まひるまの星 紅雲町珈琲屋こよみ

  • 文藝春秋 (2017年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784163905907

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さや過去の清算をテーマにした物語が展開され、主人公の草は亡き母から受け継いだ着物を通じて、家族の歴史や和解の重要性を探求します。母と清子さんの間に何があったのかを追いながら、草は地域の環...

感想・レビュー・書評

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  • 母から預かった着物と過去の精算

    山車蔵
    ベネチアングラスのイヤリング
    瞳の覚悟
    錦鯉、鰻
    ドラム缶
    日傘

  • シリーズ5

    亡き母の箪笥から出てきた一枚の着物
    畳紙には『清子さんへ』と書いてある
    歳の離れた姉妹のように仲が良かった母と清子さん
    しかし、母と清子さんはいつの頃からか仲違いしてしまって、和解できずに他界

    一体二人の間に何があったのか
    探っていくうちに、工場跡地に捨てられたドラム缶から漏れ出す廃液が土壌汚染を引き起こしているらしいことを掴む

    見て見ぬふりを決め込む近隣の住人

    できるなら自分も事実に目をつむり何事もなかったように暮らしたい
    だめなものは、だめだ
    本末転倒の楽を選んだところで、自分を偽れば、心も身体も捻れて疲弊する。守ったはずの自分自身も日常も、いずれ破綻する
    じっとしていられないお草さん

    お草さんの言動は、読んでいて「怖い、怖い。もう誰かに任せておいたら」と、叫びたくなる

    人からどう思われようと、自分が正しいと思ったことは
    行動に移していく
    人はいろいろ言いたいことを言うけれど、ちゃんと味方もいるのがお草さんの人徳

    亡くなったお母さんの思いは、日傘にリメイクされて清子さんに手渡された
    めでたしめでたし

  • 凛とした魅力的な主人公、草。長いものに巻かれないで、正しいと思うことを周りの人の気持ちも考えながら進めていく草は素敵だと思った。このシリーズを初めて読んだので、最初から順に読んでいけばよかったと後悔。

  • その時はこれがバレたら大変…と、必死に隠した。
    解決してみれば隠していた苦しさに比べればどうってことないことだった……。もっと早くに正直になっていれば人生変わっていたかもしれない。
    そんな教訓を与えてくれるお話しでした。

  • 珈琲豆と和食器の店、お草さんの「小蔵屋(こくらや)」のシリーズ、第5弾。

    「清子さんへ」という文字の書かれた紙が添えられた、お草さんの母親・端(たま)が残した一枚の着物。
    渡されずに家にある理由は、ある時からその「清子さん」と母が仲違いをしたからだ。
    清子さんというのは、「うなぎの小川」の女将、小川清子。
    草は、仲違いの理由も知りたいし、できる事ならきちんと本人に受け取ってもらいたい。
    そこへもち上がった、町内会の山車蔵の移転問題、小川家の滋と丁子夫婦の問題などが絡んで…

    小蔵屋の店内が大好きだ。
    ドラマで見てから容易に想像できる。
    しかし、今回もまた、サスペンスな感じである。
    お草さんは正義感が強すぎるせいか、いつもきな臭い事件に首を突っ込んでしまう。
    トシなのだから、もっと体を労わってほしいものだ。
    ほんと、お願いします。

    スーパーボールの男の子は、多動性障害かも?
    ママ、ひとりで悩まずに誰かに相談してね。

  • 紅雲町シリーズシリーズ、
    お久しぶりのお草さん。

    なかなか毒のある内容でした。

    もしも、料理屋さんを営んでいるとして
    近所の空き家に産業廃棄物が違法に放置されていて
    生けすの魚が死んじゃったら・・
    あなた、どうする????

    すぐにでも、何とか頑張りますか?
    自分と家族の生活を守るために
    黙って営業続けますか?

    生活していかなくてはならないことはわかる。
    わかるけど、
    食を扱う商売人がそれだと。。。ちょっとね。

    20年って長すぎる。

    今作は元気なお草さんも年齢には勝てなくなってきたのか。
    無理しないでぇって感じだった。

  • シリーズものは、面白いことがわかっているので、安心して読める。

    珈琲豆と和食器を販売する雑貨店の店主、お草さんが活躍する「紅雲町」シリーズの5作目。

    水が流れるごとく、砂粒がすべり落ちていくがごとくの文体で、心になんのささくれも感じさせず、自然に結末まで読み切ってしまえる。

    今回は、草の時代まで持ち越された、亡き母とその親友との仲たがいの謎を解き明かしてゆくうち、街を巻き込む問題が掘り起こされる。

    お草さんって、いくつだったっけ?

    背筋がすっと伸びた生き方、「師匠」って、呼ばせてもらっていいですか。

  • このシリーズ、どうしてホノボノ、ほっこりとならないものか。
    おばあちゃん探偵が探り当てたのは、二十年もの間、必死で隠し通してきたモノだった。
    それを明らかにするのは正義なのか、隠し通すのは人の業なのか、どちらが正しくてどちらが悪いと決めつけるのは難しい。
    お草さんのやり方も本人が自覚している通り、正しいかどうかは分からない。もっと良いやり方もあるのではないかとも思う。でもそれがお草さんなのだから仕方ない。
    とは言え、ついつい先が気になって読み進めてしまうんだけど。
    瞳さんのお相手は意外に良い人だった。

  • 【収録作品】母の着物/探しもの/冷や麦/夏祭り/まひるまの星 
     あいかわらずのほろ苦さ。重たい話だが、草の側に立つ人たちの理性的な行動に救いがある。悪人ではないごく普通の、その点以外ではおそらく善良な人間のエゴだけに恐ろしい。

  • コーヒー豆と和食器のお店『小蔵屋』を営むおばあさん杉浦草が、街で起きた小さな事件を解決するシリーズ。
    お草さんの亡き母の瑞と『うなぎの小川』の清子さんは親友だったが、仲違いをしたまま瑞が亡くなってしまい、お草さんと清子さんも気まずい関係のままに…仲違いの理由も20年謎のままだった。
    そんななか、『小蔵屋』の敷地に紅雲町の山車蔵を移転する話が持ち上がる。新たな移転先を探すうちに、母と清子さんの仲違いの件も絡んできて…

    今回は前以上にドキリとした展開に…シリーズはまだ2作しか読んでないけど、いつもこんな不穏な感じなのかな?

  • 紅雲町にあるコーヒー豆と和食器のお店、小蔵屋を営むお草さん。

    ある日夏祭りで使う山車蔵を、小蔵屋に移転して欲しいという話があり
    まだお店を続ける気でいたお草さんは、
    山車蔵を置ける別の空いている土地を探していた。

    運よく見つかった移転先だったが
    その土地の近所に住むうなぎの小川の清子にキッパリと断られてしまう。

    お草さんの母が生前親しくしていながらも突然仲違いしてしまった清子の真意がわからず
    困り果てたお草さんが、たどり着いた
    移転先予定の土地に持ち込まれた汚水の入ったドラム缶と
    うなぎ屋が苦しみ隠していたこと。

    いつだって正しいことだけが正解じゃない、
    かもしれないけれど、
    真実を隠し通すのであればそれなりの代償もあるわけで、、、
    誰も傷つけないで、強い意志を持って解決に導いたお草さんの
    人生経験値と誠意の大切さ、あっぱれ。

    お草さんシリーズでも一番面白かったかもしれないなあ。

  • R1/6/24

  • コーヒーと和食器の店「小蔵屋」の草さんシリーズ
    今回は小蔵屋のある町内での山車蔵移転を巡って、亡くなったお母さんを含めた、長年の疑念をめぐるお話。
    お草さんの毅然とした生き方が好き。
    私もそんな老婦人になれるだろうか・・・

  • 毎回お草さんの身を心配してしまうシリーズ(^^;)今回はお草さんの母・瑞さんと親友・清子さんとの仲たがい、それに山車蔵の移転問題だから、お草さんの身に危険がせまる事は無いかな(^^)と安心して読んでいたのに、二つの問題が大変な事に発展!Σ( ̄□ ̄;)本当に毎回お草さんにはハラハラドキドキさせられる(-_-;)でも同じくらい、お草さんの活躍が楽しみなんだよねf(^_^;)

  • 日常ミステリーとして、あまり重くないものを好む方から勧められてシリーズ1作目から読んでいます。
    最初はこういうお店良いなぁ〜と思ったけど、
    話の内容はわたしには充分重い…
    イヤな気持ちになることも多々あります。
    ちょいちょい話の展開が読めないところもあり、
    主人公のお草さんの言動や行動に頷けないところも。
    それでも次作も借りたので読みますが。

  • 人の多面というか複雑さが見えて奥深い。
    お草さんの行動も善とか悪とか単純な二択で判断できないもので考えさせられます。
    濁りのある物語なんだけどその濁りが深い味を出していて、きちんと最後は爽快に纏まっていて楽しい。

  • お草さんと清子さんと丁子さんの年齢がちょっとごっちゃ。お草さんが亡母の思い出に浸っているせいか、娘らしく感じられるし、清子さんのすることが年の割に大人気ないし。正論が人を傷つけることがあるのはわかるが、やはり貫かねば。お母さんの挫折をお草さんが正してくれた。親の世代の過ちを子の世代に引き継がせちゃ駄目でしょう、やっぱり。

  • 初期にはなんだかんだ言ってたけど先行きが気になって読み続けているお草さんシリーズ。レギュラー陣は変わりなくお元気そうで、お草さんはじめ、友人の由紀乃さん、お店の従業員の久美ちゃん、運送屋の寺田さん、その父親で料理店のシェフも頑張っているようで何より。そして相変わらず狭い街で怒る人間関係を軋ませる事件で心がザワザワとなり、お草さんは相変わらず無鉄砲に事件現場に行きハラハラさせられたり。最後の母親の残した着物の顛末にホッとさせられた。マイルドなイヤミスといったところか。今作はお草さんが先々のことを考える描写が出てきたけど、もうすっかり馴染みになった紅雲町の人たちをもう少し見守りたい。これまで頻繁に繰り返し描写されて読みづらいとレビューに書いていたお草さんの描写ー傘をコツコツついて歩く癖の描写は1回(それでも想像すると嫌だけど。私にとっては黒板を引っ掻くような不快感)、髷に刺した櫛で髪を溶かす描写は2回ほどと減っていた。特に髪を梳く描写は無理に挟んでいる感じがする。物語の展開で上手く活きる一文にできたらいいのにと思う。

  • シリーズ5彈。
    山車蔵の移設問題をきっかけに
    母が生前突然仲違いした年若い友人との永年の謎を掘り起こす。
    次々と重苦しい出来事が続くも
    草さんのカラリとした性分のおかげか
    不快感は少なく読み進める手を止められなかった。

    【図書館・初読・11月8日読了】

  • シリーズ第5段
    これは良い、俺的はシリーズ中暫定1位です。
    主人公お草さんの亡母とうなぎ屋のおかみとが疎遠になったことと、お祭りの山車の倉庫移転の話が絡みあって話が思わぬ方向に転がっていく。

    日常ミステリーの類って言えばそう、確かに、日常どこかに転がってそうな話で、犯人?探し、事件の真相とその解決を模索する小説ではある。ミステリーとしても上出来の類だと思う。が、核心はそこではなく、人間模様の描写。出てくる登場人物の心情が素晴らしく丁寧にテクニカルに描かれていて、謎解きよりも彼らの気持ちに押されるようにページを繰ってしまう。

    お草さんのお店で働く女子お久美さんが、ある場面でお草さんのやりかたに不満を覚え、その憤懣やる方ない思いを、お草さんにぶつけられずに、態度で表現するのだが、その描写で震えてしまった。こういう描き方するんかスゲーなぁ…と。

    本を置くのが惜しくなるパワーはそういう描写にある。まだまだそんなスゲーシーンがいっぱい詰まっているのだ。紅雲町珈琲屋こよみシリーズ、息を吹き返した感じも出てきて、次回作以降も要チェック。このレベルを維持出来たら、とんでもないシリーズになるかも知れない。

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著者プロフィール

1964年、埼玉県生まれ。群馬県立女子大学文学部美学美術史学科卒業。2004年、「紅雲町のお草」で第43回オール讀物推理小説新人賞を受賞。著書に「紅雲町珈琲屋こよみ」シリーズ『誘う森』『蒼い翅』『キッズ・タクシー』がある。

「2018年 『Fの記憶 ―中谷君と私― 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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