極夜行

著者 :
  • 文藝春秋
4.19
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本棚登録 : 195
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163907987

作品紹介・あらすじ

探検家にとっていまや、世界中どこを探しても”未知の空間“を見つけることは難しい。大学時代から、様々な未知の空間を追い求めて旅をしてきた角幡唯介は、この数年冬になると北極に出かけていた。そこには、極夜という暗闇に閉ざされた未知の空間があるからだ。極夜――「それは太陽が地平線の下に沈んで姿を見せない、長い、長い漆黒の夜である。そして、その漆黒の夜は場所によっては3カ月から4カ月、極端な場所では半年も続くところもある」(本文より)。彼は、そこに行って、太陽を見ない数カ月を過ごした時、自分が何を思い、どのように変化するのかを知りたかった。その行為はまだ誰も成し遂げていない”未知“の探検といってよかった。シオラパルクという世界最北の小さな村に暮らす人々と交流し、力を貸してもらい、氷が張るとひとりで数十キロの橇を引いて探検に出た。相棒となる犬を一匹連れて。本番の「極夜の探検」をするには周到な準備が必要だった。それに3年を費やした。この文明の時代に、GPSを持たないと決めた探検家は、六分儀という天測により自分の位置を計る道具を用いたため、その実験や犬と自分の食料をあらかじめ数カ所に運んでおくデポ作業など、一年ずつ準備を積み上げていく必要があった。そしていよいよ迎えた本番。2016年~2017年の冬。ひたすら暗闇の中、ブリザードと戦い、食料が不足し、迷子になり……、アクシデントは続いた。果たして4カ月後、極夜が明けた時、彼はひとり太陽を目にして何を感じたのか。足かけ4年にわたるプロジェクトはどういう結末を迎えたのか。読む者も暗闇世界に引き込まれ、太陽を渇望するような不思議な体験ができるのは、ノンフィクション界のトップランナーである筆者だからこそのなせる業である。

感想・レビュー・書評

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  • 何ヶ月も太陽が上がらない極夜の世界を探検して、戻ってくる話。話っていうか、探検談。ていうか、旅か。極夜の世界を想像したい、けど想像を超えた世界だろうというのが伝わってきて、想像するのを拒まれる。月に感謝し、月を呪う。40代の今が人生の一番良い状態で人生を賭けた冒険ができる、というフレーズもなんか染みるんだよなぁ。とりあえず、生きて戻ってきてくれて本を書いてくれて、この本に出会えたことに感謝!

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    ひとり極夜を旅して、四ヵ月ぶりに太陽を見た。まったく、すべてが想定外だった―。太陽が昇らない冬の北極を、一頭の犬とともに命懸けで体感した探検家の記録。

    冒険ものが大好きで、しかも重々しいものよりも血が騒ぐ感じのものが好きな人が居ましたら、悪い事は言わないのですぐに入手して読むべき。人によっては悪ノリとも思えるようなバカ話の部分も僕にはジンジン痺れました。こんな文章書く人だったけ?もっとカチカチじゃなかったっけ?

    何処かを目指す冒険ではなくて、夜が明けない「極夜」という地球規模の自然現象を体全体で受け止めて自分の内宇宙を旅するというような、禅問答かと思うような冒険です。
    真に真っ暗で広大な北極圏を行く角幡氏の相棒は、愛嬌のあるオオカミ犬「ウヤミリック」。この犬とのやり取りが最高に楽しいし、こいつをいざとなったら喰わねばならぬと追い詰められつつ、彼の痩せ衰えていく姿に心を痛めて涙する、相反するようでがっちりと溶け合った、原初の人間と犬との関わりのような絆にはごんごんと胸打たれました。感動ではないです感動なんて言葉を使うと誤解されそう。彼を食べないと生き延びられないので、それを覚悟してウヤミリックを殺害する夢を毎晩見て、それでもこの犬にどれだけ精神的に依存して旅をしているかが伝わってくるんですよね。上手く言えないけども。

    それにしても何か月もずっと暗いってどんな状況なんだろう。自分なら3日くらいしか居られる気がしないですね。昔、のホラーでダークネスっていう闇が追いかけてくるとっても怖い映画がありましたが、それどころではなく常に闇ですからね。あ、でもこんな極地じゃ幽霊も悪魔もいないか。
    それにしてもとにかく全てが上手くいかない旅でハラハラします。そういう風に自分を追い込んでいるのも有りますがひたすらアンラッキー。そんなアンラッキー続きの中でかすかな希望に縋りながら歩を進める姿がたまらない。成功譚とは言えないけれどそこがいい。

  • 冒険自体は本当にすごいと思う。何ヶ月も太陽が昇らない極夜が続く北極圏への単独行。何度も危機に陥りながら生還し、太陽を仰ぎ見たときの感慨はいかばかりか、想像を絶するものがある。「生の実感」を追い求める姿に圧倒されてしまう。

    ただ、デビュー作から感じていた違和感が大きくなったというのが正直なところ。何と言うか、「昭和の男」的な、無神経でちょとマッチョな雰囲気が濃厚に漂う。新聞記者臭(オレの問題意識こそ何より大事なことであると迷いなく主張する感じ)もかなりある。

    同じワセダ探検部出身ということでつい比べてしまうのだが、高野秀行さんにはそういう所が全くないなあとあらためて思った。

  • 20180310Mリクエスト
    途中挫折

  • NHKの放映を先に見たので、文章と映像がリンクするし、行間が埋まっていく。
    ぬくぬくしたところでいくら感想を述べても説得力が無いのだが、自分の中では光を奪われた事の想像すら出来ないし、地理的ゴールが無い中でモチベーションを保ち続けるアイディアのカケラも無い。

    冒険物の書物は読後に冒険心を掻き立てる事が多いのだが、本書は全く持ってそれが無い。
    まさに想像を絶する世界としか言えない。

  • 一気に読んでしまう面白さ。犬との関係が特に素晴らしかった。
    文体は読みやすくしてくれているのだが、極夜だけに内省的な描写が続かざるを得ないのは好みが分かれるだろう。

  • 読了。
    10段階評定の100の評定をつけたいほど!!!

    単なるアドベンチャーものではなく、生きている、生きていくことへの「全て」が、芸術的と言っていい日本語の炸裂に次ぐ炸裂で、その超絶エネルギーに朦朧とさせられながら読後感を書いた次第。。

  • 極夜を求める探検家、その記録。やや内面の描写が多すぎて、その身を置いた部分が分かりづらい。

  • 文句なしに面白い!

  • 1976年生まれの探検家が、現代に見いだす秘境である北極圏の冬の極夜を突き進む。足掛け4年、連れていた犬を食う寸前まで追い込まれるが経験と備えと運もあって、無事に帰還する。内容は基本冒険とは、人間とはという骨太な思想を確立するという話とちっぽけな人間が大自然に立ち向かうのに対しユーモアをもって行うという面白い内容。とはいえ、リアリティがなぜか薄い。大変な旅だとは思うが、文章ではその暗さや辛さが伝わってこない。

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プロフィール

1976年、北海道芦別市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。同社退社後、ネパール雪男捜索隊隊員。『空白の五マイル』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『雪男は向こうからやって来た』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。『アグルーカの行方』(集英社)で講談社ノンフィクション賞受賞。

「2014年 『地図のない場所で眠りたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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