正しい女たち

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 210
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908533

感想・レビュー・書評

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  • なんともいえない女たちの物語が収められている。
    別のアンソロジーにも収録されていた、友人のために彼女を騙すこともいとわない女の話や、正しい関係の相手との正しいセックスしか楽しめないという女、離婚する相手と心穏やかに残り少ない日々を過ごす女。
    いずれも変わっているようで、案外すぐ身近にいるのかもしれない女たちの姿は、怖くて少し滑稽で薄気味が悪い。

  • 良かった。これまで読んできた千早茜さんの小説のなかでいちばん好きかも。
    ひとつひとつの動作や風景をとらえた、淡々と丁寧な描写が心地よい。登場人物も取り立てて個性的なわけではないのに、みょうに輪郭がくっきりとしていてほぼ全員に好感がもてた。

    「温室の友情」
    主人公の遼子が、大人になって自分の手元をはなれていこうとする恵奈を繋ぎ止めるためにとった行動がホラーすぎた。相手のためを思っているとみせかけて、すべて自分本意。それは遼子の自身の母親との関係性にそっくりだった、っていうオチが素晴らしい。

    「海辺の先生」
    ちいさな海辺の街に住む高校生の美優。母親はスナックを経営している。
    そこを救い出してくれるちょっとぼさっとした先生の存在は光そのもののように感じた。
    家庭教師と、生徒として。ふわふわとした二人の時間と別れは卒業と共にあっけなく終わってしまい、でもそれはあまりにも綺麗で静かで透き通っていて、きっと美優の人生の宝物になるのだろう。

    「偽物のセックス」
    性のにおいをマンション中にまき散らす隣人夫婦。嫁とはすっかりセックスレスの主人公は現場を目撃してしまい、以降オスがメスに引き寄せられるようにそこの奥さんを尾行するようになる。
    結婚しているんだからセックスするのは当たり前?結婚してするセックスが正しいセックス?不倫はまちがったセックス?
    潔癖なのかなんなのかわからない理屈は私には消化不良でもやもやした。ラストがえぐい。

    「幸福な離婚」
    タイトルが秀逸。幸福な離婚というのはたしかにある。
    ミヤとイツキ。一緒のベッドで寝てたまにセックスして互いを慈しみながら日々を暮らす二人はおだやかな夫婦だが、半年後の春には離婚すると決めている。
    おだやかというか、安らか。もうすぐ死にゆくときの冷たい気配が漂っている。
    これで終わりだと思えば、相手への憎しみや怒りも和らぎ優しくなれるものなのだろうか。虚しさと幸福が同居していてなんともいえない気持ちになった。

    「桃のプライド」
    若いときは合コンでちやほやされるのも自分だったし、メディアや業界人としての世界を羨ましがられるのも自分だった。
    三十路の今。気づけば友人はキャリアを積んで結婚もひかえ安定しているのに比べ、明日の仕事もなく未だに媚びをうりつづけ生活にも未来にも不安しかない。インスタで必死にキラキラアピールをするだけの毎日。
    そんな環の姿は現実を突きつけられているようで怖かった。中途半端なプライドにすがりついて無駄な時間を過ごしてしまうことの恐ろしさ。

    「描かれた若さ」
    婚約中の彼女の希望により、不気味な廃校舎で女子高生にかこまれながら肖像画を描かれる主人公。
    女が老いることを軽んじて嘲る男に成敗をくだすような、不穏でホラーだけどスカッとする話。高みの見物してるつもりだろうけど、男だって日々劣化してくたびれて醜くなっていくんだ。
    人生は老いてからの方が長い。しかと受け止める。

  • 「温室の友情」★★★
    「海辺の先生」★★★
    「偽物のセックス」★★★
    「幸福な離婚」★★★
    「桃のプライド」★★★
    「描かれた若さ」★★★

  • セックス、結婚、プライド、老い…。話題にしにくい、でもみんな気になる他人のあれこれ…

    他人の生活を覗き見してる気分

    好きな話は「幸福な離婚」
    離婚なのに幸福?って思ったけど、"限られた時間だからこそ幸せに過ごせる"ってちょっと切ない、、、

    「描かれた若さ」はちょっと恐かった…

  • 出会った、太っても痩せてもなく目立って愚図でも優秀でもない普通の4人遼子と環と麻美と恵奈。中等部校舎裏のフェンスの破れ目をくぐり蔦だらけの崩れかけた空き家の温室に集う放課後。母には言わないことも友へは報告し社会人になっても付き合いは続いていた【温室の友情】他5篇

    ◆微妙に繋がるオムニバス、こういうのは畑野さんのが好き。そして女の子の群れとマウンティングは面倒くさいしもう飽きた(笑)正しい子なんかいたかしら。まぁ、ラストの男だけはもっと酷い目にあえばいいと思う

  • 色んな女たちの短編集。
    海辺の先生はいいお話だった。
    他の作品は女あるある〜って感じ。

  • さらっと読めた。
    思ったより、どろどろしてなくて、
    嫌な女も出てこない。

  • 表題作を含めた6つの短編集

    さわやかできらきらしたものから後味のよくないドロっとしたものまで。

    海辺の先生が1番好きでした。
    前半の汚らしい飲み会から一変高校時代のステキな思い出。先生との出会いが彼女の人生を変えたと言っても過言ではないでしょう。

    最後の話はホラーテイストだったけど、女性を若さや容姿で見る男に制裁を!って感じで痛快でした。

  • 読みながら、「正しいって何だろう?」と考えてしまう。そんな本でした。

    世間的に正しくなくても、『幸福な離婚』のような選択は優しくて良い。
    逆に、正しさに囚われすぎるのは怖い・・・。まるで呪縛のようだなぁと思いました。

  • その通りなんだよね。

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著者プロフィール

作家

「2017年 『人形たちの白昼夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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