明治乙女物語

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著者 : 滝沢志郎
  • 文藝春秋 (2017年7月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163906928

作品紹介

ときは明治21年。東京・御茶ノ水の高等師範学校女子部(女高師)に通う夏と咲、2人の女学生が主人公です。いまだ男尊女卑の風潮がはびこり、「女が学問なんて」と一部からは白い目で見られつつも、彼女たちは、時に挫折を経験しながらも、溌剌と教育者への道を歩んでいました。そんな彼女たちは、鹿鳴館の舞踏会で踊り手が不足したため、招かれることになります。そこには伊藤博文枢密院議長、森有礼初代文部大臣、各国の大使など、要人が集っており、それは暴徒たちの格好の標的でもありました。彼女たちも生命の危機に晒され、そして――。 世の荒波にもまれながら、新時代に逞しく羽ばたこうとする、女学生の青春を描く傑作。選考会で圧倒的支持を受けた第24回松本清張賞受賞作です。

明治乙女物語の感想・レビュー・書評

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  • 明治中期の高等師範学校女子部で学ぶ咲と夏。
    女性が学問をすることに対して圧力がある中、のびのび自由に学問を楽しむ咲と常識にとらわれてしまう夏。
    学校の講堂での舞踏会の日の爆弾騒ぎから一気に物語は緊張感が増し、ミステリ色が強くなっていきます。
    犯人は、目的は、咲や夏は大丈夫なのか。
    明治の著名人が多数登場し、リアリティにあふれた物語は鹿鳴館で終結を見ます。最後は緊張の連続です。
    巻末の参考資料を見れば、作者が念入りな下調べをした歴史の中に物語を描いていることがわかると思います。
    明治の雰囲気を味わうとともに、ミステリを味わえるお勧めの一作です。

  • 2017.09.24
    東京女子高等師範学校の生徒と初代文部大臣森有礼、鹿鳴館を巡る物語。私の大好きな時代のお話。女子教育を強く進める森大臣の真意は。現在憲法改正で賑わっているご時世だからこそ、考えさせられる一冊でした。

  • 文明開化も進み、西欧化から国粋主義へと少しずつ空気感が変わり始めた明治時代、高等師範学校女子部の学生である少女たちを描いた物語だ。
    といっても、きらきらしく瑞々しいだけの青春小説ではなく、女性に教育を受けさせることを良しとしない世風や、貧しく教育を受けられない者が多くいる現実、西欧人と関係した女性を悪し様に罵る世間、女性が道具でしかなかった旧弊な時代と向き合っていかざるを得ない「新しい時代の女性」たちの姿が描かれている。
    実在の人物たちが多数登場し、(主人公である少女ふたりも、実在の人物をモデルにしたようだ)どこまでが史実でどこまでがフィクションかと読んでいてわくわくする。
    描かれているのは決して楽しく明るい世界ではなく、どちらかというと、これから軍国主義へ傾倒していこうとする風潮すら感じる、不穏さの残る日本であるにも関わらず。
    誇張して描かれているにしても、自分より数世代前の女性たちには似たような体験をしたり、心をくじかれたり、志を新たにしたりしたのだろう、と思うと、読み終えたとき気持ちが熱くなった。

  • 20180128読了

  • 維新の元勲がチラホラと実名で登場。鹿鳴館時代に彩りを添えた女学生の群像劇。先ず設定が面白い。この時代の彼女たちを描いた小説は少ないだろう。しかもミステリーだ。
    設定は新鮮だがミステリー部分は弱い。
    其処だけ残念。

  • めちゃめちゃおもしろかった!実在の人物もたくさん出てきて、まるで大河ドラマを観ているようでした。この時代すきだからわくわくしながら読んだ!鹿鳴館時代は胸がときめく!
    実在のアイドルを題材にしたって聞いていろいろ調べたら、キャラクターの性格もエピソードも盛り込んでいてファンにはたまらないだろうなあと思いました。
    この学校がアイドルの事務所だと例えると、学問をする理由=アイドルを続ける理由で、それはただ楽しいからって人もいればこれしかないから必死に追いつこうとしてる、って子もいるというのが胸にきました。結局外国との交渉の道具になってしまう女性の学問は、今のアイドルたちを象徴しているのかなあと思います。純粋に、自分のためにアイドルをしてほしいなあ。

  • こんなに面白そうな内容なのにとってもつまらない。主人公も大した活躍しないし、脇役も歯がゆい。時代的に女性が出しゃばれないのは解るが、もっと胸のすく活躍を期待してたんだけど。不愉快な男性は懲らしめられるでもやり込められるでもなく不愉快なままで終わるし、何だかスッとしない。たぶん帯と表紙のせいで自分が期待する方向が間違ったんだろうけど、これが松本清張賞って、そんなんでええのか。 ところで斎藤一が出てることに最後の最後で気づいた。

  • 森有礼、唐人お吉、伊藤博文ら実在の人物を脇役にして、虚構の人物で、史実を元に創作した小説。構成は、良くできている。しかし、内容は漫画だ。漫画を貶めて言うのではなく、漫画の方がこの物語を魅力的に描けただろうということ。

    聡明で運動神経も良い、日本人離れした長身の美女と日本人らしい美人のペア主人公に、いわくありげな白人とのハーフの美青年だもん。しかもクライマックスは鹿鳴館の舞踏会。映像だと、あり得ないほどの美男美女はキャスティングが難しいし、鹿鳴館を再現するのは制作費がないと悲惨なことになるから、やっぱり漫画。私の中では大和和紀でしたね。というか、これ大和和紀の漫画じゃないの?っていうくらい大和和紀的な作品。池田理代子とかはもうちょい悲壮感あるけど、適度にコミカルなシーンもあり、基調は明るいところが、大和和紀なんですよ。
    もうちょい久蔵と咲の恋愛シーンがあれば、言うことなかった。少女漫画としては。昭和の少女漫画ね。
    わざわざ小説で読まなくても良かった気もするけど、漫画化されてないので仕方ない、というのが感想です。

  • 乙女達を好きにならずにいられなかった。

  • これは青春キャピキャピの明治時代の乙女たちの物語ではない。
    作者の主観があるとは言え実在の歴史上の人物が
    小説の中でその時代を彼らなりに生き抜いていく。
    明治という時代の空気感がよく伝わってくる。

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