【2019年本屋大賞 大賞】そして、バトンは渡された

著者 :
  • 文藝春秋
4.20
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本棚登録 : 4764
レビュー : 664
  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907956

作品紹介・あらすじ

森宮優子、十七歳。継父継母が変われば名字も変わる。だけどいつでも両親を愛し、愛されていた。この著者にしか描けない優しい物語。 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる、著者会心の感動作。

感想・レビュー・書評

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  • 「私には父親が三人、母親が二人いる。 家族の形態は、十七年間で七回も変わった。 でも、全然不幸ではないのだ。」 身近な人が愛おしくなる物語。

    みんなからいつも愛されていた優子。ならばなぜ?みんな彼女の元から去って行ったのか(産みの母親のみ死別)、それが気になってしょうがなかった。特にブラジルに行った産みの親のお父さん、どこに行ったの⁉︎

    17歳の今一緒に暮らしているのは森宮さん。まったく血の繋がりのない37歳の父。森宮さんは子供っぽくて少しずれていて父親らしくないけど、いつもそばにいて一緒にごはんを食べてくれる。

    餃子、かつ丼、ラーメン、オムライス、ドライカレー…等。そして出てきたスイーツは数知れず。これがもう本当に美味しそうで、幸せそうで。
    一緒に食べた分、食べた時間だけふたりはかけがえのない家族になっていったんだと思う。

    大人になった優子は、ある事をきっかけに親めぐりをする。今だからわかるそれぞれの愛の深さ。そして、彼らが去って行った理由。

    家族ってなんだろう。他人でもこんなに愛せるって凄いな。そんな人いるわけない…を、いるかもしれないと思わせてくれる瀬尾まいこマジックを楽しみました♪

    この本の中で私の好きな歌が出てきて、それがまたこの作品にぴったり。森宮さんと優子の関係だなと思うと泣けた。

    ただ、ある人のした事を私なら許せるだろうか。「強運の持ち主」でも感じたぐるぐる渦巻く気持ち。

  • やだ、なんなの、凄くいいお話なんだけど~
    今年の中で1番良かったと言ってもいいくらいに。
    とっても心の中が温かくなったよ。

    優子ちゃんみたいないい子は本当にいるかな~
    実は私も4回苗字変わったけど(4回目は結婚して)、
    突然他人が身内になるって抵抗あったし最後まで心は開けなかったよ。
    優子ちゃんの周りの大人たちは、みんないい人で本当に良かったよ。
    結婚式にはお父さんも来てくれて感動しました。
    本当はちゃんと一緒に暮らして欲しかったけど、梨花さんの愛が大き過ぎたのね。
    森宮さんもね。何でだろう?本当の子供じゃないのに。そう考えたら不思議な話なんだけど、素敵なお話にまとまっててとっても良い。

  • 父親が三人、母親が二人いる。
    家族の形態は、17年間で七回も変わった。
    でも、全然不幸ではない…。
    血の繋がらない親の間をリレーされ、四回も名字が変わった
    森宮優子、17歳。
    だが、彼女はいつも愛されていた。

    様々な家族の形態があると思いますが、
    この家族はとっても特別。
    父親が三人、母親が二人…親戚を転々としたわけでもなく
    血の繋がらない親と暮らしている。
    どうしてこうなったのか…どういう事だろうって読み進めた。
    主人公は高校三年生17歳の優子。
    現在は3人目の父親である37歳と少し父親としては若い
    森宮さんとの二人暮らし。
    森宮さんが父親であろうとする姿が一生懸命で、どこかズレてて
    面白くって微笑ましい。
    森宮さん大好きだ

  • なんだろう、なんだろう、なんでこんなに胸がいっぱいなんだろう。
    優子ちゃんも松宮さんも、梨花さんも泉ケ原さんも、そして水戸さんも、みんなみんなみんな大好きだ。どうしてこんなにみんないい人なんだ。こんなにも誰かのために自分を差し出せる人ばかりなんだ。全日本いい人選手権大会を開いたら、このメンバーば絶対に入賞するよ。それくらいいい人ばかり。でもそのいい人加減がそれぞれに違っててそれがまた心地よくて。
    あぁ、そうか。4人の大人たちがみんないい人なのは、そのいい人さを使いたくなるのが優子ちゃんだからなんだな。
    実の両親の手から離れ、他人と家族として生きていかなきゃならなくなった彼女が身に付けたもの。それが大人にとっては無条件で彼女のために何かをしてあげたいって思わせるんだろうな。誰かと暮らしてもまた自分は一人になってしまうかもしれない。だから誰かに過剰に依存しない、クールにある程度の距離を保って親しくしていく。そんな彼女はそりゃ、放っておけないわね、オトナとして。
    いや、でも誰もが彼女と暮らすことを楽しんでいるんだよね。義理と義務とか、そういうのじゃない。とにかく彼女と一緒に暮らしたいという思い。そこがすごく心に染みる。特に森宮さん!森宮さんの「父親」っぷりが楽しくて楽しくて。真面目で傲慢で一生懸命で真摯で優しくて温かくて。いやもうサイコーじゃないですか。こんな人がいたら即結婚しますわ、私。とにかく森宮さんと優子ちゃんのやりとりをにやにやしながら読んでいるのがすごくすごく楽しかった。
    家族っていいなぁ、と心から思う。血の繋がりなんてどうでもよくなる。そもそも家族ってのは赤の他人が2人で作り出すものなんだから。一緒にいること。一緒にいたいと思う事。それが家族の基本。家族の在り方としてはとてもレアな形だけれど、だけれど、この「家族」はサイコーだ。家族との関係に悩む人がいたら、これを読むといい。悩むってことはなんとかしたいと思っているからだから。家族であるために、彼女たちがなにをどうしていたか。あぁ、いやいやいやいや、そんなこと考えながら読むことない。ただただ優子ちゃんと森宮さんのまじめでおかしなやりとりをにやにやしながら読めばいい。読み終わったときにきっと胸の奥に小さくて温かい何かがあるはず。それが家族のタネだね、きっと。

  • やっと図書館の順番がきました。
    本屋大賞受賞、おめでとうございます。
    素晴らしい、レビューが沢山あるので、気がひけますが、一応、拝読した記念に書かせていただきます。

    まず、カツ丼とメロンパンの朝食で始まる、血縁のない育ての親の森宮さんと優子の間の空気間がなんてあたたかいのだろうと思いました。
    まだ37歳の森宮さんが、17歳の優子のために、他の二人の年輩の父親より、よい父親になろうと、手の込んだ料理を毎日作ったり、優子の友達をもてなしたり、ピアノを買おうとしたり、歌まで覚えて、色々とさりげなく頑張るところが、泣けます。
    優子が、高校を卒業するとき、担任の向井先生からもらった手紙に、「あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない」と書かれていますが、この先生の手紙に要はつきると思いました。
    優子は何度も戸籍上の親が変わっても、すべての親から(水戸さん、梨花さん、泉ヶ原さん、森宮さん)、離れて暮らすようになっても愛情を注がれ続けています。
    親が何度変わっても、必ずしも不幸でない。
    親の人数が多いというだけで、森宮優子は、とてもとても幸せな女の子でした。

    • kanegon69 さん
      いいっすね!まことさんの素直なレビュー^ ^ こういう作品が大賞に選ばれるのは、逆に人間関係で疲れている人が多いのかな、なんて思ったりもし...
      いいっすね!まことさんの素直なレビュー^ ^ こういう作品が大賞に選ばれるのは、逆に人間関係で疲れている人が多いのかな、なんて思ったりもします。
      2019/05/14
    • まことさん
      ありがとうございます!
      夕べ、『傑作はまだ』も読了しましたが、すごく、よかったです。やっぱりほっとできる作品でした。
      ありがとうございます!
      夕べ、『傑作はまだ』も読了しましたが、すごく、よかったです。やっぱりほっとできる作品でした。
      2019/05/15
  • 瀬尾まいこ氏の作品は ファンタジー領域にある。
    さりげない日常を切り取ったようでありながら、登場人物はいい人で いい人と巡り合って 平凡だが幸福な時間がそこにある。
    『そして、バトンは渡された』
    これなんて その際たるもの。
    幼い頃に病気で母を失った優子だが、さまざまな事情で次々に交替していくどの親にも大事にされ、芯が強くモノに動じない現代的で生き生きとした女性に育っていく。
    もうカンペキすぎ、ありえない(笑)

    でも、道徳本のカンペキとはちょっと違う。
    このふんわりと優しいお話の向こうには 強い願いと信念が くっきりと見える。
    一人の子供がちゃんと成人するまでには それだけの育てる者の覚悟とエネルギーが必要なんだよ。
    それは地味な毎日の積み重ねだけれども なかなか大したことなんだよ、と。
    我慢も必要、努力も必要。
    でも、それを唱えちゃうのは全体主義者のやること。どうすればたくさんの人に "やってみせるように”伝えられるか。
    その手法が小説なんだろう。

    よかったのはピアノ関連のところ。
    優子は合唱祭のピアノ伴奏をする。
    恒常的にピアノをさらっているわけではない彼女でも 練習すれば弾けそうな曲が選択されている。
    森宮さんにプレゼントする曲も(え?ムリでしょ?)とは思わせない曲。
    そういう地に足がついたディテイルが良い。

    早瀬くんがピアノについて迷う時間も良い。
    アートとしての演奏と、聴衆を楽しませるための演奏と、くっきり分けることはできない。
    それでも、自分はなんのためにピアノを弾くのか?という問いと向き合うことは、将来にいきづまるピアノ・サイボーグをつくらないための課題。
    動機を掘り下げることを厭う傾向が強い日本の教育への問題提起とも言えるかもしれない。

  • まず主人公の優子ちゃんのブレない強さに敬意を表したい。複雑な環境の中、真っ直ぐに、そしてちょっと鈍感なくらいに自分を持ってる彼女を羨ましく思った。

    この本は親子の関係について改めて考えさせてくれた。子供が出来るという事は、自分にもう一つ無限の可能性を秘めた未来を与えてくれるという考え方はすごく素晴らしいと思う。

    自分が子供に対して森宮くんと同じように果たして全力で接しているのか胸に手を当てて考えさせられてしまう。本当の意味での親子の大切さについて教えて貰えたような気がする、そんな良作だった。

  • 幸せって何?誰が決めるの?
    私は誰がなんと言おうと不幸なんかではない。
    17年生きてきた中で4回苗字が変わろうが、父親が3人母親が2人いようが、たいしたことではない。

    幸せの規範について考えさせられた。
    人は常識を他人に押し付けがち。
    物事の規範は自分が決めるもののはず。
    自分が満足してさえいれば日々を笑顔で過ごせれば、それでいいのだ。

    物語の設定に初めは違和感を感じたけれど、物語を追う内にこれも有りかも、と徐々に思えるようになった。
    親が変わることで4回変えた苗字を、最後は自らの意志で変えた優子。
    育ててくれた親達からバトンを渡された優子の未来を祈る。

    「親子」とは血のつながり等関係ない。
    親になる覚悟を持ち、子供に真っ直ぐ愛情を注げる大人に親の資格があるように思う。
    実の子を平気で虐待する親のニュースを最近よく耳にする。
    親子の在り方について改めて考えさせられる物語だった。

  • 初読みの作家さんだけど
    さすが本屋大賞受賞作品。
    多感な少女時代に次々と代わる両親。悲壮感に満ち溢れる内容であるのに、むしろ家族愛に溢れ感動すら覚えてしまう。前向きにいきる希望がわいてくる、むしろ人生捨てたもんじゃないと背中をおしてもらえるかのよう。

    第2章になるとネタバラシ的な内容になってきて
    あっけらかんとしていた物語にからくりがあったことが語られる。
    こちらもさらに感動を呼び
    あっという間に読了していた。心は充分過ぎるほどに充たされて幸せな気持ちに。素敵な本だった。

  • 親子の愛情のバトンリレー。本当に素敵な小説でした。どの親も素敵すぎます!三人のお父さんと2人のお母さん、とっても愛情恵まれて主人公は本当に素敵な青春時代を過ごせたんだなと思いました。もちろん、春になると親が変わる、姓が変わるということによるストレス、寂しさ、安心できない気持ち、距離感を置かざるを得ない感情、いろいろあったと思いますが、でも最終章から振り返って、こんな素敵なバトンリレーってないんじゃないですかね。それぞれの親がもうたまらなく素敵で、しびれてしまいました。

    それでもあえて親について一人あげるならば、やっぱり森宮さんでしょう。彼のちょっとずれている感覚、でも娘のために健気に一生懸命になる姿はとても心を打ちました。30代半ばで女子高生を娘として迎える、しかも妻はとっとと離婚、まったくの他人同士の二人暮らし。普通なら放棄したくなってもおかしくないのに、与えられた運命にすごく真摯に向き合い、不器用ながら一生懸命に過ごす姿に感服せざるを得ませんでした。いや、違うな、彼は運命に向き合ったのではなくて、この出会いを人生の喜びととらえていたところが感動です。

    最近の高校では合唱というは結構やっているものなんでしょうか。私の時代にはなかったものなので、とても羨ましく映りました。主人公、優子がピアノ伴奏を一生懸命にやった「ひとつの朝」。YouTube で観て、涙だぁー となってしまいました。だめだぁ、こういうの弱いわぁ。。
    森宮さんが高校生のとき合唱でやった、中島みゆきさんの「糸」も久しぶりに聞き、涙だぁー  森宮さんが優子に勧める、中島みゆきさんの「麦の唄」も聞いて、また涙だぁー  中島みゆきさんは学生時代にオールナイトニッポンを聞いていて、大好きなんですよね。 3つとも歌詞がとても素晴らしく、本とともに味わって相乗効果で泣いてしまいました。

    この本、2章構成なのに、ほとんどが1章。2章は80ページほどでしたが、ちゃんと意味がありました。2章は最後の親である森宮さんがいよいよバトンを渡す番だったんですね!ちょっとふて腐れて、頑なになる森宮さんが愛おしくてたまりませんでした。

    そして最後の最後は、ずっと優子視点の話だったのに、森宮さん視点の話に変わります。これはもうズルいですね。最終兵器だされたかのようでした。暖かくて明るい光に包まれるラストシーン、そして最後のバトンを渡す森宮さん、感動のラストシーンに涙だぁー  

    どんだけ泣かすんだって!いやぁ、ほんとさすが本屋大賞作。心優しく、涙があふれる素敵な愛情のバトンリレーでした。

    • まことさん
      kanegon69さん。
      先日はかえってご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ありませんでした。おかげさまで昨日、新しいPCが届きました。
      ...
      kanegon69さん。
      先日はかえってご迷惑をおかけしてしまい本当に申し訳ありませんでした。おかげさまで昨日、新しいPCが届きました。
      この作品に限らず、kanegon69さんのレビューは、登場人物や作品に対する、並みならぬ熱い愛情とユーモアがあり、いつも素晴らしいと思っています。
      この作品に関しては、他にも沢山素敵なレビューがあり、今、読んでいますが、私なんかの分け入る余地はないんじゃないかと思っています。
      では、また、これからも、よろしくお願いいたします!
      2019/05/09
    • kanegon69 さん
      まことさん、とんでもない!いつもまことさんのレビューを楽しみにしていますよ!お待ちしております^_^
      まことさん、とんでもない!いつもまことさんのレビューを楽しみにしていますよ!お待ちしております^_^
      2019/05/09
  • 3人の父親2人の母親に育まれて育った優子の独白の形での優しくてほんわかした話。そんな境遇にも拘わらず曲がったり捻れたりすることなく成長したけど大事な思春期の父親は一番らしくない今の若い父親で、好きな人が出来ていざ結婚となった途端に一番反対されてしまう。そんな らしくない彼の独白が最後の締めになっている。
    嫌な人 悪い人 意地悪な人 虐める人など出て来なくて、読み手も幸せ気分になれる小説でした♪

  • 家族愛に溢れた、誰かを大切にしたくなる作品だった!

    父親が3人、母親が2人、17年間で親が7回変わった優子だが、常に新しい親から愛されていた。
    親が変わるたびに別れを経験し、新しい親との出会い、そして慣れた頃にまた別れを経験する。
    そんな中で最後に親になった森宮さんと生活していく中で、家族の繋がりの大切を感じていくお話。

    幼かった自分には流れに身を任せることしかできず、抗っても仕方ない、どこか自分を一歩引いた立場から見るのが癖だった。新しい親は優しいし、みんな愛情を持って接してくれるし、幸せであることには間違いない。だけど子供の頃の寂しさや悲しみ、不安を押し殺して生きている。幸せだけど、なんとなくつっかかりの残る前編の書き方にすごく引き込まれた。
    優子のクラスで浮いた時もどこか他人事な強さが、ほかの作品にはない優子だからこその乗り越え方だとも思ったし、森宮さんも変わった考え方も暗くならず、笑っちゃうところが、設定として暗くなるような感じなのに、明るく展開していく特徴なのかなと感じた。

    家族がいること、子供がいることで未来が二つになる。自分の幸せを追うよりも誰かの幸せを追う方がずっと幸せ。
    子供ができたこから思うのか、すごく心に残る一言だった。

    でもやっぱり本当に血の繋がった父親だけを、おとうさんと呼ぶ優子を見たときは、流れに身を任せて悲しみも乗り越えて、本当に今幸せである優子でもやっぱり本当の父親の存在って大きいんだなと感じる
    親の都合で振り回され、引き離されてしまう子供は抵抗できない分、かわいそうだなと親の身勝手は弱い立場の人を傷つけるんだなと思った。

    かといってそれをマイナスだけでなく、新しく前向こうとして描かれてる本作はやっぱりステキな本だと思う!!
    家族ってありがたい!

  • 親が五人もいる女の子、優子。生みの母は小さな頃になくなり、父は転勤で海外に。その父と結婚した女性(梨花)と長く暮らすが、父は2度変わる。そして、梨花は離れて行き、三人目の父(森宮さん)と長く暮らし始める。高校時代があり、恋愛・結婚までの様子が書かれているが、なんて、楽しそうに、明るく、育っているのだろう。もちろん家庭事情で悩み苦しむときがあるが、周りの大人、親たちがみんな暖かい(そして魅力的)。苦しみを背負って、成長もしている。「親子でも離れたら終わり、目の前の暮らし、いま一緒にそばにいる人を大事にしよう」と、強くなってゆく。高校の先生も、良い先生。真剣に付き合えばこそ、ゴタゴタがあり、それが平気なんてつまらない、家族もギクシャクして作られていくなんて、自分にも言われているみたい。そして、また印象に残ったのは、自分の明日と、より未来と可能性を含んだ子供の明日、未来が二倍以上になるっていう宮森さん。考えたことなかった。すごいなあ、森宮さんみたいな方、変わってる風だし、憧れちゃうなあ。女の子なんだから好かれなくてはダメだよ。人に好かれるかどうかで女の幸せは決まる。梨花のセリフもどきっとするし、この本は圧倒的でした。みずみずしく、暖かい家族の素敵な素敵な本でした。

  • 面白かった。そしてとても心が温かくなる話だった。

    子どもがいるってことは、明日が二つになる。
    自分じゃない誰かのために毎日を費やすのって、こんなに意味をもたらしてくれるんだ。

    自分の明日と、子どもの明日。そんな風に考えたことなかったけど、改めて考えてみたら、自然とその二つを考えながら生きていることを自覚した。

    ただ、森宮さんがすごいのは、優子ちゃんが自分の本当の子どもでもなく、しかも育てて出したのも15歳からなのに、心の底から親であろうとしていることだ。
    時々ずれている森宮さんのちょっとした言動も面白すぎて笑ってしまった。

  • 良書!文句なしの★×5

    殺人事件大好きな私なんかが読んでも、とても胸に染みる一冊。

    これまた会社の方にお借りした本。

    最初の数ページは、簡単な本だな。
    子供でも読めるな。
    内容薄いのかな?と少し懐疑的に見た部分もあったが、暫く読むと本書の主人公である優子の前向きさにどんどん惹かれていく。

    優子の魅力も本書に惹きつけられる要因だが、それだけでなく登場人物の全てが魅力的な人間ばかりだった。

    一癖、二癖ある人物でも、そのどこか足りない人となりまでもがみずみずしく魅力的に描かれている。

    この本は決して難しい本ではない。

    小学校高学年くらいの子であれば読めるのではないかな?
    読書嫌いの人でも読み始めたら楽しめるのではないだろうか??

    読書好きの人にもきっと受け入れられるだろうそんな一冊だった(*^^*)
    後味も凄くヨシ!おススメです!!

  • そこには、大人たちの都合に振り回されて、自分の本当の感情を殺して、淡々と、今だけを生き抜こうとした少女がいた。彼女はまだ10代で、そうすることでしか自分を守れなかったからだ。ただ、ものすごく幸いにも、彼女を振り回した大人たちが全て、自分のことよりも、彼女を幸せにすることに喜びを感じられる“本当の大人”だった。

    本当の大人とは、
    いわさきちひろさんの言葉を借りれば
    「大人というものはどんなに苦労が多くても、自分の方から人を愛していける人間になること」

  • 父親が3人、母親が2人。
    17年間で7回変わった、家族の形態。
    おのおのに事情があり、それぞれの暮らしがあった。

    おだやかな中にもユーモアあり、ぐっとくるものありで、後半は泣けた。

    ふつうではなかったかもしれないけれど、けっして不幸せではない。
    愛し、愛され、たいせつにされ、そして今がある。
    どの親も変わり者だけれど、特に森宮さんのずれっぷりがおかしく、会話にはおもわず吹き出してしまうことも。
    彼を上回るかもしれない、早瀬くんのずれっぷりもまた、たのしかった。
    こころあたたまる物語。

    2019年本屋大賞受賞作。

  • 父親がコロコロ変わり、血の繋がっている本当の父親とは音信不通。本当の母親もいない。そんな、一風変わった、というか、まあ普通では考えられない境遇の主人公に、共感できるのだろうか?と半信半疑で読み進めた。

    血の繋がっている家族と、自分を育ててくれた家族、どっちが本当の家族なのか?というテーマのお話は、本でも映画でもありふれていて、湿っぽくて、正直苦手だったけど。

    どこかコミカルで、少しも湿っぽくならず、最後のバージンロードのシーンではあたたかな涙が流れました。


    主人公の女の子が、いい意味ですごくサバサバしていて、良いお父さんお母さんに育てられたんだなーと感じてしまうような雰囲気が端々に現れていて。
    その辺りの繊細な描写も、さすがだなぁと思いました。


    これは、親としてもだし、子としてもだし、いろんな立場で強く感じるものがある本だと思います。

    題名のように、代々家族で受け継がれていく、そんな一冊にしたいなあ。

  • 家族の話を得意としている?!瀬尾まいこさん。卵の緒を読んで、ほっこりとした気分になれたことがきっかけで、本屋大賞に選ばれたこともあり手にとってみた。
    話の結末を示すようなきっかけはいくつかあり、ネタバレ感は否めないも、チグハグな家族の会話、個性豊かな登場人物、文体どれもが相まって話に引き込まれずにはいられない。
    不思議な家族の心温まるお話

  • 最後の1ページを読んだ時に自然と涙が流れた。
    これが言いたかったことなんだろう。
    そして、本を綴じて、表紙を見たときに、
    この表紙の意味が分かった。
    これは、優子という女の子の未来へのバトンなんだ。

    実子だって時に負担に思うこともある子育てを
    ラッキーだと思えるのが目からウロコ。
    そんな風に感じられるものだろうか。
    でも、親になると
    自分の明日と、
    自分よりたくさんの可能性と未来を含んだ明日が
    やってくるって言葉が納得で、
    私もラッキーなんだっていつも思いながら子育てできたら、と温かい気持ちになった。
    ファンタジーのようで現実味がない、
    と感じる方もいると思うけど
    軽い感じでかかれているのがいいのだと思う。
    深刻になるばかりがいいわけじゃない。

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著者プロフィール

瀬尾まいこ(せお まいこ)
1974年、大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒。2011年の退職までは、中学校で国語教諭として勤務する傍ら執筆活動を行っていた。2001年『卵の緒』で第7回坊っちゃん文学賞大賞を受賞し、これが翌年単行本デビュー作となる。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で坪田譲治文学賞をそれぞれ受賞。これまでに映画化された作品に、代表作『幸福な食卓』、『天国はまだ遠く』『僕らのごはんは明日で待ってる』。『そして、バトンは渡された』は第31回山本周五郎賞候補、2018年「本の雑誌が選ぶ上半期ベストテン」1位、「キノベス2019」1位に選出、さらに2019年本屋大賞を受賞。2019年6月13日、『優しい音楽』(新装版)を刊行。

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