ミルク・アンド・ハニー

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 504
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (553ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908397

感想・レビュー・書評

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  • 脚本家・高遠奈津は夫と離婚し舞台俳優で脚本の勉強をする大林と暮らし始める。大林はヒモ。奈津は大林の借金をも返済する一方で、大林は勉強もせず、奈津の仕事を邪魔するからと飲みに出かけるばかり。奈津は寂しさを覚え、先輩、男優と逢瀬を重ねる。大林とは結婚もするが、奈津は風俗ライター・加納と深い仲になる、しかし、大林にバレてしまい…。読み始めて、これでもかとばかり官能の世界ばかりでどうかなあ、と読み進める自信がなかったけれど、加納とのメールのやり取り、大林との修羅場までくると目が離せなくなった(ここが私にとって読みどころであった)。奈津の行く末を見なくてはと最後まで進めた。共感はしなかったけれど、奈津はそうゆう性分なんだと、結果はどうあれ前向きに捉えるなら良い作品や現在を生み出すための必要なことばかりなのだ、奈津のようなタイプの人はいるんだろうなと。心の動き、奈津そのもの、それをストレートにうまく書けていたな。その点は素晴らしいと思う。奈津、そして奈津の周りの人の人間ドラマを興味深く読めました。ただ、最後の父のことトーンが違う気がするし官能は官能のまま終わらせても良かったのでは。

  • 創作の鬼に導かれるように夫との穏やかな暮らしを捨てた奈津。性の深淵へと次々に分け入ってゆく彼女が自由と孤独の果てに見いだしたものは…。『週刊文春』連載を単行本化。「ダブル・ファンタジー」の続編。

    まさかそんな終わり方をするとは・・・。

  • 知らずに読んだがダブルファンタジーの続編だった。好奇心が強く惚れやすいのにいつも満たされない心と身体を持て余す奈津。
    "嫌われないために自分の望みは飲み込む。本当にしたいことは隠れてする" 厳しい母のもとでそんなクセが染み込んだ結果、欲求を伝えられないし諦めるのが上手になっていく。…自分にも当てはまるので共感しながら読んだ。前半は芝居掛かった恋愛が多めでサラサラと読んだが後半がよかった。
    40過ぎまで束の間の恋愛とセフレと夫でバランスを取ろうとしてきた彼女が最後には身も心もハッピーエンドになれていい話でした。

  • 離婚とか、結婚しても惹かれる人がいるとか、夫以外の恋人がいるとか、世間では良くないこととして扱われてるけど自分が似たような境遇にあってるとここまで書いてくれると読みごたえがあってうれしい。インタビューやTwitter見てると自伝的な本なのかな。だから主人公の感情はとてもリアルで、文章がきれいだから入ってくる。

  • 2020/07/22
    先日、ネコメンタリーを見たので、ものすごーくリアルにヒリヒリとする気持ちで読んだ。

  • ダブルファンタジーの続編ということで楽しみに読んだ。

    …ダブルファンタジーの時もそうではあったけど、主人公の行動や言動、決断、そして多分容姿にも(笑)何一つ共感出来ない(^_^;)
    色々な〝経験〟を、こんなことやっちゃいました、こんなことまで出来ちゃいます!と悦に入る感じはむしろ嫌悪感だし、自由なことをやっているわりには身近なパートナーを理解することも理解させることも出来なくて、まあお金さえあれば何でもできるってことなのかなーと思ったら、その辺も管理が不十分で借金したり(笑)
    最後はなんだか気持ち悪い終わり方だったけど、もし続編がまたあったら、また楽しみに読むと思う(笑)不思議な人の話。

  • 村山さんの作品はほとんど読んでると思う。
    期待を裏切らず濃厚な1冊。

    ハードカバーって重いですよねー
    でも私もナツと一緒でこの重みが好きです(*^^*)

    さてさて内容ですが...
    ほんと男運がないというか、
    ここまでダメ男を惹きつけるのはもはや才能では!?
    という主人公ですが、よかったですよね。

    最後はほんと羨ましい限りです。
    世の女子の憧れ終わりパターンw

    まぁあの先どう進んでいくかはわからないけど、
    最後まで添い遂げてほしいです。

    武みたいな男おらんかなー(*^▽^*)

    p.s. で、やっぱり著者は経験するから書けるんですかね?

  • 図書館の本 読了

    内容紹介(book データベースより)
    柴田錬三郎賞、中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞の三冠に輝いた衝撃作『ダブル・ファンタジー』待望の続編!
    脚本家・高遠奈津。創作の鬼に導かれるように夫・省吾との穏やかな暮らしを捨て、いくつかの恋を経て、今は恋人・大林一也と暮らしている。しかし彼もまた、奈津の心と躯を寂しくさせる男でしかなかった。元恋人の志澤一狼太や岩井良介との再びの逢瀬を皮切りに、性の深淵へ次々に分け入ってゆく彼女が、自由と孤独のその果てに見いだしたものは……。
    男女の愛憎を描き尽くし、やがて生と死の岸へとたどり着く、作家・村山由佳の到達点!

  • 「ダブルファンタジー」の続編。前作でいい人かと思った人も本作で出てくる人もみごとなクズっぷり。主人公も学習しようよと思うが、自分の興味に向かって暴走しているし、パワーに圧倒されました。

  • 離婚 住処 従兄弟 長野 脚本家 小説家 浪費家 セックス 刺青 AV男優 媚薬 親

著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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