そして、バトンは渡された

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 919
レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907956

感想・レビュー・書評

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  • 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる物語。

    みんなからいつも愛されていた優子。ならばなぜ?みんな彼女の元から去って行ったのか(産みの母親のみ死別)、それが気になってしょうがなかった。特にブラジルに行った産みの親のお父さん、どこに行ったの⁉︎

    17歳の今一緒に暮らしているのは森宮さん。まったく血の繋がりのない37歳の父。森宮さんは子供っぽくて少しずれていて父親らしくないけど、いつもそばにいて一緒にごはんを食べてくれる。

    餃子、かつ丼、ラーメン、オムライス、ドライカレー…等。そして出てきたスイーツは数知れず。これがもう本当に美味しそうで、幸せそうで。
    一緒に食べた分、食べた時間だけふたりはかけがえのない家族になっていったんだと思う。

    大人になった優子は、ある事をきっかけに親めぐりをする。今だからわかるそれぞれの愛の深さ。そして、彼らが去って行った理由。

    家族ってなんだろう。他人でもこんなに愛せるって凄いな。そんな人いるわけない…を、いるかもしれないと思わせてくれる瀬尾まいこマジックを楽しみました♪

    この本の中で私の好きな歌が出てきて、それがまたこの作品にぴったり。森宮さんと優子の関係だなと思うと泣けた。

    ただ、ある人のした事を私なら許せるだろうか。「強運の持ち主」でも感じたぐるぐる渦巻く気持ち。

  • 親が五人もいる女の子、優子。生みの母は小さな頃になくなり、父は転勤で海外に。その父と結婚した女性(梨花)と長く暮らすが、父は2度変わる。そして、梨花は離れて行き、三人目の父(森宮さん)と長く暮らし始める。高校時代があり、恋愛・結婚までの様子が書かれているが、なんて、楽しそうに、明るく、育っているのだろう。もちろん家庭事情で悩み苦しむときがあるが、周りの大人、親たちがみんな暖かい(そして魅力的)。苦しみを背負って、成長もしている。「親子でも離れたら終わり、目の前の暮らし、いま一緒にそばにいる人を大事にしよう」と、強くなってゆく。高校の先生も、良い先生。真剣に付き合えばこそ、ゴタゴタがあり、それが平気なんてつまらない、家族もギクシャクして作られていくなんて、自分にも言われているみたい。そして、また印象に残ったのは、自分の明日と、より未来と可能性を含んだ子供の明日、未来が二倍以上になるっていう宮森さん。考えたことなかった。すごいなあ、森宮さんみたいな方、変わってる風だし、憧れちゃうなあ。女の子なんだから好かれなくてはダメだよ。人に好かれるかどうかで女の幸せは決まる。梨花のセリフもどきっとするし、この本は圧倒的でした。みずみずしく、暖かい家族の素敵な素敵な本でした。

  • なんだろう、なんだろう、なんでこんなに胸がいっぱいなんだろう。
    優子ちゃんも松宮さんも、梨花さんも泉ケ原さんも、そして水戸さんも、みんなみんなみんな大好きだ。どうしてこんなにみんないい人なんだ。こんなにも誰かのために自分を差し出せる人ばかりなんだ。全日本いい人選手権大会を開いたら、このメンバーば絶対に入賞するよ。それくらいいい人ばかり。でもそのいい人加減がそれぞれに違っててそれがまた心地よくて。
    あぁ、そうか。4人の大人たちがみんないい人なのは、そのいい人さを使いたくなるのが優子ちゃんだからなんだな。
    実の両親の手から離れ、他人と家族として生きていかなきゃならなくなった彼女が身に付けたもの。それが大人にとっては無条件で彼女のために何かをしてあげたいって思わせるんだろうな。誰かと暮らしてもまた自分は一人になってしまうかもしれない。だから誰かに過剰に依存しない、クールにある程度の距離を保って親しくしていく。そんな彼女はそりゃ、放っておけないわね、オトナとして。
    いや、でも誰もが彼女と暮らすことを楽しんでいるんだよね。義理と義務とか、そういうのじゃない。とにかく彼女と一緒に暮らしたいという思い。そこがすごく心に染みる。特に森宮さん!森宮さんの「父親」っぷりが楽しくて楽しくて。真面目で傲慢で一生懸命で真摯で優しくて温かくて。いやもうサイコーじゃないですか。こんな人がいたら即結婚しますわ、私。とにかく森宮さんと優子ちゃんのやりとりをにやにやしながら読んでいるのがすごくすごく楽しかった。
    家族っていいなぁ、と心から思う。血の繋がりなんてどうでもよくなる。そもそも家族ってのは赤の他人が2人で作り出すものなんだから。一緒にいること。一緒にいたいと思う事。それが家族の基本。家族の在り方としてはとてもレアな形だけれど、だけれど、この「家族」はサイコーだ。家族との関係に悩む人がいたら、これを読むといい。悩むってことはなんとかしたいと思っているからだから。家族であるために、彼女たちがなにをどうしていたか。あぁ、いやいやいやいや、そんなこと考えながら読むことない。ただただ優子ちゃんと森宮さんのまじめでおかしなやりとりをにやにやしながら読めばいい。読み終わったときにきっと胸の奥に小さくて温かい何かがあるはず。それが家族のタネだね、きっと。

  • 父親が三人、母親が二人いる。
    家族の形態は、17年間で七回も変わった。
    でも、全然不幸ではない…。
    血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった
    森宮優子、17歳。
    だが、彼女はいつも愛されていた。

    様々な家族の形態があると思いますが、
    この家族はとっても特別。
    父親が三人、母親が二人…親戚を転々としたわけでもなく
    血の繋がらない親と暮らしている。
    どうしてこうなったのか…どういう事だろうって読み進めた。
    主人公は高校三年生17歳の優子。
    現在は3人目の父親である37歳と少し父親としては若い
    森宮さんとの二人暮らし。
    森宮さんが父親であろうとする姿が一生懸命で、どこかズレてて
    面白くって微笑ましい。
    森宮さん大好きだ

  • さらりと読めばいいお話で、
    楽しめるのだけれど、
    ちょっと「それはないよぉ」と思ってしまうと
    どうしよもなくなってしまう。

    複数回、苗字の変わる人はきっとたくさんいるけれど
    でも、「そんなことあるぅ?」と驚きを隠せない設定。

    二人目の母の梨花さんの奔放さは理解しがたい。
    それって母性?そういう母性もあるの?
    でも、読んでると「それもあり」と思ったので不思議なもんです。

    登場人物のとくに親という設定を急にふられる
    人達が皆、一生懸命親であろうとするところは
    瀬尾さんらしいやさしさに溢れていた。

    でも、やっぱりホントのお父さんの水口さんが
    なんだか気の毒だった。

  • やはりの瀬尾まいこ。
    飄々と?生きる、深く考えずに、今を生きることを見つめる主人公と、彼女を愛する血が繋がったり血が繋がってなかったりする親たちの生活の物語。

    子供を持つのって、いいな、と思わされた。ぐ。

    さすがの瀬尾まいこ。
    ラスト付近の結婚のくだりでは、もう、涙が止まらないよ!
    父さんの手紙、森宮さんの早瀬母への手紙、梨花さんの愛、泉ヶ谷さんのどっしりした安心感。
    みんな、他人だからか、遠慮しながら、優子のことを一番に考えながら、生活している。
    愛だ!
    ラストの、だろうね!という展開もありがたい。
    全員集合の、親たちの全員いい人感が溢れてる、ラストに涙が止まらん!

  • 親が何人もいて、家族がたくさん変わって
    そんな背景だとふつうは
    主人公が悩んだり嫌気がさしたりする話になるはずなのに
    瀬尾まいこさんにかかると とたんに柔らかくて胸が温かくなる話になる。
    いつも瀬尾まいこさんの本で泣くのは、
    悲しい涙ではなくて感動の涙。温かい涙。

  • 読んでいて幸せな気持ちになりました。
    お気に入りの本の1つに仲間入り。
    何度でも読み返したい。

  • ★4.5
    きっと現実には、梨花さんや泉ヶ原さんや森宮さんのような人は存在しない。そして、親や名前が何度も変わりながらも、優子を取り巻く環境はあまりに出来過ぎている。が、家族の定義は血縁だけではないこと、家族で食卓を囲む大切さを改めて知り、いつしか父親たちや梨花さんと同じように優子の幸せを願っていた。心のどこかで諦観を抱いていた優子に、森宮さんとの日々の生活、早瀬くんとの出会いがあって、本当に良かった。全編を通して優子の視点で綴られる中、最初と最後の森宮さん視点に思わず涙。こんなにも優しい物語をありがとう。

  • 僕はシングルファーザーになって、子どもたちとの時間が増え、言葉にはうまくできないけど、充実感を覚えていた。
    この本を読んで、分かった気がした…言葉になっていたから…
    「そう、明日が二つ」
    自分の明日と、自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日がやってくる…明日が二つにできるなんて、すごいと思わない‼︎
    今、
    僕が頑張れるのは、
    まさに「自分のと、自分よりずっと大事な明日が、毎日やってくる」からだ。
    この本に出会えて、よかった‼︎

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