黒島の女たち 特攻隊を語り継ぐこと

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906058

感想・レビュー・書評

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  • 「あの戦争から遠く離れて」の著者。
    鹿児島の黒島という島は、かつて特攻隊が不時着したり、遺体が流れ着いたりしたことがあるという。
    本書は、著者のモチーフである戦争を語り継ぐとテーマで、戦後も続く島の人々と特攻兵達の交流、島の魅力に取りつかれた映画監督やその妻の物語を織り混ぜで綴られる。
    確かに個々の物語には感動を覚えるが、監督の闘病の描写が妙に長かったり、少しバランスを欠いた印象があり、不思議な読後感だった。

  • 新聞の書評を読んで。

    城戸さんの作品は2作目になる。
    親しみやすい文章と感性なので。とても読みやすいと思う。

    どういう経緯で書くことになったのかは、読み進めていくうちにわかっていくが、居心地の悪さを感じながらの取材というのが読み手にも伝わってくる。

    途中から完全に映画監督の小林広司さんとちえみさんの話になる。
    (三分の一くらいはそうかも?)
    黒島についてドキュメンタリー番組を制作し、その後病気と闘いながら本にして残したい、と執筆された小林さん。
    看取った後、その遺志を受け継ぐように黒島に行くようになった奥様。

    黒島の歴史というよりは、何となく、お二人について書いた本のような印象に。

    恥ずかしながら、黒島について全く知らなかった。
    さらに小林広司さん、奥様のちえみさんについても。
    ご苦労の末自費?出版された「黒島を忘れない」や、有吉佐和子さんの本も読みたくなった。
    黒島の歴史について知る良いきっかけになった。

  • タイトルから勝手に想像していた内容(戦争体験を現在に語り継いでいる黒島の女たち)とは随分違う。記述もストレートではない。継がれているのは「黒島」体験と読みましたが、著者と黒島の関わりが今一つ判然としません。小林広司さんご夫婦の闘病記の件は読ませます。

著者プロフィール

城戸久枝
1976年、愛媛県松山市生まれ、伊予市育ち。徳島大学総合科学部卒業。出版社勤務を経てノンフィクションライター。『あの戦争から遠く離れて── 私につながる歴史をたどる旅』(2007年/情報センター出版局)で大宅壮一ノンフィクション賞、講談社ノンフィクション賞ほか受賞。その他の著書に『祖国の選択──あの戦争の果て、日本と中国の狭間で』などがある。一児の母で、戦争の記憶を次の世代に語りつぐことをライフワークとしている。http://saitasae.jugem.jp/

「2019年 『じいじが迷子になっちゃった』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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