぜ知的財産が侵されていると主張するのか、
    そういったアメリカの主張の背景が手に取るようにわかる。

  • トランプ政策顧問執筆という触れ込みではあるが、必ずしも現在のトランプ政策とは合致していないというか、迷走しているように見える現在のトランプ政策と比べるとかなり冷静な論の進め方で、アメリカから見た中国の脅威と対処について説明している。
    本書からトランプ政権の安保政策を読み取るというのは、ナヴァロ氏の政権での影響力がどれほどのものかといったことなどもわからないとなんとも言えないので、その観点から読めるのはそれなりのトランプ政権通に限られてくるのかもしれないが、米中の地政学について、一つづつ丁寧に説明している本書は、米中衝突の可能性とそれへの対処についての一般人の理解を図るという点では非常に良い本だと思う。

  • 今や世界第2位のGDPを誇る中国は東シナ海および南シナ海へと海洋進出を図り、軍備を拡張し続けている。それにアメリカはどう向き合うべきなのか。中国の海洋進出により周辺諸国との緊張が高まり、何かのきっかけで地域紛争が発生した場合、アメリカは同盟国の守るために戦力を投入するのか。その時米中は戦争へと向かってしまうのか。戦争という最悪の選択へと突き進むことを防止するために東アジアの地政学的な考察をはじめ、米中の軍備の状況、中国の狙いを精緻に分析している。
    ベトナム戦争が終結してベトナムが統一し、東西冷戦が終了して東西ドイツが統一したが、朝鮮半島のみが分断されている。その背後には当然米中関係がある。東アジアは今の世界の中でも最も緊張状態にある地域の一つと言って良い。北朝鮮の非核化が国際的な課題にあがる今こそじっくり読みたい一冊であると思う。

  • 情報量とても多いです。
    この一冊で「いまアメリカ政府(トランプ大統領)がどうしてこのような外交を行っているのか」が理解できます。

  • 邦題は安っぽいが、内容は極めて深刻。迫りくる中国の軍事的な脅威、知らず知らずに後退しているアメリカ。
    日本なんてあっという間に飲み込まれてしまうのではないか、という恐怖感を覚える。無敵と思われている米空母軍が脆弱で巨大なターゲットとになりつつあるとは。
    一見、軍事的な視点を重視しているようだが、ソフトパワーを含めた国力を重視せよと説く。主張は説得力あるものに思える。
    400ページもあるものの、細かく章分けされ、冒頭にクイズ形式でポイントをまとめているため、散漫にならずに理解が進む。翻訳も読み易かった。

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