ファインダーズ・キーパーズ 下

  • 文藝春秋 (2017年9月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784163907123

みんなの感想まとめ

物語は、見つけたトランクに入っていたお金と未発表の原稿を巡るサスペンスフルな展開が繰り広げられます。主人公ピートは、生活苦の家族を救うために匿名でお金を送る一方、原稿に心酔していくものの、その行動が彼...

感想・レビュー・書評

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  • 見つけたトランクにあったお金と原稿。ピートは、生活苦の家族に匿名でお金を送る一方、原稿に心酔していく。その原稿もお金に変えようとした時、ピートに危機が迫る。妹の訴えから調査に乗り出したホッジス達。迫る危機の中、ピートや家族を救えるか?

    キングのミステリー2作目。前作ミスター・メルセデスの主人公ホッジスが立ち上げた探偵社ファインダーキーパーズに持ち込まれた事件の話だが、前作の事件との絡みも語られたり、ホッジスがメルセデス事件の犯人を気にしたりと、3部作の中の1篇としても連動を見せている。

    上巻は、ピートとお金と原稿を隠したモリスのそれぞれの話がメインとなる。キング作品恒例序盤での背景説明で、この部分がないと、2人の原稿への想いがわからなくなるので、必須ではあるし、話自体もおもしろい。ただ、丁寧な説明のためか、ちょっと間延び感があった。下巻に入って、モリスの狂気が、加速していき、サスペンス度合いが上がるのだが、大まかにそれぞれはこう動くというのが、背景説明でわかってしまうところが、気になった。

    前作も犯人描写も筋の一つなので、誰だがわからないというのではなかったが、登場人物達が、それぞれ模索しながら突き止めていくところを俯瞰的に見ることにサスペンス感があった。今回も双方を細かく描写しているので、誰だ感はない。細かい区切りで、ピート、モリス、ホッジス達の動きを描くことで、その微妙なズレによるサスペンス感は、ドキドキさせるし、楽しんで読める。ただ、前回の方がよりサスペンス感があったかなという思いが、拭えないまま終わった感じだった。

    ミザリーでも思うが、キングの小説家が関わる作品は、小説家にしか感じられないだろう恐怖感や創作物に対する気持ちが伝わってくるように感じる。ミザリーも登場人物への昏倒というのがあったが、今回もまた然り。また、今回は小説や文学に対する知識や思いも感じられる。

    もう一つ感じられたのは、生きる中で、何を優先で考えるかという点である。この辺、キングは結構一貫しているかなと思うが、それを基に考えると、モリスとピートの小説「ランナー」シリーズへの昏倒ぶりが、後々考えさせられるポイントになってくる。

    ホッジス達の行く末は気になるので、最終作も読んでみたい。

  • シリーズ第2作。前作同様に冒頭から一気に引き込まれる。40年前の犯罪とそこからつながる少年ピートの生活。その2つと物語がいい。どんどん深みにはまって行くピート。小説と小説家への想い、ピートの葛藤、過ち、そして守るべきもの。歪んだ想いから真っ直ぐな想いまでたくさんの感情があって、そのなかでもピートの心の動きが特によく、キングが少年を描くと悩み、苦しむ姿、喜びの姿とどれもがしっかりと伝わってくる。次作で完結だけれど続きがとても楽しみ。

  • 「キングが本気で挑んだミステリ」の第二弾。タイトルは、ホッジスとホリーの探偵社の名前だが、俗語で「拾った物は自分の物」という意味もある。まさにこの一言がすべての始まりとなる。

    ホッジスが事件に絡むのは中盤以降。前半は「拾った物」を巡って対峙するふたりの人物を中心に展開していく。今回は作家の未発表原稿が重要な鍵を握っており、その流れなのか、作中のキャラが実在の作家や作品名に言及しているシーンが多く見受けられる。これはそのままキングの思いやこだわりなのだろう。なので本筋から逸れていると感じる時間も多々あり、ミステリ度はやや低め。

    全体を通して見てもミステリ的にはそんなに展開していないのだが、少年と犯罪者の距離が縮まっていくプロセスはサスペンスフルで、胃痛を伴う緊迫感に支配される。この辺りの読者に対するプレッシャーは巧いなあと感心しつつ、ハラハラは止まらない。
    期待しすぎたのか、“三部作の二作目”という中途半端な物足りなさは残る。甘めの評価になったのは、やっぱり掛け値なしに面白かったから。家族に対する少年の想いも共感できるし、その少年に寄り添うホッジスの目線もよかったと思う。

    いよいよ次回は最終章。チラ見せ的なラストがとてもとても意味深。キングがミステリ三部作をどう結ぶのか、今から期待はハンパないわー。

  • 殺された作家のノートが仮釈放中のモリスと高校生になったピートの運命を捩り合わすところに元警官の探偵ホッジスがどう絡んでいくのか、読みだしたら止まらない下巻。彼らの行動はすべて現在形で書かれ、さながら三つの場面を並行して視ているような感覚に陥る。もしかしたら『ミスター・メルセデス』も同じような書き方がったのかもしれないが、読んでないのでわからない。

    訳者あとがきによると、隠棲して殺された作家ロススティーンは、サリンジャーとアップダイクを思い起こさせるとあったが、ニューヨーク住まいで突然引退した作家といえばサリンジャーだが、アップダイクは読んだことがないので年代記スタイルの長編小説のほうはわからなかった。これを機会にアップダイクも読んでみよう。
    ミステリーとしてもちろん楽しめるが、全編キングの文学愛に満ち溢れていて、特にアメリカ文学の書誌学的見地からレポートを書けば特Aくらい貰えるんじゃないか、とすら思える。「ランナー」シリーズの主人公ジミー・ゴールドを軸に、モリスとピートは合わせ鏡のように似ている。モリスの妄執は常軌を逸しているが、ピートがモリスにシンパシィを寄せてしまうラストには共感してしまう。

    「退職刑事ホッジス三部作」の二作目ということで、完結編に向けてのお膳立てを整えることをキングは忘れてはいない。この調子でいけば、完結編はキングお得意のサイコホラー風味のミステリーになりそう。ホッジス、ホリー、ジェロームのトリオがどんな戦いに挑むのか。翻訳が出版されるまでには『ミスター・メルセデス』を読んでおこうと思う。

  • ミスター・メルセデスの続編下巻です。
    前作と関係があるのは、ピート少年の父親がメルセデスキラー事件で重症を負っている点と、ホッジズが見舞客としてキラーと会っている点のみです。
    その他は小説家殺人犯との攻防が描かれていて、手に汗握る劇的な展開を迎えます。
    しかし、どうしてもメルセデスキラーには注目してしまう不思議な力があります。
    彼の病室で起きつつある不気味な現象は、一体何を意味するのか…。
    最終作にも期待します。

  • ホッジスが先かピートが先か、モリスが先かハラハラドキドキの展開の下巻。

    このハラハラは初めての読書時にしか味わえないんだなぁと思うとちょっとさみしい。

    ピートの行動にはちょっと(いや、かなり)イライラさせられる部分もあったけど、それも物語のスパイスですよね。

    そして、ちょくちょく挟まるメルセデス・キラー=ブレイディのその後。
    キング節炸裂のなんらかの超常現象を起こせそうな雰囲気を醸し出し、ハンニバルのレクター博士よろしく、作品に不気味で不穏な影を落としている。

  • ミスター・メルセデスの続編。前作に負けぬスピード感あふれる展開で、犯人と少年とそれを取り巻く人々との攻防は、わかりすぎるほどのストーリーにも関わらず、緊張感が凄まじかった。再び顔をそろえたホッジス、ホリー、ジェロームの連携もさすが。メルセデスキラーの現在の真実の姿も気になるところ(ここは本来のキングらしいホラー的な要素なのか否か?)で、次作、完結編が待ち遠しい。

  • 下巻になってからページの軽さは羽毛並みになってあっという間に読み終えてしまった。今回のミステリー要素はほぼないが映画を見ているようなカットバックが秀逸でサスペンスが止まらない。とは言えページ数はあるのでどうしようかとも思ったがシリーズ最終の任務の終わりを読み出さずにはいられなかった。ちょっとSF要素が入りそうな予感。

  • 3部作の2作目。
    1作目のミスターメルセデスより主人公達の出番は少ないですが面白い。

  • メインがトランクを拾った少年ピートでホッジズさんたちが出てくるのが割と後半だった。
    家族を助けるために奔走するピートに私も子供を持つ身として心を打たれました。

    1人の作家の作品が心を動かし、その後の行動を良くも悪くも変えてしまう力があるのを改めて感じました。
    作中でピートが言ったロススティーンの作品を読んで人生が変わったと言おうとしたけど僕は18になったばかり、ティーンエイジャーに変わるような人生はなく、心が変わったと言っているのが印象に残った。

    本を読んで雷に打たれたような衝撃があるのって分かるなとも感じました。

    モリスもピートもロススティーンの作品に大きな影響を受けたけどその差は対極。
    でも作品への愛は同じくらい深く、極限の状態でピートがノートのネタバレをするシーンではモリスも思わず食いついてほんのすこしだけ殺人者モリスから青年モリスに戻ったようだった。

    そしてホッジズの指示を全く聞かないですぐ後をついていってしまうジェロームとホリーが可愛い!
    でもそれでいつも助けられるんだよね。

    最後はなんだか不穏な終わり方。
    ファインダーズ・キーパーズ最大の敵との最終決戦。次回作も楽しみだけど終わってしまうのかー!

  • 上巻の方に書いてます。

  • 三部作が楽しみです

  • ミザリーの姉妹版と言える小説。小説に憑かれた男の破滅の物語。
    封切館でスタンド・バイ・ミーを見て、原作を読み、スティーブン・キング氏の作品にハマった私としては、最近のキング氏の作品はいただけない。

  •  「ミスターメルセデス」の続編。

     とはいえ、まず、有名作家が強盗に襲われて、それから30年後犯人が埋めたものを見つけた少年がいて…。
     犯人が出所してきて、少年に迫っていくのだけど、まぁ、こいつが完全にいかれている。だもんで、少年には残酷が運命しか思えなくて、読むのが全く進まなかったよ。
     って、それほどいかれている人物を描けるキングはやっぱりすごい。
     いかれてるのだけど、へんに知的で、妙な純粋さもある。
     が、めちゃくちゃいかれている。

     生い立ちも語られているのだけど…。
     両親が哀れだよ。

     少年も色々大変で…。
     って、通奏低音のように「ミスターメルセデス」の事件があるのが地味に怖い。

     で、こう解決しますかって感じなのだけど、最後の最後で怖かった。
     ホラーの帝王はぱない。

  • 三部作を早く!

  • 2019/06/22

  • おもしろかった!チラッと見せる「やっぱ、そっち?」なテイストは布石?続編への期待が高まります!早く読みたい!

  • <娯> それにしても翻訳物は表紙カバー裏のあらすじ書きや、巻末の訳者解説などを先に読んでおくに限る。今回は先の『ミスターメルセデス』の続編という認識でそう云う事を全部すっとばして本文に取り掛かっていたのだけれど、70ページ読んでもさっぱりストリーが頭に入ってこなくて往生した。が、その後面白し。あっ、と言う間に下巻へ!

  • サラリーマンの夏休みはキングに始まり、キングで終わった。絶好調のキングすげー。偶然見つけたお金は、苦しい家計を助けるに十分役にたつが、完全に犯罪の臭いのする金ということはわかる。しかし、役にたててしまったことから恐ろしい事件が始まる。ファインダー・キーパーは主人公ホッジスの探偵事務所の名前でもあるけれど、見つけ物を懐にしてしまうやつという意味もあるそうな。うまいなー。最終章で、意識不明のまま入院しているメルセデス・キラーが不吉な気配とともににチラリと出てくる。第3部にも期待大。キングとともに秋はやってくるのか!

  • 前作をうろ覚えではあったが、それでも楽しめる作品。比類なき面白さ。久々に時間を忘れてのめり込める本に出会えて嬉しかった。読書の楽しさを味わった。本好きなので彼らのマニアックな気持ちがわかる気がする。
    シリーズがあと一冊あるとのことで、とても楽しみ!

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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