メガネと放蕩娘

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 242
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907505

作品紹介・あらすじ

とある地方都市で市役所勤めをしているタカコ。彼女の実家は商店街にあるウチダ書店だが、最近、客足は途絶えっぱなし。かつて栄えていたこの商店街は、いまやシャッター街も同然なのだ。そんな瀕死の商店街に、10代で家を出たタカコの妹、ショーコが突然帰ってきた。臨月のお腹を抱えて……。東京でカリスマ店員として働いていたショーコが、商店街再興を目指して動き始める。デイケアと保育所をあわせた施設の企画、商店街をあげてのファッションショー、大学生ステイ受け入れや、マンスリーショップの運営。商店街で生まれたショーコの娘、街子も商店街とともにすくすく育っていく。ショーコの活躍で一時的に賑わいを取り戻したかに見えた商店街だったが、それも束の間。個人の努力ではどうにもならない、思いもよらぬ結末が待ち受けていた。山内さんが地元、富山の商店街を徹底取材。なぜ商店街がさびれていくのか、それを止めるためにどんなことができるのかを真摯に考えながら書いた、社会派エンタメ小説です。

感想・レビュー・書評

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  • 山内マリコの小説って、小気味良い文章で地方を小馬鹿にするような小説というイメージで、その小気味良いタッチで、ストーリーのついでに余計なことをゆってみて、その余計なことがおもしろい小説だと思う。インスタグラムとかみてても、そんな小説書いてるのに垢抜けきれてないところが好感度が高い。

    けど、そろそろそういうのも飽きたなーと思ってたところで、メガネと放蕩娘。

    小気味良い文章なのは以前のとおりで、地方を馬鹿にせず、余計なことも言わない。
    いっぱい調べて、いっぱい勉強して、それで書いたのだろうなと思わせる。

    一言で言うと地方のさびれた商店街を立て直す姉妹と仲間たちの話なんだけど、このタイトルのメガネは姉、放蕩娘は妹のことで、そのタイトルはちょっとイマイチだなと思う。
    エッセイで好きだと言ってたように記憶しているんだけど、獅子文六とかっぽさに憧れてるんだと思う。それっぽいタイトルにしたかったんだと思うけど、なんか全然いまいち。わたしとしては、放蕩のほうだけに娘がついてるのも気に入らないし、じゃあなんてタイトルにしたら納得がいくのかわからないけど、とにかくいまいちって言いたい。

    あといまいちなのは、余計なこと言わないところと、タイトルだけではなくて、ラストの始末もいまいち。
    なんかやっぱりそれっぽさにあこがれているのか、丸くおさめたいのか、どうしても、めでたしめでたし、チャンチャン!って言って終わらせたいのか、雑だと思う。

    と、気に入らない山内マリコの新刊だったけど、表紙の黄色と水色のしましまがかわいくてくやしい。

  • やっぱ長編向きじゃないな、と改めて感じさせられたかな。。山内さんは短編のが光る、気がする。
    今作もアラサー女+地方都市小説。さらには社会派です! シャッター街になってしまった商店街をなんとか再生させようと姉妹で奔走する話。
    フリポケ調べたら実際に富山で行われてた(行われてる)っぽいですね。
    地元富山愛がビンビン感じられるのですが、強すぎてうまく入ってこなかった。けど、ゼミ生の片桐くんの冷静すぎる視点が良かった。特にレポート。

  • 富山県出身の山内マリコさんの小説、初めて読む。
    地方の商店街活性化をテーマに、シャッター街と化した商店街の本屋さんの娘が、悩みながらもなんとかしようと奮闘する姿が描かれている。
    多分モデルとなった富山の商店街を想像しながら読んで、親近感があった。
    でも結局再生は難しいかな…

  • 地方に故郷がある私にとっては、あー地元戻りたいなーって思う話。

    山内マリコさんは、地方で暮らす女性の葛藤がテーマでもあるけど、これは地方、地元の良さをテーマにしたような、前向きな本。

  • 地方の商店街の実態を鋭く描いてて興味深かった!
    山内さんはただ面白いだけじゃない、リサーチもしっかりされていて流石です!

  • この国はどうなるのか

  • タイトルからは想像がつかない内容だったが、シャッター通りと化した地方の商店街の再生をめぐる話とまとめてしまうと短絡的過ぎるだろうか。でも、巻末の参考文献を見ると、作者が商店街再生についてかなり勉強したことが見て取れる。物語の中にも「よそ者、若者、バカ者」という変革をもたらす者たちが登場し、また、シャッター通りがなぜそのままなのかについてのお店・地権者側からの反応も見て取れ、中々ためになる。もちろん、小説としても面白い。

  • 地方都市のアーケード商店街。昔はにぎわっていたのに、いまやシャッターを下ろした店が目立つ閑古鳥のなく商店街となってしまっている。

    そんな商店街の中にある「ウチダ書店」で生まれ育ったタカコは、出奔していた妹のショーコが帰ってきたことをきっかけに、商店街の再生に乗り出そうとする。

    地方創生のイベント、町おこしの物語・・・というと、ありがちな印象を受けるけれど、この物語が面白いことは安易な成功譚や失敗譚にしていないところだ。
    寂れている商店街の、「寂れる」本当の理由はどこにあるのか。商店の店主たちはなにを望み、生きているのか。

    個性的なキャラクターたちも楽しく、さらりと読んだ。

  • 潰れかけた商店街を活性化しようとする若者は勢いと愛情を持ってるんだけど、様々な人が住んでいる分、考え方も色々。
    愛着を持っているから正しいって訳ではもちろんなくて、どれが正解ってこともないので、実生活らしく混沌としてる。
    分かり易く解決はしないけど、良い結果になって良かったなと思います。

  • 商店街の老舗書店の長女タカコと放蕩娘の次女ショーコが商店街の活性化に挑む。いま日本のどこの街でも起こっているシャッター通りと化した商店街に活気は戻るのか?

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著者プロフィール

山内 マリコ(やまうち まりこ)
1980年富山県生まれ。大阪芸術大学映像学科卒業後、京都でのライター生活を経て上京。
2008年「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、12年8月連作短編集『ここは退屈迎えに来て』でデビュー。同作は2016年映画化された。ほか映画化された作品に『アズミ・ハルコは行方不明』。ほか、著作に『メガネと放蕩娘』『選んだ孤独はよい孤独』など。

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