世界を変えた14の密約

  • 文藝春秋 (2018年5月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (488ページ) / ISBN・EAN: 9784163908502

作品紹介・あらすじ

私たちの日常生活を根底から変えたのが、政治家や国際事件ではなく役員室やゴルフコースやバーによって秘密裏に交わされた企業による密約(ディール)だったら?



イギリスを代表するジャーナリストが世界のタブーを徹底追及。英BBCが番組化、大反響!



【現金の消滅】

1998年、スタンフォード大学。のちのペイパル創業者達が出会い、始まった。



【熾烈な格差】

2009年、中間層消滅を予言した銀行家。富裕層OR貧困層ビジネスへと舵が切られた。



【ダイエット基準】

ダイエット関連業界の儲けのために、BMIを27から25に引き下げ、肥満人口を増やす。



【買い替え強制の罠】

1932年、電球の寿命が6カ月に決められる。アップル製品のバッテリー問題も。



【フェイクニュースの氾濫】

1981年、マードックとサッチャーが取引。有名メディアが買い取られる。



ほかにも、【投機リスク】【租税回避のカラクリ】【薬漬け】【改革されない働き方】【新自由主義の誕生】【企業の政府支配】【AIに酷使される未来】【知性の取引】【21世紀のインフラ】にまつわる密約が明らかに。

みんなの感想まとめ

社会の裏側で交わされる密約が、私たちの日常や経済にどのように影響を与えているのかを深く掘り下げた内容が魅力です。各章は短く、読みやすいストーリーで構成されており、時代ごとの革新的なトリックがどのように...

感想・レビュー・書評

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  • 一章の長さも程よく読みやすいし、一つ一つのストーリーもなるほど…と思わせる。
    時代ごとに、革新的な思いつきが本人の想定を(恐らく)大きく上回る結果になり、金持ちはより金持ちに、中間層はどんどん減っていく超格差社会の傾向が強まる様子を砂時計に例えているのは秀逸。

  • 密約と言うより、秘密教的トリックで社会のシステムが進化していき…21世紀は情報化社会と言われても挙げられている14の半ば公然のトリックを一般人は意識しない。最低のギャンブルの宝くじの還元率は40%、最高額が出るまで買い続ける平均、を買うように/①“現金払いには心に痛みが伴う”キャッシュレス化の推進②小麦のカラ売りで庶民は飢えた③資産家の租税回避がスマートとされ大衆課税強化④2008年の破綻処理は資産家を救い格差を拡大した⑤ダイエットが肥満を増進する⑪フェイクシュースの有用性⑫ロボットのお世話係になる労働者

  • 世界の潮流を生み出した背景は理解出来るし、情報を集め整理したプロセスは凄いなーと。
    ただ、なんだろう、知った所で何か止められるようになるのか?この巨大なムーブメントを、という感覚は残る。
    私利私欲のせいで犠牲が出たり格差が広がっているのを改めて知るのは萎える。

  • p380=1997年、IBMが開発したスーパーコンピューターのディープブルーは6度の熱戦の末、チェスの世界チャンピオンだったガルリ・カスパロフを破った。ディープブルーの圧倒的な勝利は、チューリングテストをパスしたような偉業として讃えられたが、実際にはそうではなかった、チェスには明確なルールがあり打ち手の選択肢は有限(複数)だ。それは能力を競うテストであって、AIではない。
    p381=「複雑さという点では、チェスの世界チャンピオンとの対戦と比べて『ジェバディー!』は何段階も上の挑戦だった」とデイブは言う。「チェスの対戦は単なる処理能力の実験だから」

  • いわゆる陰謀論ではない。2018年出版ゆえの古さはあるが、それでも現代社会を考えるためのよき素材となる。

  • 現金を使うときに痛みを伴うというのはすごく腑に落ちた。キャッシュレスになった今、対策を考えないといけない。

  • B区図書館

  • 社会経済システムの変曲点を14の項目に整理して示す本。大きな時代の流れを展望するのに適切な好著。

  • ふむ

  • 世界で現実となっている様々な出来事とこれから起こる事を鋭い切り口で書いている。

  • 読み応えのある著書だった
    これらの内容を全て頭に入っていればかなりの知識になると感じた
    実際はこの中のことを覚えることが難しい

  •  キャッシュレス決済や貧富の格差、フェイクニュース、肥満とダイエット、ロボット化など、現在の我々が当たり前のように受け入れている日常が、すべては企業による利潤追求から始まり、その影響がさらに拡大していることに警鐘を鳴らす本。

     「密約」と聞くと、密室で交わされた契約や、反逆者たちによる陰謀などを想像してしまうが、実際にはそうではない。ビジネスパーソンの机上の思いつきや偶然、企業としての単純な利益拡大が発端であり、そこから世界を根底から変えるような大きな流れ(しかも後戻りできない流れ)に至ったことを14の切り口から考察している。
     綿密な調査と丹念な取材で解き明かす14のストーリーは、いずれもわかりやすくドラマチックに書かれていて興味深かった。当然、どの話も企業が悪者になっているのだが、当の企業が罪悪感を持たずに純粋にビジネスを追求しているだけだった、という構図も見えてきて、よけい気味が悪い。

     登場する実名のビジネスパーソンはいずれも利益のことしか考えない冷酷な人間として描かれている。特に金融業界やコンサルティング業界に対する視線は厳しい。第9章「権力を持つのは誰か」で、アメリカ政府と一心同体となって米国民の富を吸い上げているマッキンゼーの姿に、日本政府に食い込んでいる某大手広告代理店が重なって見えた。

  • 面白いんだけど、邦訳の書籍の例に漏れず、タイトルでインパクトを与えようとして原著の意図から少しずれてしまっているところが惜しい。
    原著のタイトルは「Done - the secret deals that are changing our world」、直訳するなら「私たちの世界を変えている秘密の取引」あたりが穏当で、「密約」などという胡散臭いニュアンスは含まれていない。

    タイトルで損しているものの、内容は十分に面白い。
    現金から電子マネーへの移行は、消費に伴う現金消失の痛みを麻痺させ、消費者に瞬間的な満足感を与え、浪費を助長させることができる麻薬のような手段であったこと。
    租税回避により、税は下層の人たちが払う愚かな支出となり、回避する巨大企業は犯罪を犯しているのではなく賢い財務戦略を選択しているという評価が与えられるようになったこと。
    肥満が病気であるという常識を作り出すことで、永遠に顧客を失わないビジネスモデルが作られたということ。
    どんな些細な症状にも病名をつけることで、それを治す薬を売りつけて永続的にカネが儲かる仕組みを作り出したこと。
    新製品に意図的に「気に入らない何か」を組み込むことで、それをアップグレードするための買い替えを促し、商品を次々にかわせるように仕向けること。
    ニュースにエンターテインメント性を持たせることで視聴者に選ばれるようになり、それがフェイクニュースの土壌となっていったこと。

    様々な、今となってはある種の常識ともなってしまったことが、個人もしくは一握りの企業の思惑や戦略に基づいてなされていたことが分かる。
    かといって、その大きな潮流に個人で立ち向かうのは不可能に近い。一般市民としては、このようにして生まれた「新しい常識」の中で、自分の財産や価値観を守るために賢い選択をし続けなければならないということだろう。

  • 「世界を変えた14の密約」が邦題だが、「14のキーワード」くらいが正しいのではないか。
    ドラマチックに書こうとするあまりか、ちょっと陰謀じみていたり、金融・経済の分野では正しくないと思わせる点も散見される。
    それでも、現実に浸っていると気づかない、ここ10、20年ほどで起きた変革を14の視点から描いた手腕はお見事。
    翻訳が読みやすいのも良かった。

  • 14章からなるこの本では、世界に大きなインパクトを与えた密約を紹介し、普通の人が気づかないうちに日常生活が大きく変貌していく様を示している。

    マッキンゼーのようなコンサルティング会社が政府の中枢まで入り込んで、影響力を発揮している話が興味深い。参考文献でリストされている「マッキンゼー 世界の経済・政治・軍事を動かす巨大コンサルティング・ファーム」も次回読んでみたい。

    訳者の関さんの日本語訳が分かりやすく読みやすかった。MBAを取得、スミス・バーニーやモルガン・スタンレーなど華麗な経歴を見て納得。

  • 林修が初耳学で「BMIは医学的裏付ゼロ」という話を紹介した際に「ぜんぶ抜群に面白いルポ。タイトルで損してるが、怪しい陰謀論は全くない」と絶賛していた。
     14章がお金・食料・税金・貧富二極化・健康・製薬会社・労務管理・製品寿命・政治と企業の上下・現代の長者スタンス・フェイクニュース・ロボット・AI・近未来、と非常に多岐にわたりながら、1章ごとにNスぺがつくれるほどの切れ味のよい取材が施されている。一貫しているのは、いまわれわれを取り巻く世界は偶然の産物ではなく、権力者や実力者の共謀によりなるべくしていまの形になったことを解析するスタンスである。
     ビジネスは政治を駆逐し再分配機能が自己責任論で駆逐され、新自由主義の台頭で一握りの人たちが世界の大半の富をにぎり、砂時計のように中間層が無くなりかつての中間層は砂時計の下方に収れんされ、ロボットより安価になった人間がロボットのできない仕事を奪わなければ生きていけなくなり、世界は平等に不平等になりつつあるという姿である。全ページ読む価値がある好著

  • なかなかボリュームのある本でしたが、14章に分かれているのと、内容が興味深いのでスラスラと読めました。

    誰かの思惑によって、今の世界がこうなっているという内容です。

    誰かの利益のために犠牲になっている人がいたりするけど、それを止めることはできない。

    答えがないのでなんだか絶望的な気持ちになってしまいそうですが、そんな中でも自分のできることをやっていくしかないのかなと思いました。

    特に経済面ではお金を動かせる側がどうしても力を握ることになるので、お金のために苦しむようなことがないように資産形成をするのが大切だと再認識しました。

  • 2016年 スウェーデンの現金使用率 2%以下
    4大銀行が開発したモバイルアプリのスウィッシュは早々とカードに置き換わりつつある

    世界の小麦を支配する4大食品会社
     ADM,バンジ、カーギル、ルイドレフィス

    英米法(コモンロー)と大陸法(シビルロー)の大きな違い
     英米法が禁止事項のみ規定
     大陸法(日本、ドイツ、フランス) 許されることを規定

  • いまここにある格差が偶然や成り行きではなく企業によって意図的に作り出された。
    恐ろしい。

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