インフルエンス

著者 : 近藤史恵
  • 文藝春秋 (2017年11月27日発売)
3.45
  • (17)
  • (49)
  • (81)
  • (8)
  • (2)
  • 本棚登録 :405
  • レビュー :70
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907581

作品紹介・あらすじ

大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨(ゆり)はある時、かつての親友・里子(さとこ)が無邪気に語っていた言葉の意味に気付き、衝撃を受ける。胸に重いものを抱えたまま中学生になった友梨。憧れの存在だった真帆(まほ)と友達になれて喜んだのも束の間、暴漢に襲われそうになった真帆を助けようとして男をナイフで刺してしまう。だが、翌日、警察に逮捕されたのは何故か里子だった――幼い頃のわずかな違和感が、次第に人生を侵食し、かたちを決めていく。深い孤独に陥らざるをえなかった女性が、二十年後に決断したこととは何だったのか?社会に満ちる見えない罪、からまった謎、緻密な心理サスペンス。「読者を引っ張らずにおかない独特の謎」「行間からにじみ出る緊張感がすごい」「自分にもなじみのあるこの関係性と舞台に引き込まれた」雑誌連載中から反響続々。「サクリファイス」の著者が女たちの焦燥と決意を描く、傑作長編!!

インフルエンスの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ★3.5

    大阪郊外の巨大団地で育った小学生の友梨はある時
    かつての親友・里子が無邪気に語っていた言葉の意味に気付き、衝撃を受ける。
    胸に重いものを抱えたまま中学生になった友梨。
    憧れの存在だった真帆と友達になれて喜んだのも束の間、
    暴漢に襲われそうになった真帆を助けようとして男をナイフで刺してしまう。
    だが、翌日、警察に逮捕されたのは何故か里子だった――
    幼い頃のわずかな違和感が、次第に人生を侵食し、かたちを決めていく。
    深い孤独に陥らざるをえなかった女性が、二十年後に決断したこととは何だったのか?

    作家である「わたし」は、興味を引く話があるので会って話を聞いて欲しいとの手紙を受け取る。
    その話とは、手紙を出した人物とその友人二人の関係らしい。
    一旦は無視しようと思ったが、引っかかるものがあり、会って話を聞く事にした。
    それは、幼い4歳の頃から約40年にも渡る、三人の女性の物語だった

    近藤さんらしく、読み始めからずっとずっと不穏な空気感を漂わせていた。
    小説家である私が女性達の40年に渡るお話を聞いて行くという形式だった。
    友梨・里子・真帆の3人の回想シーンが主体だった。
    小・中学生の頃の学校の閉塞感。
    少女達の友情という名の束縛や独占欲や関係性や葛藤が
    とっても息苦しく、緻密に描かれていた。
    幼児虐待・虐め・校内暴力・レイプ・DV・殺人…。
    色んな社会問題が含まれていた。提起されていた。
    とても読み易い文章で彼女達の先が知りたくて一気読みしました。
    こんな殺人まで含んだ友情?愛情?
    繋がり切れない絆…。
    とんでもないって思いながらも、友情ってあっけなく切れちゃったりするので
    どこか羨ましい様な感情が変だけどチラリと心の何処かにありました。
    友情の在り方には考えさせられました。

    緻密な心理描写にやられたー。
    優しい人は踏みつぶされる。
    扱いにくい人間だと思われている方が快適に日常生活を送る事ができる
    という言葉になるほどなぁって凄く感じました。

  • ある作家に友人二人とのことを書いて欲しいと女が現れるが…少女三人の知られてはいけない物語。団地の世界、自分と関係のないものに目をそらすこと、友情、表紙の写真のように不穏な感じでよく書かれていた。読みやすく、一気に読んでしまった。しかし、少々浅いかな。それと、殺人のとこ、そう簡単にいくかしらと。こんなに周りの人が死ぬなんて、おかしいでしょうし。三人はじわじわインフルエンスされてこうなってしまったのね。

  • 面白かった。子供の頃の親とか周りの大人や同じクラスの生徒とかに感じた思いがよみがえってきた。あぁそうだったな~と思いながら、あっという間に読み終えた。

  • 図書館で。子どもの頃の出会いから長い月日を経ても強くお互いが繋がり合う。友梨も里子も真帆も孤独では無かった。衝撃的なショックな子ども時代を過ごした里子も、きっと友梨が居なければ生きてはいけなかったかも知れない。余りにも強い力で引き合ってしまって反発したり憎んだり疑ったりしながら間違えた道も有ったのだと思うけど。『幸せか、価値があるかということを、誰かの基準にゆだねたりはしない』自分がどう思うか受け取るかだ。本当にそれだけで変われる事が有る。友梨が自首したことできっと3人の繋がりは正しい方向へ(明るい方向へ)向かえるのだと思う。だから友梨にも生きていて欲しかったな。

  • 読み終えて、複雑な感情を持て余す。
    怖さとやるせなさと、もどかしさと優しさと、それから…。
    淡々と語られる殺人に温かささえ感じてしまう。
    閉じた後も自分の中で後を引く物語だった。

    これは、女の子だからこそ成立する話なのだろう。
    かつて少女だった身には何かしら心当たりがあるような。

  • 友情って何なんだろう?
    読み終わった後の率直な感想は、その一言に尽きる。
    3人の少女の決して幸福とは言えない半生を、同い年の女性作家に小説にしてもらおうと、当事者の1人の独白形式で物語は進む。
    決して、誰から見ても仲が良かったとは思えない友梨、里子、真帆。しかし3人の人生は30過ぎまで絡み合う。
    最近はライトな作品が続いた作者が、久しぶりに女性の怖い部分を描いた作品。読後感はあまり良くないけど、いろいろ考えさせられた。

  • 衝動買いで、一気読み。
    文章が読みやすかった。
    そして、デジャブする中高時代の危うい友達関係。
    あまりに私の記憶と一致しすぎて簡単に風景が浮かんだ。

    犯人がわかった上で、なのでサスペンスなのかな??
    連ドラやったら面白いかもと思ったけど!なんか鬱々としそうでだめですかね。
    内容の割に語り部友梨()がサバサバしていて重くなかった。
    自分が友梨と重なって妙に辛くなった。

    この作者の他の作品も読んでみたい。

    どうでもいいけど、ノンフィクションっぽいフィクション作品最近よく当たる。

  • 少女たちの秘密と罪。彼女たちの関係は言葉で説明しても分かるようで分からない、でも、分かる。分かってしまう。あの頃、私もそうだったように、友だちとの関係は細くあやうく、そして重い。
    自分でも持て余してしまうその関係を多くの人は心の奥に押し込んで大人になっていく。
    けれど、それができなかった三人の少女たち。それぞれがそれぞれの罪をひきうけ、かばい、秘密を抱えていく。なにかひとつずれていたらこうはならなかっただろう。でもそれは彼女たちが望んだ今だろうか。こういう形であってもつながっていることが彼女たちの関係の完成形だったのかもしれない、そんな気がする。

  • とある小説家宛に出版社へ送られてきた手紙。
    『先生は同い年ですし、女同士の関係をよく書いてらっしゃいますから、私と友達二人の特殊な関係は絶対興味を持つと思います。実は一人が末期ガンで話せる時間は残り少ないので、一時間でも話を聞いて頂けないでしょうか?』

    そんな読者からの手紙に引っ掛りを覚え、小説家は女性と対面し話を聞く。
    その内容ーー彼女たち3人の関係は、恐るべき数奇に満ちた特殊なものだった!
    緻密な心理サスペンス。


    以上、そんな内容の作品です(^-^*)/
    まず、話の骨格となる女性3人の驚愕の関係は凄まじいアイデアでした!本当に素晴らしい!

    ただ、その驚愕の関係並びに関わった犯罪を小説家に聞いてもらうという手法は、ベストではなかったように感じました(>_<)
    最後のどんでん返しも、『ふーん、だから?』って思いましたし、小説家に関する驚きも微妙なレベルでガッカリ(>_<)
    誰かに語る手法ではなく、リアルに3人が歩んだ人生を描いて、1つ大きな捻りを入れれば神サスペンスになったのに……。
    物凄く勿体無い、名作に近い佳作。


    ただ、女性3人の道が一般的ではなくなった発端ーー『小学2年のAが、Bの家で遊んでる時、Bの祖父に「私はおじいちゃんと一緒の布団で寝ている。女の子はおじいちゃんと一緒に寝ないといけないんだよね?」と訪ねた事から、Bの祖父はAが、自身の祖父から強姦に遭ってるかも知れないと思いながらも、娘に相談したら「他人が口出す事じゃない。もし勘違いだったら謝りようがない」と、Bを助ける事に反対され、自分の孫のAに、「悪い影響があるといけないから、Bと遊ぶのをやめさせようとする」』という性犯罪の形を示した事、
    並びに『性犯罪は魂の殺人』という表現があったのは素晴らしいと思いました。

    強姦の中で統計的に最も多いのは、家族・親族・親代りからの被害です。
    ところが、この種の加害者からの強姦犯罪の多くは、罪が立証されないばかりか……今作品のように、罪に気付いてもなかったものとされる事がほとんどです。
    加えて犯罪は長期間繰り返されがちです。

    しかし想像すれば分かるように、安心できる我が家の親や家族から強姦され続ける地獄は心身共に大ダメージを受け、
    (性犯罪そのものが甚大な心身の障害や後遺症を受けるわけですが)
    被害ケースの中でも、親や家族等からの幼少期からの被害が最も障害や後遺症が重くなる傾向があります。
    よって、今作品が鳴らした警鐘を作品の中だけで終わらせずに、
    『もし、現実世界で、自分の子供の友人や、近所の子供が、親や家族から性犯罪や虐待に遭ってるかも知れない兆候を見た時にどうすべきか?どうあるべきか?』
    今作品のように見捨てれば、今作品のように一人の子供の未来が壊れていく可能性を脳裏に留めて置いて欲しい。

    そんな警鐘を鳴らした事は、個人的に評価出きる作品でした。

  • 作家である「私」は、戸塚友梨という女性から、話を聞いてほしいとの手紙を受け取る。その話とは、友梨の他、日野里子、坂崎真帆の小学校時代から30年も続く、彼女たちの関係の話であった。当初は純粋な友情で結ばれていたが、年を重ねるにつれ歪んだ友情へと。。。
    団地という空間を含め、3人の摩訶不思議な友情関係がよく描かれていた。女性のドロドロとした、というより達観している感じを受けた。作家までというのは、いま一つぴんと来なかった。

全70件中 1 - 10件を表示

インフルエンスのその他の作品

近藤史恵の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

インフルエンスに関連する談話室の質問

インフルエンスを本棚に登録しているひと

ツイートする