黒島の女たち 特攻隊を語り継ぐこと

著者 : 城戸久枝
  • 文藝春秋 (2017年2月24日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906058

作品紹介・あらすじ

終戦間際の1945年、昭和20年の春――。薩摩半島南部にある知覧や大隅半島の鹿屋、串良の飛行場から、数千人の二十歳前後の若者たちが、爆弾を抱えた飛行機とともに沖縄を目指して飛び立った。自らのいのちと引き換えに、敵機に特攻するために……。しかしながら、6人の特攻隊員が、鹿児島と沖縄のあいだに浮かんだ黒島という小さな島に辿り着いている。黒島の人たちは、けんめいに介抱した。それによって、いのちを救われた兵士たちもいた。そんな元特攻隊員と、黒島の人たちとの交流は、70年が過ぎた現在でも続いている。老いとともに途絶えていくきずな。風化される記憶。それでも、あの戦争を語り継ごうとする人たちがいる! 「あの戦争から遠く離れて」の大宅賞作家が、自らのライフワークに取り組んだノンフィクション作品。

黒島の女たち 特攻隊を語り継ぐことの感想・レビュー・書評

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  • 「あの戦争から遠く離れて」の著者。
    鹿児島の黒島という島は、かつて特攻隊が不時着したり、遺体が流れ着いたりしたことがあるという。
    本書は、著者のモチーフである戦争を語り継ぐとテーマで、戦後も続く島の人々と特攻兵達の交流、島の魅力に取りつかれた映画監督やその妻の物語を織り混ぜで綴られる。
    確かに個々の物語には感動を覚えるが、監督の闘病の描写が妙に長かったり、少しバランスを欠いた印象があり、不思議な読後感だった。

  • 新聞の書評を読んで。

    城戸さんの作品は2作目になる。
    親しみやすい文章と感性なので。とても読みやすいと思う。

    どういう経緯で書くことになったのかは、読み進めていくうちにわかっていくが、居心地の悪さを感じながらの取材というのが読み手にも伝わってくる。

    途中から完全に映画監督の小林広司さんとちえみさんの話になる。
    (三分の一くらいはそうかも?)
    黒島についてドキュメンタリー番組を制作し、その後病気と闘いながら本にして残したい、と執筆された小林さん。
    看取った後、その遺志を受け継ぐように黒島に行くようになった奥様。

    黒島の歴史というよりは、何となく、お二人について書いた本のような印象に。

    恥ずかしながら、黒島について全く知らなかった。
    さらに小林広司さん、奥様のちえみさんについても。
    ご苦労の末自費?出版された「黒島を忘れない」や、有吉佐和子さんの本も読みたくなった。
    黒島の歴史について知る良いきっかけになった。

  • タイトルから勝手に想像していた内容(戦争体験を現在に語り継いでいる黒島の女たち)とは随分違う。記述もストレートではない。継がれているのは「黒島」体験と読みましたが、著者と黒島の関わりが今一つ判然としません。小林広司さんご夫婦の闘病記の件は読ませます。

  • 作者がどのようにして「あの戦争」を語り継ぎたいのか、という意気込みについてはよくわかった。しかし調査が足らない。当時のことについて、資料面からの調査が全然されていない感じだし、ひとりひとりの証言者の話が薄い。
    「インターミッション」とかいう言葉遣いは「あの戦争から遠く離れて」を彷彿とさせる。「あの戦争~」の語り口を語彙もそのままで繰り返しているのは、無理があるし、苦し紛れな感じがする。方法論を語りたいのだったら、城戸さん自身の私生活を入れ込むとか、調査の方法について語るとか、もっとやりようがあったのでは。小林監督が亡くなるまでの描写は読ませたが、それよりは黒島で起こったことを読みたかった。黒島で起こったことの描写が薄いので、黒島という島の魅力とか、島でおこったことそのものに興味がわかないまま読み終えてしまった。

    もしかすると作者は「黒島を忘れない」に記してあることはあえて省いたのだろうか? だとすれば、小林広司が亡くなるときの細かい描写や、黒島そのものの描写の薄さに納得がいく。「黒島を忘れない」を読んでみたいと思う。

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