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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784163908663
作品紹介・あらすじ
徳川綱吉の治世下、川越藩の領内では、牛馬のための飼料や堆肥のための草を採取する秣場(まぐさば)での、農民同士の諍いが何十年も絶えなかった。集団で襲われ、百姓が命を落とす悲劇までおきていた。
そんな中、新たに藩主についた柳沢保明(のちの吉保)は、諍いの場となっている荒涼たる原野を二年で畑地にせよ、という前代未聞の命を下した。そして、曾根権太夫ら側近の家老らを現地に派遣し農民を指揮させたが、やがて武士と農民の間には軋轢が生じ、二年での完成が危ぶまれていく。そんな中、保明は懐刀の荻生徂徠を現場に送り込み、事態の打開を試みるが……。
江戸前期、武士と農民が身分をこえて空前の大開拓に挑む力作歴史長編!
みんなの感想まとめ
江戸時代の川越藩を舞台に、武士と農民が協力しながら厳しい自然環境を克服し、開墾に挑む姿を描いた作品です。柳沢吉保の指導のもと、荒れた原野を畑地に変えるための試みが進む中で、農民同士の争いや身分を超えた...
感想・レビュー・書評
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江戸時代に柳沢吉保が、領地である川越藩内で行った三富新田の開拓の模様を描いた歴史小説。水を引けず風の強い厳しい条件下、武士と百姓が力を合わせて開墾していった模様は感動的だが、悪人を懲らしめるところは話が出来過ぎの感あり。
「(柳沢吉保から奉行への挨拶後)恐ろしい御仁よ。一切不服は申し上げませぬ、だと。つまりは不服に感じるような裁許を下すなということではないか」p49
「とんでもないことでございます。上さまのお引き立てで大名の末席に身を置くようになりましたが、未だ殻の取れぬ雛同然。これから、これからでございます」p86
「政にいたっては、なんの努力もせず、学びもせず、家柄を頼り、先祖代々を鼻に掛け、それが確実なものと勘違いをする輩がいかに多いことか。確かなものなどこの世にはない。世の道理を知り、才知を磨くことがなにより肝心、と荻生徂徠は啓太郎を諭すように言った」p263詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
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柳沢吉保の治める川越藩の秣場での百姓間の争いを無くし開墾をする過程での,武士と百姓双方の立場を超えて連帯感が芽生えてくる様子が生き生きと描かれている.どうしようもない奴もいるが,百姓の正蔵や家老の嫡子啓太郎などいい男になっていく.ただ,最後の数ページはいらなかったと思う.
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埼玉新聞2017年6月〜10月に連載したものに加筆修正し、2018年7月文藝春秋から刊行。川越藩の原野を開拓する武士と農民たちの物語。展開が興味深く、面白い。池田美弥子さんの表紙絵に赤い風が吹いていてこれが楽しい。
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初出 2017年「埼玉新聞」
水源が遠く、軽い赤土で、農耕に向かない武蔵野台地は永く牛馬の飼料等のための草刈り場で、境界がはっきりしないため近隣の村の争いが続いていたが、五代将軍綱吉の意向で川越藩主となった柳沢吉保は2年で開墾するよう命じ、家老の曽根権太夫は、失敗したら切腹する覚悟で、募集した入植者と一緒に開墾地に住み、苦労とを共にする。
応募した中には、かつて近くに住み、父親が争いに巻き込まれて殺された正蔵と、殺した藤兵衛がいた。正蔵はかたくなで一本気で、家老の息子と対立するが、達成やがてお互いを認め合っていく。一方藤兵衛はいかさま博打で入植者仲間から土地を取り上げて小作化しようと図るが、吉保から派遣された荻生徂徠によって阻止される。
その先の開墾が達成されていく様子が描かれず、達成後と赤穂浪士の討ち入りへの対応の話が加わるのは、いささか興がそがれる。
著者プロフィール
梶よう子の作品
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