ふたご

著者 :
  • 文藝春秋
3.61
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本棚登録 : 3029
感想 : 280
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907147

作品紹介・あらすじ

大切な人を大切にすることが、こんなに苦しいなんて--。彼は私の人生の破壊者であり想造者だった。異彩の少年に導かれた少女。その苦悩の先に見つけた確かな光。執筆に5年の月日を費やした、SEKAI NO OWARI Saoriによる初小説、ついに刊行!【著者紹介】藤崎彩織(SEKAI NO OWARI)
SEKAI NO OWARIでピアノ演奏とライブ演出を担当。研ぎ澄まされた感性を最大限に生かした演奏はデビュー以来絶大な支持を得ている。雑誌「文學界」でエッセイ「読書間奏文」を連載しており、その文筆活動にも注目が集まっている。— ふたごのようだと思っている。 彼は私のことをそんな風に言うけれど、私は全然そんな風には思わない。 確かに、私は人生の大半を彼のそばで過ごしてきた。晴れた日も雨の日も、健やかな日も病める日も、富めるときも貧しきときも、確かに、私は彼のそばにいた。 けれどもその大半は、メチャクチャに振り回された記憶ばかりだ。(本文より)

感想・レビュー・書評

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  • 皆さんのレビューを拝見するとこの作者、ロックバンド「SEKAI NO OWARI」のキーボードをしてるSaoriが書いた自伝的小説らしい。
    といってもこのバンドのことは知りませんでした。紅白に出場したことあるので聴いたことあるのかもしれない程度の認識です。幼馴染のメンバーと自分との定義するのが厄介な関係とバンドとしてデビューに至るまでの道のりを書いた小説なのですが何処までが実話かフィクションか先入観もたずに読むことができました。

    なんとも凄いのは普通でない月島のやる気のなさ、生きること苦手そうな感覚がひしひしと伝わってきました。それに振りまわされる夏子。月島から毎晩かかってくる電話にウンザリもしないで向き合える夏子はすごい。日々の出来事を一方的に聞いて、呆れたり喜んだり嫉妬したりで眠りにつく。夏子の気持ちを無視して興味のあることだけをそのまま吐き出す月島。私はちょっと距離をおきたくなる苦手なタイプなんだけど・・・
    きっと、月島って声がよかったんだと思う、うっとりするような甘い声なら他愛もない話でも夢みごごちで聞けると思う・・・彼女の初恋の相手みたいだし
    多感な十代の感性がビシビシ伝わってきてういういです。
    ふたごのように思ってるとかどんな感覚、夏子はそうは思ってないようなんだけど、沼堕ちしていくような共依存の関係!?
    月島は高校中退してアメリカンスクールに通い留学するがパニック障害をおこしてわずか2週間で帰国し夏子の前に現れる。注意欠陥多動性障害とゆう精神疾患だとゆう。走り出した列車から途中下車して戻ってきちゃぅったような。ドラマチックな展開に目を逸らせなくなってしまいました。
    いびつに歪んでロックしてるって感じな関係。破壊と再生かなww
    2部構成になっていて後半は一気に読んでしましたが、そこには情けない月島の姿はもうありませんでした。
    上を目指して走り出した月島と同じ風景が見たくって必死に追いかける夏子の姿が健気で愛らしく何もかも超越した関係に震えました。
    この作品を書き上げるのに5年かかったそうでほんとにお疲れさまでしたっw

    読了後、SEKAI NO OWARIの曲聞いてみたのですが透明感のある爽やかな曲風で想像してたのと違ってましたw
    デトロイト・メタル・シティのようなデスメタル系を想像してたのですがねww

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      しじみさ〜ん、こんばんは♪
      私、セカオワの曲好きです!♡
      この本も出たとき、話題になっていて知ってはいるんですけれどね。読んでないんですよ…...
      しじみさ〜ん、こんばんは♪
      私、セカオワの曲好きです!♡
      この本も出たとき、話題になっていて知ってはいるんですけれどね。読んでないんですよ…。
      Saoriさんは音楽の才能だけではなくて小説も書けるなんて凄いですよね〰️!!
      2023/09/02
    • つくねさん
      チーニャさ〜ん、こんばんはっw

      そうそう、セカオワって言うんですよね!
      曲聞いてみたらファンになりそうですっw
      プレイリストに入れ...
      チーニャさ〜ん、こんばんはっw

      そうそう、セカオワって言うんですよね!
      曲聞いてみたらファンになりそうですっw
      プレイリストに入れて山行く時に聴こうと思ってます♪
      saoriさんの才能凄いですよね。
      キュンってきちゃいましたっw

      2023/09/02
  • さおりちゃんの紡ぐ言葉が大好きです。
    負の感情が美しく描かれていて、共感できるところや自分の中のモヤモヤとした気持ちはこういう感情なのかなと気付かされたことが沢山ありました。
    「ふたご」を初めて読んだ時はまだ小さくて分からない表現が沢山あったけれど、何度も読んでいると毎回発見があり、分からなかった感覚がわかるようになるととても嬉しくなります。
    思春期特有の複雑な気持ちと"夏子の”不器用な女性らしさがすごく綺麗に表現されています。
    私の大好きな1冊です。

  • これは「小説」だと思って読んでいてもどうしても目の前で苦しみ血を吐くようにあえいでいるのは紛れもなく画面の中で笑顔でピアノを弾いている金髪の彼女だ。
    テレビの中の彼らはとても楽しそうだ。独特の世界観を持った彼らの音楽とその映像はファンタジックでドリーミーでキュートだ。
    だけど、そんな彼らの中心で歌を歌う彼の眼はいつもガラスのように冷たく底が見えない。歌いながら時々見開くその目の向こうには何があるのだろうか、といつも思っていた。
    その目に映っていたものはなにか。その答えがここにあった。彼の世界は、十代の少女が背負うにはあまりにも大きくあまりにも深くあまりにも複雑だ。
    けれどなぜ、夏子はそんなにも月島に惹かれるのか。なぜそこまで傷つきながらも月島から離れないのか。2人はふたごのようだ、という。本当だろうか。私には夏子は月島の母であり、妻であるように見える。子どもを丸ごと引き受け飲み込むグレーとマザーであり、自分勝手な理論で振り回しながらも泣いてすがる夫を常に許す妻に見える。あぁ、違うな。彼女と彼は、同志であり戦友なんだろうな。この先何があっても共に闘い続ける仲間なのだろう。あの苦しい時間を共に過ごしたからこそ、いろんな思いを飲み込んで新しい関係へと一歩を踏み出せたんだろう。
    いやぁ、それにしても彩織さん、よくここまで書ききったよねぇ。この小説を書き続けた時間は自分を生きなおすのに必要な時間だったのだろうね。

  • ほぼ実話なんだろうなと思う。どんなにひどい言葉や態度で傷つけられても許してしまう夏子。許されることを分かっている月島。ぐちりんとラジオがいなければバンドは成り立たないことも分かる。でも、同じように呼吸が出来る人に出会えただけで、幸せな人生。ほとんどの人はそんな一人にさえ出会えないだろうから。

  • 学生の頃は何も思わなかったのだけど、働くようになって、「秩序」の人を感じるようになった。
    なっちゃんのピアノからは、同じような感じを受ける。

    でも、それとは対照的に「混沌」を振りまく人もいる。

    私は職場にいると、この「混沌」の人が面倒だなぁと思ったり、羨ましいなぁと思ったりする。
    その基準は、他人を意識的に巻き込むか否かの違いのように思う。

    月島は、敢えて人を巻き込んでいくタイプだ。
    だから、きっと私にとっては面倒くさい。

    「秩序」のなっちゃんがどんどんと渦に飲み込まれていく。イライラする。だってあなたは「混沌」ではないじゃないかと思う。

    けれど、なっちゃんは逃げない。
    ピアノも手離さない。

    それが恋なのか、友情なのか、家族愛なのか、分からなくても、だ。

    月島がなっちゃんだけは、バンドに誘いたくなかったのは何故なんだろう。
    自分が出した答えの中では、二人は確かに繋がっているのかもしれない。

  • かなり前に読んだけど、もう一度読みたくなって久し振りに。

    私が初めてファンになったアーティストがSEKAI NO OWARIだった。様々な番組などで結成秘話を話していることもあったので知っている話も多かった。

    名前のつけられない関係。お互いがいないと生きていけない関係。私はとても憧れてしまう。

  • もしこの作品がノンフィクションに近いフィクションなのだとしたら、これほどの経験を乗り越えおそらく消化して、だけどこんなにも生々しく言葉にできるのは凄いと思った。私もとても救われた

  • 長らくSEKAINOOWARIのファンでありながら、なぜか読んでおらずライブに行ったのをきっかけに読んだ1冊。

    まずは一言、Saoriさんの紡ぐ文章が非常にきれいで物語に吸い込まれてゆきました。

    そして読んだ後、改めてセカオワの歌詞を噛み締める、そんな1冊でした。

  • 文庫化するまで読まないぞ、という信念のもと、文庫化を待ち望んでいた作品。あらすじから、これは彩織ちゃんと深瀬さんの物語なのかな?わざわざ読まなくても話の内容はだいたい把握出来てしまうんじゃないか、と読みたいと気にはなっていてもなかなか手を出していなかった。彩織ちゃんの『読書間奏文』を読んだことで、早く小説も読みたいと思うようになった気がする。この人の言葉の紡ぎ方は好きだなと思って。大人になると主人公が同じように大人である物語を好んで読むようになった。同じことを感じて、追体験し、自分の経験にしたい。しかし、『ふたご』は中学、高校、大学と主人公が成長して現れて来る。不思議と自分よりも年齢が下な主人公と一緒に物語を追うことが出来た気がする。内容は裏切られずに、たしかにSEKAI NO OWARIのバンドメンバーの話であった。テレビ番組やインタビュー記事で話していた場面が出て来る度に再確認する。西山夏子、月島悠介と名は与えられているものの、きっとそうなんだろう。頭の中で再生されるアテレコも本人の言葉で再生されそうになる。(これは小説なんだから)と読みながら自分に言い聞かせつつ、読了。解説にもあったが、これを本人たち、実在するバンドメンバーだと知らずに読めたらどれほど良かっただろう、自分の想像力だけで描けたらどれほど良かっただろう、と思った。だが同時に、きっと「SEKAI NO OWARIのSaoriちゃん/藤崎彩織」が書いた本だと知らなければ手に取らなかったかもしれない。矛盾ははらんでいるが藤崎彩織という人がどのような背景を持って書いた小説なのかを自分が知った上で読むことができ、良かったのだと、きっと思う。

  • 直木賞候補になったので読んでみました。
    文章は私にはとっても読みやすかった。
    セカオワの事はほとんど知らず、自伝的小説だと他の方のレビューを読んで思わずウイキペディアで調べてみたりして。

    なるほど~確かに。
    私だったら月島みたいな人はちょっと苦手だけど、月島みたいな人がいたからこそ、こういう話が書けたし、今に至っているんだろうな。

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著者プロフィール

藤崎彩織(ふじさき・さおり)
1986年東京都生まれ。2010年「セカオワ現象」と呼ばれるほどの認知を得た四人組バンド「SEKAI NO OWARI」でピアノ演奏とライブ演出を担当。2017年10月初の小説『ふたご』(文藝春秋)を刊行。『文學界』でエッセイ「読書間奏文」を連載中。2017年『ふたご』で第158回直木賞候補。

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