- Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163905921
作品紹介・あらすじ
大手商社のエリート社員、桂木憲一は、妻、大学生の娘と幸せな家庭を築いていた。が、パスポート更新のために、戸籍謄本を取り寄せたことから、生活が暗転しはじめる。なんと、最新の謄本には、「婚姻」欄に、妻の里美と並んで、マリア・ロペスというフィリピン人女性の名が書かれていたのだ。実は憲一は20年ほど前、マニラ赴任中に、このマリアと結婚式を挙げながら、一人で帰国したままになっていたのだった。役所に確認すると、そのマリアから、フィリピンの婚姻証明書が送られてきたため、憲一の戸籍に名前が入ったのだという。しかし、日本では重婚は認められていないはずではないか?役所に問い合わせると、「刑法には重婚罪がありますが、民法上は、当事者からの請求がないかぎり、行政が重婚を解消する手続きは、定められていないのです」という意外な答えが返ってきた(警察が刑事罰として動くことも事実上ない)。さらに数日後、憲一の自宅に、一通の封書が届く。中を確認した妻は悲鳴をあげた。送られてきたのは新たな戸籍謄本で、そこには「長男」として「ケン」という名が書かれていた。それにしてもマリアはなぜ、今になってこのような行動に出たのか――。事実に基づく驚天動地のストーリー。
感想・レビュー・書評
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昨年「言ってはいけない」がベストセラーになった作者の新作。経済や金融を得意とする作者が重婚をテーマにしたと言うことで、とても楽しみにしていた作品。大学生のマリはある日、父親の代理で期限の切れたパスポートを申請するため、市役所で戸籍謄本を取得すると、母とは別の見知らぬ外国人の名前が表記してあった。何も知らないマリと、身に覚えのある父・憲一双方の目線から真実に迫っていく…以前は報道などで見かけたが、最近は話題にのぼることもあまりなかったフィリピン妻の現状など、普通に日本で暮らしていたら、知らないことも多く、すごく勉強にもなった。ただ、完全に犯罪として「重婚」が描かれているのかと先入観を持ってしまっていたので、少し読後に違和感を感じた。何よりも憲一の妻であり、マリの母の里美の自分勝手さがとても不快だった。
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橘 玲さんの本は、金融系の小説を読んだことがあります。
すごくおもしろかったですが、今回は、戸籍について。
フィリピンに残された日系フィリピン人がどうして日本国籍を手に入れているのか、手に入れたいのか。
小説はフィクションですが、戸籍にまつわる部分は事実と書かれてました。
自分の知らないうちに戸籍が変わってるとか、合法でそういったことがあるなんて…
こちらも興味深い一冊でしたが、主人公のケンイチにはがっかり。二人のマリアの方は、幸せになってほしかった。 -
橘玲氏の小説は初めて読んだが、著者の知見に基づいたリアルな描写が面白く一気に読み切ってしまった。内容は人間の愚かさと純粋さの両者を描いた作品。現代日本における問題も絡み合い、社会派小説といった内容だった。
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フィリピンに駐在していた時に結婚していたことが戸籍に記載された。妻と娘もいるのにどういうこと、から始まる。
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橘玲氏の著作らしく,読後に強烈な余韻が残る。国籍とは何か。次作にも期待したい。
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日本とフィリピンを跨いだ国際重婚をテーマにした、この著者らしい小説。途中で父娘が偶然遭遇するなど??な展開もあるが、一気に読めた。
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Twitterとか本屋でよく見かける橘令サンが小説書いたのかーと思って手にとる。思ってた感じの話と全然違ってて気持ち悪かった。マリの描写は良いけど。
マリがピカール?に行った時、よくお腹壊さなかったなと思った。あとやっぱりフィリピンとかそういう所、無理やわ〜 -
海外で結婚してそのことを日本の戸籍に反映しなかった場合の戸籍法の運用をモチーフにした小説。結局部下の裏切り、というよくある筋に落ち着いている。
この作者の得意パターン -
ダブルマリッジ❗️
一夫一妻制の日本でそれが罷り通ることに驚いた。
全ては役所の融通の無さと判で押したような仕事ぶりのせいだと言われれば、なるほどすんなり納得してしまうが当の本人にとっては堪ったものではないだろう。
まさに青天の霹靂 -
橘玲氏久々の小説は金融話ではなく国籍話。商社マンの憲一の国籍にある日フィリピン人女性の名が書かれていた。女性は独身時代に赴任したフィリピンで付き合い帰国前に結婚式をあげたまま別れた現地の女性。その後長男の記載も加わり…。日本ではほとんど話題に登らないジャパニーズ・フィリピノ・チルドレン(JFC)と政府の対応に対する警笛の小説。
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とりあえず、ジャンルを何にするか迷った。
色々な問題をわかりやすく解説してある小説と言うのが解説としては正しいと思われる。
情景描写とかも前作より良くなっている気がする。まぁ、歳をとったので情景が浮かびやすくなっているだけかもしれないですが。
登場人物はほぼクズで子供には読ませたくない小説です。 -
法的にこんな事できるんだ。
という発見で勉強にはなりましたが、つまらんかった。 -
おもしろいってタイプの話ではない。
終盤の展開もあまり好きな感じではなかった。
ただ事実に基づいているだろう部分に関しては、
とっても考えさせられる。
日本にも責められるべきことってたくさんある。 -
国ごとに婚姻の成立要件が異なることは意外と知られていないのではないかと思う。国際私法のお話。面白くて一気に読んだ。
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日本人の外国人に対する偏見や違法就労、入管法、戸籍法の問題点を浮き彫りにするために書いたんだろうなーという小説。ほんと外国に買春ツアーに行って妊娠させて認知もせず逃げる男最低。違う意味で日本スゴイ。
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大手商社のエリート社員、桂木憲一は、妻、娘と幸せな家庭を築いていた。しかし、パスポート更新のために戸籍謄本を取り寄せたら「婚姻」欄に妻と並んで、マリア・ロペスというフィリピン人女性の名が書かれていた。
戸籍上、重婚は成立することに驚き。
面白かったが、説明口調で小説というよりはノンフィクションに近い。
(図書館) -
内容紹介
大手商社のエリート社員、桂木憲一は、妻、大学生の娘と幸せな家庭を築いていた。が、パスポート更新のために、戸籍謄本を取り寄せたことから、生活が暗転しはじめる。なんと、最新の謄本には、「婚姻」欄に、妻の里美と並んで、マリア・ロペスというフィリピン人女性の名が書かれていたのだ。
実は憲一は20年ほど前、マニラ赴任中に、このマリアと結婚式を挙げながら、一人で帰国したままになっていたのだった。役所に確認すると、そのマリアから、フィリピンの婚姻証明書が送られてきたため、憲一の戸籍に名前が入ったのだという。しかし、日本では重婚は認められていないはずではないか?
役所に問い合わせると、「刑法には重婚罪がありますが、民法上は、当事者からの請求がないかぎり、行政が重婚を解消する手続きは、定められていないのです」という意外な答えが返ってきた(警察が刑事罰として動くことも事実上ない)。
さらに数日後、憲一の自宅に、一通の封書が届く。中を確認した妻は悲鳴をあげた。
送られてきたのは新たな戸籍謄本で、そこには「長男」として「ケン」という名が書かれていた。
それにしてもマリアはなぜ、今になってこのような行動に出たのか――。
事実に基づく驚天動地のストーリー。 -
お嬢様でモデルの大学生マリが父親の戸籍謄本を取り寄せたら見知らぬ外国人の名前が記載されていた…というところから始まる小説。
重婚なんてありえないでしょうと思ったら、戸籍に関する記述は全て事実だそうで、私の知らないフィリピンの事情などとても勉強になりました。
投資や経済に関するノンフィクションの著書も多く出されている著者のフィクション。緊迫感があり、あっという間に読み終わりました。 -
順調な仕事,幸せな家庭と順風満帆の人生を歩んでいたエリート商社マンの主人公だが,若いときに赴任したフィリピンでの軽はずみな行動から思わぬ陥穽に落ちる…。『言ってはいけない』『マネーロンダリング』などのベストセラーで有名な作者さんの最新小説だが,描きたかったのは「主人公の娘の成長物語?」「傍若無人に振る舞う日本人への警鐘?」もう一つテーマがよくわからない。
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好きな作家さんです。お父さんが浅はかな人ですね。
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暗い…
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戸籍上父が重婚をしている事が判明した大学生の主人公。その後、フィリピン人の弟も居ることがわかり、探す。物語を通してフィリピンの状況、日本での生活実態などを書く。
ラストはさらりとし過ぎ感を感じるが、著者のテーマへの目の付け所は面白い。男は馬鹿だなぁと思う。 -
今回は、あんまりでした。
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何というか呆気ない終わり方だった。
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【実話にもとづく驚天動地のストーリー】商社マンの憲一の戸籍に知らぬ間に、フィリピン人女性マリアの名前が入っていた。妻がいるのに重婚ではないのか? マリアの狙いは?