【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 664
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907956

感想・レビュー・書評

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  • 瀬尾まいこさんは大好きな作家さんのひとり。
    教員と作家の二足の草鞋をはきつつ、素敵な作品を生み出されていた頃から、ずっと瀬尾さんのファンです。
    この本は15冊目。

    ついについに「本屋大賞」を受賞されて、とっても嬉しい!

    やっぱり瀬尾さんの本です。
    ゆっくり心に沁みこませながら読みました。

  • 血縁は親子である為のきっかけにはなるが、
    本当に大切なのはお互いを思いやる気持ちなのだと実感した。
    血の繋がりはなくても家族になりたいという強い気持ちがあれば本当の親子になれるし、血の繋がりはあっても関係を築こうという気持ちがなければ、絆は綻びてしまうかもしれない。

    次々と環境が変わる中で、しっかりと相手との関係を築き自分の居場所を作っていく主人公は、たくましかった。

    ほっこりする場面が多く、登場人物達の優しさにも触れられ良かった。しかし、このような環境の中にいる子供達が主人公のように前向きな姿勢で生きるのは難しいのではないか、
    本作では親として接する人皆が優しさに溢れていたがここまで恵まれた環境に巡り合う事自体が難しいのではないか…少し本作品がファンタジックに思えてしまった。

  • 私は郊外に自宅を購入した。通勤には片道1時間半ほどかかる。それを知ると職場の同僚は口を揃えて「そんな遠いところから大変ね」と言う。同僚はみんな都心部に住んでいるから。「大変ね」という言葉の裏には、そんな田舎にしか家を買えなかったのね、かわいそうね、という哀れみを見て取れる。

    余計なお世話。私は昔からこの街が好きでここに決めたんだ。かわいそうなんて言うな!私はかわいそうじゃないぞ!(決して強がりではない)

    主人公の優子は家族の形態が17年間で7回も変わった。しかも血の繋がった両親とは幼いころに離れてしまった。ああ、なんてかわいそうな少女なんだ。こんな不幸があるものか。

    と思いながら読み進めると、それは私の偏見だったということにすぐ気付かされた。主人公の優子は全然不幸なんかじゃなかったのだ。それどころか、いつでも深い愛情に支えられている。

    そもそも幸せかどうかは誰が決めるのか。優子は、あまりにも周りが自分のことを「かわいそうだ」と言うことに疑問を抱く。自分が世間では「かわいそう」な境遇であることを客観的に理解しつつも、でもそのことを全然悩んでいない。

    世間の基準で自分が幸せかどうかを判断してはいけない。そして周りも他人の幸せの形を決めつけてはいけない。

    私は今日も1時間半電車に揺られる。でも幸せだ。

  • 本屋大賞になるだけあって、すばらしい内容。あっと驚くような出来事は、まったく起きないが読んでいて心が洗われる内容だった。

  • 現実的にはどうなのかはわからないけど、
    血がつながっていてもいなくても、家族は家族だと感じた。

    多少の心のズレはあるけど、それは血縁だって当然あるわけだし、お互いを大切にする前向きさがあれば、修正していける。

    むしろ、血縁や婚姻関係に甘えて、お互いに向き合わないことの方がリスクなのかも。。

    すごく温かい、ひとを大切にする本。
    こういうのが流行るってことは、現代にこういう家族像が求められているのかも…?

  • はじめ内容としては簡単なものな気がしましたが、
    物語の中に入りやすく、途中クスッと笑えたり、
    最後は涙ぐんでしまったり、とても素敵な本

  • 「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこさん

    とても良かった。本に出てくる言葉それぞれが、心に響き、大切なものは何か伝えてくれていた。瀬尾まいこさんの思いが、綺麗で素敵な言葉として文中に溢れている。
    優子の親になる人が皆、優子に愛情を注ぎ、かけがえのないものとして大切に育てている。私にも、自分よりもっともっと大切なものができる時が来るのかな。来たらいいな。

    【以下文中より抜粋】
    どこかにいてくれるのと、どこにもいないのとでは、まるで違う。血が繋がっていようがいまいが、自分の家族を、そばにいてくれた人を、亡くすのは何より悲しいことだ。

    女の子なんだから、好かれなくちゃだめだよ。お年寄りだろうと子どもだろうと、女だろうと男だろうと。人に好かれるかどうかで女は幸せになれるかどうかが決まる。

    女の子は笑ってれば三割増かわいく見えるし、どんな相手にでも微笑んでいれば好かれる。人に好かれるのは大事なことだよ。楽しい時は思いっきり、しんどい時でもそれなりに笑っておかなきゃ。

    できるだけ笑ってよう。誰にでもにこにこしよう。

    挨拶を欠かさないことや、物を大事にすること、箸の使い方や言葉遣い。そうゆう事は全部おじいちゃんおばあちゃんに教えてもらった。

  • 読みたいリストより。半日で読んでしまった。
    優子ちゃん、すてきなひとで尊敬。周りの大人たちもみんなかわいらしい。

    絶望の漂っていない物語を久々に読んだと思った。

  • こういう日常もの久し振りに読んだ。心が洗われた。
    一貫して穏やかな雰囲気に包まれているけど、それぞれの親ともちろん優子ちゃんが体験していることって感じ方次第では不幸な面もある。けど、その同じ面を描いているのに捉え方が違うだけで幸福感が溢れてる。前面には出てないけど、悲壮感も大人の読者にはちゃんと伝わってきて、それがまた共感できる。
    誰かのためにこんなにも強くなれるって素敵。
    森宮さんひょうひょうとしてるけど、凛とした覚悟があって。最後のシーンなんて涙ほろほろよ。

  • 本屋大賞作品。
    血の繋がらない人達に育てられ、それでも愛情をかけて貰った。
    自分はかわいそうではないけれど、何かそこには遠慮もある。
    色々な親に振り回されたが、結婚式でバージンロードを一緒に歩くのはこのお父さんと思える人に出会えた事にホッとする。

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著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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