熱帯

著者 :
  • 文藝春秋
3.49
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本棚登録 : 3925
レビュー : 485
  • Amazon.co.jp ・本 (523ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907574

作品紹介・あらすじ

世紀の奇書『熱帯』に惹かれ、秘密を解き明かさんと集まった“学団”によるソウダイなる追跡劇。世界の中心に横たわる謎、その正体は――? 読み出したら止まらない、ロマン溢れる冒険譚。

感想・レビュー・書評

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  • デビュー作『太陽の塔』以来の森見作品。
    めくるめく世界を堪能させていただきました。

    ページをめくる毎に深く深く潜っていく感覚。
    謎が謎を呼び、誰かの語りが次の語りを呼ぶ。

    創作作業というのは潜水作業と似ている、と書いてあったのはどの本だったのか。

    あの世界でみた二両編成の電車にはきっと、長い長い失恋を終えた“彼”が乗っているんだろうと思った。

    • やまさん
      5552さん
      おはようございます。
      いいね!ありがとうございます。
      5552さんが1番です。
      ありがとうございます。
      きょうは、朝...
      5552さん
      おはようございます。
      いいね!ありがとうございます。
      5552さんが1番です。
      ありがとうございます。
      きょうは、朝から快晴です。
      私は体を動かさなくては。
      今日は、町まで往復4キロほど歩いてこようと思います。
      やま
      2019/11/12
    • 5552さん
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそいいねとコメントありがとうございます♪
      暖かい太陽の光と、涼やかな風を浴びながら外を歩くのも気持ち良さ...
      やまさん、こんにちは。
      こちらこそいいねとコメントありがとうございます♪
      暖かい太陽の光と、涼やかな風を浴びながら外を歩くのも気持ち良さそうですねー。
      いい汗を流されましたか?
      2019/11/12
  • 文庫になるのを待ちきれず、単行本を手に入れました。
    森見さん、よくぞこんな遠い処まで私を連れてきてくださいました。読み終えたあと暫く現実に戻ることが出来ませんでした。
    内容に触れたくても触れられない。言葉にするとこの幻想的で摩訶不思議な世界がわたしの中から消えてなくなってしまいそう。そんな充足感と不安感がこんがらがったままの状態です。
    もうね、気になる人は読んでみて!なんて、無責任な感想しか書けません。
    でも、これだけは言っておきますね。
    滅多に出逢うことの出来ない物語。
    物語の重力に引き込まれ戻ってきた世界は、もしかしたら似て非なる世界かもしれませんよ……と。

    『この世界のどこかに穴が開いていて、その向こうには不思議な世界が広がっているという感覚。つねに「神隠し」が我が身に迫っているという感覚。それは不気味なものであり、なおかつ甘美なものだった。』
    登場人物の1人である佐山の言葉なのですが、きっと常々、森見さんも感じておられることなのでしょう。この作品から此方側へと、今まで以上にその感覚が色濃く伝わってきました。

    「物語ることによって救われる」のって、人間だけじゃなくて、きっと何十年、何百年、何千年……語り継がれていく物語自体もなんだろうなと思いました。

  • ひょっとして…という予感は、途中からありました。第四章の〈僕〉の夢に龍の根付が出てきたところで、予感は確信に変わりました。なんてこと! まさか、こんなカタチであのひとが主人公の小説が読めるなんてーー

    『熱帯』は2018年度直木賞候補になった小説です。きっと文学的に難しく語ることもできる作品なんだと思います。物語の入れ子構造は『千一夜物語』と同じだし、「本についての本」というコンセプトは『はてしない物語』に似ています。読みごこちは『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に近い気もするし、閉じた円環構造は『フィネガンズ・ウェイク』や『ドグラ・マグラ』のようです。

    でも、そんなことはどうでもいいのです。
    私にとって『熱帯』は純粋なキャラ萌え小説でした。

    森見作品の萌えキャラといえば、黒髪の乙女やアオヤマくんを挙げる人が多いでしょう。樋口さんや芽野と芹名も意外といい線いってるかも。でも、私にはひそかに愛する別のキャラがいます。初期の短編に一度出てきたきりの、名前もわからない青年。たくさんの奇妙な物語を語って人々を魅了しながら、本当の自分については語ることなく姿を消してしまった〈先輩〉ーー

    幻想小説の謎に答えなどありませんが、私には『果実の中の龍』(@きつねのはなし)の〈先輩〉こそ佐山尚一だと思えてならないのです。『熱帯』は、物語を創ることに取り憑かれた青年(先輩=佐山=森見)が、「物語とは何か」「創造するとはどういうことか」について、初めて本気で向き合った物語じゃないでしょうか。虚構の城に閉じこもることで自分を守ってきた男が、プロのクリエイターとして初めて、殻を打ち破って内面を晒け出した物語だと思うのです。彼らしく、複雑怪奇なフィクションの形をとりながら。

    だとすれば、『熱帯』は〈僕〉の成長物語とみることもできるでしょう。
    「僕はつまらない、空っぽの男だ。語られた話以外、いったい、僕そのものに何の価値があるんだろう」
    そう自嘲した物憂げな青年が、紆余曲折を経て、海に向かって両腕を広げ、
    「〈創造の魔術〉とは思いだすことなんだ」
    と過去を肯定できるようになるまで、生きる力を取り戻すまでの、長い放浪の物語だったのかもしれません。
    生き延びるために語り続ける、シャハラザードの末裔の物語ーー

    森見先生は「そんな風に書いたつもりはない」と仰られるかもしれません。「妄想もタイガイにしたまえ」と。しかし敬愛する先生の言うことでも、ここはゆずる訳にはいきません。異論はことごとく却下です。もし先生の意図が私の解釈と異なるというのなら、それは先生の意図の方が間違っているのです。

    私の『熱帯』だけが本物なのですから。

    • 地球っこさん
      佐藤史緒さん、こんにちは。
      いつもレビュー楽しみにしてます。
      佐藤さんのこちらのレビューを読ませていただいて、『きつねのはなし』が気になって...
      佐藤史緒さん、こんにちは。
      いつもレビュー楽しみにしてます。
      佐藤さんのこちらのレビューを読ませていただいて、『きつねのはなし』が気になって気になって、
      やっと読んでみました。
      読み始めたら一気でした。
      なるほど、佐藤さんのおっしゃる通り、あの「先輩」ですね。
      うわあ、ゾクゾクワクワクしました(〃艸〃)
      2019/03/04
    • 佐藤史緒さん
      地球っこさん、いらっしゃいませ。
      こちらこそレビュー楽しく読ませてていただいております!

      うふふ、「きつねのはなし」読んでいただけま...
      地球っこさん、いらっしゃいませ。
      こちらこそレビュー楽しく読ませてていただいております!

      うふふ、「きつねのはなし」読んでいただけましたか! 最新作が最初期の作品とつながってて面白いと思ったのですが、同じ意見の人がいなかったので、地球っこさんにご賛同いただけて嬉しいですー
      (*´∀`*)
      2019/03/05
  • 誰も結末を知らない謎の本を追う不思議な旅。

    遭難しかけて何とか戻ってきた…

    この本の感想を一言で言うとそうなる。
    僕にとってはなかなか難しい本だった。
    脈絡があるのかないのかわからないストーリーの中を、読みやすい文体なので迂闊にもフワフワと歩いてしまったため、途中で不安で不安で仕方がなくなる。

    あれ?道間違えたかな?って。

    でも、戻ることは既に不可能。
    「大丈夫!」って自分に言い聞かせ、騙し騙しなんとか歩いて、やっと帰ってきました…
    523ページの不思議な旅。奇妙な読書体験。

    森見ワールドは初めてだけど、恐ろしいです…

    旅をしながら僕の頭の中で鳴っていたのは、亡くなった本田美奈子さんの「あなたと、熱帯」。
    あの曲もこの本と同じように、どこに連れて行ってくれるのか、とても不安にさせてくれる曲。
    よって、この本を読むときのBGMにオススメです(笑)

    • くるたんさん
      たけさん♪熱帯からおかえりなさい♪心からおつかれさまでした!
      たしかにこの熱帯は摩訶不思議、ぐるぐる彷徨い必死に出口を求める感覚でしたね。
      ...
      たけさん♪熱帯からおかえりなさい♪心からおつかれさまでした!
      たしかにこの熱帯は摩訶不思議、ぐるぐる彷徨い必死に出口を求める感覚でしたね。
      結局、何一つわからなかった私ですが(笑)なんか楽しい時間でもありました(*´ー`*)

      「夜行」もこれ系、不思議な感覚でした♪



      2019/11/29
    • やまさん
      たけさん
      こんばんは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      たけさん
      こんばんは。
      いいね!有難うございます。
      やま
      2019/12/01
    • たけさん
      くるたんさん!
      やまさん!
      コメントありがとうございます!
      くるたんさん!
      やまさん!
      コメントありがとうございます!
      2019/12/01
  • 汝にかかわりなきことを語るなかれ
    しからずんば汝は好まざることを聞くならん

    そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。森見氏は学生時代、京都の不思議な古本屋でこの本に出会う。しかしまだ読み終わらないうちに、枕元に置いてあったはずのこの本は忽然と姿を消していた。それから存在すら掴めないまま16年が経ち、執筆に詰まっていた森見氏は、偶然参加することになった「沈黙読書会」で、探し求めていた『熱帯』を所持する女性と出会う。彼女は、「この本は誰も結末を知らない」と言い、本の秘密を語り出すーーー。

    熱帯に取り憑かれた人たちの手により、熱帯の謎を順に解き明かしていく物語かと思ったら、急に南の国に飛び、魔王のいる世界での冒険が始まる、めくるめくモリミーワールド。これはガンガン読まないとわかんなくなるぞ、と気合いを入れて3日で読んだのだけど、気合い虚しくあっさり森見小路に迷い込んでた。

    ドアを開け、さらに次のドアを開け、さらに次のドアをあけ、振り返るとドアはなく、ぽつりと穴があいていたので覗き込むと滑り落ち、ここがどこか自分が誰かもわからないままに進むと今度は水に落ちて溺れかけ、あっぷあっぷと岸にたどりついたと思ったら一面の砂漠で、もう戻りたいと思いながら進むと竜巻に巻き込まれ、落ちたところにドアがあり、またドアを開け、ドアを開け、たどりついたところは元いた場所に似た違う場所で、でももう元の場所に戻る方法はわからないからもういいやと諦めた。

    というような感じの読後感(どんなや)。千一夜物語を題材にしているのだけど、気分は不思議の国のアリスのような、混沌と秩序の世界観だった。
    もう一度気合いを入れて、エイヤ!とモリミーワールドにダイブし、森見小路に迷い込んでみないといかんなと思う。

  • 森見登美彦さんの作品を読んだのは3作目です。
    あらすじの紹介がとても面白くて、「これは絶対、読まなくちゃ」と思いました。

    第一章の「沈黙読書会」の小説家の森見の語り、第二章の「楽団の男」の白石さんのお話し、第三章の「満月の魔女」の池内氏の手記までは、非常にわかりやすく、誰も最後まで読んだことのない幻の小説『熱帯』とは何か、めぐる物語が本当に面白くて、最近読んだ小説の中で一番引き込まれました。
    ただ、第四章の「不可視の群島」から出てくる「僕」といういう一人称が誰なのか、私は読めば読むほどわからなくなっていき、理解力が足りないのか、物語も理解不能なところが多くなってしまいました。
    最後の「後記」を読むと、また、第一章、二章の記憶がよみがえり、こういう結末なのかとストンと納得しました。

    個人的に、昔住んでいた。京都の街の描写が多く、よく利用した、叡山電鉄の修学院駅、京大の前の「進々堂」のカフェなどはとても懐かしかったです。

  • 自分好みの世界観とそうじゃない世界観、どちらもブレンドされたような物語。幻想的な雰囲気バッチリにそそられるも途中から一気に好みではない展開に置いてけぼり感。それでも垣間見える幻想さに惹かれ最後まで読まずにはいられなかった。今、一体どこの世界でどこにいるのか、まるで永遠に無限の迷路を彷徨っている感覚が終始つきまとう。そして本を閉じ真っ先に「熱帯とは?」と、こちらが問いかけたくなる摩訶不思議な物語。でも嫌じゃない。むしろこの世界、理屈抜きに好き。

    • くるたんさん
      たけさん♪
      おはようございます♪
      熱帯は 黒と白の中間、グレーなのかな。

      夜行(黒)と夜は短かし…(白)がブレンドされている印象でした。
      ...
      たけさん♪
      おはようございます♪
      熱帯は 黒と白の中間、グレーなのかな。

      夜行(黒)と夜は短かし…(白)がブレンドされている印象でした。
      黒があったから読み進められた私です(笑)

      ほんと、本って相性がありますよね。

      相性が合う作品に出会えると幸せですよね(*´ー`*)
      2019/11/30
    • たけさん
      ということは、くるたんさんは「夜行」の方がお好みなんですね。
      「夜行」もそのうち挑戦したいです。
      ということは、くるたんさんは「夜行」の方がお好みなんですね。
      「夜行」もそのうち挑戦したいです。
      2019/12/01
    • くるたんさん
      たけさん♪

      はい( ´ω`)و
      たけさん♪

      はい( ´ω`)و
      2019/12/01
  • 登美彦氏版の『千一夜物語』…おもしろくないわけないではないか!

    物語は『熱帯』という名の1冊の本から始まります。
    誰も読み終えたことがないという不思議な本。
    この本のことを語り始めた1人の女性の話は、やがて次々と語り手を変えながら読者を物語の奥底へと深く深く導いていきます。
    入れ子になった物語の中の物語…それはシャハラザードの語る寝物語のよう!
    毎晩こんな風に語られたら、そりゃ続きが気になって殺せないよな…とシャハリヤール王の気持ちを味わったのでした。

    謎に次ぐ謎、不条理で不気味な出来事…理屈では説明できない物語なのだから、もう語り手に誘われるままに流されていくしかないじゃない。
    物語に深く深く潜った先で胸躍る冒険を味わい、最後のページを閉じて一息ついたとき、これまでいた場所によく似た違う場所に来てしまったような感覚にどきどきしました。

    ううむ、やはり登美彦氏が好きだ…と想いを新たにした読後でした。
    これからも登美彦氏が導いてくれる世界に、諸手を挙げて飛び込んでいく所存です。

  • 物語を読んでいる人が物語を創り出すらしいということで、「熱帯」を読みたいと思った時、その前にエンデの「はてしない物語」を読んでからと決めた。
    「はてしない物語」は欲望が作り出す世界だったが、「熱帯」は正体不明・支離滅裂の夢の世界のようだった。

    「見ようとしなくては見えるものも見えない」
    「何もないってことは何でもあるってことだ」
    「水平線は目に見える。が、存在しているか?」

    いったい何を読者に見せ感じさせたかったのか。
    とうとう最後まで訳が分からないまま単純にストーリーを楽しみました。

  • 千一夜物語が多く出てきますが、不思議なふしぎな物語。
    最後の2ページで・・・
    森見さんらしい面白い本でした。

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著者プロフィール

森見登美彦(もりみ とみひこ)
1979年奈良県生まれの作家で、京都を舞台にした作品が多い。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年、『太陽の塔』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。2006年に『夜は短し歩けよ乙女』で本屋大賞2位、山本周五郎賞などを受賞し注目を集める。2010年『ペンギン・ハイウェイ』で2010年日本SF大賞、2014年『聖なる怠け者の冒険』で第2回京都本大賞、2017年『夜行』で第7回広島本大賞をそれぞれ受賞。2010年に『四畳半神話大系』がTVアニメ化、2018年8月に『ペンギン・ハイウェイ』が劇場アニメ化された。2018年11月に『熱帯』を刊行し、第160回直木賞、2019年本屋大賞にノミネートし、第六回高校生直木賞受賞。

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