僕が殺した人と僕を殺した人

著者 :
  • 文藝春秋
3.70
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本棚登録 : 618
レビュー : 76
  • Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906430

作品紹介・あらすじ

直木賞受賞作『流』を経て生まれた、台湾が舞台の圧倒的青春小説!1984年。13歳だった。夏休みが終わる2日前、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ。2015年冬、アメリカで連続殺人鬼「サックマン」が逮捕された。デトロイトの荒んだ街並みを見つめながら、「わたし」は、台湾で過ごした少年時代を想い出していく。三十年前、わたしはサックマンを知っていた――。1984年夏、台湾で、兄をなくしたばかりのユン、牛肉麺屋のアガンと弟のダーダー、喧嘩っ早くて正義感の強いジェイは友情を育んでいた。四人の少年たちは、ある計画を実行することに決めた……。サックマンとは誰なのか? その謎をめぐる青春ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 引き込まれた。いろいろ抱えた少年達の30年後に驚いた。サックマンの正体に、途中「えっ⁈」となった。懐かしい描写がここかしこにあって、興味を惹かれた。1984年が一つのキーワードになっていて、3人にとって別の今に繋がる道はなかったのかと思った。エピローグで、この文章の意味が理解できました。

  • 初作家さん。
    複雑な家庭環境の中育ち、喧嘩しながらも芽生え行く少年三人の友情。あの夏に立てた継父殺害の計画は失敗に終わるがもっと悲惨な未来が待っていた。  
    サックマンの正体には驚いた。 
    ほんの数日の出来事が、時を経て尚、大人になった三人をまた繋いで行く。
    切なくて悲しくて懐かしいようなそんな話だった。

  • 著者初読み。
    直木賞を受賞した作家さんであることは知っていたけど、受賞作にはあまり興味がなく、この作品もネットニュースで取り上げられていたこと、タイトルからミステリーだと思い込んで読んでしまった…
    7人の少年を殺害したことで、アメリカで逮捕された「サックマン」この事件の謎を解く話かと思いきや、「サックマン」が犯罪に手を染めてしまった原因があったと思われる青春時代の話を描いている。
    「サックマン」の正体、この物語の書き手である「わたし」が分からないように、ストーリーが展開する。青春時代である1984年と、「サックマン」が逮捕された2015年を行ったり来たりする展開だが、主点が変わるので、私には読みにくかった。舞台が台湾なので、普通にカナ表記されるものを漢字で表しているのも、かなり苦戦した。
    友情の物語と称賛している意見も多いが、少なくても、私はこの4人に感情を移入することも出来ず…残念…

  • 両親と別れて過ごすことになったユン、幼馴染みのでぶのアガン、喧嘩っ早いジェイ。3人少年が出会い、かけがえのない日々をともに過ごす。30年の時を経て、彼らは連続殺人鬼、国際弁護士、成功した商売人となり再び人生が交錯する。
    それぞれが複雑な家庭環境のなかでもがき苦しみながらも精一杯生きていくが、同時に両親もまた日々の苦しみにもがき続けている様が綴られる。ミステリーというより、友情や孤独を描く青春小説。面白かった。

  • サックマンという連続殺人犯と台湾を舞台にした1984年の悪ガキ三人組.二つの重ならないはずの物語が交差した時,震えが来るほどの衝撃を受けた.どこで運命が狂ったのか,どこにも持って行きようのない運の悪さに,哀しみだけが残った.表紙の絵もどことなく不気味な予感がして,いい.

  • それぞれの家庭環境に悩むユン、ジェイ、アゴンの3人が登場する1987年の台湾と、連続殺人鬼サックマンが逮捕された2015年のアメリカがオーバーラップする小説。作者は台湾出身らしいのですが、行ったこともない台湾のリアルが伝わってくる。ティーンエイジャーの友情と死の匂いのする小説ということでは、たまたま昨日読んだオーダーメイド殺人クラブとかぶるが、こっちのほうがめちゃくちゃ入り込めた。
    犯罪小説としてもすこぶる面白いが、物語の途中でぐるっと世界が反転する仕掛けもあり、連続殺人鬼サックマンの少年殺しの動機の解明のシーンなど、ミステリとしても痺れる。ラストのカタルシスの余韻も含めて、やっぱり女の友情より男の友情ものだよなっていうのは、このご時世まずいのかな。

  • 最初に殺人鬼が捕まって、そもそもぼくはジェイの仲間でもなんでもなかったで単純にジェイを殺人鬼だと思い込んで読んだため、「あなたの弁護をさせていただくジェイソンシェンです」で10秒程フリーズしました。
    最後まで面白かったです。

  • 初東山彰良。一気に読めた。
    話は全然違うけど、ミスティック・リバーやワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカの雰囲気を纏う良い感じでした。
    読もう読もうと思っていたブラック・ライダーへの起爆剤になりそうです。

  • 『流』に続いて2冊目。東山さんの文章は、金城一紀さんに似ていて好きだな。

    さて、今回もやっぱり台湾が舞台。現在の『私』と小学生から中学生までの『僕』とで、2つの時代の物語。

    現在では、「サックマン」なる連続児童殺人鬼が捕まり、その弁護士としての「私」の目線から一人称で語られる。
    また、1980年代には、悪ガキたちの瑞々しい日々を「僕」目線で一人称で語られる。

    現在と過去が交互に語られるわけだが、サックマンはあの男なんだろうなぁと思いながら読むも、終盤でえっ⁉︎となった。
    私が勝手に騙されたのか、全くの思い違いをしていることになる。

    この物語は、サックマンが誰かという点と、何故連続児童殺人鬼になったのかという点がメインになっている。誰かという点についてはすっかり騙されてしまったが、何故という点については、少し弱いような気も。
    でも、逆に納得できたかも。でも、切ない。

    それはさておき、この作者、悪ガキの日常を描かせると本当に上手い。痛いほど少年たちの心情が伝わって来るし、私自身、その少年たちの仲間になったような気持ちで読むことができた。
    ミステリとしても、青春ものとしても良い小説でした。

    • chie0305さん
      こんばんは!ひとしさんの本棚見て、この本予約してますよ。だいぶ先になりそうですが。ここ最近、ひとしさんの苦手分野を読んでいたので(!)お話で...
      こんばんは!ひとしさんの本棚見て、この本予約してますよ。だいぶ先になりそうですが。ここ最近、ひとしさんの苦手分野を読んでいたので(!)お話できませんでした。
      ひとしさんはいつも新しい本を読んでいて、うらやましいです。
      BOX、なんだかちょっと青春しちゃいました(笑)
      2017/10/05
    • chie0305さん
      前に「亡国のイージス」苦手分野だけど頑張って読んだって仰ってました(笑)
      前に「亡国のイージス」苦手分野だけど頑張って読んだって仰ってました(笑)
      2017/10/05
  • 20015年アメリカで7人の少年を殺した連続殺人鬼が逮捕された。犯人は台湾人…。というところで舞台は80年代の台湾に移る。兄を亡くし両親と別れて暮らすユン、牛肉麺屋のアガンとその弟、喧嘩っ早いジェイ。4人が過ごした少年時代が描かれる。その中の一人が後の殺人鬼に?!。牛肉麺屋で煮立つ八角とスープの香り、街の雑踏や、暑い夏の空気…。目の前にありありと浮かぶような描写の数々…。ストーリーは映画「スタンド・バイ・ミー」や「ミスティック・リバー」を思い出させます。青少年時代のノスタルジックで苦い思い出と現在の交錯する傑作小説!

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著者プロフィール

1968年台湾生まれ。5歳の時に日本に移る。2002年『逃亡作法 TURD ON THE RUN』で「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞しデビュー。’09年『路傍』で大藪春彦賞、’15年『流』で直木賞を受賞。『罪の終わり』で’16年中央公論文芸賞受賞。’17年『僕が殺した人と僕を殺した人』で織田作之助賞受賞、読売文学賞、渡辺淳一文学賞を受賞した。

「2020年 『女の子のことばかり考えていたら、1年が経っていた。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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