米中もし戦わば 戦争の地政学

  • 文藝春秋 (2016年11月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784163905679

作品紹介・あらすじ

◆トランプ政策顧問が執筆!◆

・経済成長のために必要な原油の中東からの輸送ルートは、太平洋地域の制海権をもつアメリカによって抑えられている。
・空母と同盟国の基地を主体にした米軍に対抗するため、安価な移動式のミサイルで叩くという「非対称兵器」の開発を中国は進めてきた。
・南シナ海や尖閣諸島の海底に巨大な油田が発見された。
・南シナ海や尖閣諸島を囲む第一列島線。その内側の制海権を中国は握りつつある。
・歴史上、既存の大国と台頭する新興国が対峙したとき、戦争に至る確率は70%を超える。

経済、政治、軍の内情……。
最前線の情報をもとに、米中戦争の地政学を鮮やかに読み解く。
トランプの政策顧問による分析で、日本の未来が見えてくる!

解説:飯田将史(防衛省防衛研究所 地域研究部 中国研究室 主任研究官)

【目次】

■第一部 中国は何を狙っているのか?

第1章 米中戦争が起きる確率
第2章 屈辱の一〇〇年間
第3章 なぜマラッカ海峡にこだわるのか?
第4章 禁輸措置大国アメリカ
第5章 中国共産党の武力侵略

■第二部 どれだけの軍事力を持っているのか?

第6章 軍事費の真実
第7章 第一列島線と第二列島線
第8章 「空母キラー」の衝撃
第9章 地下の万里の長城
第10章 マッハ10の新型ミサイル
第11章 機雷による海上封鎖
第12章 深海に潜む核兵器
第13章 ヨーロッパの最新軍事技術を手に入れる
第14章 小型艦が空母戦闘群を襲う
第15章 第五世代戦闘機の実力
第16章 宇宙戦争
第17章 サイバー戦争
第18章 国際世論の操作
第19章 「非対称兵器」が勝負を分ける

■第三部 引き金となるのはどこか?

第20章 台湾という不沈空母
第21章 問題児・北朝鮮
第22章 尖閣諸島の危機
第23章 ベトナムの西沙諸島
第24章 南シナ海の「九段線」
第25章 排他的経済水域の領海化
第26章 水不足のインド
第27章 火の付いたナショナリズム
第28章 地方官僚の暴走
第29章 中露軍事同盟の成立

■第四部 戦場では何が起きるのか?

第30章 質の米軍vs. 量の中国軍
第31章 米軍基地は機能するのか?
第32章 中国本土への攻撃
第33章 海上封鎖の実行
第34章 どんな「勝利」が待っているのか?

■第五部 交渉の余地はあるのか?

第35章 米軍はアジアから撤退すべきか?
第36章 中国の経済成長は何をもたらすのか?
第37章 貿易の拡大で戦争は防げるのか?
第38章 核抑止力は本当に働くのか?
第39章 中国

みんなの感想まとめ

米中の軍事戦略や国際情勢を深く掘り下げる本書は、現代の米中関係を理解するための必読書です。著者はトランプ政権の政策顧問としての視点から、経済や軍事、地政学の観点で両国の対立の背景を鮮明に描き出していま...

感想・レビュー・書評

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  • 米中という世界の二大覇権国家にフォーカスして、その衝突可能性を解析する。物凄く分かりやすいし、誇張し過ぎずリアリティがある。そのため、本書を読むと日本の未来が心配になる。それほど、力のあるスゴ本である。

    クイズ形式で読者に問いかけていく。最初はイージーな設問で答えは露骨。出発点は、国際政治、学者ミアシャイマーの理論。世界体制は無政府状態だから、すべての国家は軍事力を増強する。またそれが自衛のためなのか征服のためなのか、他国からはわからない。取り締まる者のいない世界体制の中で、安全を保障する最良の方法は、その地域の覇権国家になり、優位に立つことで、どこからも攻撃されないようにすることである、と。中国は戦後の共産主義国家樹立まで、日本を含む西洋列強に好き放題侵略された経験もあり、現在もマラッカ海峡を経由した資源の輸入に生命線を握られている。アメリカに支配されないためには、軍事増強を止められない。

    中国の北端に位置するゴビ砂漠に、アメリカの空母をかたどった標的が設けられている。四川省の衛星発射センターでは、アメリカの人工衛星を打ち砕くための対衛星兵器のテストが進められている。海南島では、巨大地下潜水艦基地が完成している。世界中のどんな都市でも破壊することができる大陸間弾道ミサイルを搭載した原子力潜水艦が密かに出撃できる。地下長城の開発も続けている。全長5000キロに及ぶ。迷路のように入り組んだ地下道。そこに核弾道ミサイルが保管されている。アメリカだけではなく、インド、日本、フィリピン、ベトナムといった国々も標的だ。

    マラッカジレンマを回避すべく、中国はベンガル湾内のチャウピュー港と雲南省昆明を結ぶ石油及び天然ガスパイプラインを建設した。同様のリスクヘッジ策としては、ユーラシア大陸を横断する航空路、道路、鉄道、パイプラインのネットワーク構築。海上封鎖の影響を全く受けない新シルクロード経済ベルトを形成しようとしている。

    ー 中国の目標は、ホワイトハウスの戦略的政治的計算法を変化させ、コストとリスクの負担感からアメリカの政策決定者がアジアへの介入を躊躇するよう仕向けること。そして、アメリカにとって台湾をめぐる利害は、中国と比較して、はるかに小さいように見える。

    上記は本書から抜粋して文章を繋げたものだが、これを読むだけで日本の危うさが想像できる。トゥキディデスの罠というと言葉の迫力が独り歩きするが「何が正しいかという問題は、力の等しいものたちの間でしか解決できない。強いものは自分のしたいことをするし、弱いものは耐え忍ぶしかない」自由競争による技術革新がサチるなら、情報を一元化する独裁国家の方がAIとも相性は良いだろう。資本主義における格差のブレーキ機能すらも果たせない民主主義は、既にオワコンかも知れない。

  • 邦題からお願い多いトンデモ本の一種だろうと思っていたのだが、予想に反して米中の軍事戦略を基にアジア情勢を読み解き、トランプ政権における対中戦略がどうなっているかの背景情報を与えてくれる良書。

  • 中国による軍事力の非対称性と接近阻止、領域拒否戦略によって、米軍のアジア駐留コストは激増している。
    中国の狙いは、アメリカを軍事的に打ち負かしたり、アジアから完全に締め出すため防御壁を構築しようとしているのではない。
    単に、アジア海域で作戦行動をおこなうアメリカ艦船のコストとリスクの負担感を上げようとしているだけなのだ。

    孫子の兵法の「戦わずして勝つ」という戦法をお手本にした中国の意図は、アメリカに費用対効果という問題を突きつけて、コストとリスクの負担感からアジアへの介入を躊躇するように仕向けることにある。
    その意味で太平洋の空と海を舞台に、東の孫子と西のクラウゼヴィッツが出会っているのである。
    繰り返すが、中国の望みは戦わずして勝つこと、ホワイトハウスを躊躇わせ決定を先延ばしさせること、ゆっくりと自分主導で有利に事を進めるための時間を稼ぐことにある。

    日本や台湾がいくらアメリカから最新のミサイル防衛システムを導入しても意味がない。
    なぜなら、中国との更なる軍拡競争を引き起こすトリガーになるだけだし、もっと根本的なことは、中国が西側の最新で高価な兵器に対して大量の安価な兵器で対抗しようとしているからだ。
    もともと戦闘員の命の重さも西と東で違っているのだから、ミサイル1発の価格も含め勝負にならない。

    例えば機雷などその典型だろう。
    日本が降伏を決意したのも実は原爆投下などではなく近海に大量にばらまれた機雷だったことからもわかる通り、台湾海域や南シナ海の海域を限定封鎖する目的で機雷を蒔かれたらどうなるか。
    すでに中国海軍は十分な量を大量に保有していて、いつでも主要な海上交通路を封鎖することができる。

    中国が仕掛けてくる戦い方は、「心理戦・メディア戦・法律戦」の三戦があるが、要は「嘘も繰り返せば真実になる」戦法である。
    海洋法条約にそんな条文はないのに200海里の排他的経済水域内の航行の自由を制限したり、インチキ地図を持ち出して領有権を主張したり、レアアース輸出や日本の海洋産品の輸入を制限したりである。
    日本への非難や不快感表明、経済的ボイコットなどの外交的心理戦はもはや日常茶飯事だが、嫌がらせも繰り返していくことでボディーブローのようにダメージを与えられると心得ている。
    直接の軍事力は行使せず、非軍事的な手段で、搦め手搦め手で目論見を達成しようとしているのだ。

    「まず曖昧な歴史に基づいて不当に領有権を主張する。これが法律戦である。次に、問題の海域に民間船を大量に送り込んだり経済的にボイコットするなど、あらゆる形態のノンキネティックな戦力を展開する。これが心理戦である。そして最後に、『中国は、屈辱の100年間に列強の帝国主義に踏みにじられた。平和を愛する中国は、歴史的な不正行為を正そうとしているだけなのだ』というストーリーを広め、国際世論をコントロールすることによって、メディア戦を制しようとする」

    中国外交部は窓口でも交渉相手でもない。
    外交政策の真の決定は党の中央対外連絡部が一元的に行なっている。
    交渉相手を間違えると、いかなる取り決めも空手形に終わってしまう。

    第一列島線上の要である台湾を失うことは、アメリカ軍の最前線を分断することとを意味し、中国海軍に自由に太平洋に出て行ける門を開いてやることと同じである。

    アメリカは空母戦力ではなく、潜水艦戦力を強化して、非対称戦争を中国にやり返すべきだ。
    潜水艦戦なら中国の弱みを突くことができる。
    ただ空母には、アメリカの本気度を示す象徴的な意味合いもあり悩ましい。

    中国のWTO加盟の承認は、米クリントン政権の致命的な失敗で、貿易赤字と失業者を増やしただけに終わった。
    経済成長は中国の民主化にはつながらず、単に独裁国家の経済力向上をもたらしただけだった。
    中国への経済的関与は平和をもたらすという理論も嘘っぱちで、中国との経済的関わりを削減することこそが、中国の軍事力増強を抑える唯一の手段になりうるのだ。
    同様に、経済的相互依存を高めると戦争を防ぐことができるという理論も妄想に過ぎない。
    現に、日中は貿易でも投資でも緊密に結びついた結果、どうなったか。
    中国は相変わらず日本との衝突のリスクを高める行動を取り続けているではないか。

    困ったことに中国軍は通常兵器も核兵器も総合的に一括管理されてしまっているため、中国本土の通常兵器への限定攻撃のはずが、図らずも相手の核兵器まで破壊してしまう可能性がある。
    それは中国もわかっていることなので、海域での軍事衝突が生じた場合には、自身の核兵器報復能力を喪失するかもしれないという恐怖を呼び起こすことになる。
    それゆえに、エスカレーションが回避されるか、それともますます増幅されるかは、どちらともいえないというのが実際のところ。

    かといって中国本土への報復攻撃を最初から選択肢から外してしまうのは得策ではない。
    中国の警戒心を高めるためにも、こちらの態度を曖昧にしておけば、それだけ抑止力は強まるのだから。

    米中の戦略核兵器は、アジアにおける通常戦争の抑止力にはなり得ない。
    なぜなら、双方が相手に対する戦略核を使用しないという相互保証が存在し、かつ中国がアメリカ海軍に対して沿岸で接近阻止戦略を押し通すことができる環境にあるならば、「中国にとって通常軍事作戦をおこなう戦略的空間がアジアの海域に生まれることになる」からだ。
    つまり、核抑止という最高レベルの戦略的安定が、より低レベルの通常戦争を引き起こす余地を残してしまうという皮肉な事態となりうるわけだ。

    2024年秋の二期目のトランプ政権誕生は何をもたらすか。
    著者のピーター・ナヴァロに言わせれば、ハリスのような「合理的なハト」より、トランプのような「非合理的なタカ」は中国にとって組しにくいだろうということになるが、どうだろうか。
    確実に不確実性は増大し、意図を推し計りにくいマッドマンには違いないが、本当にタカなのかどうか。
    紛争や戦争を回避する姿勢を鮮明にしすぎるのも危険だろう。

  • 米国大統領の元補佐官、ピーターナバロが米中の軍事力・経済力を中心に地政学観点での現状分析と今後の予測、持続可能な世界の提案をする1冊。
    個人レベルでは調べるのがイージーではない領域の話までまとまっており、世界が今どんな状況になってるのかが分かります。

    読んだ感想としては、双子の赤字を抱える米国はもう、世界の覇権国でいるのは無理ですね。米国世論も政治的な動向も、米国が覇権国で居続ける条件を棄て始めています。と同時に、中国の隣国である我々日本人は、もっと本格的に自国防衛を考えないといけませんね。

    とても良い本だったのですが、いくら大統領補佐官経験者の本とはいえ、2016年発刊時に予想していた米中対立の予想で、けっこう重要なポイントが史実から異なったことですね。いくら有名な人だとはいえ、考えを盲目的に信じてはいけない良い例となりますた。

  • トランプ政権のブレーンである方の著者になります。
    事実をベースに記述され、これらの事実を否定する事は難しいです。
    現代の米中関係について知りたいと願う方に、特にオススメしたい本です。

    この本を読む事で、米中の対立は必須であろうと気づきます。
    また米国側の考えとして、いかに戦争に発展させずに、中国側の意図と能力を挫くかを考えている事も伺えます。
    現代の国際政治を考える上で、必須の本です。

  • 読了。高めの温度で危機感を煽る?内容だったが、どこまで真実なのか、一冊読んだだけではよくわからない。鵜呑みにはしないが、興味深い内容だった。

    少なくとも、この20年で中国がアメリカでも抑えきれないほど強くなってること。日本はもはやゲームの外というか、アジアの小国に過ぎないこと。そして、米中ともにまだ平和への道は全く見えてないことはわかった。

    最近はファーウェイ追い出しや、貿易戦争が始まってるが、この本はその前に書かれており、今の状態の背景的なものも推測できる。そしてトランプはこの本で書かれてたいくつかの、避けるべき方向へも向かって言ってることも危惧される。(アメリカ国民は望んでいるが、それはダメだと本にはかかれている)

    特に何もできないが、我々は正しい日本のリーダーを選ぶことしかできない。もうすぐ参院選。

  • 内容の善し悪しを留保して、まずは読むことをお勧めします。
    アメリカと中国の関係上、戦争の可能性と、仮に戦争になるとしたらどうなるか、
    戦争しないためにはどうしたらいいか、を軍事面・外交面の両側から解説した本。
    一版には、こういうのは地政学とも言われている。

    先にあげたとおり、現在の大国であるアメリカ、中国の二国間関係において、周辺国との利害関係や歴史も含め、可能性がすべて列挙されている点や、中国の対外的にわかっている動きや思考、それらすべてが合理的に解説されている点から、一読をおすすめしたいと思います。この本だけで、現在進行形で起こっている事件の関係性について、背景や動きがわかるため、深い答えを自ら出せるようになる点でも、非常に有用です。

    ほんの少しだけ注意する事としては、あくまで著者がアメリカ側なので、それを前提にしている点、あとやはり軍事機密はすべて公表するわけにはいかないので、欠けている情報がある点を気にしておいたほうが良く、その為にこれが絶対的な正解だとは思わない方がいいと思う。

  • 最初にもった感想は「題名やばくないか?」でした。
    なんとなく右な人しか読まなさそうな題名。原題は「CROUCHING TIGER」です。ま、確かに人の目を引く邦題ではあります。
    ともかく、この本は売れており、ベストセラーのようです。それくらい、世の中の人が中国を脅威に思っているのでしょう。

    さて、内容的には、地政学や安全保障分野に詳しくない普通の人でも簡単に理解できる感じで、誰にでもおすすめできる本といえます。

    おそらく、マスコミ等に刷り込まれていた考え方が、論理的に崩されていくことと思います。

    たとえば、米中は核保有国で抑止力が働くため戦争は起こりえない、というのがよく聞く論法ですが、歴史的事実からもそれが明確に否定されます。

    また、現代はグローバリズムが普及し、経済的に国同士が相互依存関係にあるため戦争が起こりにくい。あるいは、平和を実現するためには軍備増強よりも、とにかく経済を優先させるべきだ、という論法も、論理的に意味がないとして否定されます。

    ところで、この本を読んでいる間に、著者のピーター・ナヴァロ氏が、トランプ政権にて、国家通商会議のトップに指名されました。
    これからどのような通商政策がとられるのか、万人が興味のあるところだと思います。

    その通商政策を決める組織のトップにナヴァロ氏がつく、ということは、その政策の真の目的は、中国の国力弱体化と米国国力の強化になるだろう・・・と予想できます。

    今後トランプ大統領が打ち出してくる政策に世界が右往左往させられると思いますが、この本を読んでおけば、その裏にはこんな狙いがあるのではないか?と、少し楽しめるかもしれません。

    「左だ」「右だ」ではなく、リアリズムの視点で、ぜひ読むべき本だと思います。

  • 今の台湾問題を考える上で、中国の軍事力の分析を知るには良書だと思う。また日本と米国の安全保障がどう位置付けられているのかを知る上でも、イデオロギー関係なく読んでみてほしい本である。
    2017年の著書なので、今から9年前の本だけど、これを書いたピーター・ナヴァロ氏は現在トランプ政権の要職についているのも適時である。
    外交安全保障はまず相手を知ることも大事、国家観は人間観でもあり、人間観は哲学でもある。この辺りを鍛えておくって大事なんだなあと感じた。

  • ドナルド・トランプ大統領政権時、アメリカ政府の政策アナリスト、ピーター・ナヴァロ元大統領補佐官がの著書であり非常にリアリティにがある内容であった。
    この手の本は、訳者の力量に頼ることが多いため訳者の赤根氏の翻訳も非常に読みやすい。ドナルド・トランプ大統領が負け、安倍元総理が暗殺されロシアがウクライナに侵攻しそこに見え隠れする中国。この大国をどう理解し対峙していくか、非常に興味深く読み進めた。戦争して戦うのか、戦えばどうなるのか、回避する策はどのようなものか。アメリカの役割とアジア諸国の役割。中国とはどのような国なのか。知るためにほ非常に理解し易い。

    中国共産党は中華人民共和国の繁栄ではなく、中国共産党の永続的繁栄をもとに進めている点において、今の日本政治の中心にいた政党と重なってしまう。
    安倍元総理がたった一人で、抑え込み舵を取っていた日本。その舵取りを失った日本はどうなるのか心配でならない。

    折しも本日は歴史に類を見ない混迷の東京都知事選の開票日。そして安倍元総理の三回忌を明日に控えた日本。
    今の日本の現状を安倍元総理はどのように見ているのかを思うと甚だ残念で悲しくて仕方がない。

  • 発刊から数年が経過しているが中国の軍拡と海洋侵略は衰えを見せていない。民間漁船に扮して軍事作戦を取り、サイバー攻撃で技術を盗み、製造業の技術移転を強制し、国際法も人権も無視する、まさに現代人にとっての悪以外の何ものでもない。国がそのような犯罪に手を染めているとは、ロシアも含めてテロリスト集団と変わらない有様だが、そんな国が常任理事国となっている時点で国連は形骸化しているし世界平和には程遠い未来しかない。WTO加盟以来急速に経済を発展させ裕福な中間層が増えたが、予想に反して武力で現状変更しようとする独裁国家は言論統制をさらに強化し、知的エリートである共青団を2022年の人事で排除し、特権世襲層の太子党がポストを独占、今や億万長者の民間人をも弾圧し始めているのが現状である。海洋進出についてはエネルギーの輸入依存が背景にあり、米軍のアジアでのプレゼンス低減を明らかに狙っているが、空母や基地のミサイル攻撃への脆弱性は素人でも分かる安全保障の問題。海上封鎖を想定した機雷や潜水艦の増強、航空機の増大と補給の格納化は喫緊の問題であること間違いなし。ただ本書で不可解だった点としては、軍が中央集権化されていて前線での裁量が認められいないことから部隊の暴走リスクは低いのか、それとも統制が実際は取れてなくて末端までのコントロールが難しい状況なのか、といった点。

  • 中国の平和的台頭は可能だろうか?
    私の答えは「ノー」だ。
    ジョン・ミアシャイマー

    13
    規制の大国と台頭する新興国が戦争する確立 70%

    14
    ミアシャイマー理論の3つの過程

    1.世界体制は無政府状態だ
    2.すべての国家は軍事力を増強する
    3.他国の真意を知ることはほぼ不可能だ

    15
    すべての大国は覇権を求める

    17
    過去200年間に、中国を侵略した国
    フランス、ドイツ、イギリス、日本、ロシア、アメリカ
    の6カ国

    中国にとっては屈辱の100年間
    1839年 イギリスとの第一次アヘン戦争
     ~
    1945年 日中戦争終結

    31
    中国が輸入する石油の70%はマラッカ海峡を通る

    マラッカ海峡(マラッカかいきょう)
    英語: Strait of Malacca
    マレー半島とスマトラ島(インドネシア)を隔てる海峡。
    南東端で接続しているシンガポール海峡とあわせて太平洋とインド洋を結ぶ海上交通上の要衝

    22
    海上封鎖されれば、中国経済は壊滅する

    27
    中国経済の喉元をおさえているアメリカ海軍

    28
    第一列島線に配備されている米海軍と大量の兵器

    32
    中国共産党の武力侵略
     チベット
     新疆
     インド

    34
    核戦争寸前まで行った中ソ国境紛争

    39
    尖閣諸島をめぐる日中の緊張は高まっている

    44
    軍事費の総額でも、軍事費がGDPに占める割合でも
    アメリカはいまだに中国をはるかに上回っている。

    軍事費総額
    中国 2000億ドルを超える
    アメリカは、その3倍以上。6000億ドル以上?

    過去10年間
    中国の軍事費はGDPの2%
    アメリカは、4%近い

    ただし
    中国軍兵士の人件費は、アメリカより遥かに安い
    武器の製造コストも、遥かに安い

    86
    中国はアメリカ本土に3000発以上の核弾頭を撃ち込む能力を持っている

    114
    中国のロケット打ち上げ能力は世界トップクラス

    122
    サイバー戦争
    米国の最重要防衛機密はシステマティックに抜き取られている

    126
    ケンブリッジ大学の研究者が
    アメリカが保有する兵器の中でも最も侵入が難しいと考えられている軍事規格のチップにバックドアを発見している。

    135
    中国はアジアの塀岩と安定にとって驚異になる

    147
    世界で4番目に大規模な陸軍を持つ北朝鮮

    162
    日本が核武装するシナリオ

    193
    水不足に直面するインド

    195
    インドに流れる川の水源地帯を中国は支配している

    196
    なぜ中国はパキスタンと仲が良いのか?

    200
    中国共産党の目標は、中国の存続ではなく、共産党支配の存続である

    202
    10億人以上の中国人は今も貧困に苦しんでいる

    219
    米軍と中国軍の技術の差は急速に縮まっている

    228
    東アジアにおける沖縄の戦略的価値

    248
    中国経済はあまりにも海運に依存してる

    278
    中国のWTO加盟により米国経済は壊滅的な打撃を受けた

    319
    選択肢は、「力による平和」しかない

    336
    世界一高い法人税のせいで米国の金と技術が流出している

    344
    第五世代戦闘機の製造機数は中国のほうが遥かに多い

  • 20220228 読了
    評価4.4で四捨五入☆4つ

    覚書
    第一部 中国は何を狙っているのか?
    第二部 どれだけの軍事力を持っているのか?
    第三部 引き金となるのはどこか?
    第四部 戦場では何が起こるのか?
    第五部 交渉の余地はあるのか?
    第六部 力による平和への道

    日本はステルスオミクロンとやらで、まん防また延長?
    ロシアとウクライナ休戦!?とかいう今日、無事読了。
    この本を読んでいる最中、朝晩問わず軍用ヘリが何基も
    飛び交っており、それがBGMみたいなものでした。

    秋元千明著の戦略の地政学 ランドパワー VS シーパワーを買って読むか、
    この本にするかを迷っている時に
    某ブロガーさんが紹介してて、こちらの本に軍配w

    45章に分けてあり、どの章も最初は質問形式で、そこで
    読み手を考えさせてから米国と中国の解説がスタート。
    戦争の地政学というワードで、ほいほい♪と手に取って
    しまいましたが、軍事学や国際政治学によく通じている
    御方たちはスイスイと読み進められると思います。
    (私は読了まで ちょっと時間がかかりました)
    米中の分析本ともいえる内容です。
    著者は、トランプ政権時代の大統領補佐官。
    こういう本はタイムリーに読まないと美味しさが半減
    しちゃうものですが、読んでおいて損はない1冊であると
    思いました。

  • トランプ政権当時の経済交渉担当者の著書。

  • 内容も良いし、翻訳もとても良い。

  • 原著はCrouching Tiger (2015)で共産中国を今にも飛びかかろうとして蹲る虎に例えたもの。邦題よりも強く見えていなかった脅威を米国民に伝えようとしているのではないか。
    2008年ごろから中国の海洋進出があからさまになり、この年までにはもはや放置できない段階に達したということか。
    随所でミアシャイマーのオフェンシブリアリズムを参照して軍事のみならず経済・社会・教育など凡ゆる側面で彼我の現状と見通しを評価しており、その指摘は傾聴に値する。
    日本としては、いずれ海洋勢力アメリカのアジアにおける橋頭堡として生きるか、大陸国家共産中国の防波堤として生きるかを選択せざるを得ないだろう。だが私の目には好ましきは明らかに前者であるように思える。
    著者がまだ間に合うという力による平和を実現するためには日本も相応の努力が必要だろう。

  • 戦争や平和についての書籍は概して、陰謀論的な仮定的議論や抽象的な議論に終始するものが少なくないなか、本書では膨大な情報量とともに比較的妥当な議論を合理的に構築しており、はじめて戦争のロジックに納得することができた。
    一方で、その緻密な議論から導かれる帰結は決して明るいものではない。むしろ、事態が八方塞がりであることを丁寧に論証し説得されているような感覚である。
    憲法9条や沖縄基地といったポピュラーな議論から一歩踏み込み、国際状況の理解を深め、自身の考えを進めるための助けとなる一冊。

  •  

  • ここ数年、米国発で中国敵視を鮮明にした論考が続きます。迫り来る中国の影が不安で、パクスアメリカーナが脅かされる恐怖の表れでしょう。本書は、中国の戦略と戦術を一般読者にわかるように諭すように書かれていて読みやすい。残念ながら、現状の対抗策は十分ではなく、財政的にも厳しそうです。四つに組んだ総合戦を網羅するなら、内側から揺さぶる手立ても必要だと思います。ちなみに、再三紹介されるミアシャイマーですが、「大国政治の悲劇」は非常な名著です。

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