2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する

  • 文藝春秋 (2017年4月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784163906409

作品紹介・あらすじ

AI、自動車、バイオ、農業、医療、エネルギー、軍事、VR、拡張現実――。

テクノロジー予測で全世界的な信頼を持つグローバルエリート誌が総力をあげて大胆予測!

・自動運転車によって、都市の車両数は90%減少する。
・人間の脳はインターネットに接続され、図書館やスーパーコンピュータと直接つながる。
だが、同時にマルウエアやウイルスまで一緒に取り込んでしまう。
・誰もがARグラスを使用するようになる。他言語を話す人との会話はリアルタイムで翻訳
され、街からは看板や信号が撤去される。その技術はやがて眼球自体に組み込まれる。
・プライバシーは、飛行機のビジネスクラスや別荘のように、富裕層だけの贅沢品になる。
・すでに西側のスナイパーの狙撃距離は2475メートルを記録。今後は、空中で軌道を修正
できる弾丸の開発で、照準線の向こうに隠れる敵を狙撃できるようになる。


【目次】

■はじめに 破壊的で大規模な技術の変化「メガテック」

〈第一部 制約と可能性〉

■第1章 日本のガラケーは未来を予測していた
過去、現在、SFで描かれる未来。この3つが2050年を見通すための鍵になる。
15年前、スマートフォンの登場を予測した人々は、日本の女子高生に注目した。

■第2章 ムーアの法則の終わりの先に来るもの
チップの極小化によるコンピュータの高性能化(ムーアの法則)は、原子のレベルに
近づき限界を迎えつつある。だが、そこからコンピュータの発展の未来が見えてくる。

■第3章 第7の波、AIを制する者は誰か?
メインフレーム型コンピュータの第一の波を制したのはIBM。第二の波はパソコン。
その波を制したビル・ゲイツは、遥か未来のAIの登場について当時考えていた。

■第4章 なぜデジタル革命では生産性向上がみられないか?
経済学者のロバート・ゴードンは、産業革命と比べると、今日のデジタル革命では、
生産性、労働賃金、生活水準はほとんど上がっていないと指摘したが、その盲点は?

■第5章 宇宙エレベーターを生み出す方程式
どんな技術が実現可能か。物理学者はその答えを導き出す方程式をすでに手に入れてい
る。タイムマシンや光速を超える情報伝達は実現しないが、老化や疾病は克服できる。

■第6章 政府が「脳」に侵入する
人間の脳はインターネットに接続され、図書館、スーパーコンピュータ、宇宙望遠鏡
と直結する。だが同時に、スパムやマルウエア、ウイルスも一緒に取り込んでしまう。

■特別SF1 傷つく自由(アレステア・レナルズ)

〈第二部 産業と生活〉

■第7章 食卓に並ぶ人造ステーキ
世界人口は約100億人に達するが、食糧危機は起こらない。細胞培養を通じて、多く<b

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

未来の技術がもたらす可能性と課題を深く考察した作品は、現実に進行中の技術革新を基に、2050年の社会を予測しています。特に、ビッグデータや医療AI、ナノテクノロジーの進展が、私たちの生活や産業にどのよ...

感想・レビュー・書評

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  • 良書 現実に進行している事項をもとに”予測”している。
    ワードを拾っていくだけでも参考になるとおもいます。
    自分がハイライトした点は次のとおりです。
    ・ビックデータ(IOT,医療AI)
    ・スマホへの多くのセンサーの実装
    ・医療情報と創薬との連携
    ・新素材の開発から、CADCAMへの流れ
    ・ナノテクロノジーと、電池の改良
    ・教育のデジタル化と、コストの低減
    ・遺伝子組み換えによる、食料の生産性向上飢餓の解消 等

  • テクノロジーの未来を予測する際に目を向けるべき3つのこと。
    1.過去の類似事例
    歴史は繰り返す。
    2.現在の限界的事例
    特定の集団や国だけで広がりつつある事例のこと。
    3.SFに描かれた未来

    ムーアの法則はまもなく終焉を迎える。その後はプログラミングの質の向上や、専門性の高いチップの設計が進む。
    コンピューティング能力はクラウドに置かれ、必要に応じて使うようになる。
    音声で操作するコンピュータが普及する。また、ウエアラブル、電子コンタクトレンズが出現する。

    これまでコンピューティングテクノロジーには6つの波が訪れている。
    1.メインフレームとミニコンピュータ
    2.パソコン
    3.インターネット
    4.クラウドとモバイルコンピューティング
    5.ビッグデータ
    6.IoT
    そしていま7つ目の波はAI

    19世紀後半のイノベーション。電気、自動車、水道、近代医療はその後、1世紀に渡る急速な生産性向上をもたらした。新しいテクノロジーによる経済成長はこれから本番を迎える。
    また、経済指標をテクノロジーの変化に合わせる必要がある。

    人間の脳がインターネットと直接繋がる世界。また、人間の組織を3Dプリンターで作られたものと交換する世界など考えられる。

    人口増加に伴い、食料問題が起こる。それを解消するために、農場は機械化、自動化が進み、細胞培養による動物性食品の製造が進む。

    医療分野にAIが入り、診断だけでなく、難易度の高い手術まてわ行うようになる。また、ウエアラブル端末やスマートホームが健康上のデータを収集するので、医療機関へ通う必要がなくなる。

    脱化石燃料がこれから進む。

    製造現場に3Dプリンターが普及する。車は編まれ、住宅は印刷される。

    軍事にも当然技術の進歩は反映される。
    避けられない事実だが、恐ろしい。

    オンラインが普通になり、スマートフォンはARメガネになったり、スマートコンタクトレンズになる。
    こうしたテクノロジーは監視社会とトレードオフを逃れられない。

    人間が、スマートテクノロジーの使い方を誤ることこそが、重大なリスクである。
    AIの成功は、我々がAIに親和性の高い環境を作っていけるかにかかっている。つまり、世界がAIに合わせる。
    イエスかノーかを常に正確に判断するアルゴリズムは構築不可能であると証明されている。つまり、コンピュータの限界はいくつか研究で、示されている。
    AIは記憶と作業は得意。ただ、思考はできない。
    AIによる変化の恩恵は万人で共有されるべきであり、雇用破壊などのコストは社会全体が引き受けなければならない。

    プライバシーは富裕層だけの贅沢品になる。

    テクノロジーが経済や教育の格差を縮める。

    テクノロジーは進化を止めない。

    先を見据えた話はその分振れ幅も大きいと思うが、刺激になる。

  • それほど興味を湧く話題がなかった。普通な内容。

  • 出版されてから数年経って読んでみても古さを感じない鋭い考察。テクノロジーが融合し、人間の能力を凌駕した時に、テクノロジーと人間の関係は。哲学的なニュアンスも少々。

  • Good read.

  • 興味深い未来像やその材料となる現在の技術開発の状況がわかった。
    ナノテクノロジーとバイオテクノロジーにおける革新が重要な影響を生む。脳とデジタルデバイスの直接接続により人の感覚と経験は理論上は宇宙空間にまで拡大し、食糧問題は人造肉と野菜工場で解決し、医療はカスタマイズされた幹細胞による治療とスマートデバイスとスマートホームによる健康管理が行き渡り、エネルギー問題には衣服やカーテンに実装可能な太陽電池の開発や家庭に分散配置される蓄電池によって再生可能エネルギーの不安定性を吸収する解決策が示され、軍事では曲がる弾丸や昆虫型スパイロボットや犬型攻撃ロボット(落ち葉や木材を燃料とする)の開発と兵器の無人化による変質があるほかサイバー空間で勝敗が決する次元の変革も訪れる。人々のあらゆる活動とデータが収集され記録され「監視」されると同時に必要なものや欲しいものが然るべきタイミングで届けられるという便利さも手に入れることになる。AIのインパクトとして、人にとって代わることはないが、多くの人の雇用に影響があることは間違いがなく、いかに使いこなし、新たな人間の仕事を見つけていくかが極めて重要である。
    技術はそれ自体意思をもつものではなく、人がそれを対症療法的に利用するものである以上、社会の仕組と人の認識をデザインする必要があるということが強いメッセージとして伝わってきた。

  • AIが思考することはない。

  • 基本的には楽観的な未来予測。

    テクノロジーの発展により
    ・食糧、エネルギーの供給
    ・個人のニーズに合った医療、教育、法務サービスの提供
    ・環境への配慮
    が行きわたる。

    AIの暴走は起きず、テロや独占企業による差別(選別?)など、人間が起こす問題の方が課題である。

    もちろん格差の拡大や既得権、論理ではなく倫理にもとづいた法整備等、解決が必要な課題は山積している。

    人類が希望を持ち、必要なインフラ(たとえば自動運転車とドローンに適した交通網、都市計画、法整備)への投資がなされ、経済が上向きになることで「普通の」人々が豊かになればそのとおりだろう。

    本書が信仰しているグローバリズムと小さな政府思想の正体が「今だけ、カネだけ、自分だけ」「利益は自分に、損失は社会に」「税金は、無能な大衆の救済ではなく優秀な『自分たち』のフトコロに還元すべき」の拝金主義だとバレた以上、トランプへの支持やイギリスの選択が「ポピュリズム」ではなく「正義」だったとしたらどうなるのか。

    荒木飛呂彦の「理系は人間を幸福にしていない」(だったか)という言葉が浮かんだ。

    弱い者、愚かな者、無力な者、貧しい者... 「悪」とされる部分を「自己責任」で切り捨て、問題のしわ寄せを弱者に押し付けてつじつまを合わせる世界なら、遠藤浩輝「EDEN」が未来像になるだろう。

  • 世界的に出版不況の時代にあって、部数を伸ばし続ける数少ないメディアの英Economist誌による2012年に出版された2050年の世界のテクノロジーの未来予測。別本となる2050年の世界に比べるとかなり刺激的。

    注目すべき要旨は下記。
    1. 人間の脳はインターネットと直接つながり、随時アップデートされるが、高機能な最新版は財力がある人間しか手に入らない。
    2. 病気になったり老朽化した組織は3Dプリンタで作られた組織と交換可能となる。
    3. 食卓には工場で細胞培養された人造ステーキが並ぶ。
    4. 3Dプリンタは進化し、車は編まれ、住宅は印刷される。
    5. プライバシーは富裕層だけの贅沢品となる。

    正直こんな世の中は来てほしくないと思った私は既に時代遅れ?

  • 購入者:野澤
    現在の所有者:岡山

  • ここから50年の世界はガラリと変わる。そして、より人間とは何かを問われる。

  • 世界一有名な経済誌と言ってもよい、英「エコノミスト」誌の著名記者などが描く2050年の未来。技術ベースで語っていて、現時点から垣間見える未来を興奮と共に想像させる一冊。
    とはいえ、それぞれの観点で条件付きとなっていることが、ただの絵空事ではない内容に仕上がっている。面白かったのは20,21世紀を通じて最大の技術的転換点はアンモニアの抽出だというくだり。結局ここから現代の技術進化ははじまっているという。

  • AI、遺伝子、医療、農業、エネルギー、VRなど20の分野に分けて、技術的な観点から2050年がどんなふうになっているかを大胆に予測した一冊。
    基本的にテクノロジーの進化に期待しつつも、テクノロジー自体には進化する意図はなく(AIにおけるシンギュラリティはないと断言)、人間が新しいテクノロジーをどう受け入れ、社会、生活に反映させることができるかがカギと説いているが、これには同感。
    遺伝子治療により医療が急速に進歩し、食糧難は避けられること。AIのサポートによって、長期的には人間の暮らしは最適化することなど、テクノロジーへの期待に満ちた予測が並ぶ中、環境破壊、温暖化については、すでに手遅れとの悲観的な見方がされている。温暖化、環境破壊、そして戦争という大きなリスクに対して、テクノロジーがどのくらいソリューションになり得るかが、2050年に向けた課題だと認識した。この先の人生後半戦、自分なりにこういったテクノロジーに少しでも関わっていければ、と少し気持ちを新たにした。

  • 最先端の現場を取材している編集者から、科学者の権威まで様々な著者が執筆していて非常に面白い。楽観的な予測が中心なのは投資を活性化させてイノベーションの好循環を理想としているからかと想像。しかし軍事面に関しては西側の自由経済民主国が優位性を持続できるか、対テロも含めて新たな局面を迎えると指摘。SFも重要な要素と認識している点も好ましい。歴史についても多くの洞察があり、蒸気機関の発明が産業革命を起こしたのは認識違いと指摘するなど、的を得ている。
    本書に出てくる著者や、紹介されている書籍を改めて読んでみたいと感じた
    世界的に自然エネルギーへの投資・開発が躍進しており、本書でも日本は原子炉の廃炉に進むと予測しているが、腐敗に毒された経済産業省によって原発推進という有り得ない事態が生じている。無能政府によってどんどん取り残されて行くのが心配
    過去のテクノロジーに対する賛否両論についても面白い、古代ギリシアでは紙に書いた文字が懸念の対象だったり、活版印刷でも同様で、ナポレオン時代の機械式電報システムでも詐欺まがいの悪用をする事例があったり・・
    AIでのシンギュラリティは起きないとの主張や、技術革新に対するフェティシズムは幻想だとの見解は、やはりそうなのか・・

  • 2050年の未来をエコノミストの記者が予測した本書
    オムニバス形式

    データなど量が多くて読み切るのが大変だった。
    1章ごとにある章末まとめを読んで気になるところをpick upして読んだほうが良さそう。


    - アジア圏(中国、インド)の台頭 (途中からの鈍化)
    - 世界の高齢化(日本筆頭)
    - 日本のプレゼンスの減少

    などが書かれていた。

    人工が減り、インパクトが弱くなっていく日本の立場について考えされられた。
    (突出した高齢化はチャンス?)

    あと、5Gなどの台頭による「どこでも」働ける社会では逆にどこで働くかが重要視される社会になる
    という逆説も面白かった。(起業家はシリコンバレー、エンジニアはインドなど特化地域に人がますます密集していく構図になるとの見方)

  • 技術の進歩、社会、格差、観念など様々な側面から、2050年がどうなっているかを推測するもの。

    基本的なスタンスとしては、訳者のコメントにもあるとおり非常に楽観的なものとなっている。特にエネルギー政策に関しては、エネルギーは潤沢になりかつ地球環境にも悪くないものである可能性がある、というもの。

    一方で、テクノロジーによる「格差」の問題にも踏み込んでいる。政策立案者に適当に届かないものであれば、現状のとおり格差を広げ続けるものになる、というもの。

    特に「教育」については重要で、労働生産性、賃金との兼ね合い、業務範囲の変化から、今後ますます重要になると思われた。加速する世界の中で、いかに取り残されず、かつ、あくせくせず。そうしたバランスを取っていくためには、やはり知恵が重要になる。

  • 特段目新しい技術や予測はない。
    そもそも予測に対して詳細なソースや数字が提示されてるわけでもなく個人の希望的観測に基づいているのでその辺の個人のブログとそんなに変わらない気がする。
    ある程度テクノロジー系に詳しい人やいろいろ情報を仕入れている人なら特に見る価値はないと思う。

  • 今後の世界を形作るうえで核となる力はなにか?
    本書はそれを見出そうとしている。
    本書は3部構成。第1部 制約と可能性、第2部 産業と生活、第3部 社会と経済。第1部では、テクノロジーの未来の大前提に関わる問題、変化、制約の要因を考察する。
    第2部では、さまざまな基幹産業にテクノロジーがもたらす変化を考察する。特に農業が重要だと著者は語る。
    第3部は、これからでてくるテクノロジーが、社会的、政策的に与える甚大な影響についての考察である。

    テクノロジーがもたらす変化に、企業や経済全体はどのように対応していくべきか? 2050年まで我々が直面する最も重大な課題の一つである。

    自動運転自動車が街を走り、人造ステーキなどによる食品の人造化により食糧難は起きず、医療は、学習機能を持ったAIが外科手術まで行う。全ゲノムから難病を診断。CTIやMRIなどの画像診断システムは分子イメージングが鍵を握る。
    エネルギーは、再生可能エネルギーが増加。太陽電池と風力で全エネルギーの3割を占める。車はBMWのように編まれ、住宅は印刷される。
    そしてAR(拡張現実)を眼球に組み込み、スマホは要らなくなる。

    働き方は創意を必要とされる。

    組織が生き残る鍵は「適応力」。
    ミドルスキルは駆逐される。短期的には、スキルセットやキャリア開発。
    優秀な人材は、正社員ではなく、フリーランスを選択する。




  • 正直実感がわかない記載ばかりであったが、今後技術をフォローするのは重要になるのではと思った。

  • 未来はすでにここにある、均等に行き渡っていないだけだという引用が印象的。技術革新は今後も積み重ねを繰り返し直線的に進んでいく。だからこそ本書のような予測が成り立つのだろうか。

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