人口減少社会の未来学

制作 : 内田 樹 
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 260
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908328

作品紹介・あらすじ

21世紀末、日本の人口は約半数に――。人口減少社会の「不都合な真実」をえぐり出し、文明史的スケールの問題に挑む〝生き残るため〟の論考集。各ジャンルを代表する第一級の知性が贈る、新しい処方箋がここに。目次・序論 文明史的スケールの問題を前にした未来予測 内田樹・ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略 池田清彦・頭脳資本主義の到来 ――AI時代における少子化よりも深刻な問題 井上智洋・日本の“人口減少”の実相と、その先の希望・シンプルな統計数字により、「空気」の支配を脱する 藻谷浩介・人口減少がもたらすモラル大転換の時代 平川克美・縮小社会は楽しくなんかない ブレイディみかこ・武士よさらば ――あったかくてぐちゃぐちゃと、街をイジル 隈 研吾・若い女性に好まれない自治体は滅びる ――「文化による社会包摂」のすすめ 平田オリザ・都市と地方をかき混ぜ、「関係人口」を創出する 高橋博之・少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」 小田嶋 隆・「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン 姜尚中

感想・レビュー・書評

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  • 5分くらいしか時間がないので、再読の助けとなるようメモだけ。
    ●序論文明史的スケールの問題を前にした未来予測(内田樹)
    「後退戦」では、戦い方を根本的に変えなければなりません。
    あるいは戦うことからも降りなければならないかも。
    ●ホモ・サピエンス史から考える人口動態と種の生存戦略(池田清彦)
    本書の中では最も興味深く、面白かったです。
    ホモ・サピエンス史という大きな時間軸の中でとらえると、人口減少の見え方が違ってきます。
    ●頭脳資本主義の到来―AI時代における少子化よりも深刻な問題(井上智洋)
    AIに代表される第4次産業革命に乗り遅れるな、と筆者。
    「知力を軽視する国に未来はない」はその通りかと。
    ●日本の〝人口減少〟の実相と、その先の希望―シンプルな統計学数字により、「空気」の支配を脱する(藻谷浩介)
    ご存知、「ミスター人口減少」(と呼ばれているかどうかは不明)
    世に蔓延する人口減少の誤解を、統計を駆使して解いています。
    ●人口減少がもたらすモラル大転換の時代(平川克美)
    法律婚でなく事実婚を認めている欧州諸国では出生率が改善しています。
    日本はそれができるでしょうか。
    ●縮小社会は楽しくなんかない(ブレイディみかこ)
    英国在住の筆者。
    縮こまるのではなく、未来のために積極的に投資していこうという提言には一理。
    ●武士よさらば―あったかくてぐちゃぐちゃに、街をイジル(隈研吾)
    建設業を武士になぞらえる視点は新鮮。
    旧来の考え方から脱しないと。
    ●若い女性に好まれない自治体は滅びる―「文化による社会包摂」のすすめ(平田オリザ)
    平田さんの同趣旨の本は以前に読んだ。
    タイトルが全て、この国の首長の半分がこれを理解して施策を考えたら、日本は変わります。
    ●都市と地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する(高橋博之)
    生産者と消費者を結びつける情報誌を発行する筆者。
    この「関係人口」をいかに増やすかがカギと提言。
    ●少子化をめぐる世論の背景にある「経営者目線」(小田嶋隆)
    当代きってのコラムニストが斬る人口減少問題。
    笑って読ませます。
    ●「斜陽の日本」の賢い安全保障のビジョン(姜尚中)
    ちょっと何言ってるかよく分かりませんでした。
    すみません。

  • ☆☆☆2019年9月☆☆☆


    『人口減少社会』を、経済成長や人口のV字回復で乗り切るのでなく、人口減少を受け入れつつ、いかに豊かに暮らしていくかに焦点を当てた本だと思う。僕は藻谷浩介氏の著作に感銘を受けることが多く、この本でも藻谷氏の論が気になった。東京都が人口のブラックホールだというのは、自ら東京にいて実感できるところだ。地方にこそ生き残りの道があるというのも理解できる。
    高橋博之氏の『都市の地方をかきまぜ、「関係人口」を創出する』という論にも勇気づけられた。必ずしも都会か、地方課みたいな100か0かみたいな話でもないんだ、と思った。

  • あまり書かれたものを読んだことがないブレンディみかこさん、隈研吾さん、平田オリザさんの論考が新鮮だった。

  • いちいち、ごもっとも‼️でした!
    読んですっきりした。

  • ごく近い将来、日本に人口減少と超高齢化がやってくるのは確実。しかしロクな対策は実行されていない。また、上から下まで危機感を持っている人はごくごくわずかで、心配になる。特に若い人が平然としているのが不思議。大丈夫か?
    ”最悪の事態に備えて、様々なプランを用意するという事を日本人は嫌いますけど、それはかなりの程度まで日本人の民族的奇習だと思います”
    ”日本の社会では最悪を想定し、その対処法を考えるという行為そのものが、悲観的な態度とされ、悲観論者として非難される”
    ”アカデミアの場でさえ、敗北主義が敗北を呼び込むという論法が、永遠の真実として堂々と語られていた”(これは旧日本軍の作戦運用と通じるところがある)
    ”ホモサピエンスとネアンデルタールは混血しており、DNA解析によれば、現人類はどうやら男がネアンデルタールで女がホモサピエンスのハイブリッド”
    ”農耕と狩猟 狩猟は労働時間が短い。農耕は働けば働くほど収穫増加→人口増→更に労働増というループ。農耕が広まったことは戦争を激増させた。(貯蔵を可能にしたこと、天候(地域)に左右されることなどの要因)
    ”文化による社会貢献、経済的に困窮している人々にシャワーと清潔な古着を用意し、美術館に招待。ただ食事を提供するだけでは、それでおしまい。文化に触れることで、少しの人たちだけでも社会性を出してくれればよい。
    生物学的見地から地方再生や、この問題への取り組み方など、多方面に渡った人口論。勉強になります。

  • 55

    ・人口減少社会を人口増させようとしている著者たちではない。
    ・とはいえ、イギリスの例などを出しながら、対策を間違ってはいけないとある。
    ・人口問題と経済政策を分けて考えるべき。

  • 読了。あまり暗い気持ちにならなかった。面白い。

  •  内田樹 池田清彦 井上智洋 内田樹 小田嶋隆 姜尚中 隈研吾 高橋博之 平川克美 平田オリザ ブレイディみかこ 藻谷浩介、これが著者一覧。
     初めて文章を読む人が4人。井上智洋、小田嶋隆、藻谷浩介、高橋博之。中の高橋博之という人の「関係人口」というのが初耳。書かれていることをネットで調べると、うーんそういうことか。
     この時点で、「少子化」について疑ってたことを、スパッと言ってたのは小田嶋隆。この人の物言いは嫌いじゃないかも、少々回りくどいけど、コラムを売るっていうのはそういうことかも。
     ぼくにとって、未来はそんなにあるわけじゃないから、どうでもいいかと思っていたけど、書いている人もそう若いわけではないことに笑った。まあ、笑ってる場合じゃないかもしれないけど。
     高度経済成長なんて、そんなに良かったと思わないし、小さな国で、貧しく暮らす平和っていうのはダメなのかな?

  • 課題に対し、気づかないフリをして何も対策を打たないことが最もいけないこと。

  • 人口減少社会の未来について、さまざまな分野の知識人がいろいろな視点からの知見をまとめたオムニバス形式の本。

    編者である内田さんの序論のキレ味が鋭い。

    人口減少は天変地異ではなく自然過程であり、何十年も前から高い確率で予測されてきた危機である。

    その危機に対して何の策も講じてこなかった今の状況と、戦時中に破局に向かって突き進んだ史実を照らし合わせて、今も昔も変わらない日本人の「国民性格」を浮き彫りにする。

    つまり、
    最悪の事態を想定すると絶望のあまりフリーズしてしまう国民性格、
    ひたすら天変地異的な破局が天から降って来るまで待ってしまう国民性格だ。

    しかしこの国民性格を悪いと言うのではなく、日本人であるというリスクファクターを勘定に入れて適切なリスク管理をしよう!と主張している。そのために非情緒的で計量的な知性を持とうよと。

    それに続く知識人たちの主張は玉石混交。
    データに基づくもの、直感的に終始するもの、ナルホドと思うもの、本書のテーマからズレてるもの。

    以下は中でも「オモシロかった」主張。
    井上智洋さんの、第四次産業革命に乗り遅れるな!という主張。
    平川克美さんの、政治権力で結婚年齢を下げようとしても的外れ!それより婚外子を手広く受け入れるべきだ!という主張。
    ブレイディみかこさんの、縮小社会なんて楽しくなんかない!というアケスケな主張。
    素晴らしい公共建築を多数手掛けているのに、公共建築に頼ってきた建設産業を批判しちゃう隈研吾さんのズルさ笑

    編者が言うように、この本に決定的な提言がある訳ではなく、人口減少社会の当事者として自ら考える契機になる本だった。

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