音叉

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908632

感想・レビュー・書評

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  • 音楽に詳しい人だと
    読みながら音が鳴り響きそうだな、という印象をもちました。
    映像化されたら実際の音を楽しみながら見れそうです。

    たかみーが書いたということで興味を持ち、読みましたが
    そこそこ読みやすかったです。
    70年代の学生運動とかは実際もほとんど知らないのでピンとこなかったですが、
    その時代を知る人だともっと楽しめるのかな、と思いました。

  • 自分には音楽も、'70年代のカルチャーもわからない。しかしながら、それらに精通していなくとも読み進められるエネルギーと物語性が本作にはあった。最近自分がひとつの基準にしている作文の秘訣――「自分にしか書けないことを、だれにでもわかる文章で書く」(井上ひさし)にも当て嵌まった。時代と音楽の当事者である作者だからこそ書けた作品だと思う。

  • アルフィー

  • 1970年代を舞台とした学生がロックバンドで
    プロデビューをしようと奮闘?するストーリー
    1970年代の時代背景や音楽などを盛り込んだ
    青春音楽ものなのだが・・・

    この作品は時代を無視すれば
    青春音楽小説として
    ありがちな小説ではあるものの
    著者が60代になって小説家デビューした
    THE ALFEEのリーダー 高見沢俊彦であると言うこと
    時代設定やロックバンドの構成等を鑑みると
    自分を主人公にしたとまではいわないものの
    投影して書いているんだろうなと思わざるを得ませんでした

    作中に主人公が手紙がをもらうシーンが2度ありますが
    この手紙を読むとストーリーにのめり込んでいる
    読者は泣くこと間違いなしではないでしょうか
    と書いている自分は泣かされました

    青春音楽小説と言えば
    ロックバンド 筋肉少女帯のボーカル
    大槻ケンヂのロッキン・ホース・バレリーナという小説も
    読み手を選ぶとは思いますがよかったですね
    駆け出しのインディーズパンクバンドが初のツアーで
    様々な困難を乗り越え成長していくと言うストーリー

  • 音叉
    著作者:高見沢俊彦
    発行者:文藝春秋
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    日本のバンドシーンを代表する存在、ラジオ番組なども幅広く活躍中で本書は小説家のデビュー作です。

  • 昭和の世相が懐かしい、青春小説。
    主人公の風間くんを作者と重ねてしまう。
    いろんな情景をギターの音やキー、コードで表現されているところが独特で面白い。
    当時流行っていた音楽、ロックについての記述も多く、そのあたりの知識がある人なら、もっと楽しんで読めたのではないかと思う。


  • もはや『音叉』という名の1つのライブ。
    まるで、ALFEEのコンサートを観たような感覚。

    処女作でありながら、起承転結が上手過ぎて
    ここまで一気に読めた小説は私的に“初めて”
    と言って良い。

    男は女を大和撫子のように、
    勝手に美化してる生き物である。
    (その逆も然り)

    ALFEEの曲が高見澤さんの経てきた
    恋愛経験によって作られたもの
    なのかもしれないと思うとちょっと
    妬けてしまうが、その恋愛のおかげで
    良い曲が出来て、私を含めたファンも
    救済されてきた。

    女は気付かぬうちに離れていくもの。
    いつだって夢を追う男達のために…。

  • 高見沢俊彦の小説だというので、派手派手しくキラキラしたものを想像していたのだが、思っていたよりずっと落ち着いた感じの語りだった。確かに道具立ては華やかだ。主人公は都心の生まれで、エスカレーターのミッションスクールに通い、高校半ばでバンドデビューが決まる。遊びに行ったり友人や彼女の家があるのは、六本木、代官山、赤坂といった、「ザ・東京」という所で、好きになる女性とは次々ベッド・イン。このあたり、高見沢さんの華麗な私生活がにじみ出ているような気もする。

    というわけで、どれだけ気取った鼻持ちならないヤツが登場するのかと思うが、意外や結構素朴。っていうか、幼いなあという印象だ。お小遣いの残りを気にしながら出かけていったり、母親にしょっちゅう小言を言われたり。大学生でしょ?ロック少年でしょ?もうちょっとこう、何と言うか、ガツンとしたものがないものでしょうか。

    70年代の大学闘争とか三菱重工爆破事件なんかも背景として描かれるんだけど、うーん、なぜか余り心に響いてこない。ほんとに「背景」になっちゃってるからだろう。ただ、さすがに「音」の描写には、独特のセンスがあると感じた。これ、バンドデビューの話だけに絞ったらどうだろうか。「小説」にチャレンジした著者には申し訳ないけど、アルフィー結成からデビュー前後の実録の方が読みたいと思ってしまった。

  • アルフィーの高見澤参が書いた小説である。

    【本文より】

     夜空で光る星が輝いているのは、手が届かないくらい、はるか彼方で輝いているからだろう。そんな星を間近でみていても、きっとゴツゴツした鉱物の魂にすぎない。
     自分にとって大切な星とは、遠くで眺める美しい星よりも、自分の心をキラキラ照らし、いつでも手が届くような存在だ。

    それは案外、身近にいた。

  • 70年代のロックと学生生活。懐かしさもあり読んだ。
    しかし、ロックはある程度好きだったけど、本書の感情をうまく表現されている音楽が自分には響かない(知らないから)。となると著書の表現したいことが100%は伝わらない。
    さらに主人公は次々に美女と成就する。こんな美味しい学生生活を著者が送っていたいのか、とため息が出る。
    小説というより女子と音楽との邂逅録といった内容でした。

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