- 本 ・本 (376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163907956
感想・レビュー・書評
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2019年本屋大賞受賞作
このお話好きだなあ、って思った
3人の父と2人の母、血の繋がらない親との生活が次々と始まる
全体の4分の3位の長い第1章の後に、ラストスパートのような第2章で締められる物語
かたまり具合のちょうど良いふわふわのオムレツを挟んだサンドイッチ
娘の「一大事」の朝ご飯に、それを作る「父」の気持ち
スタミナのつく餃子、明日が楽しみになる味の違うゼリー
どんな時でも「ごはんを作ってくれる人がいる
それは、どんな献立よりも力を与えてくれる」
「自分のために生きるって難しい」けど大事な人の「笑顔」や「育っていく姿」を見られたらそれで「十分だって思える」
読後に表紙のイラストを見返すと何だかとっても愛おしい気持ちになりました
(図書本)
⭐︎感想を読んでると、映画は結末が異なるとのこと
どんな風に違うのか気になるからまたみてみよう
森宮→田中圭
梨花→石原さとみ イメージに合う詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読後の爽快感。自分以外の人の幸せを願う気持ちの豊かさ。よい本に出会えて感謝。
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期待はずれにならない
かしら・・・
前評判を聞いてそんな
ふうに構えていたから、
背表紙を閉じるときに、
この作品に出会うこと
ができてよかったと、
ちゃんと自分の心の声
が肯いていて、
やれやれと天を仰いだ。
それにしてもこうして
星五つだけで評価する
のにはやや無理がある。
とても幸せな気持ちに
してくれた。
でも物語としてはもう
ひと捻りほしいかな・・・
ハートマークは五つで
文筆マーク(何?)は
三つとか。
他にも読み応えを表す
スルメマーク(え?)
とか、
余韻の強さを表すお鈴
マーク(ええ?)とか、
いろいろ点数化できる
といいのに・・・
って、いいわけないな
そんなの面倒くさいな。
シンプルイズなんとか
ですね。
そして、そもそも論を。
こんな私に的確な書評
なんて無理。
まさか順位なんてある
わけない。
などとのたまいながら
迷わず五つ星の満点を
捧げてしまう、
かくも素敵な作品です
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「本当に何か困ったことはないの?」と聞かれて困っている。17年の人生で家族の形態が7回も変わり、父親が三人と母親が二人もいる。それなりに気を使うことはあったが、人が想像するようなドラマチックな不幸なことは何も無かったという。
当たり前じゃないか。そんなに沢山の親に可愛がってもらってきた姿を天国のお母さんが見たら、どんなに安心するだろう。
だけど、所々しみじみするセリフ。
(お母さんは本当はトラックに轢かれて死んでしまったとお父さんから聞いた時)
「遠くじゃなくて天国にいるということは、どれだけ待っていても、入学式や卒業式だろうとお母さんに会えないということも分かってきた。いつかは会える。そう望むことは、これからはなくなるということだ。…どこかにいてくれるのと、どこにもいないのとでは、まるで違う。血が繋がっていようがいまいが、自分の家族を、そばにいてくれた人を、亡くすのは何より悲しいことだ。」
「出来るだけ笑ってよう。誰にでもにこにこしよう。私は心にそう決めた。…きっとこんなふうに楽しいことだけの毎日なんて続かない。笑っていないとだめなことが、いつかやってくる。どこかでそんな予感がしていた。」
(親しくしていた大家さんが老人ホームにはいることになって家の片付けを手伝っていたとき)
「本当に強くならなくてはいけない時がやってくる。大家さんの家がきれいになっていくのに従って、私はそう感じた。」
主人公は優子は親が何回も変わっていて、三人目の親からは血の繋がっていない人ばかりだが、不幸では無い。どの親も優子のために自分の人生を捧げるくらい大事にしてくれるからだ。
だけど、家族が変わるたびに大きな「別れ」の悲しみは経験している。
だが、「悲しみ=不幸」ではない。
むしろ、本当の悲しみを知らないことのほうが、本当の不幸だと思う。その人がいなくなってしまうことで「悲しい」という気持ちを教えてくれる人が自分に存在したということ。それが本当の幸せということだ。
2番目のお母さんである梨花さんにはお父さんがいなかった。2番めのお父さんの泉ケ原さんは奥さんを亡くしていた。最後のお父さんである森宮さんは家族を亡くした経験は無さそうだが、実家と折り合いが悪くて早くから一人暮らしをしていた。
優子の親となった血の繋がっていない人たちは、「本当の悲しみ」や「本当の寂しさ」を知っていた人達だった。だから優子の親として過ごす時間を何より愛しんでくれた。
「親になるって、未来が二倍以上になることだよって。明日が二つに出来るなんて、すごいと思わない?」喜んで優子の継母になってくれた梨花さんの前向き発言にはこっちまで幸せな気持ちになれる。
「本当に幸せなのは、誰かと共に喜びを紡いでいる時じゃない。自分の知らない未来へとバトンを渡す時だ。」
最後のこの部分が分かるような分からないような。
たぶんこういうことだと思う。
優子のことを「不幸」だと決めつけ、そのくせ自分たちの血のつながった親について文句ばかり言っていた同級生たちは、見ようによれば、本当は「共に喜びを紡げる」人達と常に一緒にいるのに、そのことに気づけないでいた。でもその当たり前に幸福な不足のない幸福の輪が、ある日突然プツリと切れてしまうような不幸なことが起きたとき、初めて「悲しみ」を知るだろうが、その時にその「悲しみ」から「幸せ」を知って、未来の自分にバトンを渡すエネルギーに変えられれば、それで初めて幸せになるということ。かな? -
優子とゆう名はどんな姓にもあうらしい。母親が2人に父親が3人、17年の間に家族形態が7回も変わるとか。最初に思ったことは親が沢山いたら老後の介護大変じゃないかなでした。
実の母が交通事故で他界してから継母の梨花に可愛がられ、実父のブラジル赴任をきっかけに離婚とか、優子は継母が引取るとか家族の絆ってこんな簡単に解消できるものでいいのかって疑問を感じてしまいました。実の父親は絶対娘を手放したくなかったと思うのですが、梨花の策略で優子は目先の事情に乗ってしまった気がします。
子を産むのは面倒だし小さい頃は手がかかるけど、手の掛からない時期の娘ができてよかったって梨花の勝手気ままな考え方にはあきれてしまうしその場しのぎ的な生き方を楽しんでいるところがなんとも共感できませんでした。
水戸と別れてから旧姓の田中に戻り、その後2度結婚して泉ヶ原から森宮と姓が変わり遂には優子を置き去りにしてとっとと離婚するとか、この人にとって家族ってレンタル的な考え方しかないような気がして納得できない。
優子が問題も起こさない可愛い娘だったから愛情注いだぶん、応えてくれるし、そんなギブ&テイクな感覚。
義父もそんな感じで親子関係を演じているところが嘘っぽく映りましたが時を重ねるごとに血のつながりってそんなに大切なことじゃないのかもって思えてくる信頼関係。梨花が実父からの手紙を優子に見せずにいたことには憤りを感じるけど、それを許してしまう優子もすっかり梨花の猫のような習性を理解してるようでなんとも憎めない。誰もが幸せで不幸と思えないところに違和感が残るのですが魔法にかけられたような後味でした。-
しじみさん、褒めすぎ…(笑)ハハハ
褒められ慣れていないので…
おどおどしちゃってます…(*^^)ゞ
もともと宮沢賢治、好きなのですが「銀...しじみさん、褒めすぎ…(笑)ハハハ
褒められ慣れていないので…
おどおどしちゃってます…(*^^)ゞ
もともと宮沢賢治、好きなのですが「銀河鉄道の夜」を理解したくて調べながら読んで凄~く魅了されたのですよね…☆彡
ありがとうございます〜
知らなかったんで…
ミヤマウズラ の画像みてみましたよ〜
ホントだぁ白い小さな花が…
おばけみたいにみえて可愛い〜♡
はじめて知ったわぁー
いいな、いいなぁー(✪▽✪)2023/08/27 -
チーニャさんのことだから画像検索してくれるって思ってましたっw
私にはゴーストバスターズに出てくるお化けに見えて何処となく愛嬌があって...チーニャさんのことだから画像検索してくれるって思ってましたっw
私にはゴーストバスターズに出てくるお化けに見えて何処となく愛嬌があって口角が緩んじゃうんですけど、「山のクリオネ」って呼んでる人もいらっしゃいましたっw (*≧∀≦*)2023/08/27 -
あ~、わかる〰️!!
ゴーストバスターズねッ!!
そんな感じですな(*^^)v
「山のクリオネ」も、ウンウン!
それも良いわ…(笑)カワイ...あ~、わかる〰️!!
ゴーストバスターズねッ!!
そんな感じですな(*^^)v
「山のクリオネ」も、ウンウン!
それも良いわ…(笑)カワイイ~ !2023/08/27
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『-子どもは親を選べない- 親を選べないなんて不幸だという意味だろうけど、親を選ばないといけない場に立つのだって、苦しい。』こんな悩みと向き合わなければならない主人公・優子。父親が3人、母親が2人、どうやったらそういう計算になるのだろうという複雑な家庭環境を背景に物語はスタートしました。
陸上のトラック競技で唯一の団体種目であるリレー。複数の人間が繋いでバトンをスタートからゴールへと届ける種目です。個々の力が全てであるトラック競技の中で複数の人間がバトンをゴールに送り届けるために、割り当てられたそれぞれの立ち位置で必要な役割を果たしていくことが求められます。オリンピックで日本チームがそのバトンの受け渡しの場面に注力し、それを如何に確実にするか、如何にスムーズに行うかに重きを置くことで成果を出したことが強く印象に残っていますが、この作品では優子に関わることになった5人の『親』がそれぞれに与えられた役割を果たし、丁寧に次に繋いでいく姿が描かれていました。多感な年頃でもある優子の人生を途切れさせることなく如何にスムーズに次に繋いでいくか、そして自身に求められている役回りはなんなのか、それぞれの立場で自問しながらも次の走者のことを、そして何よりもバトンが無事にゴールに送り届けられることを願って走り続けます。
一方でこの作品でのバトンはモノではなく人間・優子です。バトンも心を持っています。そんなバトンが自分を受け渡ししてくれる走者を思いやります。『思い出の中でしか会えない人が増えて行く。だけど、いつまでも過去に浸っていちゃだめだ…。』、でもこんな境遇にいつも優等生でいることなどできません。『誰が親だといいのか。そんなのわかるわけがない。』そう、こんな想像を絶する状況を第三者的に冷静に分析することなどできるはずがありません。『今より大事にすべき過去など一つもないのだから。』優子はそれぞれの走者と共に走る時間を何よりも大切にするようになります。過去の想い出に心囚われても、過去の幸せに夢を見ても何も始まらない、進まないからです。バトンを繋ぐリレーとはそういう競技だからです。
思えばこの小説の世界だけでなく、この世はありとあらゆるところでリレーのようなバトンの受け渡しが行われているんだ、と思い至りました。目の前で事故が起こって誰かが倒れるのを見た瞬間、その誰かの命を繋ぐリレーが始まります。救急車を呼ぶ人、電話を受ける人、救急隊員、病院に辿り着いてもそれぞれのプロが自身のベストを尽くして命のバトンを繋いでゆく。この作品を読むまでそんな風に考えたことはありませんでした。この世は、こうしている間にもどこかで大切にバトンは受け渡されていく。改めて人間社会って凄いなと思いました。
優子の『親が苦手って、そんな人いるの?』という、彼女の境遇からくる淡々とした生き方、考え方もあって物語は見た目静かに進んで行きます。走者はバトンを渡した後は、次の走者の走りを暖かく見守るだけ、決して手を出すことはありませんし、手を出すことはルール違反です。でもみんなバトンのことを忘れたりはしません。自身の役割が終わった後もバトンの受け渡しをずっと見守り、心の中でバトンが未来に受け渡されていくことに声援を送り続けます。
だからこそ、作品の最後で瀬尾さんが書かれた一文が深いところに響いてきました。
読み終えて、自分というバトンを今日まで繋いできてもらったことへの感謝の気持ち、そして今度は自分が明日にバトンを繋いでいくんだという自覚の芽生え、自分の周りに見えていた景色が少し変わったようなそんな気がします。
とても素敵な作品に出会えました。ありがとうございました。 -
この作品、だいぶ前に読んだんだよねぇ…もちろん、ブクログを始める前で!テレビで紹介されていて気になって、本屋さんで購入し一度は読んでいるんだけれど、瀬尾まいこさんのその後の作品読んでいたら、また読みたくなったので再読です。いいお話だったことしか覚えていなかったんですよね(汗)。でも、再読してよかったです。
主人公の森宮優子には、父親が3人、母親は2人いる…名字も水戸から田中、泉ヶ原、森宮と変えてきた17歳の女子高生…。だけど、どんなときでも自分のことを不幸とは思えないんだと…そんな優子の新たな旅立ちの日までを描くストーリー。
家族の形は変わるけれど、それぞれの愛情をまっすぐに受けて素直に育っていく優子がある意味スゴイ!!もし、私なら思いっきり反抗してその後の人生台無しにしてたかもしれない。前に読んだときは、確か号泣したけれど、今回は時間をかけてゆっくり読んだこともあってか、泣けはしなかったな…。でも、やっぱりとってもいい内容でした。ラストはホント心があったまりました。
『…親になると未来が2倍以上になる、明日が2つにできるなんてすごいと思わない?…』ってところにひかれました。私はなんとか親にはなったけれども、そんな風に思えたことがなかった分、損した感じかな(汗)。そう思いながら頑張ればよかった!とか思っちゃったりして…でも今、子育て真っ最中の親御さんには刺さる言葉だと思います。-
つくねさん、こんばんは!
再読したかったんですよぉ…この作品っ!
いつか、いつか読んでブクログのレビュー投稿しようと
ためてましたっ(...つくねさん、こんばんは!
再読したかったんですよぉ…この作品っ!
いつか、いつか読んでブクログのレビュー投稿しようと
ためてましたっ(*^^)v
今回読めて本当によかったです。
つくねさん、面白いねぇ…
私には夫が3人、子供が20人の優子の将来っ…
読みたいなぁ〜それ、断然読みたいっ\(^o^)/2024/04/27 -
ちゃたさん、こんばんは!
ちゃたさんは、どんピシャで読めたんですね♪
私が最初に読んだのはもう、子どもたちにはそんなに
手がかからなく...ちゃたさん、こんばんは!
ちゃたさんは、どんピシャで読めたんですね♪
私が最初に読んだのはもう、子どもたちにはそんなに
手がかからなくなってからで、
今回の再読は、手はかからないけどお金ばかりかかる(・・;)
ま…それは、おいといて(汗)
これから子育てを控えている方や、
子育て真っ最中の悩み多き親御さんたちに
ぜひ読んでほしい作品ですよね!!
「君が夏を走らせる」も読んでみたくなりました(〃∇〃)2024/04/27 -
どんぐりさん、こんばんは!
一度は読んでいても、
よかったなぁ…くらいしか覚えてなかったんですよね…!
今回再読して、思い出しましたよ...どんぐりさん、こんばんは!
一度は読んでいても、
よかったなぁ…くらいしか覚えてなかったんですよね…!
今回再読して、思い出しましたよ、当時の感動っ(*^^*)
どんぐりさんも、いつか読めたらいいですよね!2024/04/27
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血の繋がりって何だろう。
繋がっていても虐待する親がいる今、子を持つ親はとくに読むべき作品。-
ご丁寧にありがとうございます。
読んで良かった本は必ず誰かに勧め、貸してみる「押し付け活動(推し活ならぬ押し活)」しています(笑)
感想読ま...ご丁寧にありがとうございます。
読んで良かった本は必ず誰かに勧め、貸してみる「押し付け活動(推し活ならぬ押し活)」しています(笑)
感想読ませて頂き、機会があれば吉田修一さんを読んでみようと思いました。
その前に、まずは凪良ゆう「汝〜」から。
なんせ積読が多いもので…
これからも参考にさせて頂きます。2023/12/15 -
物理的な押し付け活動も良いですね。自分は専ら図書館で借りたものを読んでますので、押し活したら怒られますが笑
吉田修一さんなら、横道世之介シリ...物理的な押し付け活動も良いですね。自分は専ら図書館で借りたものを読んでますので、押し活したら怒られますが笑
吉田修一さんなら、横道世之介シリーズが読みやすくておすすめです。良ければぜひ読んでみてください。2023/12/15 -
2023/12/15
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温かくて、愛に溢れていて、でも風変わり。
瀬尾さんの作品にはそんなキャラがよく出てきて、そんなキャラが私の心の琴線を触れてきます。
本作品も読み心地が良く、終盤に最高潮を迎える良い作品でした。
子育てしている身としては、考えさせられることが多かったです。
私も今バトンを渡している最中。親として、責任を持って、そして全力の愛で子どもにバトンを渡したいと思いました。
作中の「親になると明日が二つになる。」
という言葉が響きました。
自分一人だった人生に、妻、子どもたちの人生も合わさり、今私には明日がいくつもあります。この幸せをこれからも大切にしたいと思いました。 -
著者、瀬尾まいこさん(1974~)の作品、ブクログ登録は2冊目。
本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。
---引用開始
幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない“父”と暮らす。血の繋がらない親の間をリレーされながらも出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つときー。大絶賛の本屋大賞受賞作。
---引用終了
本作は、本屋大賞受賞作になります。
そこで、最近10年の本屋大賞受賞作を確認しておきます。
2015年 鹿の王
2016年 羊と鋼の森
2017年 蜜蜂と遠雷
2018年 かがみの孤城
2019年 そして、バトンは渡された
2020年 流浪の月
2021年 52ヘルツのクジラたち
2022年 同志少女よ、敵を撃て
2023年 汝、星のごとく
2024年 成瀬は天下を取りにいく
著者プロフィール
瀬尾まいこの作品





