会津執権の栄誉

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 196
レビュー : 36
  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906355

作品紹介・あらすじ

「オール讀物新人賞」受賞作家、出色のデビュー作!この力量は本物だ!歴史小説の明日を担う才能のデビュー作をその目で確かめてもらいたい。――石田衣良綿密な取材が紡ぎ出す史実と創作の融合。「新人離れした」とは、本書のことだ。――山本一力四百年の長きにわたり会津を治めてきた芦名家。しかし十八代目当主が家臣の手にかかって殺されたことから男系の嫡流が断たれ、常陸の佐竹義重の二男、義広が婿養子として芦名家を継ぐことにに決まった。血脈の正当性なき家督相続に動揺する、芦名家譜代の家臣たち。義広が引き連れてきた佐竹の家臣団との間に、激しい軋轢が生じる。揺れ動く芦名家に戦を仕掛けるのが、奥州統一を企てる伊達家の新当主、伊達政宗。身中に矛盾を抱えたまま、芦名氏は伊達氏との最終決戦、摺上原の戦いに至る。「夢幻の扉」でオール讀物新人賞を受賞した佐藤巖太郎が滅亡に向かう名家と、戦国武将の意地を克明に描き切った傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 七年目の3・11仙台に向かう新幹線の中で一気に。久々の時代小説、もうちょっとゆっくり楽しむつもりだったのに、身体の細胞が沸き立つ感じになっちゃってページをめくるスピードも「はやぶさ」並みでした。どんどん過ぎていく車窓の風景はまさにこの小説の舞台の会津地方。伊達政宗が戦国の終わりに奥羽を暴れ回っていた時代、彼と敵対していた会津藩蘆名氏を支える男たちの6つの物語。それぞれの章の主役が時代のうねりの中で自分の使命に気づいていく、という構成になっています。組織の中で、時代の中で、嫉妬、功名、悔恨、大義、憧憬などなど男の気持ちに向き合いながら、自分のやるべきことを見つけていくところが今のビジネスマンの共感ポイントに繋がると思いました。これ、時代小説というよりM&A、外資の攻勢、お家騒動、衰退産業などに直面している、現在の会社小説なのでは…「時代」の流れに向き合う組織の中での自分の発見、時代小説だから描ける現代なのかもしれません。当たり前だけど歴史は陽のあたるヒーローだけのものではないことを改めて。6人の主人公、みんなカッコいいです。

  • 骨太で読み応えがあった。
    この作者の筆力に驚いた。他の作品も読んでみたい。

  • 会津の芦名氏が伊達政宗に大敗するまでを描く連作短編集。
    標題にもなった会津執権の金上盛備。関白秀吉の前で詠んだ「雪ならば いくたび袖を払はまし しぐれを如何に 志賀の山越え」、この一首が印象的。
    相次ぐ裏切り、一枚岩とならない家中を、誇り高き執権は、どのような想いで、闘いにいどんだのか。
    心に染みる。

  • 会津守護芦名氏の終焉を5編の短編で描く。雑誌に断続的に発表したものを1冊にまとめ、伊達政宗の小田原遅参のエピソードを書き下ろしで追加。
    合戦場面はおまけ程度で、エンターテインメント性は低いが、個々には繋がっていないエピソードで、武士達の心の動きを丁寧に拾っている。

  • 2019.7 なんか読みにくかった。なんでだろう。

  • 戦国末期の東北、葦名氏の滅亡が、章ごとに視点を変えながら書かれています。地理に詳しくないので、Googleマップを見ながら読了しました。

    当主の横死から始まる御家騒動は分かりやすく、富田隊の最後にはいろいろ思うところがありましたが、全部最後の伊達政宗に持っていかれた気がします。生まれるのが遅かったと言われる政宗ですが、他の戦国大名とはこういう違いもあったのか、と気づかされました。

  • 滅亡前の蘆名家を描く連作短編小説。面白い。

  • 蘆名氏っていのは、あまり語られなくて興味はあったが
    個人的には合わなかったかも

  • 若い感覚の時代小説。会社勤めとしても身につまされることあり。

    P214(雪ならば いくたび袖を払はまし しぐれを如何に 志賀の山越え)
    払うことのできない時雨が衣を濡らし悩むくらいなら、いっそのこと脱ぎ捨ててしまえばよかったのだ。そう考えたら不思議と身体が軽くなった。生まれ落ちたとき、初めて戦場を駆け巡った時、飾りも重荷も何も背負ってはいなかった。

    P229 ひとは誰しもが心の中に、暗闇を・・言い換えれば恐れや弱みを抱え込んでいる。その恐れや弱みこそが、ひとの行動の大部分を支配している。

    P256 自分にあるのは空洞だけではなかった。いや、その空洞の暗闇には、最初から一条の光が差し込んでいた。関白とは違う。自分には歴代の家臣団がある。命を惜しまぬ味方がいる。
    空洞を埋めるのは関白の下僕になることではない

  • 「やろうと思ったことをおやりなさいませ」家臣のだった一言が頭の中の暗い霧を吹き飛ばす。大事な言葉は何時だって自分の一番近いところから発せられる。そして金上盛備の最後は見事。芦名氏ものが読めて良かった。

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著者プロフィール

作家

「2020年 『伊達女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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