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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784163908410
作品紹介・あらすじ
夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。
みんなの感想まとめ
家族の絆や心の闇をテーマにしたこの作品は、女子大生・聖山環菜の衝撃的な事件を軸に、彼女の過去や心理状態を深く掘り下げていきます。臨床心理士の真壁由紀が環菜の周囲の人々と接しながら、彼女の心の葛藤や成長...
感想・レビュー・書評
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直木賞受賞作で映画化もされたみたいですね。
臨床心理は興味があるけど、なかなか人が人の心の状態を理解するって難しいよなぁ。そんな感想になる内容でした。
いのちを大切に、何でも気軽に相談 かぁ、、
「闇」の一言では片付かないよね、皆いろいろ抱えてんだから。
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第159回直木賞受賞作品。
何故環菜は父親を殺さなければならなかったのか⁉️その理由がとても知りたくて始めから夢中になって、読み進めることができた作品でした❗️
幼少期から酷い家庭環境にあった環菜の心の足枷が徐々に解放されていく一方で、由紀の心にも潜んでいた蟠りが、少しずつとけていく様子が、個人的にはツボにハマってとても面白く読むことができました❗️
最後も心地良い終わり方で、島本作品の中でもオススメの一冊になりました❗️ -
11日の本日に映画公開された作品の原作を読了。
容疑者となった彼女の心理。そこまでの人格となった様々な環境。
そして臨床心理士の由紀と弁護士の迦葉の関係。
人間の心の複雑さが垣間見えた作品でした。
難しい状況の中でも夫の我聞が優しく包んでくれてる様が心暖かくもなりました。
容疑者環菜の勾留から裁判、判決までの物語。
映画もまた見てみようと思います。 -
【あらすじ】
第159回直木賞受賞作。
「動機はそちらで見つけてください」
父親を包丁で突き刺し、死に至らしめた女子大生・聖山環菜(ひじりやまかんな)の異常な言葉は世間を震撼させた。裁判に先立ち、彼女の人生を題材としたノンフィクションの執筆を依頼された臨床心理士・真壁由紀(まかべゆき)は、本人との接見と周囲への取材により「真実」を見出そうと試みる。奇しくも、環菜の弁護を担当するのは、大学時代の知己・庵野迦葉(あんのかしょう)。二人の間には、何やら深い因縁があるようでーー。
【短評】
冷静に評価するなら、四点といったところ。
「歪み壊れた心を取り戻すための第一歩」的な明確なテーマに沿って書かれており、過不足無く破綻無く物語として成立している。而、構成はかなりシンプルであり、順繰りに現れる証言を丁寧に辿って、迷うこと無く結末まで走り抜けた印象。もっと深みに嵌るような読書でも良かったかな。数珠つなぎに新証言を引っ張り出すことの繰り返しというと聴こえが悪いか。結果として、環菜が"落ちた"際の唐突さが際立ってしまい、彼女の心を揺り動かしたものが何なのか、やや判然としない部分があった。
他方、由紀と迦葉に纏わる物語はかなり良かった。
何かあることを匂わせつつ、引っ張ること引っ張ること。夫の我聞さんが良い人なだけに、かなりヤキモキさせられた。何を隠しているんだ、と言う興味が尽きず、頁を捲る手が止まらなかった。良いヒキである。
五点にした理由は結びの文が余りに綺麗だったから。
どんな文だったのかはぜひ読んで確かめて欲しいが、成熟した恋愛の極致のような、暖かで穏やかな言葉だったと思う。これを紡ぐことが出来るというのは、凄いことだと心から思う。
【気に入った点】
●「動機はそちらで見つけてください」というのは良い掴みだと思う。事件自体はかなり地味なのだが、この一言に象徴されるちぐはぐとした感じは大変に好みだった。虚言癖と称される人物の意味不明さが凄く印象に残っている。心が砕けるってのは、こいうことなんだろうなあ。
●証言台に立派に立つ環菜の姿が印象に残る。前述の通り、その「契機」には疑問の余地はあるのだが、自己に向き合い、一生懸命言語化をする彼女の歩みには、身につまされるものがあった。
●結びの一文。なかなかに出会うことの出来ない美文だと思う。
【気になった点】
●ミステリィとしてはかなり一本道。割とするっと「正解」に辿り着いた印象を受ける。題材を鑑みても、より「重い」構成でもイケたんじゃないかと思う。もう一段階深い絶望を見せてくれても良かった。
直木賞受賞も納得の出来だった。
一文に対する感動で評価を上げたのは初めての経験だ。それ程の衝撃だった。 -
本書は『ファーストラヴ』と言う甘いタイトルに反して、テーマは重くて深い。
父親を殺害した女子大生・環菜が逮捕された。臨床心理士・由紀がこの事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼される。担当弁護士・伽葉と共に事件の真相や動機に迫る。環菜の幼少期の関係者からの取材によって、本当の真相が紐解かれいく。
精神的な性的虐待と毒親について考えさせられる作品。一見、父親との間に問題があるように思えても、その背景には母親との問題が潜んでいることもある。娘が母親との関係性の危うさに気づいていないことも問題である。
環菜だけでなく、由紀や伽葉も幼い時期に辛い過去があり複雑なストーリー展開になっている。終盤につれてそちらの心境も整理されスッキリとしたラストを迎える。
『ファーストラヴ』に込められてた意味を知ると切なくなった。初恋は綺麗な思い出だけでは無いなと。 -
理解されにくい、こんな形の性的虐待もあることを知りショックを受けた。
「家族」の在り方って、本当に難しいと最近つくづく思う。
特に母親から受ける影響ほど大きな物はなく、時にそれは成長していく上で、人格を変えてしまうほどに。
環菜の母親も、きっと自分の内面の闇を娘からつきつけれているようで、苦しかったと思う。
ラストに、環菜も由紀も、葉迦も抱えていたことが少し楽になったようで良かった。
我聞さんみたいな人に愛されたら、女性はすごく幸せだろうな。
映画の方もぜひ、観てみたい。
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自分が辛いと感じたことを、「世間では、常識では、こうなのだから」という理由で『辛くない』と変換してませんか?
それは、本当に我慢しなければいけないことですか?
辛いと訴えたり、逃げたり、救われようとすることは間違ったことですか?
と問いかけられているようだった。
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第159回直木賞候補作品。女子大生の聖山環菜が父親を殺したという。理由は、わからないので見つけてほしい、とのこと。臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、弁護士の迦葉(由紀とは大学時代からの仲であり、主人の血の繋がりのない弟)とともに、理由を探る。環菜の過去が、明らかにしてゆくとともに、迦葉と由紀の中もどういったものだか非常に気になって。引き込まれました。もう少し早く会っていれば…、子供の声をきく機会なく救えなかった。環菜の過去も辛すぎる。この物語でもだれか耳を傾けている人がいれば、だ。臨床心理士の由紀も家族との問題があり(どの家庭にも程度の差こそあれ問題はあると思うが)、その輪郭も含め全体的にドロドロしさがなく、でも心をしっかり書きつつ流れるように書いていたのが素晴らしかったな(事件の不快感は別として)。ファーストラブというのは、初恋ではなく、親からの愛か? 最後の方は環菜の強さが見えよかったです。
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感情移入できない自分は幸せなんだと思う。なんというか、画面の向こう側の話、という感じでした。
本筋の裁判は(特にクライマックス)面白かったのですが、主人公を取り巻く人間関係が好きでないというか、理解し難い部分が多かったです。
タイトルの「ファーストラヴ」の指すところが受け取り手によって様々だと思うのですが、私にはいまいちピンとこないまま終わってしまいました…。 -
幼少期の性的虐待は、本人も何をされているのかわからない部分も多い。だから、大人になってからもそれがどんな影響を及ぼしているのかはっきりしないのかもしれない。
弁護士と臨床心理士という立場で、深層心理に迫っていくところが面白くて、一気読みした。
タイトルは、なぜ「ファーストラヴ」?
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「孤独と性欲と愛の区別は難しい」
この言葉が印象的。比喩表現の説得力がすごい。
見えない心への暴力、というのは気づきにくい分、長い年月をかけて深く深く心を蝕み、ある日想像もできない力に膨れあがって襲いかかってくる。しかし、ある時は「普通」と見せかけてしまう怖い側面もある。
一見よくある残忍な事件に思えるが、臨床心理士目線で物語が進むため読者も冷静に判断しながら、逮捕された少女の真意に迫ることができるので、新たな考え方が身についた感覚になる。
誰にも気づかれず、埋もれてしまった性犯罪は世の中にたくさんあるはず。この小説を読んで救われる人たちがたくさんいるのではないか。
そして、自分にしかわかるはずがないと抱え込んでいることも、いつか人生において理解してくれる人に出会えるのかも、という希望も持てる。 -
島本理生は間違いない。
これまで、悶々として言葉にできない思いはストレスでしかないと思っていた。だから一刻も早く忘れることで、楽になれるのだと思っていた。
けれど、彼女の文章が、それは違うのだと引き止めてくれる。そして言葉にならない悶々とした気持ちを、バシッと形にして、認めて、癒してくれる。 -
第159回・2018年上半期直木賞受賞作品
女子大生の聖山環菜は、父親を刺殺した容疑で逮捕される。
彼女は犯行は認めるが、動機については曖昧なままだった。臨床心理士の真壁由紀は、この事件のノンフィクションを書くことになり、弁護を担当する義弟の迦葉と、環菜の動機を明らかにしようとするが・・・
性的虐待、歪んだ親子関係など、重いテーマではあるのは分かるが、問題がある登場人物が多すぎるような。そして、その対比というか、普通という概念をを夫・我聞一人の良心に背負わせるのに少々違和感を感じた。ラストは希望のもてる感じで良かった。 -
登場人物に感情移入しすぎて苦しかった。一気に読んだ。
本著のように、幼少期に負った傷を抱え込んだまま、それにすら気づかず、自分を責め続けている人が、1人でも多く自分を肯定できるようになってほしいと思う。
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著者プロフィール
島本理生の作品
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