サイレンス

  • 文藝春秋 (2017年1月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (296ページ) / ISBN・EAN: 9784163905914

みんなの感想まとめ

人間関係の複雑さと夢の挫折を描いた作品は、主人公の新山深雪が直面する恋愛と自己実現の葛藤を通じて、読者に深い感情を呼び起こします。深雪は、夢見ていたアイドルの道を諦めた後、マネージャーとして再出発しま...

感想・レビュー・書評

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  • 最近読み始めた秋吉理香子さん。
    普通のミステリーだとばかり思っていたら謎はありましたが、この作品では殺人事件は起こりません。
    軽く読める恋愛ミステリーとでも言ったらいいのでしょうか。

    子供の頃歌手になるのが夢だった、新山深雪34歳。
    20年前暮らしていた雪之島、一番の美少女でアイドルのオーディションに合格しますが父親に上京を反対されてあきらめます。
    東京の大学に合格するのと同時に芸能界への未練がつのり、バイトをしたりしてきましたが、年齢的に無理があり、芸能プロダクションでアイドルの宮原かおりのマネージャーの仕事をしています。

    深雪には広告代理店に勤める恋人の藤崎俊亜貴がいますが、6年間つきあっても結婚しないので、周りの先輩女性から注意され「この年末年始に実家に一緒に行ってくれなければ別れましょう」と言ったら、俊亜貴はなんとOKで、島に行くフェリーの中で結婚指輪まで渡されます。
    俊亜貴はなんか胡散臭いなあ、地元の幼なじみの達也の方がずっといい男だよなあと思って読んでいたら、やっぱり。
    俊亜貴は1000万円以上の借金の返済のために深雪が必要だったのです。しかも本命の女性までいて、深雪とはカモフラージュのために付き合っていたのがずるずると。そして深雪の預金をあてにした借金返済のための結婚。


    以下ネタバレです。ご注意ください。


    大丈夫です。深雪は深雪のことが大好きな島の女の子風花ちゃんが、島の守り神「しまたまさん」に一生懸命お願いしてくれたおかげで幸せをつかむことができます。
    島の生活は濃い人間関係など厳しいところもありますが、スマホだけでつながっている都会の生活は怖いということを実感しました。

  • ★3.5

    私は絶対、この島を出るのだ。
    結婚の挨拶のため、故郷の雪乃島に帰省した深雪だが、
    婚約者は突然の失踪…。

    新潟からフェリーで2時間、人口300人ほどの孤島雪乃島。
    深雪はアイドルを夢見て島を離れ、東京の芸能事務所でマネージャーをしている。
    34歳の深雪は結婚を焦っていたが、広告代理店勤務の俊亜貴は、
    付き合って6年なのに結婚の話を全然しない。
    業を煮やした美雪は意を決して迫り、年末に二人で雪乃島に住む両親に挨拶に行くことに。
    だが、美雪の実家へ泊まった後、俊亜貴は失踪してしまう――。

    信号も交番も病院もスーパーもコンビニも何もない。
    何か起これば直ぐに島中に話が広がっていく…。
    結婚の挨拶に、本家や分家や親戚一同がやって来る。
    余りにも島ならではの因習や慣習…凄い(゚Д゚;)
    レベルが違い過ぎて、ビックリです。

    俊亜貴友人の望月の父母の話が印象的。
    父親が東京の人で母親は生粋の五島のひと、それでちぐはぐな結婚生活…。
    二人の感覚が違う。だから二人とも別に間違っていないし、悪くない。
    ただ、お互い異星人同士…。

    いつもよりイヤミス感は少な目でしたが、いやいやじんわり効いてくる怖さ。
    島の閉塞感・息苦しさ・陰鬱さ・島ならではの風習・しまたまさんの存在。
    嫌な感じがゾワゾワする感じが続き一気読み(笑)
    最初からスーツがとっても着になっていましたが、
    幼馴染の朋子の連れて来た彼も、深雪が連れて来た俊亜貴もそうだったんだね…。
    島の守り神しまたまさんは、そうだったんだね…。
    秋吉さんらしくゾワッとさせられました。
    それにしても俊亜貴の酷さめっちゃ腹立ったー(*`Д´*)酷すぎるよ。
    でも深雪が幸せになって、本当に良かったです。

  • 新潟本土からフェリーに乗って二時間の雪之島で生まれ育った深雪。
    島では評判の美少女で芸能界に憧がれるが、オーディション最終審査まで残るも、両親は上京を認めない。
    しかしその後も東京に強い憧れを抱き、大学に通いながら芸能界を目指す。
    夢は叶わなかったがアイドルのマネージャーとして再出発する。
    そんな中大手広告代理店のクリエイティブプロデューサーの俊亜貴からアプローチを受け付き合うことに。
    俊亜貴との婚約が決まり、島の両親に会いにいくのだが、、、

    本の装丁と、「わたしは絶対、この島を出るのだ。」のコピー。

    サスペンスかホラーなのだろうと予想し、読み進めていった。

    あー、しかしこれは何というジャンルなんだろう?私も田舎育ちだが、ここまでの田舎ではない。この田舎の世界観が自分には衝撃的だった。

    文章はとても心地よく、すーっと頭の中に入ってくる。適度な情景描写と、人物の心理描写がしつこくなく、とても読みやすい文体。

    読んでいる間は、自分も吹雪の中を歩いているような、そんな不安がつきまといつつも、あっという間に読めてしまった。

    私はなかなか好きな作品だ(*^^*)

  • 最後がぞっとする展開。なんで俊亜貴みたいな人を好きになってしまうだろうな…。俊亜貴が深雪のことを、好きではないけど必要なんだと。要は都合のいい女と言っているくだりが、本当に嫌になった。それに対して、地元の竜也はいい。ようやくその良さがわかって良かった。この平和が続くといいが…。

    怖さの余韻が残る小説だった。

  • 決して直接的な描写はないものの、そういうことなのか・・・と理解する瞬間のゾクリ感がたまりませんでした!

  • 単純に言うと、ダメ男に尽くす田舎の島出身女性が捨てられて、地元の幼馴染たちに助けてもらう話。
    ダメ男がダメすぎる。ただ、これは小説だから俊亜貴側のダメっぷりが分かるけど、知らなかったら甘い言葉に騙されれるのも分かる気がする。好きになったらあばたもえくぼ。違和感があっても、それをひっくるめて好きなんだろうな。
    でもさ、深雪も自己中。どっちもどっち。あぁでも、人って結局基本自己中だから、誰が悪いって言うのではなく、価値観の違い。
    価値観って、育った環境が大きい典型的な例だろうな。偏見かもしれないけど、よくも悪くも田舎は人間関係が濃い。合う人は合うし、合わない人は合わない。
    話の流れは、なんとなく予想ついてたけど、朋子から深雪、たっちゃんの妹の話まで繋がっていく不気味さ。何が幸せかは分からないし、それぞれの言い分も分かる気もする。はたから見れば、ダメ男も、はたから見ないと分からない。

  • 新潟の離島で生まれ育ち、田舎が嫌で上京し、東京に固執し、東京生まれの男性と結婚を夢見る深雪。相手を想うというより自分の理想を叶えてくれる俊亜貴に尽くす深雪にも、都合のいい女の深雪ととりあえず結婚し、他所で好きな女と楽しもうという俊亜貴にも共感できず、前半はイマイチかなぁと読み進めてたけど、スーツやスマホの下りでゾッとしました。そういえばイヤミスだったわ。それにしても、知らないうちに疎ましく思う生まれ育った環境やらに強く影響って受けてるものなんですね。

  • 読みやすいミステリーだった。こういう感覚って都会生まれ、都会育ちの人にはイマイチピンとこないのかな?
    地方出身者にとっては、あー!あるある!と共感させられました。そう!ほんと煩わしい笑笑 そして必ず生まれ故郷の呪縛からのがれられないのもアルアル!

  • こんな島は嫌だ。新潟地方にある、人口300人程度の『雪之島』。浜風で吹雪吹きすさぶ、田舎の閉鎖的な島。島出身の深雪は、都会へ憧れて上京し、婚約者トシアキを連れて帰省する。トシアキはどう見てもクズ男だが、深雪は彼に執着するー。はっきり言って、クズ男のトシアキよりも深雪の方が好きになれなかった。トシアキはクズだが、田舎独特の風習に付き合わされる場面には同情した。深雪は大層ウェットな女で、重い。美人でも不幸になる典型である。物語としてはミステリーというよりはサスペンスか?よくわからない部分もあったがイッキ読み。

  • 2019.03.19
    初めての著者。ささっと読めた。まどろっこしいけど、こんな女性もこんな田舎もあるでしょう。よく調べたのか自分の経験からか。凍ったスマホがあるのに幸せになれるのかねえ?そこが引っかかるわ。みんな「しまたまさん」のせいにしてるのかな?

  • はー、、久しぶりに途中でやめられなくてイッキ読みです

    人口300人の北口の離島出身の主人公深雪
    評判の美少女で芸能界に憧れ遂に道が拓けたその時、親の反対にあい島から出ることが出来ず、ようやく島を出た18の時には、旬を逃してしまったことをイヤという程知らされる
    島のせいで何もかも犠牲になってしまった

    芸能界の裏方で必死に生きる深雪は彼氏はいるものの都合のいい34才になっていて、煮え切らない俊亜貴に別れる覚悟でぶつかり、何年か振りに田舎に結婚の挨拶にするため暗く重い雪に覆われた島に帰省したが、、、

    ………

    いやー怖かったですね
    まぁでも俊亜貴はひどすぎますからね

    途中匂わせるから先が見え隠れするんですが、おもしろかったです
    ドラマになったらよさそうです
    映像もきれいで迫力なんじゃないでしょうか

    田舎のしきたりとか芸能界の裏方さん事情も興味深く読みました


  • 最初、表紙を開けた部分に書かれている言葉、話の冒頭部を読んでホラーかな?と思ったら違っていた。
    ホラー味やミステリーの要素はあるけど、それとして読むとちょっと薄いイメージがある。
    でも、人間ドラマとして見たら興味深く、なるほどな・・・と思わされた。

    主人公はアイドルのマネージャーをしている女性。
    彼女自身も美しく、若い頃はアイドルを目指していたが、両親の反対にあい、断念してしまった。
    彼女にはつきあっている男性がいて、東京出身で一流企業に勤める彼に都合のいい女として扱われている。
    その彼と結婚する事になり、自分の田舎である島に二人で帰郷する事になるが、彼には彼女が知らない秘密があった。
    それは他にもつきあっている女性がいる事と莫大な借金を抱えているということ。
    その二つが帰郷先で露見してー。

    冒頭部分から引き込まれてあっという間に読んでしまった。
    この人の文章は私には読みやすい。
    登場人物の心情もスッと入ってくる。
    主人公の女性の気持ちに共感したり、理解できるな・・・というのも多かった。
    せっかく容姿に恵まれ、運にも恵まれたのに、親の反対にあって、せっかくのチャンスを逃してしまったこと。
    それをずっと悔やみ、ある時「自分の旬が過ぎた」と思う気持ち。
    読んでいて分かるな~、その気持ち、と思った。
    その悔やむ思いや未練が彼女に都会や華やかな世界に携わりたい、という思いを強くさせていて、それなのに、そんなに固執していた仕事はあっさり替りがきくものだと分かる。
    彼女がなりたかったアイドルという仕事ですらそれは同じ。
    その時、自分の執着心に気づくというのが自然な心の流れとして伝わってきた。
    私自身もハッと気づかされた気分になった。

    この話は途中まで主人公の女性と婚約者の男性、二人の目線で描かれている。
    そのどちらを見ても、婚約者の男はイヤなヤツやな・・・と思った。
    それもリアルな人物像で、こういうの、確かにいそう。
    歳の割に考えも行動も子供っぽくて、見ていてイラッときた。
    それに比べて主人公の女性は美人だし、頑張り屋だし、料理上手で、こんな女性を奥さんにしたらいいだろうな・・・という人。
    それなのに、自分でも何で普通の幸せが手に入らないんだろう?と思う場面は本当にそうだな・・・と思った。

    この話、最後は超常現象みたいなものでホラーチックに終わらすんだろ・・・と思ってたらそうでなく、もっと現実的な結末だった・・・というのも個人的に良かった。
    見過ごしそうな繊細な部分を描いている本で、意外にも読みがいがあった。
    今後もこの作者の本は読んでみたいな・・・と思う。

  •  表紙の裏の「しまたまさん」という言葉がとっても気になりながら読み始めました。
    新潟本土の港からフェリーで2時間のところにある、人口300人足らずの雪之島。
    信号機もないような島に、深雪が東京から恋人である、俊亜貴を両親に結婚の承認を得るため連れて帰る。
     その中でわかってくる、様々な島での親戚関係や祭事など、東京では考えられない濃密な人間関係。
     それが疎ましくて島から逃げ出す人も多い中、戻るつもりは無かったけど、結局島で幸せに暮らしている朋子。
     そして、深雪は自分がマネージャーをしているかおりと俊亜貴の不倫がネット上で公開されて、会社が大変な中、雪でフェリーが欠航したり、吹雪で港までの道がわからなくなったりして、東京に帰れず、事実上の解雇のような形で退職する。
     そして、そのまま島に残り、幼馴染の達也と結婚し、可愛らしい子供も生まれ、島の生活に馴染んでいく。
     そして、ある時雪室の中で、俊亜貴のスマホを見つけ、その下の暗闇に眠っているものを想像してぞっとしました。
     それは、朋子にも考えられて・・・島の人たちをしあわせにする「しまたまさん」って考えさせられてしまいました。

  • しまたまさんに護られた島育ちで、芸能界を目指していた美しい女性が主人公のお話。
    親が許さずにアイドルになれるチャンスを失ってしまったその後。美人薄命じゃないけど、なかなか幸せをつかむのは難しいのね。
    前半からかなりストーリーに引きこまれていきます。サスペンスらしいぞくぞく感も味わえてなかなかおもしろいっ!
    がしかし、後半の終わり方がちょっとあれれって感じな気がしたな。3人の視点が描かれた後、最後に4人目の弥生ちゃんがでてきて、それで物語終了って。
    だったら、もっとストーリーを膨らませちゃっても良かったかな。なんかここで終えちゃうのもったいない気がしました。登場人物のもう少し先まで知りたかったな~。特に俊亜貴のその後もね。

  • 島1番の美人さんがアイドルになりそうだったのに親に反対され断念したが、諦めきれずプロダクションの社員となりマネージャーとして東京で暮らす。彼氏はクズでどうしようもない奴だからこそ、冬に島に連れてた帰って来る。島の神様、しまたまさんとは村の人々の事なんだろう。結局彼氏は雪下で凍っていると思われる。弥生ちゃんの彼氏も東京から連れてきて、ダメ奴なら埋められちゃう!と思った。村とか島とかの恐ろしいさである。

  • 怖い、真相もあかされない、面白い。

  • 怖いよ

  • 後味が悪いというか、ヒトコワというか。

    鈴木や俊亜希が島の人間によって葬られたことは割と早い段階で気づくことができるけれど
    それよりも、みんながそこに染まっていくところが怖いと思った。

    罪悪感とかそういうことを抱いていないのが、逃れられない、抗えない島の文化という感じで不気味だった。

  • これサスペンス?って思ってたら、ちゃんとサスペンスでしたー!きっとそうだろうな〜という所に落ち着き、これが正解かどうかは別として、こうやってみんな島の一員として生きていくんだな〜。事実、深雪も朋子も不幸を回避できたんだけどねー。けどねー、だけど。
    寝る前に読むと、夢中になって目が冴えてしまうので注意〜。

  • 雪のイメージが強い作品だった。
    深雪のキャラクターに共感出来ないまま
    読み進めたけれど、だんだん「これって……そういう事か……?」と繋がり、ヒェッとなりました。

    明快に種明かしがされるのではなく
    ほのめかす程度のお洒落な終わり方でした。


    ジャンル : ミステリー
    感動度 : 1
    恐怖度 : 1
    伏線回収 : 3
    ほのぼの : 1
    発行 : 国内
    性描写 : あり
    グロ描写 : 無し
    恋愛要素 : あり

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著者プロフィール

兵庫県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。ロヨラ・メリーマウント大学院で映画・TV製作の修士号を取得。2008年、短編「雪の花」で第3回「Yahoo!JAPAN文学賞」を受賞、翌年、同作を含む短編集『雪の花』で作家デビューを果たした。ダークミステリー『暗黒女子』は話題となり、映画化もされた。他の作品に『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『眠れる美女』『婚活中毒』『灼熱』などがある。

「2021年 『息子のボーイフレンド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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