裏切りのホワイトカード 池袋ウエストゲートパーク XIII

  • 文藝春秋 (2017年9月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784163907192

作品紹介・あらすじ

「池袋ウエストゲートパークにはこの20年間のニッポンの問題が、すべて詰め込んである」――石田衣良



池袋のトラブルシューター、マコトのもとにはあらゆる難題が持ち込まれる。でたらめの虐待疑惑をネットに書き込まれて炎上した宅配ドライバー。母親が悪い男とドラッグにはまった女子中学生。根拠のない情報が溢れるオカルト・サイト。ATMの不正操作による大規模詐欺。収録の4編はどれも現実の事件を彷彿とさせるものばかり。



どんな事件も飄々と解決するのに母親には頭が上がらないマコトと、Gボーイズを率いて池袋の裏側を取り仕切るクールなタカシ。絶妙のコンビが活躍する人気シリーズ第13弾。



「今」の空気が体感できる1冊です。

みんなの感想まとめ

多様なトラブルを解決する池袋のトラブルシューター、マコトとその仲間たちの物語が展開される本作は、2016年の社会問題を色濃く反映しています。シングルマザーやネットの問題など、現代のリアルな課題に焦点を...

感想・レビュー・書評

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  • 家族の物語、さらにシングルマザーの案件だと、マコトもタカシもいつも以上に感情移入して、熱くなりやすいな。

    こんなにもトラブル起こりすぎで、じゃなきゃお話しにならないんだけど、池袋には怖くて近寄れない笑

  • 2016年を舞台にした物語。

    ポストートゥルース
    ある海外の辞典出版社が2016年を代表する言葉に選んだ。嘘でもデタラメでも話題を呼んで数を集めれば勝ち、
    大衆に受けるのなら可能不可能は問わないという意味らしい。

    トランプ大統領就任に関して多く用いられた用語のようですが、
    一般市民の日常生活にもひそんでいるような。。。


    この1冊にその年の特徴が集約されているようで、
    毎年読みたいなと思います。

    ネットの晒し上げ ドラッグ 心霊詐欺 偽造カード詐欺
    の4編でした。
    2016年ってそんなことが事件になってた年だったのかな。

    毎度のこと、ネット問題は必ず組み込まれています。
    もうネットから切り離す生活は無理ですよね。
    まだ今年のIWGPシリーズは読んでいませんが、
    もっと深刻な内容な気がして怖いです。

    帯には、
    フェイクだらけの時代、真実は自分で見極めろ
    と書かれています。
    今後もっともっとフェイクなのか真実なのか見分けるのが難しくなりそう。


    今回も時事問題たっぷりで面白かったです!

  • 別れた妻が付き合っている男に虐待されている息子を救おうとした父親が、逆に虐待疑惑をかけられネット上で炎上する『滝野川炎上ドライバー』、悪い男と付き合って変わっていく母親を心配する女子中学生の話『上池袋ドラッグマザー』、マコトの友人ゼロワンの不思議な夢を追うことから始まったスピリチュアルな話『東池袋スピリチュアル』、そして沢山の人員を集めている怪しげなバイトを探る『裏切りのホワイトカード』の四編。


    『滝野川炎上ドライバー』では、トオルの言葉が泣かせます。「ぼくはずっとがまんしようと思ってたんだ。お母さんがいっしょにいたいという人だから。でももうがまんしない。あの人はぼくだけでなく、昨日の夜、お母さんまで定規で叩いた。もうがまんできないよ」母親の幸せを思って我慢する子ども。
    それを知った父親が虐待した男に話をつけにいこうとする時、マコトの母がかけた言葉がいいです(笑)
    「このうちにある得物はなにをもっていってもいいよ。でもね、ジュンジくん、とどめだけは刺さないようにね」

    『上池袋ドラッグマザー』では、マコトに依頼する女子中学生のマイがいい娘です。
    シングルマザーで精一杯自分を育ててくれている母親が最近変わってしまったことを心配し、マコトに相談にきたのです。お昼を抜いて貯めた四千円を握りしめて—。
    愛情が確かにあるのなら、踏みとどまってやり直せるのだと思いました。マイちゃんのためにも。

  • 池袋ウエストゲートパークシリーズ第13弾。
    すごい長期にわたって続いているシリーズである。主人公は池袋西口公園の近くで家業の果物屋を手伝う真島誠。池袋の裏社会を取り仕切るGボーイズとその帝王タカシは誠のマブダチである。社会の悪と遭遇し悩める人の相談を引き受ける誠は、裏では、池袋のトラブルシュータ―と異名をとっている。

    誠の活躍ぶりを描いた作品が4つ、収められていた。
    ●滝野川炎上ドライバー
    ●上池袋ドラッグマザー
    ●東池袋スピリチュアル
    ●裏切りのホワイトカード

    2016年~2017年にかけて「オール讀物」に掲載された短編を載せたものだ。
    どうりで、事件のあらましが最新のものだなと思った。特に表題作の「裏切りのホワイトカード」は、ニュースでも頻繁に流れていたあの事件をネタにしていると思われる。

    シリーズ当初と比べると、明らかに現実の池袋とその周辺の街も変わりつつある。
    今アラサーになっている誠やタカシが、池袋周辺の街を悪の手から守ろうとしながら、随所で自分たちの青春時代を回想するさまは微笑ましかった。

    池袋の影の救世主も、オジサンになっているんだなと実感する。だが、誠もGボーイズもまだまだ健在。ついでに池袋ウエストゲートパークもますます繁栄。ワンパターン化が懸念されるが、池袋の平和を託したいから、シニアになっても誠さんには頑張って欲しい。次回作も楽しみにしている。

  • IWGP(池袋ウエストゲートパーク)シリーズの第13弾。

    池袋西口の果物屋の青年マコトのもとへ、今日も行き場のない悩みを抱えて人が訪ねて来る。


    毎年、新刊が出るたびに楽しみにして読んできた。

    だが、一方で思う。読むのが年々つらくなっている。

    毎年、マコトのもとを訪ねて来る人たちの悩みのが、深刻になり、複雑になり、取り返しのつかないレベルまできているからだ。

    読み進めるうちに、やり場のない感情がこみ上げてくるのだ。


    『滝野川炎上ドライバー』
    真面目で地元で愛される宅配ドライバーの河本順治。人がいいばかりに知人の借金の保証人となり、離婚。離婚した妻の交際相手に引き取られた小学三年生の透の腕にある青いあざを、マコトは見つけてしまう。
    児童虐待と、ネットにあふれる正義感からくる炎上。
    「ネットができてから、おれたちは正義の力を行使するのに酔うようになった。誰もが指先ひとつで裁判官になれる時代になったのだから」(マコト)


    『上池袋ドラッグマザー』
    「飛びおりるまえに谷底をのぞきこんでいるような目で」中学三年生の木崎真唯は、マコトと訪ねて来る。
    「ママが別の人になってしまったんです」
    普通の人の前に、当たり前の顔をしてやってくるドラッグの恐怖。


    『東池袋スピリチュアル』
    鰯の頭も信心から。
    分かっていても、人は怪しげな「スピリチュアル」に手を出してしまう。
    礼儀正しい女子大生の越川若葉には、見えるのだという。そこに居ないはずの「人」が。
    そして、その「能力」に、IT企業の代表が目をつける。


    『裏切りのホワイトカード』
    Gボーイズのキング・タカシのもとに怪しげな儲け話が舞い込んで来る。
    マコトは、日本有数の製薬会社をもつ財団の若き理事の潮見美穏に呼び出される。
    「ブラックボード」(裏仕事の出会い系掲示板)を運営している弟・晴臣を探してほしいとの依頼。
    出口、否、入口も見えていない迷宮に、マコトは仲間と乗り込んでいく。


    知恵と、人脈と、胆力で、複雑化するトラブルに挑んでいくマコト。

    そこにあるのは、目の前にいる困っている人をほっとけないという、最も簡単で、最も難しい、大事な人としての生き方だ。

  • ちょっとした皮肉っぽいマコトのフレーズとか、
    味わい深い。
    タカシとの何度もある電話のやりとりとかも
    毎回工夫をこらしていて、二人のコンビネーションというか仲の良さを感じて、楽しい。

  • ほんま安定しておもしろいなやっぱり・・・毎回めちゃめちゃ印象に残るわけじゃないけど、さっと読めるしおもろい。エンタメ小説!って感じ。毎回クラシック聴きたくなるけどぜんぜんわからんわからー

  • シリーズ最新作。現実社会でのトレンドを物語にうまく取り入れていて毎度ながら感心する。それでいて実に読みやすい。石田衣良のドヤ顔が浮かぶ。

  • 全体的に、事件が柔らかすぎるというか、軽すぎるというか。昔の頃より、ライトになってる印象。時代なのか、マコトたちも歳を取ったのか。そしてなんと、IWGPシリーズ20周年とは。素晴らしい。
    時代はどんどん変わっていくけど、マコトたちは相変わらずでいて欲しい。今日も、東京・池袋の片隅で、平凡に生きているマコトたちへ。これからも、変わらずに。

  • IWGPシリーズ第13作。4編。
    いつもの面々のマコト、キング、ゼロワン、サルらが活躍。今回は格差社会をキーに、「児童虐待」「中年ドラッカー」「スピリチュアル」「偽装カード」をテーマとして取り上げる。
    マコトのお母さんが相変わらず格好いい。このシリーズ、20周年とは驚いた。

  • 何個か前は飽きたかな、と思ったけど今回はそうでもなく、さくさくっと楽しめて安定感もあった。
    ひさびさにサルが出てきたのがうれしい。

    炎上問題が一番身近なだけに入り込めたなぁ。

    2018.1.12

  • IWGPシリーズ第13弾。主人公をはじめおなじみのメンバーが、社会的な弱者を救うべく奔走する。

    このシリーズも20年だそうで、それをリアルタイムで追い続けて今もなお飽きないのは、作者が常に新しい社会問題を拾い上げて、マコト同様正義の味方の熱い心を失っていないからだろう。
    作者の恋愛ものは苦手だが、このご長寿シリーズは今後もずっと書き続けてほしい。

  • 池袋ウエストゲートパーク、13作目にあたる。
    池袋の果物屋でフルーツを売りながら町のトラブルシューターとして活躍するマコトもすっかり大人で、虐待される子供や、片親の少女、障害を持った赤ん坊のために汗をかく。
    時事問題をテーマにした短編が並ぶ本作だけに、今回もネタになっているのはネット炎上、ミドルエイジ・クライシスなど。
    どの短編もテンポよくさくさくと物語が進み、歯切れよく終わる。
    いっそ軽すぎるくらいの軽快さも、このシリーズの持ち味なので読んでいて気持ちいい。

  • IWGPシリーズ第13作目。20周年。長い時を駆け抜けている池袋ウエストゲートパーク。マコトは相変わらず【モテナイ果物屋】。キングは相変わらずカッコイイ。時代背景はしっかりと変化していて、スマホありネットあり、虐待、ドラッグ、スピリチュアルの物語。マコトもキングもそれなりに年をとっているのだろうけど、いつもマコトもキングも若いイメージ。マコトの語り口調が小気味いい。スラスラと読めるのがこの物語の素晴らしさ。マコトとキングの魅力が満載。
    『滝野川炎上ドライバー』児童虐待とネット炎上。虐待されているのは小学3年生の透。母の恋人が虐待をしている。実の父は借金の保証人になり、離婚。真面目な宅配ドライバーと息子のストーリー。マコトが虐待から救い出す。
    『上池袋ドラッグマザー』 シングルマザーがドラッグに手をだしている。マコトの依頼人は中学生の木崎真唯。ドラッグは安易にハマってしまう世界?恐怖を感じる。女であることを捨てられはしないシングルマザーの恋は、相手を選ばないと恐怖になる。
    『東池袋スピリチュアル』悪夢を見たゼロワンがスピリチュアルにハマるお話。 礼儀正しい女子大生の越川若葉のスピリチュアル能力を借りて解決へと走る。それにしてもスピリチュアルな世界。本当に霊感のある人っているのだろうか……。
    『裏切りのホワイトカード』 Gボーイズのキング・タカシのもとに怪しげな儲け話が舞い込んでくる。日本有数の製薬会社をもつ財団の若き理事の潮見美穏に呼び出され、「ブラックボード」(裏仕事の出会い系掲示板)を運営している弟・晴臣を探してほしいとの依頼を受けたマコトのストーリー。

  • 街の風景は変わり、アイテムも、犯罪の傾向も変わるけど、マコトはそのまま~女の連れ子に虐待を繰り返す司法書士は連れ子の父に糾弾される前に宅配ドライバーをネット上で糾弾。女子中学生はデパートの経理として働く母親が男に振り回されて覚醒剤を使っているのを止めさせたい。エフワンからの依頼で調査した本物の霊能を持つ女子大学生がサイキックサイトにスカウトされるのを厭がっている。千の単位で出し子を求めている奴からギャングをどう守るか~いつものペース。恋愛モノなんか止めれば良いのに…ついでにテレビ出演も止めたら良いや

  • IWGPシリーズの中でも、個人的にはかなり好きな一冊です。
    4ストーリーとも面白い。
    そして改めて思うのが著者の書く文章がとにかくカッコいいです。
    マコト、キング、サル、そしてマコトに母ちゃん、キャラクターも文章での色付けが本当にカッコよかったです。
    虐待、ドラッグ、スピリチャル、そして違法カード、題材もシャープですし、マコトの解決策もシャープでありながらも、依頼者への情の部分をしっかり描き切っている感じがたまらなかったです。

  • 昔、父がTVで毎週欠かさず見ていた暴れん坊将軍。変わり映えしない毎度同じ展開に、何が面白いのやらと不思議に思っていた。でも今ならわかる。この安定感、お約束のストーリー展開は中毒化するのだ。私にとっての暴れん坊将軍はIWGP。時代は違えど、どんな時代にも社会的弱者がいて、容赦なく搾取する悪者もいる。マコトは暴れん坊将軍のごとく見事に騒動を収め、成敗する。この爽快感、安定感は他の作品では味わえない。これからも読み続けるだろう。今回は表題作が特に好き。キャラの立った登場人物、キングとマコトの関係が本当に魅力的!

  • 誠ももう25?か。児童虐待やだし子詐欺の話がメイン。

    今回はタカシだけでなく、サルも出て来た。昔は権力がない素で権力者に立ち向かう形だったが、最近はGボーイズ使いまくりで権力ある側に立っちゃったから昔ほど新鮮味がない。

  • シリーズ読者としては、それなりに楽しめるけど、巻としては小粒だったかな。Youtube、詐欺、ドラック、オカルトの話。

  • 久々IWGP読んだ…懐かしいな…

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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