コンビニ人間

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 1714
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906188

感想・レビュー・書評

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  • 私と重なる部分がたくさんあった。
    普通って何なんでしょうか。
    大学中退。未婚。アルバイト。
    それでも毎日必死に働いて生きている事の何が悪いのでしょうか。

    読むのが辛くなる瞬間もありましたが、共感できる部分が多いからか短時間で読み終わりました。

  • マイノリティの主人公がコンビニ店員に擬態することで社会に適応してきた。しかし、加齢とともに「フリーター」「未婚」のレッテルに苦しむようになる。彼女はコンビニで働いていれば生活できるにもかかわらず。
    彼女の「幸せ」を願う周囲の期待こそが、彼女にとっては重苦しい足枷のようなものとなる。
    他人の善意からくる押し付けがましさがよく描かれているように思う。

    「普通」「常識」を考えさせられる作品だった。

  • 2016年芥川賞作品です。
    サイコパスについて書かれた作品だと感じています。
    主人公の女性はコンビニが開店準備を始めたときからのバイトを18年続けてきた店員さんで、店員としてまさにプロフェッショナル。バイトではあるけどきちんと自立しています。素晴らしいです。みんなに心配や迷惑をかけまいと人一倍努力しているし、働くことは「世界の歯車になれるようだ」とか「伝染しあいながら人間であることを保ち続けている」は、膝をうちます。
    ただ、彼女はおそらくサイコパスだと思います。名越先生の本もゲットして読んでみましたが、読めば読むほどそうです。白羽というバイトの後輩もおそらくそうで、彼は寄生型サイコパス、彼女は支配型サイコパスです。
    作品のなかで、白羽は縄文に例えていろんなことを話すのですが、サイコパス=縄文人ととらえるといろんなことが合致するので、おそらく意識しておられるのだろうと思います。努力で補えないことを強いるのは危険で酷なことだとも思うので、こういったことへの知識は必要だと思いました。サイコパスはちょっと複雑で危険です。ただ、誰にでもサイコパス的要素はあると思います。

    主人公の恵子さんは、こんまりさんの世界でいう「ときめき」のような、彼女を表す名刺になるような個性を伝えてこなかったので、人間関係が構築できなかった。同調しかなければ、友人も同僚も家族もどうしてあげればいいのか、悩んでしまうでしょう。

    日々変わっていっても違和感のないコンビニの商品の中にあってもわかる人にはわかる「無二の私」を勇気と覚悟を持ってつくり続けてほしいです。ふみこまないと繋がりは生まれない。聲の形でも旅猫日記でもそう伝えていました。コンビニ店員として変わらない「私」でありながら、日々試行錯誤しながら悩みながら変わり続ける「私」を持ってほしいと思いました。

  • 読み終わったあと、淀んだ気持ちになりました。

    18年間コンビニで働く古倉という女性が主人公。
    小さいときから「普通」じゃないと言われ、でも、それが自分では理解できない。
    唯一「コンビニ店員」でいる時はその「普通」の世界に溶け込める。
    殺人も恋愛も起こらない、淡々とした話でした。
    古倉さんは多分サイコパスなんだけど、古倉さんの周りの人もおかしな人ばっかだなぁ。
    きもちわるいなぁ。
    って思いながら読みました。
    すごい本だと思ったけどもうあんまり読みたくない。

  • コンビニ店員の古倉恵子がまわりから結婚しないのとか、就職しないのとか言われ続け、それらから解き放つために無職白羽と同棲を始める。そして、あるときコンビニをやめ、就活を始める。しかし、やはり自分はコンビニ人間であることが一番だと思い、もとにもどる。

  • 人と違っても、どう思われても、結局大事なのは自分が何をしたいか、何をしている時が一番夢中になれたり一生懸命になれたりするかが大事、っていうメッセージに感じた。

  • 自分もコンビニでバイト経験があるので
    うわぁ気持ちわかるわぁとも思いつつ、
    でもここまでコンビニに命かけれる人間には
    なれないなぁとも思った。コンビニに命かける人って世間的にはどうなのよってのがあくまで「世間的な」考えやけど、別に私はそれでもいいんじゃないとは思う。自由に生きればいい時代。人に迷惑もかけてないし、一応お昼時のレジを回すのも社会を回してることには変わりないし。
    フリーター独身別にええやない。
    俺は会社員として働いて結婚もして子供も欲しいけどね。
    結論、人それぞれ。他人の人生にケチつけるな。

  • ゾワっとした。
    共感できたことにゾワっとした。

  • 芥川賞受賞作です。とてもサクサクと読み進めあっというまに読了でした。今はこのような作風が時代なのかな?話的には、面白かったです。幼少の頃から、人と同じ感情を持てない主人公の古倉恵子。喜怒哀楽がどうしても理解できない。そのため、趣くままに行動を起こすと、周りから奇異な目で見られる。弾かれる。主人公は、周りに溶け込む為に、人まねをしながら生きていくすべを見つける。それが、コンビニ店員。完璧なコンビニ店員という記号でいれば、この社会から弾かれずに生きていける。私生活もすべてコンビニ基準で過ごしていけば、普通の人として暮らしていける。しかし、それも長く続けると、さまざまな壁が。なぜいつまでもバイトなのか?恋人は?結婚は?子どもは? そんな壁に主人公が取った打開策は・・・。特異な価値観は理解されず排除される。なので、仮面を被るしかない。この主人公は極端だが、誰もが弾かれるのが恐く仮面を被るのではないだろうか。ラストはこうとしか生きていけない主人公の悲しさがありましたが、本人は幸せなのだろうなと思いまたけどね

  • 2019/04/11
    自分の当たり前としているのを、本当に当たり前としていいのか考えさせられた。自分の価値観を大切にしつつ、他人の価値観を尊重できる人でありたい。いかなる状況においても。

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著者プロフィール

村田沙耶香(むらた さやか)
1979年、千葉県印西市生まれ。二松學舍大学附属柏高等学校、玉川大学文学部芸術学科芸術文化コース卒業。
2003年『授乳』で第46回群像新人文学賞優秀賞を受賞しデビュー作となる。2009年『ギンイロノウタ』で第22回三島由紀夫賞候補及び、第31回野間文芸新人賞受賞。2010年『星が吸う水』で第23回三島由紀夫賞候補。2012年『タダイマトビラ』で第25回三島由紀夫賞候補。2013年、しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞。2014年『殺人出産』で第14回センス・オブ・ジェンダー賞少子化対策特別賞受賞。2016年『コンビニ人間』で第155回芥川龍之介賞受賞。
2018年8月末、『地球星人』を刊行。

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