【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 664
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907956

感想・レビュー・書評

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  • ホッコリした優しい小説。
    優子はいつも愛されていて、これからも愛されていく。

  • 自分の子どもの親は、自分しかいない。
    自分が育てることが子どもにとって一番幸せなんだと信じて子育てをしてきた。
    でも、本当にそうだったんだろうか、、、
    この物語を読んでいたら、なんだか自信がなくなってきてしまった。
    父親が三人に母親が二人・・・次々と大切なバトンを渡すかのように、主人公の優子は親から次の親へと保護者が変わってきた。
    血の繋がりなんてなくても、いやないからこそ
    相手を気遣い自分を客観視し親子の愛情を作り上げていく。
    実際の子どもはこんなに思慮深くもなければ良い子でもないし、親だってこんなに常に全身全霊で子どもを愛しているわけではないけれど
    誰かが誰かを大切に思う気持ちはやっぱり素敵だ。
    読んでいる間ずっと幸せを感じていられる物語でした。

  • 血縁は親子である為のきっかけにはなるが、
    本当に大切なのはお互いを思いやる気持ちなのだと実感した。
    血の繋がりはなくても家族になりたいという強い気持ちがあれば本当の親子になれるし、血の繋がりはあっても関係を築こうという気持ちがなければ、絆は綻びてしまうかもしれない。

    次々と環境が変わる中で、しっかりと相手との関係を築き自分の居場所を作っていく主人公は、たくましかった。

    ほっこりする場面が多く、登場人物達の優しさにも触れられ良かった。しかし、このような環境の中にいる子供達が主人公のように前向きな姿勢で生きるのは難しいのではないか、
    本作では親として接する人皆が優しさに溢れていたがここまで恵まれた環境に巡り合う事自体が難しいのではないか…少し本作品がファンタジックに思えてしまった。

  • 本屋大賞作品。
    血の繋がらない人達に育てられ、それでも愛情をかけて貰った。
    自分はかわいそうではないけれど、何かそこには遠慮もある。
    色々な親に振り回されたが、結婚式でバージンロードを一緒に歩くのはこのお父さんと思える人に出会えた事にホッとする。

  • 本の帯を見て、なんか面倒くさそうな話やなー、好きじゃないなーと思ったけど、
    読み終わったら暖かい気持ちになった。
    森宮さんが個性的で実直で良い人!
    でもちょっと、上手くまとまり過ぎてる感はある。

  • 良くも悪くもスッと入ってくるお話。
    色んな人に愛されながら育った主人公、
    こういう家族の形は少し羨ましくも思えてしまった。

  • 本屋大賞受賞をして話題になって、和書小説は苦手でしたがあらすじに興味が湧いたので読んでみました。

    登場人物がみんないい人だったけど、本からは「その環境が幸か不幸かを決めるのは自分の気の持ちよう次第」というようなメッセージをメインに私は受け取りました。あと、表紙にもあるとおり「身近な人を大切にしたくなる」のも少し感じました。血のつながりのあっていつも気にかけてくれる母や、血のつながりは無いけど助けてくれる義両親に対して、自分も主人公同様大切にしてもらってることを再認識できました。
    また、幼少期〜中高時代の描写がリアルで自分のときはどんなふうに友達や親と向き合ってたかを思い出して懐かしくなりました。

    ただ、思ってたより森宮さんとの話だけがメインストーリーだったので、期待していたストーリーと離れてました。もっとどの親とも色んな話を紡ぐかと思っていました。
    リアルな描写だけど、梨花さんが現実離れした存在過ぎて入り込めませんでした。
    あと急に現代ものの恋愛要素があったのが(中高時代の描写があるので当然だけど)個人的には苦手でした。

  • さらりと読めばいいお話で、
    楽しめるのだけれど、
    ちょっと「それはないよぉ」と思ってしまうと
    どうしよもなくなってしまう。

    複数回、苗字の変わる人はきっとたくさんいるけれど
    でも、「そんなことあるぅ?」と驚きを隠せない設定。

    二人目の母の梨花さんの奔放さは理解しがたい。
    それって母性?そういう母性もあるの?
    でも、読んでると「それもあり」と思ったので不思議なもんです。

    登場人物のとくに親という設定を急にふられる
    人達が皆、一生懸命親であろうとするところは
    瀬尾さんらしいやさしさに溢れていた。

    でも、やっぱりホントのお父さんの水口さんが
    なんだか気の毒だった。

  • 2019.7.1.読了

    とてもネタバレしていますので未読の方は読まないでください。

    2人の母親と3人の父親を持つ優子。困った。全然不幸ではないのだ。すこしでもやっかいなことや困難を抱えていればいいのだけれど、適当なものは見当たらない。いつものことながら、この状況に申し訳なくなってしまう。とは、冒頭の優子のセリフ。

    優子の境遇であれば当然不幸だと思う周囲の大人たちの感覚に反して、優子は全く不幸感はない。それぞれの母親、父親は優子を心から愛してくれてきた。そんな優子の成長が温かく描かれていく。

    よかった、瀬尾さんらしくてよかった。途方もなく現実感のない話だが、嫌な気分にはならずとても幸せに感じる不思議な話。でも釈然としないところがある。設定があまりに奇抜で現実感がないのは小説なのだから…と納得できるが、一番、釈然としないのは二人目の母、梨花の行動。最後に明かされる梨花と優子の最初の父親との間の秘密…あまりに梨花は勝手すぎないか。こんなことされたは優子は逆上して当然ではないかと私自身の心の中ではふつふつと怒りの感情が心の中でたぎるが、今まで幸せだったし、梨花さんは優子を心から愛してくれたんだからいいじゃん…という感じで梨花のしたことが流されるのがたまらなく腹が立った。私は幸せだと優子はいつも周囲に思わせ、自分でも思っている。でも、幸せって幸せだと自分に、周囲に言い聞かせないでいられるということこそが一番の幸せなのではないか。瀬尾さんが描く、家族にはいろいろな形があり、実の親に育てられることのみが幸せな家族の姿ではないというテーマ(かな?)には心から共感できる。特に3人目の父親森宮さんと優子の会話の軽妙さは楽しく、森宮さんという人物像を創造できたのは凄いと思い、最後、梨花が優子の実の父親にしたことが明かされるまではとても微笑ましく読んだ。実の父親のそれからを知った途端、途方もなくがっかりしてしまった。多分、実の父親を悪者にしたくなく、みんないい人で終わりたかっただろうし、私も実の父親はいったいどうしてしまったのか知りたかったのだか…。

    優子と早瀬君との間に芽生えたピアノを通じての恋愛感情は素敵で、早瀬君がひくピアノ曲を検索し温かい気持ちで聞いた。

    優子と森宮さんとの擬似家族関係、2人目の父親泉ヶ原さんとの父娘関係及び優子と早瀬君との恋愛物語は素晴らしく星5つ!優子と梨花さんとの母娘関係は理解しがたいというか梨花さんのエゴを許せず星1つで全体星3つという感想になった。

  • なかなか良かったけど
    「愛なき世界」の後に読んだせいか、なんとなく物足りない感じ
    それと、こんなにうまく行くものなのか?と途中思ってしまった
    でも、こんなふうにうまく行くのは良いな!

著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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