サイレンス

著者 :
  • 文藝春秋
3.48
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本棚登録 : 316
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163905914

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    私は絶対、この島を出るのだ。
    結婚の挨拶のため、故郷の雪乃島に帰省した深雪だが、
    婚約者は突然の失踪…。

    新潟からフェリーで2時間、人口300人ほどの孤島雪乃島。
    深雪はアイドルを夢見て島を離れ、東京の芸能事務所でマネージャーをしている。
    34歳の深雪は結婚を焦っていたが、広告代理店勤務の俊亜貴は、
    付き合って6年なのに結婚の話を全然しない。
    業を煮やした美雪は意を決して迫り、年末に二人で雪乃島に住む両親に挨拶に行くことに。
    だが、美雪の実家へ泊まった後、俊亜貴は失踪してしまう――。

    信号も交番も病院もスーパーもコンビニも何もない。
    何か起これば直ぐに島中に話が広がっていく…。
    結婚の挨拶に、本家や分家や親戚一同がやって来る。
    余りにも島ならではの因習や慣習…凄い(゚Д゚;)
    レベルが違い過ぎて、ビックリです。

    俊亜貴友人の望月の父母の話が印象的。
    父親が東京の人で母親は生粋の五島のひと、それでちぐはぐな結婚生活…。
    二人の感覚が違う。だから二人とも別に間違っていないし、悪くない。
    ただ、お互い異星人同士…。

    いつもよりイヤミス感は少な目でしたが、いやいやじんわり効いてくる怖さ。
    島の閉塞感・息苦しさ・陰鬱さ・島ならではの風習・しまたまさんの存在。
    嫌な感じがゾワゾワする感じが続き一気読み(笑)
    最初からスーツがとっても着になっていましたが、
    幼馴染の朋子の連れて来た彼も、深雪が連れて来た俊亜貴もそうだったんだね…。
    島の守り神しまたまさんは、そうだったんだね…。
    秋吉さんらしくゾワッとさせられました。
    それにしても俊亜貴の酷さめっちゃ腹立ったー(*`Д´*)酷すぎるよ。
    でも深雪が幸せになって、本当に良かったです。

  • 読みやすいミステリーだった。こういう感覚って都会生まれ、都会育ちの人にはイマイチピンとこないのかな?
    地方出身者にとっては、あー!あるある!と共感させられました。そう!ほんと煩わしい笑笑 そして必ず生まれ故郷の呪縛からのがれられないのもアルアル!

  • 2019.03.19
    初めての著者。ささっと読めた。まどろっこしいけど、こんな女性もこんな田舎もあるでしょう。よく調べたのか自分の経験からか。凍ったスマホがあるのに幸せになれるのかねえ?そこが引っかかるわ。みんな「しまたまさん」のせいにしてるのかな?

  • 最初、表紙を開けた部分に書かれている言葉、話の冒頭部を読んでホラーかな?と思ったら違っていた。
    ホラー味やミステリーの要素はあるけど、それとして読むとちょっと薄いイメージがある。
    でも、人間ドラマとして見たら興味深く、なるほどな・・・と思わされた。

    主人公はアイドルのマネージャーをしている女性。
    彼女自身も美しく、若い頃はアイドルを目指していたが、両親の反対にあい、断念してしまった。
    彼女にはつきあっている男性がいて、東京出身で一流企業に勤める彼に都合のいい女として扱われている。
    その彼と結婚する事になり、自分の田舎である島に二人で帰郷する事になるが、彼には彼女が知らない秘密があった。
    それは他にもつきあっている女性がいる事と莫大な借金を抱えているということ。
    その二つが帰郷先で露見してー。

    冒頭部分から引き込まれてあっという間に読んでしまった。
    この人の文章は私には読みやすい。
    登場人物の心情もスッと入ってくる。
    主人公の女性の気持ちに共感したり、理解できるな・・・というのも多かった。
    せっかく容姿に恵まれ、運にも恵まれたのに、親の反対にあって、せっかくのチャンスを逃してしまったこと。
    それをずっと悔やみ、ある時「自分の旬が過ぎた」と思う気持ち。
    読んでいて分かるな~、その気持ち、と思った。
    その悔やむ思いや未練が彼女に都会や華やかな世界に携わりたい、という思いを強くさせていて、それなのに、そんなに固執していた仕事はあっさり替りがきくものだと分かる。
    彼女がなりたかったアイドルという仕事ですらそれは同じ。
    その時、自分の執着心に気づくというのが自然な心の流れとして伝わってきた。
    私自身もハッと気づかされた気分になった。

    この話は途中まで主人公の女性と婚約者の男性、二人の目線で描かれている。
    そのどちらを見ても、婚約者の男はイヤなヤツやな・・・と思った。
    それもリアルな人物像で、こういうの、確かにいそう。
    歳の割に考えも行動も子供っぽくて、見ていてイラッときた。
    それに比べて主人公の女性は美人だし、頑張り屋だし、料理上手で、こんな女性を奥さんにしたらいいだろうな・・・という人。
    それなのに、自分でも何で普通の幸せが手に入らないんだろう?と思う場面は本当にそうだな・・・と思った。

    この話、最後は超常現象みたいなものでホラーチックに終わらすんだろ・・・と思ってたらそうでなく、もっと現実的な結末だった・・・というのも個人的に良かった。
    見過ごしそうな繊細な部分を描いている本で、意外にも読みがいがあった。
    今後もこの作者の本は読んでみたいな・・・と思う。

  •  表紙の裏の「しまたまさん」という言葉がとっても気になりながら読み始めました。
    新潟本土の港からフェリーで2時間のところにある、人口300人足らずの雪之島。
    信号機もないような島に、深雪が東京から恋人である、俊亜貴を両親に結婚の承認を得るため連れて帰る。
     その中でわかってくる、様々な島での親戚関係や祭事など、東京では考えられない濃密な人間関係。
     それが疎ましくて島から逃げ出す人も多い中、戻るつもりは無かったけど、結局島で幸せに暮らしている朋子。
     そして、深雪は自分がマネージャーをしているかおりと俊亜貴の不倫がネット上で公開されて、会社が大変な中、雪でフェリーが欠航したり、吹雪で港までの道がわからなくなったりして、東京に帰れず、事実上の解雇のような形で退職する。
     そして、そのまま島に残り、幼馴染の達也と結婚し、可愛らしい子供も生まれ、島の生活に馴染んでいく。
     そして、ある時雪室の中で、俊亜貴のスマホを見つけ、その下の暗闇に眠っているものを想像してぞっとしました。
     それは、朋子にも考えられて・・・島の人たちをしあわせにする「しまたまさん」って考えさせられてしまいました。

  • 秋吉理香子さん2冊目
    そして2冊とも私的には☆5の面白さ!
    ちょっと秋吉さんにハマってみようかな。

    元婚約者の行方は‥何も書かれて無いけどそういう事。
    恐ろしい島。
    ホラーの要素何も書かれてないのに、すごいホラー。

    田舎の空気、すごく共感。地元のインター降りた途端、いつもドアがパタっと開くような感覚。
    とにかく閉塞感。あの空気がとっても苦手だったな。

  • いつもの秋吉さんの作品を読んでる時のそわそわ感があんまり無くてちょっと残念だった。
    そこまで好きな登場人物も居なかった。
    しまたまさんが恐ろしいのか、島を大事に思う人たちが恐ろしいのか。。

  • 2020.9.19-329

  • 3.5 恐い。土着というか何と言うか。限界集落育ちの身としては解りすぎる部分が多すぎる。

  • こんな島は嫌だ。新潟地方にある、人口300人程度の『雪之島』。浜風で吹雪吹きすさぶ、田舎の閉鎖的な島。島出身の深雪は、都会へ憧れて上京し、婚約者トシアキを連れて帰省する。トシアキはどう見てもクズ男だが、深雪は彼に執着するー。はっきり言って、クズ男のトシアキよりも深雪の方が好きになれなかった。トシアキはクズだが、田舎独特の風習に付き合わされる場面には同情した。深雪は大層ウェットな女で、重い。美人でも不幸になる典型である。物語としてはミステリーというよりはサスペンスか?よくわからない部分もあったがイッキ読み。

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著者プロフィール

早稲田大学文学部卒。カリフォルニア州ロヨラ・メリーマウント大学院にて、映画・TV製作修士号取得。2008年に「雪の花」で第3回Yahoo!JAPAN文学賞を受賞。09年に同作を含む短編集『雪の花』でデビュー。13年『暗黒女子』で注目を集める。他著作に『放課後に死者は戻る』『聖母』『自殺予定日』『絶対正義』『サイレンス』『ジゼル』『婚活中毒』『鏡じかけの夢』『ガラスの殺意』『灼熱』などがある。

「2019年 『機長、事件です!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

秋吉理香子の作品

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