ひよっこ社労士のヒナコ

  • 文藝春秋 (2017年11月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (280ページ) / ISBN・EAN: 9784163907604

作品紹介・あらすじ

社労士の朝倉雛子(26歳、恋人なし)が、会社のピンチを救います!



社労士とは、正式名称は「社会保険労務士」という国家資格者。おおざっぱに言えば、会社の総務部のお手伝い。採用から退職までの労働・社会保険に関する問題や、年金の相談に応じるなど、業務内容は多岐にわたる。



雛子は派遣社員として働いていたが、一念発起して社労士を目指し、三回目の試験で合格。

そんな新米社労士が、6つの事件を解決。



「使わなかった有給休暇分の給料をちょうだい」と要求する元社員。

「ネットに投稿した従業員を辞めさせたい」居酒屋チェーン店専務。

「育児休業なんてあり得ないから」と言いはなつIT企業創業社長。

年末調整のチェック作業が佳境のなか、幹部の重要書類が行方不明。

部下が自殺未遂したのに「バカにつける薬はない」と罵倒する上司。

「残業代が増えるのは困る」と苦悩するアパレルメーカー総務部長。

みんなの感想まとめ

新米社労士の雛子が、さまざまな労務問題を解決していく姿が描かれた物語は、職業の魅力を伝えつつ、主人公の成長を楽しむことができます。社労士という専門職の業務内容が多岐にわたることが分かり、各短編では登場...

感想・レビュー・書評

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  • 「ヒヨコじゃなくて、雛子です」というやりとりが定番の社労士事務所に勤め出して3か月の浅倉雛子が主人公の、リーガルサスペンス?というか、おそらく日本文学史始まって以来の社労士目線の小説(←大袈裟)。

    「それにわたし、ひよこじゃなくて、ひよりです」というやりとりが定番だったのは、高畑充希が主人公だった新人刑事ものの「メゾン・ド・ポリス」だった。古今東西、新人はそうやって可愛がられる。それは兎も角‥‥

    社労士の通信教育は、会社の教育費補助が出る関係で常に人気は一位で、割と知られている。その割には国家試験の合格率は1割以下で、その仕事の中身は案外知られていない。大雑把に言えば、会社の総務部の(特に法律絡みの)お手伝いらしい。

    社労士の仕事、労働や社会保険、年金の仕事の中の、特に労務関係に関しては、私はボランティアの労働相談をしている関係で、本書には聞いたような話がたくさん出てきて、面白かった。

    以前労基署が舞台のドラマ「ダンダリン」(竹内結子主演)の時には、労基法違反の会社のために知恵を貸す社労士が出てきたので、社労士って、会社のためなら法の抜け穴を探しまくる仕事なのかと思っていたら、本書の社労士事務所は会社のために動くのだけど、ずっと労基法違反にならないように、そうなりそうな「芽」は事前に摘むのが仕事になっていた。そっちの方が普通なのかもしれない。

    しかし、社労士事務所と契約しているとか、社労士を抱えている大企業ならまだしも、
    世の中の中小企業社長さんの中には、
    「労基法?なにそれ?」という方や
    「え、アルバイトにも有給休暇あるの?」という労働者が
    たくさんいるというのが現実である。
    労働相談を受けていると、酷い会社はいくらでもあるのだけど、
    本書に出てくる社労士も会社幹部も、
    異様なほどに物分かりが良い。
    これは未だ「ひよっこ社労士」の肩書きがついているからそうなっているのかもしれない。続編があるようなので、少しづつ読んでいきたい。

    目的は労働相談に役立つかも、ということだったので、勉強になったことを以下にメモ。

    ・会社は離職票に「会社都合」欄にチェックしようとしない。出来るだけ「自己都合」にしたい。何故ならば、「雇い入れ関係の助成金を申請しようとしたときに認められなくなる可能性があるから」
    ・6時間越えの労働だと、8時間までは最低45分の休憩が必要。
    ・パワハラで労災認定の要件。「鬱病や急性ストレス反応などを発症していて、発病前おおむね6カ月の間に業務による強い心理的負担が認められ、発病がほかの要因によるものではない」場合(厚労省)。判定は、精神障害は医師。業務による強い心理的負荷があったかどうかは労基署。評価表があって、強とか弱の判断をつける。
    ・ストレスチェック表。2015年より50人以上がいる事業所については年一回の実施が義務付けられている。←知らなかった!コレは使える!

    • ☆ベルガモット☆さん
      kuma0504さん、こんばんは。
      友人が社労士の資格取得して張り切っています。どんな仕事か見当つかないので面白そうですし、図書館にあったの...
      kuma0504さん、こんばんは。
      友人が社労士の資格取得して張り切っています。どんな仕事か見当つかないので面白そうですし、図書館にあったので読みたいリストにします♪労働相談系のお仕事なんでしょうか。
      2023/06/22
    • kuma0504さん
      ご友人社労士資格取ったんですか!すごいです。

      この小説によると、総務の法律方面の相談係とか、実務のお手伝いとか、いろいろみたいです。その中...
      ご友人社労士資格取ったんですか!すごいです。

      この小説によると、総務の法律方面の相談係とか、実務のお手伝いとか、いろいろみたいです。その中に労務問題もあるので、労働者の立場からというよりも、経営者の立場から労働相談に乗るみたいですね。でも、労働者あっての会社というのは真実ですし、労基法違反をすると、結局会社のためにもならないのですから、法律の立場から経営者に物言いするのは大切なことだと思います。

      ご友人頑張ってね!とお伝えください♪
      2023/06/22
  • kuma0504さんのレビューで気になってお取り寄せ。
    社会保険労務士とは、会社の総務のお手伝いで、採用から退職までの労働社会保険に関する問題や年金相談など業務は広範囲とのこと。人気の資格だが合格率は約1割らしい。
    事務機器や飲食業、IT会社、スーパーマーケット本社、製菓会社、アパレルメーカーなどの会社を舞台に労務関係の専門用語を織り交ぜながら展開。当初味方と思っていた人が実は黒幕だったり、悪い人かと思っていたら実は部下思いだったりと、それぞれの短編ごとに登場人物のキャラ設定が興味深い。
    仕事のことで周囲の人ともめたとき、誰に相談すればいいのかという問いに社労士事務所先輩の素子さんが「どれだけその仕事をやりたいのか、やりがいがあるのか、自分の優先順位はなにか。改めて仕事と向き合い、考えて決めていくしかない」という言葉は妙に納得。
    ドラマ化されたら雛子さんはどなたかなと考えるのも面白い。

    • ☆ベルガモット☆さん
      kuma0504さんのレビューがなかったら出会うことがなかった本です
      ありがとうございます!登場人物が個性的なのでドラマ向きのような気がし...
      kuma0504さんのレビューがなかったら出会うことがなかった本です
      ありがとうございます!登場人物が個性的なのでドラマ向きのような気がします
      就業規則は年休のところだけでなく他のところも読まなくちゃと思いました あと給与明細もしっかり見ておこうと思います
      弁理士のドラマってありましたっけ?
      2023/07/06
    • kuma0504さん
      この前終わった「それってパクリじゃないですか?」(芳根京子主演)。恋愛を絡ませなかったせいか、視聴率は稼げなかったけど、ここまでやらないと、...
      この前終わった「それってパクリじゃないですか?」(芳根京子主演)。恋愛を絡ませなかったせいか、視聴率は稼げなかったけど、ここまでやらないと、「知的財産」は守れないのか。と勉強になりました。
      2023/07/06
    • ☆ベルガモット☆さん
      貴重な情報ありがとうございます!面白そう、原作漫画があるようですね。チェックしておけばよかったです。
      別の本のレビューでおみかけしましたが...
      貴重な情報ありがとうございます!面白そう、原作漫画があるようですね。チェックしておけばよかったです。
      別の本のレビューでおみかけしましたが、ワクチン接種後の副反応から回復なさいましたか?それでもレビュー作成に取り組む読書熱に敬服いたします。
      2023/07/07
  • 表紙のヒナコちゃんの手にヒヨコがのっかってるのがかわいい♡

    ひよっこのヒナコちゃんのお仕事に奮闘する姿、
    たいへんそうだけれどおもしろかった!
    社労士ってむずかしそうだなーっておもったけれどどんな仕事かもわかったし、
    おなじ職場の丹羽さんも頼もしくて優しくて、
    やりがいがありそうとおもった☆

    続編もみつけたらよみたい作品♡

  • 社会保険労務士の雛子の謎解き奮闘記

  • 著者初読み。
    社労士を取り上げているお仕事ものに興味があって、読んでみた。
    ブラック企業、パワハラ、男女差別…
    会社で働く上で避けられない問題を短編で分かりやすく、まとめている印象。
    大きな会社には大体ある総務部門。しかし、実態はどういう仕事をしているのか、分からない人も多いのだろうし、また社労士と言う資格にも焦点を当てたかったのだろうから、こういう小説が出来たのだと思うけど、全体的に何か微妙。
    多分、主人公がいけないんだと思う。
    大学卒業して、就職出来なくて、派遣で総務部門で働いた経験があるからって、2つ目の派遣先で意見しちゃったり、3年かかって社労士にやっと受かったと言う設定も、実際にもっと苦労している人をたくさん知っているから、別に苦労にも思えないし、クライアントに対する態度も新人らしくない。簡単に言えば、「ひよっこ」なのに生意気な感じがすごく残念。
    総務入門ぐらいの気持ちで読むにも、専門的な話が直前で打ち切られてしまうのも、やっぱり微妙…

  • 社労士の仕事ってどんなのか興味があって読みたいと思い図書館で借りました
    さくさく読めた
    主人公を応援したくなるキャラクターでした
    何冊かシリーズで出てたので次も
    借りてみようと思います

  • ひよっこのヒナコの第1弾。昨年第2弾の方を読んでいたから図書館で見つけてうれしかった。
    社労士という言葉はよく聞くけれど、仕事内容はあまりわかっていなかった。総務のスペシャリストみたいな感じなんだ。
    お仕事小説で門外漢だけど読みやすいはずなのに、雛子の言動になんだか共感できない部分があった。年を取った証拠だろうか。

  • 「ヒヨコちゃん」過ぎてイライラしました。

  • 自分が超絶分からないと思ってる給与明細に書いてあることについて分かる人…それが社労士なのか…というのが精一杯の理解。自分には到底向いてなさそうだ…分かったらたいへん便利そうだけど…。働く、ということを今一度考えさせられた一冊。

  • 2021年 91冊目

    図書館で社労士で検索してみたら見つけた本です。
    こんな本があるんだな。

    題名の通り新米社労士のお仕事奮闘小説です。
    社労士に興味ない方でも、お仕事小説として普通に面白いと思います。

    むかし、『カバチタレ』っていうドラマが好きでみていたけれど、アチラは行政書士事務所のお話しでした。コチラも映像化したら面白そうだけどな。

    新米社労士の雛子ちゃんに自分を重ねながら読んでいたけど、よくよく考えると新米は新米でも歳が15歳も違う…。私の新米奮闘記はどうなるんだろうか。


  • ライトミステリーが読みたい。ただただ楽な本が読みたいってな気持ちで図書館で本を探し、出会ったお仕事小説。

    よくある新米のお仕事頑張る小説です。主人公が社労士なので、とても身近な、勤め人には誰にも身近な題材達。
    全てがうまくいくわけでもなく、うっすら苦しい、悲しい結末もあるのが現実味ってやつでしょうか

  • 社労士試験を受けて約1ヶ月が経過したタイミングで読了。
    自分が社労士としてクライアントと接するような気持ちで読んだため、どの話も問題が発生する度に狼狽した。特に顧問契約を切られてしまう話では、ひなこ同様に落ち込んでしまった。
    小説なので実務より話が上手く行っている感は当然あるだろうが、社労士の仕事のイメージを掴むのにはとても良い作品だ。
    休業補償、厚生年金加入の要件、裁量労働制等、社労士試験で学んだ内容が出てきて、学んだことが実務に繋がるイメージが持てた。
    実務経験なしの社労士受験生にはぴったりの一冊だ。

  • 続編もあるんだ。
    そのうち読む。

    ちょっとあっさりしている感がなくもないけど、
    社労士とは?と思うとっかかりにはいいと思った。

  • 雛子だからヒヨコ。可愛いあだ名。
    若い女性であることで舐められたりっていうのは現実社会でもよくありますね。
    雛子も仕事を通して傷つき葛藤しながら、それでもまっすぐに自分の思う道をいっていて、しっかりした強い女性だと思いました。雛子がんばれ〜!と応援したくなる。
    関わる企業の裏事情が暴かれていくのが面白いです。
    企業の数だけルールがあるし、抜け穴を探そうという人もいるし、働き方も多種多様な時代ではとても必要とされるお仕事なんだろうな。

  • お仕事モノとしてちゃんと読めました

  • 社労士の仕事と法律が理解できる。

  • 3月-19。3.0点。
    新米社労士の奮闘記。連作短編。
    サクサク進む読みやすさ。

    余り専門用語を使用せず、わかりやすい。

  • 仕事柄、
    「私だったら何を確認するか。
    どういう落とし所に持っていくか。」
    考えながら読んでいくと面白かった。

  • 社会保険労務士(社労士)
    労働・社会保険の問題の専門家として、労働保険・社会保険諸法令に基づいて、行政機関に提出する提出書類や申請書等を依頼者に代わって作成する
    個別労働関係紛争の解決手続(調停、あっせん等)の代理を行う
    企業を経営して行く上での労務管理や社会保険、国民年金、厚生年金保険についての相談・指導を行う
    等の業務にあたる専門家(国家資格)

    社労士資格を取得し社労士事務所に勤める事になった「ひなこ」
    色々な顧問先の問題に果敢にチャレンジする。

    それにしても世の中(それぞれの会社)には、必ずと言ってイイほど、
    嫌な奴、要領のいい奴、狡猾な奴、パワハラ上司等などは
    必ず存在するようで、「ヒナコ」は社労士としての知識を生かして、正論で戦う訳だが
    これはあくまで小説の中だけの事であって、実際には
    こううまくいく訳もなく。

    嫌な奴、要領のいい奴、狡猾な奴、パワハラ上司等
    理不尽な事のオンパレードで、何だか悲しくなってしまった。

  • 読み始めの印象としては、社労士という仕事の特殊性を頼りにあるあるネタを盛り込んだだけでさほど面白くないかもと思いつつ読み進めていたけど、後ろの短編に行くほどヒロインの人間性などが深掘りされて面白くなっていった。
    自分は社労士を目指していた時期があり、その頃のことを思い出して色々感慨深くもあった。それほど認知度の高い仕事ではないので目指しているとは言っても実際どんな仕事なのか想像できない部分もあったので、勉強していた時期にこういう作品に触れられたら良かったなと思いました。
    ちなみにこの本は解説がとても優れているので、そちらをまず読んでから本編に読み進むというのもありかと思います。

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著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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