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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784163907390
みんなの感想まとめ
多様な愛の形や人間の本質を探求する短編集で、幻想的な世界に引き込まれます。作品には、愛の痛みや喜び、そして人間とは異なる生き物たちが登場し、彼らを通じて人間の深層に迫る哲学的な要素が感じられます。特に...
感想・レビュー・書評
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ー 愛なんて言葉がなければよかった。そうしたら、きっと許してあげられたのに
くちなしの花言葉は「とても幸せです」「喜びを運ぶ」だそうだ。しかし、日本においては花の名前から「死人にくちなし」とか「嫁にもらうくちなし」とか、そういうひどい言葉を連想しあまり縁起が良くないと捉える人もいる、という。
幸不幸両方のイメージを想起させる花であり、あなたにとってはどっち?ということだが、この短編集についていうと、「両面ある」という感じかな。
とても懐が深い。
彩瀬さんの小説には、我々人間とは似て非なる生き物の人がよく出てくる。
例えば、簡単に腕がもげたり、卵を産んだり、大蛇に化けてしまったり…
なんか化け物みたいで怖いのだが、そんな人たちに共感してしまうのは、人間にはそういう化け物的側面が備わっているからなのだろう。
人間でない生物に人間の本質を教えられる感じがして、彩瀬さんってすごい!
第158回直木賞候補作。
選考委員の中では東野圭吾さんがこの作品を推していて意外な感じがした。先日亡くなった伊集院静さんが「大変に佳い作品」と評価された二作のうちの一つ「茄子とゴーヤ」がこの短編集の中ではフェイバリットでした。
あと「けだものたち」がいいですねぇ
♫くちなしの花/渡哲也(1973) -
独創性がとっても高い7つの短編集
「くちなし」
「花虫」
「愛のスカート」
「けだものたち」
「薄布」
「茄子とゴーヤ」
「山の同窓会」
どの作品も幻想的で、不思議な世界に迷い込んだ気持ちになる。解釈するために想像力が掻き立てられ、頭がフル回転するので、短編集といえど、休憩をしながらでないと読み進められなかった。
特に印象的で好みだったのは、
「くちなし」「花虫」「薄布」の3作品。
解釈が何とか追いつきそうで、安心感があったのが「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」の2作品。
「けだものたち」と「山の同窓会」は、幻想的な世界観に圧倒されてしまった。再読しないと語れる水準にたどりつけそうもない。
多くの作品で、人のようで人でない幻想的な生物が登場する。これらの擬似生物から、人間の本質(本作では特に愛だろうか)を問う内容が多くて哲学的な要素も感じる。
生々しい描写がとても多く、五感を刺激されながら読み進めたので、読み終わった時に安堵感に満たされながら鳥肌が立った。
好みは分かれると思うが、とにかく静寂の中にひそむ迫力がすごい作品だ。
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著者、彩瀬まるさん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。
---引用開始
彩瀬 まる(あやせ まる、女性、1986年 - )は、日本の小説家。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
遠ざかるほど、愛に近づく
別れた愛人の左腕と暮らす「くちなし」
運命の相手の身体には、自分にだけ見えるは花が咲く「花虫」
好きな人が、ほかの女性のために作る「愛のスカート」
獣になった女は、愛する者を頭から食らう「けだものたち」
崩壊した家庭の妻が、少年を買う「薄布」
夫を亡くした妻が茄子色に髪を染める「茄子とゴーヤ」
皆が出産する世界で自分だけが生き残ってしまう「山の同窓会」
繊細に紡がれる、全七編の傑作短編集。
---引用終了 -
非日常を当たり前の日常のように書いてある不思議な世界観の小説でした。初めて読むタイプのお話でしたが、おもしろかったです。
短編小説でどれも印象的だったけど『茄子とゴーヤ』『くちなし』『けだものたち』がよかったです。 -
彩瀬まるさんの作品はいつも、視覚・味覚・嗅覚・触覚を刺激する。本作は特にそうで、妖しくも美しい世界観が存分に堪能できた。
表題作の、好きな相手の「腕」をもらい、ペットのように慈しみかわいがるという展開にぎょっとしたけど、別な生き物のような腕がだんだんと愛おしく思えてくる。このように、今回は動物などの生態に着想を得た、ちょっとグロテスクだけど幻想的な短編集。好みは分かれそうだが…かえって人の心の喜怒哀楽を際立たせているように思えた。設定が非現実的だからこそ、男女の心理描写をリアルに感じてしまう。不気味さ、妙ななまめかしさに初めは戸惑ったものの、いつの間にか彩瀬ワールドの虜になっている。
高校生直木賞受賞、おめでとうございます。高校生が選んだということに驚いて選評を読んだが、この作品を推した高校生の慧眼、恐れ入ります。彩瀬さんファンとして・高校生の子を持つ母親として、胸熱でした。 -
7編の短編集。なんともまあ、独特の不思議な世界。腕が取れたり、虫に体が乗っ取られていたり、化け物になったり。しかし、こういった世界をしっかりと綺麗に書き上げるから大したもの。最初読み始めて、腕が取れて…と予想外の展開に驚いたけれど、物語の世界へと引き込まれていった。愛がテーマかな。圧倒的な愛とか。愛・人間の本質とか。中でも印象に残ったのは「花虫」。読んでいると幽玄的な花が見えているように感じ、愛の苦しみもよく書けていた。「けだものたち」もよくこういった設定で書けるなあと驚き、こちらも想像が目に浮かび、印象的。
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まるさんワールドの短編集。
夢の中のような、異次元のような。
架空のことなのに、そちらが真実のような。
不思議な世界の隅っこに漂わせてもらった感じ。
とにかく文章が美しく、
人の恐ろしい部分も、汚い部分も
全部がほんのりきれいなものに見えてしまう。
それは錯覚なのだろうか。
それとも…。
知りたい、もっと知りたい。
私の知りたいに、今一番近づけることの出来る作家さん。
かなり現実とかけ離れたお話もあり、
楽しめるかどうかは振り幅が大きいような気がします。
こんどはどこへ?
また楽しみになる一冊です。 -
今まで読んだ彩瀬さんの本の中でも群を抜いて美しい。今年出会った作品の中でも一番好きだと言える、妖しさと美しさを兼ね備えている短編集。どれも幻想的で、一見感情移入できないようなありえない設定ばかりのようにも思えるけれど、読み進めていくうちに主人公の女性たちの感情が自分に流れ込んでくるような心地。人間の汚い塊をこの人はなんて綺麗に書き上げるんだろう、と何度ため息が出たことか。愛は美しいだけじゃない。おどろおどろしくもあり、醜くもあり、ときには人を怪物にしてしまうこともある。それでもそんな恐ろしい感情を繊細に綴っているのが『くちなし』のすごいところだと思う。
『くちなし』や『薄布』は読んでいて、設定がどこか川端康成の『片腕』や『眠れる美女』に似ているなぁと思った。文章に現れる危うさを孕んだ冷たい愛情も、どこか似ていて好きだ。けれど七篇の中でもっともお気に入りなのは『愛のスカート』だった。七篇の中でももっともリアルで現実世界に近い。それぞれの登場人物の実ることのない、一方通行の愛情なのに、最後は読者の心すらも救ってくれるトキワのセリフが心にいつまでも残っている。 -
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なんだろう、これはというのが正直な印象だった。不倫相手と別れるとき、相手の腕を割いてもらう、とか。運命の人に出会ったときの幸福感は、頭にとりついた寄生虫の作用で、とか。蛇に変身して、愛する男を食べてしまう女が普通にいる世界、とか。ファンタジーとかおとぎ話のようでいて、そうとれない。そこで描かれているのが、不思議な一要素をのぞくと、今現在自分が身を置いている世界と同じ感覚で描かれているからだ。そして、ちょっと違うところがあるからこそ、今、自分が感じているなにかが鮮明に浮かび上がってくる、というかなぁ。
面白い、と一言では言い切れないんだけど、引き込まれた。夢中で読みふけるというより、二週間ほどかけて、少しずつ読み進めた。すこしの間、本を置いているんだけど、なんとなく気になり続けたような。
はじめて読む作家さん。なんで、この本を読もうと思ったんだっけ。たぶん、どこかのレビューで知ったのだろうけど、そのきっかけすら、うろ覚え。そういう本に、不思議なくらい強い印象を持ったのだから、やっぱり本というのは縁なんだろうな、と思う。 -
幻想的な小説とリアルな小説が入っている短編集で、どちらも良かったけれど「愛のスカート」と「茄子とゴーヤ」のリアル女性の気持ちがとても良かった気がする。幻想的な小説は最近よく読むし、自分も書くのでおなかいっぱいなところあったかも。「愛のスカート」の気持ちのベクトルがあっち向いてこっちに向かないみたいのとかめっちゃよくわかった。ほんまに好きなひとはこっちには来ないんだよね。そういうの痛くて、哀しい。「茄子とゴーヤ」の茄子色に染めてくださいって理容室で頼むのも、好きだった。職人気質な感じも、潔さも全部気持ちいいなと思う小説だった。
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だいぶ前に session22 で取り上げていた作品。
不倫相手との別れ際に、彼の腕をもらう女。
自分にしか見えない花を咲かせる運命の相手。
片思いのデザイナーの変人男を、支える女。
好きな相手を食べてしまう変化する生き物たち。
難民の子をおもちゃにする夫人。
不倫相手と夫との事故死から立ち直りつつある未亡人。
自分のもつ遺伝子に忠実に、社会のために役割を果たそうとする女 ......
どれも孤独で、でもその寂しさと共生する強さを持つ女たち。 その地味で目立たない深い愛にはぐっとくる。
くるけど ......こんなのわからない男がほとんどだよな
もうわからない連中は絶滅すればいいのにと思ったりもして(笑)
綾瀬まる、読んでる人を見つけたら、唇の端でニンマリしてしまいそう。 -
初読み作家。短編集。全7編。
第158回(2017年下半期)直木賞候補作品。
不思議な世界観を織り交ぜ、愛を描く。ファンタジーとかSF的な要素も含め、幻想的な感じに仕上がっている。美しいことだけではなく、醜くもある感情を繊細に綴っていて、心の奥に問いかけてくる。現実的な設定ではないが、読み易かった。 -
大好きな彩瀬まるさんの新刊ということで購入。
帯を見て本作が今回の直木賞候補になっていることを知りました。
初っ端から別れることになった不倫相手の腕を外して貰う、という場面があって面食らったのが正直な感想。
ファンタジー系があまり好きではなかったから、読みきれるか不安になった。
「愛のスカート」「茄子とゴーヤ」の二作が良かった。
人生まだまだいろんなことがある。これからだ、と勇気づけられるような。
そして共通してるのはこの二作は現実志向であるということ。
独特の世界観にハマればきっとすごく評価できると思うけれど、私には少しズレていた。
一番最後の「山の同窓会」は一生結婚もせず、子供も産まないと決めた自分のような人は異端、と言われているような…何とも言えない歯がゆさがあった。 -
「愛のスカート」の話が心に残りました。好きな人に向けて、子育て中に楽に使うことのできるスカートをつくり、そのスカートが「愛のスカート」とという名前で売れたことから、好きな人に向けての行動力はすごく強くなるということを、実感することができる本でした。
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短編集。幻想小説に近いが、あまりにもジットリとした実感を帯びている(特に女性たちの)。作品をひとつ読み終えるたびに休憩を挟んだ。好きかと聞かれたら好きではないが、評価されているのは分かる。すごかったな……。
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「森があふれる」からの「くちなし」と彩瀬さん作品再び。今作は短編集で7つの物語が収録されていた。帯の文言「遠ざかるほど、愛に近づく」に惹かれる。
体をバラバラに外せる設定あり、人間の体に寄生する虫が人の交尾を促したり、女性は異形になる世界だったり、3回の出産で人生の終焉を迎える世界だったりとディストピアものが面白かった。村田沙耶香さん的な世界観だけどもそこまで強烈ではない。文体なのか何故か淡々と紡がれている。設定が不思議だけどそれで勝負していない感じが村田さんとは違う。純文学的な風味が加味されているようだ。 -
川端康成が現代に生まれて女子だったら、こうだったかもしれない、と、思った。
ああ、まいったな、沁みてしまう。読むことで、自分の心が干からびた海綿みたいになってたんだなと気づいてしまうほど、じゅぅーんと沁みこんできた。
読んでよかった。 -
表題作品ほか7編の各30ページくらいな短編集、初めて読む作者ですが、不思議な味わいの秀作集でした。個性的過ぎる作品も面白いんだけど私には「愛のスカート」と「茄子とゴーヤ」が馴染みました。
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感想 :

彩瀬まるさんの「くちなし」とても大好きな本で、特に表題作の「くちなし」が好きすぎて 昨日も読み返していたところです...
彩瀬まるさんの「くちなし」とても大好きな本で、特に表題作の「くちなし」が好きすぎて 昨日も読み返していたところです。なんだか嬉しくてコメントしてしまいました。綾瀬まるさんの妖しいお話、クセになります。