字が汚い!

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 507
感想 : 72
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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906317

作品紹介・あらすじ

自分の字の汚さに、今さらながら愕然とした著者(52歳)は考えた。なぜ自分の字はこんなに汚いのか、どうすれば字はうまくなるのか、字のうまい人とヘタな人は何が違うのか、やっぱり字は人を表すのか……。そんな素朴な疑問を晴らすべく、字の汚さには定評のあるコラムニストの石原壮一郎氏、女子高生みたいな字を書くライターのゲッツ板谷氏、デッサン力で字を書く画家の山口晃氏、手書き文字を装丁に使うデザイナーの寄藤文平氏らに話を聞き、作家や著名人の文字を検証し、ペン字練習帳で練習し、ペン字教室にも通った。その結果、著者の字は変わったのか……!?美文字になりたくてもなれないすべての人に捧げる、手書き文字をめぐる右往左往ルポ!【目次より】■子供の頃から「字が汚い」と言われていた■石原壮一郎さんの字の汚さは“病気レベル”!?■編集者からの手紙の文字も千差万別■『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』に挑戦!■当代随一の絵師・山口晃さんの文字は……?■ポイントは〈道具・メリハリ・ひと手間〉■悪筆ナンバーワン作家は誰だ!■筆跡を変えれば性格も変わる!?■丸文字はいつどのようにして生まれたのか■“いい感じの字”は図形的に書くべし!

感想・レビュー・書評

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  • 私はサインする時など、見られると、手が震えて、凄い字になります。タイトルを見て、そく購入した本。……コンプレックスのある方、ゆっくり丁寧に、書くのが良いそうです。私、物凄く字、書くの、遅い、です。手紙など、1通書くのに、何時間も、かかります。もう、手がおかしくなっちゃって…。でも手紙、好きなんですよね。クラシックな人間なのです。

    • りまのさん
      湊川晴斗さん
      こんにちは!コメントありがとうございます。
      あ〜ん!お返事書き終わろうとした時、何故か全て消えてしまいました (^_^;)
      ...
      湊川晴斗さん
      こんにちは!コメントありがとうございます。
      あ〜ん!お返事書き終わろうとした時、何故か全て消えてしまいました (^_^;)
      以前はよく手紙を書いていたのですが、この頃めったに書かなくなりました。いちばんよく手紙を書いていたのは、2019年の入院生活の時です。家族や、友達、そして、お手紙好きの、同じく入院生活していた人達と、お手紙交流していました。何度も読み返し、宝物にしているお手紙もあります。有り難いことです。

      私も凄いアナログ人間で、投稿していた頃は、原稿用紙で送っていました。現在、パソコン持っていないので、(もう使い方、忘れちゃった…)全て手書きです。
      コメント頂いて、とても嬉しかったですよ (*^^*)
      ありがとうございます!
      2021/07/25
  • 編集者である筆者は字が汚い。ワープロが普及してから手書きで書かなくなるから余計に汚くなる。

    字の汚さには自信のある私は非常に共感を持ってこの本を手に取った。

    字が汚いというテーマ、意外と単調になりそうだけど、切り口がたくさんあり、飽きさせない。
    同じように字が汚い人へのインタビュー、ペン字講座、通信講座へ通ってみる、小説家、芸能人、野球選手、政治家の字、丸文字や変体少女文字、手書きの文字ってこれだけ味わく事ができるんだと、はっとさせられる。
    流石編集者、目の付け所が違う。

    やはり、手書き文字=人間、人柄という関係も濃く、字のことをインタビューすると、その人に対する何か味わいのようなものが出てくるんですね。この本を面白くしているのはそういう部分。

    意外と知らなかったこともたくさん。

    ・楷書よりも行書の方が上達しやすい。
    ・ペンは中指で支えて親指で挟む。人差し指は添えるだけ。
    ・石原慎太郎の悪筆
    ・メルケル首相は文字が下手
     ドイツ人は字のきれいさを気にしない。

    ・うどよしさんの書は、あえてトメ、ハネ、ハライをなくしているというのは、コロンブスの卵的な視点で面白いなと思ったけど、実は昔の文字(篆書)はトメ、ハネ、ハライがなくて、その後の隷書で初めて右ハライがでてくる。

    字に対して興味を持つのって、奥が深くて人生に深みが増しそうと思いました。

  • 近年はすっかりキーボードに頼ることが多くなりましたが、お礼状や結婚式での芳名帳への記入、上司へのちょっとしたメモ等々の日常の場面で、自分の手書き文字に愕然とする瞬間があります。

    一見すると上手く手書きするコツを扱った本のように紹介されていますが、中身は上手くなるための著者の奮闘記が3割、著名人や編集者・流行り文字などの様々な「字」の紹介が7割といったところ。とてもライトな文体で書かれた気軽に読めるエッセイです。

    フォント好きな私としては豊富な図版で様々な「文字」に触れられて楽しい世界でした。コラムニストの石原壮一郎さんの読解不可能なヘタ文字、名も知れぬ編集者の方々の女性らしい丁寧で柔らかな文字、ペン字教室の講師の先生による涼やかな達筆、各党首によるフリップや各省庁の看板文字などなど。
    「字は体を表す」と言う通り文字から書き手の姿をつい想像してしまうので、その正誤の程はともかくも文字が人に与える印象は少なからずありそうだと思いました。つまり自分の字も・・・他人様に一体どんな印象をもたらしているやら。

    読むと「乱筆乱文にて失礼いたします。」と「本名」と「六甲おろしの歌詞」を手書きしたくなります(私は書きました)。自分好みの文字と出会うこと、そしてその文字を目指した地道な努力が必要だなぁとしみじみ。

  • わかる~わかるわ~。ホント小学生の頃から気にしてて友達に年賀状なんて書いた日なんて「○○ちゃんって字面白いね」って遠回しに下手だって言われてたもん!絵は得意なんだけど、字がなんとゆうかミミズがのたくったような、「え?字」って感じなんですよ。意を決して書道教室に通うも全く上達せずそのまま中高と進学し、就職するにあたって絶対に通れない道、そう!履歴書!たぶん何社も落ちたのは景気のせいでなく絶対、字!この本は、ああ私だけじゃなかったんだなって思ったくらい下手な字が出てきます。皆さん字書いてますか?今時は手紙なんて書かないんでしょうね。何でもメールですむ世の中になったのは喜ばしいことなのか。。。

  • 「字が汚い」まあ身もふたもない言い方だけど、さすがの目の付け所だ。自分の字ってダメだなあと思っている人はかなり多いはず。手書きする機会は減っているとはいえ、結構大事な場面で使うものだから(冠婚葬祭の記名やご祝儀袋とか、手紙とか)、あちゃー、この字はないわー、なんでこんな字しか書けないんだろうと、私もしばしば思います。

    この本で新保氏は、「なぜ自分の字は汚いのか」「練習すればうまくなるのか」ということから始まって、「字は人を表すのか」「字にも流行はあるのか」などなど、そうそう私もそれは知りたかったよという、手書き字にまつわるあれこれの疑問に切り込んでいっている。練習帳に取り組んだり、ペン字教室に通ったりしつつ、様々な人に取材していて、ここが面白かった。

    コラムニストの石原壮一郎氏の悪筆はもう壊滅的。友だちから「何かの病気だから医者に診てもらえ」と言われた、というのには笑った。同じ石原でもシンタロー氏の判読不能な字には「オレ様の字を読め」という傲慢さを感じてしまうけど。

    うまい字というわけではないが味のある書き文字として、サイバラや山口晃画伯があげられているのには納得。一般人が目指す字ではないけどね。それで言うと、そうよ、こういう字が書きたいの!と思わせるのが、出版社の女性編集者たち。一筆箋にさらさらっと書かれた字の、なんとまあ感じのいいこと。

    かつての丸文字や(懐かし-)、現代の若者文字(「長体ヘタウマ文字」って言うんだと)、ゲバ字(「トロ字」って言わなかった?)、野球選手や大臣や木嶋佳苗の字などなど、話題が広くて楽しい。結局さほどうまくなったわけでもないというところもまたよし、であった。

    新保さんと言えば、梅田の食堂の息子で、灘高から東大、編集者でありライターであり、タイガースファン。これはみんなサイバラの漫画で知った。ご本人はサイバラの似顔絵とは違って男前。妻が「重版出来」の松田奈緒子さんだと知ってびっくり。
     

    • niwatokoさん
      高野さんの奥様が絶賛という話をきき、あと、読売新聞の書評も読んで、おもしろそうと思っていたのですが、ますます読みたくなりました! わたしは自...
      高野さんの奥様が絶賛という話をきき、あと、読売新聞の書評も読んで、おもしろそうと思っていたのですが、ますます読みたくなりました! わたしは自分の字がいつもいやだなあと思っています。若いころ、流行っていた丸文字を書いていたためかと。
      新保さんてわたしはまったく存じ上げなかったんですが、ほかの著書もおもしろそうですね。
      2017/05/26
    • たまもひさん
      私も高野さんがブログに書いてるのを見て、これは是非読まなければと。
      丸文字を書いていた女の子たち、今はどんな字を書いてるんでしょうねえ。な...
      私も高野さんがブログに書いてるのを見て、これは是非読まなければと。
      丸文字を書いていた女の子たち、今はどんな字を書いてるんでしょうねえ。なんで若い頃ってきちんとした楷書を書きたくないんだろうか?「変体少女文字の研究」の作者山根一眞氏は、30年前に「カワイイ」が文化を席巻すると予測していたそうですが。

      私の字は「ヘタ」というより「ザツ」。せっかちなんですね。気張って丁寧に書こうとすると、何だか小学生っぽい感じになっちゃう。作者と同じく、大人の字に憧れます。
      2017/05/26
  • 読んでもいいけど読まなくても問題ない。

  • もう、ただひたすら!!!わかる!わかる!わかる!のオンパレード!!!!!

    めちゃくちゃわかる!!!!!

    丸文字の字の書き方やびっくりマークの使い方で年齢わかる!!!それな!!!!

    わたしの世代の丸文字の感じと、うちのお母さん世代の丸文字の形、そして、今現在のヘタウマ文字←っていうらしい!

    その遍歴たるや!!!!みたらわかるんだよね。笑笑
    これ、多分おばさん書いたやつだな。とか。この子若いだろうなっていう見てわかる癖字!笑笑!!!!

    笑ってしまった!そして、この本の著者!ホントに段々字が整ってきてるのをみて、やっぱりペン字教室は意味あるんだなー!って思った!通おうかな。やっぱり。笑笑

  • 同じ悩みを持つ一人として、対処策を知りたくて一読。
    字を書くというよりデザインする。書く前によく観察する。そしてゆっくり書く。
    まとめるとそういうことのよう。
    また、美しい字とうまい字、うまく見える字の違いについても納得。
    読み手のことを考えて、読みやすい字を書けるよう精進しようと思えました。

  • 「喧嘩売ってんのか、あぁん?」。新刊書店の棚に面出しで並べられて
    いた本書にメンチを切る。そうか、そうか。売られた喧嘩なら買わねば
    なるまい。まぁ、買ったのは本なんだけどね。

    悪筆なのである。我が埼玉県は硬筆教育に情熱を注いでいるので、小学生
    の頃は習字の時間以外に硬筆の時間もあった。すでに小学生でも整った
    字を書いていた同級生もいたが、自分の書いた字にうんざりしていたの
    はこの頃からだ。

    年齢を重ねれば字だって上達するはず。そう、本書の著者と同じように
    考えていた訳よ。でも、一向に上手くなんかならなかった。

    本書では著者が市販の美文字練習帳やペン字教室に通い、著者自身が
    「味のある字」と感じる人に話を聞いて、綺麗でなくても大人っぽい
    字を書こうと努力する様子、書き文字の変遷なども記されている。

    と、書くと少々硬そうだが文章は非常に砕けている。「〇〇っすか」の
    頻発には閉口したけどね。大人っぽい字より、大人っぽい文章を書こう
    よ…と、余計なお世話な突っ込みをしてみた。

    肝心の書き文字の上達のコツだが、自分が書きたいと思う字を常に
    イメージすることってことなんだが、多分、これだけではない気が
    する。

    ワープロやパソコンの普及で、手書きで文字を書く機会が減っている
    からじゃないのかなと思うんだ。

    これは自分の経験からなのだが、また手書きで原稿を書いていた編集
    事務所勤務時代は締め切り時間に追われて原稿を書き殴っていても
    今より整った字を書いていたもの。

    専門学校時代だって、写植見本帳の文字を真似して書いて講義のノート
    もその時々で違う書体で書けてたんだよな。

    書かなきゃ文字は退化するんじゃないだろうか。現在、手書きで文字を
    書くのは日課になっている「天声人語」を書き写す時くらいだもの。
    それも書き終わって唖然とするくらいの汚さ。

    なので、仕事中に取っているメモなんて目も当てられない。自分で書いて
    自分で読めないってなんだよ。特に数字の「0」と「6」が判別できない
    ことが多い。

    ペンを手にして字を書く時間を増やさないとなぁ。何事も練習ってこと
    だわ。

    そして本書を読み終わって自分が書きたい文字がイメージ出来た。ゲバ
    字である。

    そう、「〇〇断固反対」なんて書いてあった学生運動華やかなりし頃に
    立て看板でよく見かけたあの文字。

    でも『ゲバ字練習帳』なんて出てないよな。あ、全学連とか中核派の
    事務所に習いに行けばいいのか?「すいません、ゲバ字を綺麗に書きたい
    ので教えて下さい」って。

    その前に「正しいヘルメットとタオルの使い方」とか「ゲバ棒の応用の
    仕方」とか教えられちゃうのかな。それはそれで、楽しいような気がする。

  • 面白かった。共感できるところが多かったし,インクの大事さとか参考になるところも多かったし。とりあえず私は目的を大事にメリハリつけてやってみようかなと思う。練習もせねばなんだろうけど。

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