終りなき夜に生れつく

  • 文藝春秋 (2017年2月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (312ページ) / ISBN・EAN: 9784163906096

作品紹介・あらすじ

僕たちは、同じ種族だ。

永遠に終わらない夜を生きていく種族。



のちに何件もの大規模テロ事件を起こし、

犯罪者たちの王として君臨する男、神山。

市民に紛れて生きていた彼を追う雑誌記者が見たものとは――。



強力な特殊能力を持って生まれてきた少年たちは、

いかにして残虐な殺人者となったのか。



『夜の底は柔らかな幻』で凄絶な殺し合いを演じた男たちの

過去が今、明らかになる。

みんなの感想まとめ

不思議な力を持つ存在とその影響を描いた短編集で、独特の世界観が魅力です。物語は、特異な能力を持つ少年たちがどのようにして残虐な殺人者になっていったのかを探求し、緊張感のある展開が続きます。作品は、以前...

感想・レビュー・書評

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  • イロが発露する、在色者。
    その在色者が多い、日本の中で事実上鎖国状態の、途鎖というクニ。

    不思議な力を持つ存在と、そのことによりヒリヒリした部分を抱える世界を描く、短編集。

    共通の世界観ですが、細切れだったり、説明不足だったり、本編がある番外編のよう。
    と感じていたら、実際に『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフだった。

  • これは『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフなのね。『夜の底〜』を読んでいないので、残念だ。しかし、登場人物がその後、どうなるのか気になる内容であった。特に神山が気になる。神山の人物の描き方が興味引き引き。

  • 「夜の底は透明な幻」の前日譚。
    葛城、神山、異能の中でも飛び抜けた才能の持ち主たち。
    学生時代も夜の底と変わらぬままでした。
    もっと内面を知ることが出来たら良かったのに。

  • 『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ。

    勇司から恵弥さんが浮かぶけど、物語を彩るにはいいなぁと思う。
    みつきと勇司、勇司と葛城の若かりし頃の話はどちらも楽しく読めた。
    葛城は、山の一件で性格破綻者になったのかと思っていたけど、割と大学時点では大人しめで驚き。
    え、じゃああんな凄惨なことが出来るようになったのは、入国管理官になってからということ?

    ちなみに入国管理官の採用キャンプの話については、結局、お札取りゲームからはなんのドラマもなくてちょっと驚いた。
    いや、最後はお札を取らせないとか、先輩入国管理官に認められるとか、なんとかあるでしょう。
    というか、いきなり出てきすぎだよ、神山さん!

    というわけで、『夜の底は〜』を先に読んだほうがいいタイプのスピンオフです。
    そして、本編読んだ時点で手離さなかった人が読むといいと思います。

  • 『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ短篇集。
    本編は数年前に読んだが、特殊能力を持つ「在色者」、独立した「途鎖国」という設定以外はほぼ忘れている。
    最初の「砂の夜」はわりと独立した話なのでよかったが、後半になるほど主要キャラの出会いエピソードや人生の岐路などが描かれているので、やはり本編を覚えている状態の方が楽しめたと思う。再読したくなった。

  • 「夜の底は柔らかな幻」で登場したみつき、勇司、葛城を中心とした短編を集めたスピンオフもの。葛城は別として、みつきや勇司も「在色者」として苦悩があったことをこの作品で知ることになる。また葛城も本編で見せたギラギラ感はなく、何を考えているのか、よく分からない寡黙な学生時代が描かれる。本編を読んでいれば、楽しめる作品。

  • 【今明かされる、あの殺人者たちの過去】ダークファンタジー大作『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ短篇集。特殊能力を持つ「在色者」たちの凄絶な過去が語られる。

  • 特殊な能力を持つ人達の話。これ先に読むべきやつがあったのね。。。
    恩田陸さんの世界観だなぁーと思う。なんてゆうか、少し冷めてるというか、諦観してるような文体なんですよね。物語の中はどちらかというと楽しげではない、少し殺伐とした状態なのかな。
    難民とか、殺人事件とか、ブラックな勉学環境とか。
    でも不思議と不快感みたいのはなく、ちゃんと少し変わった世界って印象に着地する。
    今回は先にシリーズがあっての短編集なので、大元を読んでから読むとまた印象が変わるのかな。

  • 一気読みしちゃう面白さ。このシリーズ好きです。一番最初の物語が一番好き。異国の少女と鮮やかな色と砂のざらついた感触。

  • 短編4作収録。
    『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ。
    たぶん『夜の底~』は未読なためメモ代わりに記す。

    ①「砂の夜」
     主人公は須藤みつき。アフガニスタンで出会った少女の形見である七宝の青い鳥の指貫をペンダントにして身に付けている。扮装地のど真ん中で活動する医師。その仲間の軍勇司はゲイで口調はオネイ。二人とも途鎖の人で在色者(特殊な能力の持ち主) この話が一番面白かった。
    ②「夜のふたつの貌」
     主人公は軍勇司。彼の大学時代の過去の話。葛城晃との出会いが描かれている。
    ③「夜間飛行」
     主人公は葛城晃。入国管理官の御手洗篤に導かれ、入国管理官の適正を試すためキャンプに赴く。そこで昔なじみの神山倖秀と再会。
    p239 あの夜を生き残ってー今の俺たちは、大丈夫なのか?
    ④「終りなき夜に生れつく」
     主人公は岩切和男。週刊誌の契約記者。神山倖秀の存在に不振を抱き尾行する。和男と神山が図書館で会話する描写が印象的。
    p287 ウィリアム・ブレイクの詩。
    「夜毎に朝毎に みじめに生れつく人あり 朝毎に夜毎に 歓びに生れつく人あり 歓びに生れつく人あり 終りなき夜に生れつく人あり」
    p288 確か、最後のフレーズは、何かの推理小説のタイトルになっていたのではなかったか。(アガサ・クリスティ)

  • 『夜の底は柔らかな幻』の続編だけど、前編の内容をかなり忘れてしまったので併せて読み直した。山を降りてきた3人とヒロインの実邦のことは覚えていたけど、他の登場人物のことはすっかり忘れていた。
    こちらで1話、2話に出てくる軍勇司がいい味出している。忘れていたけど、前編でもかなり活躍している。ナイスキャラ❗️
    それに比べて例の3人はどうもいただけない。青柳や葛城はまだ人間味があるけれど、神山は訳がわからない。何故顔の見えない男に人々が従ってしまうのか?大きな謎。

  • 「夜の底は柔らかな幻」の番外短編集
    「夜の底は〜」が好きな話やったからワクワクしながら読み始めて……おもしろいー!!
    一話、二話は本編では脇役になる軍勇司のお話(正しくは、一話はみつきと勇司の、二話は葛城と勇司の話)
    で、この二話でグッと惹きつけてからの三話葛城の入国管理官になる前の話……からのラストにやっと神山登場。
    読み終えると、葛城話がインパクト強かったけど、好きなのは一話かな。でもラストも良い。

    てか、神山の大規模なテロ事件の話はなかったんだけど、これはまたいずれ書いてもらえるのかな?読みたいー!

    とりあえず「夜の底は〜」を再読したい。

  • 『夜の底は柔らかな幻』のスピンオフ的な短編集。『夜の底は柔らかな幻』でも脇役なのか主人公なのか、よく分からない葛城の過去の話が2編。
    表題にもなっている『終わりなき夜に生まれつく』は神山の話。だけど、主になる人物は別。『夜の底は柔らかな幻』でもそうだったけど、神山の存在がこの作品を通しても、とても薄い。己の気配を静かに消す、存在感の無い顔も思い出せないほどの人物像だからか、神山の深淵に辿り着けないまま。私の想像力が足りないから仕方の無いことかもしれないけど、神山に対する畏怖みたいなモノを感じない。残念。
    『夜の底は柔らかな幻』では描かれなかった有元と神山の深い闇の関係が、この短編集でも描かれなかった、私の想像力が足りないために2人の深い闇が分からない。残念。『夜の底は柔らかな幻』ほどの面白さは私には無かった。残念。

  • やってしもうた。
    他の方のレビューを拝見するとどうやら続き物の作品らしく(スピンオフ?)ちょっと損した感じ。追って早く前作を入手しなければ。

    仮想の国での話が続いていくものとばかり読んでいたら「日本」が出てきて驚いた。

  • 『夜は柔らかな幻』に登場した人物たちのそれまでに焦点をあてた短編集。

    【砂の夜】
    須藤みつきは医師として戦争地帯での医療チームの中で働いていた。そこで見かけた同じ日本人の軍勇司と言葉を交わすようになる。彼らが向かった地域で謎の死体をみる。それを原住民は“呪い”と呼んだ。日帰りでキャンプへと帰るはずだった彼らを砂嵐が閉じ込める。そして深い夜の中、悲鳴が響き渡る。
    【夜の二つの顔】
    軍勇司と葛城晃との出会い。ダウナー系の薬。
    【夜間飛行】
    葛城晃が受けた入国審査官の試験。そして神山との再会。
    【終わりなき夜に生まれつく】
    神山を追いかける雑誌記者の不運。

    文句なく面白かった。またこういう短編集を出してほしい。

  • 「夜の底は柔らかな幻」の前日譚とは知らずに図書館で目に付いたため読み始めた。
    恩田陸はヒューマンドラマの一方で、こちらはどす黒く
    血みどろ
    人の善意もあるけれど、救いは無い。
    ふり幅の大きい作家だと思うが、どちらも読者を引っ張って行く。
    登場人物たちのその後が気になるので、「夜の底は柔らかな幻」は読むこと決定

  • 「途鎖国」の出身者は「いろ」「在色人」、いわゆる超能力を持っており、それが人の精神に悪影響を及ぼすので手術や薬などで力を抑えている。
    力の差は個人個人でかなり違いがあり、反在色人という立場の団体もあるとかでなかなか複雑な世界の話だ。
    「いろ」を持つ者は人も殺せる。おそろしい。

  • 神山のスピンオフの話もあるのだが、ここでもあまりよくわからないままだったー テロ事件とか実邦との関係とかもっと知りたかった。

  • まさかスピンオフ作品だったとは。

    在色者。
    厨二病心をくすぐる設定だが、真意は本編を読まないとまだわからない。

    みつきが見た黒っぽい水面のイメージは何なのか?

    なぜ神山はキャンプ場で葛城を探ろうとすると親父のことを思い出すと言ったのか。

    なぜ神山に葛城は大丈夫かと問うたのか。

    最終章の終りなき夜に生れつくで、最初のおまえ、夜の湖みたいだなの文章の主は誰なのか。

    今、俺はそこを覗き込む。ずっと知りたかった。ずっと分け入りたかった、自分の中にあるどこまでも暗い深淵が。
    このセリフは神山のものなのか?
    だとしたら、ニーチェの言葉を踏んで、怪物になることを意味してる?

    謎がいっぱいなので、夜の底は柔らかな幻を読みたいと思います。

  • 『夜の底は〜』のスピンオフだが、本編だけで十二分な気もするし、『夜の底は〜』に取り憑かれたような魅力を感じた読者にとってはこれもご褒美になるのだろう。
    異能を持つ人間たちがどのようにして本編に至るようになっていったかはさわり程度で「これに繋がるのか!」という驚きはなかった。異能の恩田陸ワールドは健在だがそこまで響く作品ではなかった。

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著者プロフィール

恩田 陸(おんだ・りく):1964年、宮城県出身。小説家。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞および第2回本屋大賞、06年『ユージニア』で第59回日本推理作家協会賞、07年『中庭の出来事』で第20回山本周五郎賞、17年『蜜蜂と遠雷』で第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞を受賞。ほかの著書に『spring』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』『夜果つるところ』『夜明けの花園』『珈琲怪談』『酒亭DARKNESS』、エッセイ集『土曜日は灰色の馬』『日曜日は青い蜥蜴』『月曜日は水玉の犬』など多数。

「2025年 『spring another season』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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