幻庵 (下)

  • 文藝春秋 (2016年12月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784163905709

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

囲碁の激しい戦いを描いたこの作品は、江戸時代後期から幕末にかけての囲碁界を舞台にしています。家元四家の歴史や文化を掘り下げる中で、登場人物の多様性や専門用語が絡み合い、読み進めるのが難しい一面もありま...

感想・レビュー・書評

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  • 文化文政から幕末にかけて当時の碁打ちたちを恐れさせた一代の風雲児「幻庵因碩」である。という謳い文句が、今一つその凄さが感じられなかったのは、残念です。ただ、私の読解力が足らなかったせいですが…。

    一番油が乗り切っている時期に、対局を避けた丈和の態度だったり、名人を取るために策略として弟弟子を対戦させた幻庵の姿だったり、モヤモヤする感じがぬぐえません。
    結局、名人になれなかった幻庵は最後に「人はどう生きたかがすべてである。勝負には敗れたが、満足のいく碁であった。」と語るが、「浜の砂から一粒の砂金を見出す」ことができたのでしょうか?それが、気になります。

    また、裏切った幻庵に対して、「碁打ちたる者、戦いは盤上で決着をつけるのが本道。盤外の勝利に喜ぶは兵法家であって、碁打ちではないと心得よ」安井知徳のこの言葉が重く、この時点で、幻庵の名人はないのかも?と、感じさせる。

    碁打ちの中心人物、桜井知達、奥貫智策、赤星因徹といった天才棋士が、結核で命を落とすが、最後まで石を握り続ける姿に悲壮感と無念さを感じる。それもまた、満足した人生だったのでしょうか。

    気になったフレーズは以下:
    ★「碁は生きることと同じでした」「打ちながら常に心にあったのは――最善の手は何かということです。無限とも思える盤上に、ただ一転、真理があるのです。…。敢えて言えば、浜の砂から一粒の砂金を見出すようなものでしょうか」

  • 面白いテーマの筈なのになかなか読み進められなかった
    家元四家の過去に遡ったり小ネタを挟んだり、専門用語での説明にボクシングでの例え…
    ただでさえ似たような名前(しかも一人で何回か変わる)の多くの登場人物に囲碁用語でこんがらがりながら読み進むのに尚更こんがらがる
    とはいえ面白かった
    読んだ後に家元四家をWikiや日本棋院のサイトで調べると…さっき読んだような文が載ってるのは気のせい??

  • 面白い!囲碁がこんなに壮絶なものだったとは。何日もかけて打つ碁は、まさに命を削る戦い。残念なのは、囲碁の知識がないので対局シーンに書かれている内容が全くわからなかったこと。わかったらもっと面白かっただろうなぁ!囲碁のことを知りたいと思って始めた囲碁アプリにハマってしまった!本を読んで新たな世界に出会えると嬉しくなる。

  • 百田尚樹氏の著書については、全てとは言わないがだいたい読んでいます。大まかな書き物のテーマは定まっていない。おそらく書きたいものを書くというスタンスなのだろう。

    さて、この物語は、最も激しい戦いを繰り広げた江戸時代後期「文化・文政」時代から幕末にかけての囲碁界が舞台である。
     囲碁は、中国から朝鮮さらに日本へと伝わった。平安時代は女性を中心に碁が盛んになった。つまり、このころの文化人にとって囲碁は必要な教養だった。
     勿論、中国でも前時代を通じて盛んに打たれた。おそらくあらゆる時代に高い技量を持った打ち手がいたことだろう。しかし、囲碁を飛躍的に進化させたのは、実は中国ではない。江戸時代の日本人なのである。そして本家中国をはるかに追い越したのだ。
     本書を読み終えて鑑みると、打ち手の芸なのだとつくづく思わざるを得なかった。お薦めの書です。おもしろい。

  • 幻庵 上中下 再読
    囲碁の話を見かけると
    読んでみたい
    と思うようになったのは
    幻庵 がきっかけ
    江戸時代にゲームを生業にして
    生活してい集団が
    いたこと..驚きだった

    囲碁の大きい集団(家)が4つ
    ( 本因坊家 井上家 安井家 林家  )

    自分のイメージでは..
     大国(幕府)と
     ギリギリ同盟を結んでいる
     4つの小国(家)
        ※幕府のトップが囲碁好き 戦略好き 
         だったのでリスペクトがあった

    4つの家は
    囲碁が強いのは勿論だけれど
    囲碁の家 を存続させるのが 大切な使命
    家元は一人だけなので
    実力の無い者は 実子でも当主になれない
      (他の家に勝てないと意味がない)
    ※家元の目標は名人を出すこと
       名人は4つの家の上に君臨する
       名人碁所になれる

    家元は他の家との対戦も
    負けない為に色々工夫する
      対戦しないとか 時期をずらすとか
      ..政治的駆け引き
      ※碁は 戦闘力=局地戦に強い 力が強い
           戦略=筋 形 があり
        華々しく局地戦で勝っても
        最後は負けている事もある
        最後 勝ち を手に入れる為の
        智が ヨミ で
        大局観が 優れているということ
        このヨミは 頭の良さとは 別物
        強さは碁才の有無が大きい
        ヨミ=直感 みたいなもの..かな?
        ヨミだけでは勝てない
        戦略=筋・形を
            どれだけ憶えているか も必要
        両方揃って強い
        
    大国(幕府)との関係を考えながら
    小国(家)同士 対戦もしていく
    その中で 素晴らしい激突 も生まれる
       ※江戸時代260年で 誕生した名人は8人
        30年に1人現れる位
        この中で囲碁が 一番発展したのは
        文化文政時代(町人文化が盛んな時)
        最も激しい戦いを繰り広げた 江戸後期

    江戸時代が終わる頃
    幕府が壊れ..
    新しい国(明治政府)になったことで
    4つの家との関係も変わり..
    消えていく..
    囲碁をする人達は残り..
    戦争時代を通り過ぎ..
    家元の名前は 本因坊だけ
    受け継がれ..令和の今も続いている 本因坊戦
    この大きな流れが
    いいな と思って
    (生きる為に戦って 消えていった)
    時々読みたくなる

    ○井上家 ・幻庵 (吉之助) 主人公
         ・因淑(虎之介 因徹等) 幻庵の師匠
    井上家外藉の服部家
    ○本因坊家 ・丈和(松之助) 幻庵の悪敵手
         ・元丈(楽山) 本因坊十一世 丈和師匠
          ・智策 丈和兄弟子
    ○安井家・智得 安井家当主元丈の好敵手で親友

    本因坊には ・四世本因坊 道策
                →囲碁史上最高の天才
          ・五世本因坊 道知 →名人碁所
    ・九世本因坊 察元→名人碁所で碁界の中興の祖
                 
       
    今回は初めて
    本に色分けの線引いて
    読んでみた 
    主人公がわからなくなるので
    〜家の○○ とか
    同じ世代の人は同じ色 とか
    格段に頭に入ってきやすくなった
     似た名前や 出世魚みたいに名前が変わる
    サラッと読める本ではないと
     わかっていたので
     ※囲碁の解説も書かれている
      本文中に名人の言葉として
      大人になって碁を始め
      一年で楽しいと思う人は天才
      みたいなのがあった
      自身は碁の説明を読んでも
      ほぼわからなかった
      優勢 劣勢 勝ち負け..位
    整理しながら読んだ
    久しぶりに
    学生時代の 定期テストとかの
    本気の勉強してるような..
    頭の使い方をして
    ..楽しかった
    (言葉上手く見つからないけど)
    遙昔だけれども
    勉強していた時は
    辛くしんどい と思っていたけれど
    今思うと 集中する事が
    楽しかったのかもしれない
    必ず答えあったし
    答えの無い道 進んでいくって
    ..凄い事だと思った

    ・本因坊秀和→因碩(幻庵)名人碁所を断念させた
        丈和十二世→丈策十三世→秀和十四世

    名人の力量を持ちながら
    名人になれなかった棋士→ 囲碁四哲   
                  ・本因坊元丈
                  ・安井仙知(知得)
                  ・井上因碩(幻庵)
                  ・本因坊秀和
    秀和の弟子が ・秀策→ヒカルの碁に出てくる
           ・秀甫→紆余曲折の末 
               本因坊の名を受け継ぎ
         現在まで本因坊(名跡として)
         の名を繋げる

    秀和の碁所(最後のお城碁)を阻止したのが
    ・松本錦四郎→十三世井上因碩 幻庵の孫弟子

    錦四郎一生の傑作 と言われる碁
              .....幻庵乗り移りの局

    幻庵は碁盤に覆い被さるように亡くなっていて
    盛大な葬儀を執り行ったのが 錦四郎

    ※この翌年(御城御の後)江戸に
     暴しゃ病(コレラ)が流行り
     本因坊の内弟子達も多く罹患
     跡目だった秀策が看病に献身
     ようやく静まった頃
     秀策が倒れこの世を去る(34歳)

    秀策は全てが最高峰とも言われる
    技量を持った棋士と言われているが
    名人にはなれなかった
    これ程の棋士になったのは
    囲碁四哲 の棋譜を手本として
    修行したのもあったかも..
    幻庵含め
    この囲碁四哲や丈和が
    主人公級に出てくる..面白かった

  • 囲碁を全く知らないので楽しくなかったら途中で読むのを止めようと思ったが、登場人物の個性に惹かれて下巻まで読み切ってしまった。
    囲碁の世界を戦ってきた先人の心構え、命をも削る壮絶な戦い。
    囲碁がわからなくても充分楽しめたが、知っていたらもっと楽しめただろうなあ。

  • 高1 ◯

  • 幻庵は結局名人碁所にはなれず、無念だったと思うが、一時を除いては正々堂々と碁に向き合っていて感服。
    また囲碁だけでなく諸外国関係にも関心を持ち、自分の意見を持っていたところが、他の碁打ちとは違ったところ。すごい。
    ノンフィクションが基の物語であるから仕方ないが、丈和に勝負を避けられてから1局も打ってない。最期にもう1局うってほしかった。

  • 百田さんの本は、ほぼ面白いことが保証されてるはずなのですが
    今まで読んだ百田作品中最も面白くない本でした
    ぐんぐん読めないのです
    上下2冊の特に上は辛かった~
    読めども読めども入ってこない
    お話が入ってこないのです
    まあ言ってしまえば記録でしたからね
    登場人物やその先人、ライバル、弟子など江戸の碁界の史実や時代背景のお話でした
    更に登場人物の殆どが漢字2文字
    かつ生涯に何度も名前が変わる
    かつ襲名制度で同じ名前で別人が多数出てくる(因碩、仙知、算知、因徹など)
    かつ囲碁のルール、用語、勘所、極みや巧みがわからない
    など物語を見失う要素満載でした

    (私の記憶能力にも多分に問題はあったと思います)


    物語は、世界に誇る日本の江戸時代末期の碁の世界のお話
    (ゲームの王様「GO」が、発祥の地中国の言葉でなく日本の碁なのはこの時代に発展したから)
    主人公は、江戸時代の碁打ち玄庵
    本因坊丈和との碁界の頂点たる名人碁所を巡るお話

    判りやすく言えば幽遊白書、ドラゴンボール、ワンピースの「碁」版ですかね

    判る人には面白く興味深くワクワクするお話ではないかと思います
    歴史を知り、碁界の有名人の名を知り、碁に精通した人にはとても楽しいお話に違いないのでした

  • 過酷な名人争奪戦。十年おきに現れる天才たちの戦い、結核という病の残酷性、運命に翻弄されつつ、懸命に生きる過酷な世界を知ることができる。

  • 江戸末期、碁に命を捧げ(まさに碁に命を吸われるようにして落命する者もいる)生きた男たちの物語だ。

    欧米から船が外洋に押し寄せ、開国を迫られる時代へと世は移り変わる。
    そんな中でも、名人になることを渇望し、時に権謀術数に溺れる人間模様はずいぶんと泥臭くて、碁ってこういうものだったのか、と思う。

    しかし、何しろ自分に碁の素養がまったくないこともあり、伯仲しているはずの碁の戦いの描写がさっぱりピンと来ず、物語が長いこともあって中途でだれてくる。

    最後まで読めば何かもっとカタルシスのようなものが味わえるかと思っていたが、後日談を重ねたような案外にさっぱりした幕引きにやや拍子抜けした。

    タイトルとなっている幻庵のみならず、様々な人物のキャラクターが濃すぎて物語が飽和してしまったようだ。

  • 読み応えがあった。面白い。
    囲碁やる人はもっと面白いんやろうな。
    達観と執着。深い。

  • 名人争いが面白いが、明確な基準がないないから混乱するんだろう。人生はタイミングが重要だということか。

  • 江戸時代の囲碁界の人間模様を描いた百田尚樹らしい歴史小説。囲碁のルールをもう少し知っていたらかなり面白いであろう。囲碁を知らなくても楽しめる。長編だが最後まで読ませてくれる。

  • 名人にはならなかったが、碁界一世代を築いた玄庵の生涯にこの本を通して触れられたことに感謝。
    幕末の勝海舟も碁の家元の門をくぐっていたことも、当時の碁界を取り巻く時代背景を彷彿させる。

  • 囲碁は全くわかりませんが…
    江戸時代、プロの碁士として頂点を目指す人、頂点に登り詰めた人、それぞれの精神的な描写が面白い。
    私も仕事はそれなりに頑張っていますが、人生を捧げるほどでも、死ぬほど努力するほどでもなく、それなりに楽しくやっています。
    でも、もっとできるできることがあるんではないか、と。こういった人たちを見ていると思います。
    限りある人生、もっと豊かに充実させたいと思いました。

    内容(「BOOK」データベースより)
    ともに家元当主となった幻庵と丈和。頂点の座をめぐり、凄絶な闘いを繰り広げていく。

  • 江戸時代末期の囲碁の世界の話。病気で夭折した棋士は本当に気の毒です。

  • 最近注目の囲碁の世界。
    囲碁が政治色が強く、今以上に重要だった江戸時代に大活躍した偉人達の物語ではあるけれど、囲碁そのものの解説部分も多く、小説としては少し読み辛かったです。
    囲碁をよく知っていれば、もっと面白く読めたと思うので少々残念。囲碁の政治的な駆け引きと戦いを描いたと言う意味では面白かったです。

  • 権謀術数を駆使して、碁所名人を目指す。
    碁盤の外での暗闘が目立った。
    結局「あのとき打っていれば」と後悔することに。
    丈和と因碩、争碁をしていればどうなっただろうか。
    エピローグは非常に駆け足。無くても良かったかも。

  • 江戸末期の囲碁界の状況がひしひしと伝わる力作。

    囲碁の対戦を描くのは、音楽演奏を描くくらい難しいのだろうと思う。

    いかんせん、幻庵や丈和の人間的魅力が刺さらなかった。

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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