海洋生命5億年史 サメ帝国の逆襲

  • 文藝春秋 (2018年7月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784163908748

作品紹介・あらすじ

◎忘れられた「もう一つの生命史」。

海の生命の物語は陸上よりも奥深くダイナミックだ!◎



サメの仲間は陸上で恐竜が誕生する

ずっと以前から海洋世界に君臨し

恐竜絶滅後も生き残ってきました。



8割以上の生物が死に絶えた2億5000万年前、

史上最悪の大量絶滅事件。

そして恐竜を滅ぼした6600万年前の小惑星衝突。



なぜサメたちは幾度の危機を乗り越え

4億年以上にわたり〝帝国〟を

築き上げることができたのでしょうか。

本書は海洋生命をめぐる興亡史を徹底的に解説します。



【目次】



◎第1章 壮大なる〝序章〟

「アノマロカリス」から「ウミサソリ」へ



39億年以上前、最初の生命が海で誕生する。そして約5億年前カンブリア紀に海では武装する生物が急増。大きな触手と眼を武器に持つ狩人アノマロカリスは史上初の覇者として君臨した。さらに古生代の海で2億年に渡り子孫を残した節足動物ウミサソリ類が現れる。



◎第2章 剛と軟。主導権を握るのは?

「甲冑魚」vs「初期のサメ」



約4億年前に始まったデボン紀、海の主役はいよいよ魚へ交代する。骨の板で覆われた甲冑魚は一大勢力となり、全長8mのダンクルオステウスは古生代最大最強の魚と言われる。一方、流線型のからだを持ち機動力に長けた〝初期のサメ〟も台頭、繁栄のときを迎える。



◎第3章 最強と最恐。海洋覇権をめぐる決戦

「サメ類の絶対王者」vs「モササウルス類」



陸上が「恐竜時代」を迎えた中生代。海でも「爬虫類帝国」が築かれる。『四肢と尾がヒレとなったオオトカゲ』モササウルスはとりわけ大型化。高い遊泳能力で覇者の座を狙う。すでに生態系の頂点に立っていたサメ・クレトキシリナとの直接対決を示唆する痕跡とは。



◎第4章 新勢力は〝海の王〟となるか

「クジラ」vs「メガロドン」



小惑星による大量絶滅により、海棲爬虫類は姿を消した。新生代に入り、40㎝ほどの

陸上哺乳類が半陸半水生活を始め、クジラの歴史が動き出す。1200万年で水中に完全

適応、20mのからだを手に入れたクジラ類を迎え撃つのはサメ類史上最大級のメガロドンだった。

みんなの感想まとめ

海の生命の歴史を深く掘り下げた本書は、陸上生物の進化が語られる中で見落とされがちな海洋生物の壮大な物語を描いています。サメは恐竜の誕生以前から存在し、幾度の大量絶滅を乗り越えて生き残る力を持っています...

感想・レビュー・書評

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  • 恐竜は絶滅したが、それより前に誕生していたサメは生き残った。毒のようにイレギュラーな力を持つものは別として、歯や咬合力、身体能力が勝る種が覇権を取るように見え、彼らも結局は生かされているので、生態系を逸脱して一人勝ちにはならない。

    だとすると生き物は、より強くなりたい、より同種を増やしたいという直線的な進化はせず「私がいなくなったら困るでしょう?」という生存戦略、そのことが多様化と差別化の方向性を目指すことに繋がっていく。

    弱くても生き残る。自ずと役割が付与されていく。生態系トータルとしての自己調整機能。ただ、それは“美しい物語“である一方、食べられるだけの存在に与えられた「生きがい」とは。

    人間のみが「生きがい」を追求するとは言わないが、食べられるための確率で個体を増やす種のエゴイズムなど想像できない。

    ただの役割固定。人間同士もそうなりがちで…。

    サメ帝国は逆襲してこない。恐竜のみが子供たちのヒーローである事に納得がいかないサメたちが、そのイメージを覆すという修辞法だろう。

    アノマロカリス。口に長いノズルのオパビニア。ハルキゲニア。カンブリア紀のヒーローたちも登場する図鑑のような本。もちろんサメのページが充実しているが、私は、福島県いわき市の白亜紀の地層からみつかった「フタバスズキリュウ」(「ピー助」のモデル!ドラえもんの)に気持ちが持っていかれる。

    一年がはじまる。区切りは認識でしかない。恐竜ではないサメの世界線も認識の問題だ。思えば、昨年は異物感を大事にしたいと思いスタートしたのだった。

  • 「はじめに」にもある通り、生命の歴史を物語るとき、生命が陸に上がったあと、陸上の生物がメインになってしまって、海の生物は明らかに傍流のように扱われているというのは言われてみればたしかにそうだ。本書は生命上陸後も海洋生物をウォッチしていくというなかなか面白い企画。なにしろ表紙、裏表紙の強そうな海洋生物たちは惚れ惚れするほどのかっこいい。三葉虫が進化の中で防御に重点を置くためトゲトゲが増えていったのはそれを食べるものがいたからだ、マルレラやウィワクシアの構造色は(=色がある)のは「見えていた」ものがいるからだ、という点はなるほどと思った。

  • 海の生態系上位者を扱った本、フルカラーでCGもかっこよくて最新研究がまとめられていて面白い。サメを副題としているのは、軟骨魚類が長く繁栄してきたため。最近でも、三畳紀の巨大な魚竜化石が見つかっており、ペルーでも太古の巨大クジラであるペルケトゥス・コロッススが発見されている。現在の生態系でいえばホオジロザメもクジラも襲うシャチがトッププレデターで間違いなさそう

  • ふむ

  • 恐竜の本は読んできたけど、海の中の進化史は初めてでおもしろかった!軟骨が化石になりづらいのはとても残念。ヘリコプリオンは、何度みても、なんでそんなことに?って思う。アカントステガは実物大ぬいぐるみを発売したら売れそう笑

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00546737

  • タイトルほどサメ活躍してない
    海洋生命5億年史だけでよいのでは

  • ページごとに年表が掛かれているので、
    どの時代について話が進んでいるか把握しやすくていい。
    挿絵も多く、オールカラーなのもいい。
    ただし、サメはあまり出てこない…

  • ●海洋生命5億年史 サメ帝国の逆襲
    ●無脊椎水族館

    立て続けにサメと無脊椎のエッセー科学本が……。
    最近、こういう柔らかい文章を書いてくれる研究者が増えて嬉しい。
    読めば必ず、知らないことが書いてある
    (^_^)
    好きなお客さんがいれば、小学生からオーライだと思う。

    2018/08/31 更新

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著者プロフィール

オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。日本古生物学会会員、日本地質学会会員、日本文藝家協会会員。
埼玉県生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。科学雑誌『Newton 』の編集記者、部長代理を経て2012 年に独立・現職。2019 年、サイエンスライターとして史上はじめて日本古生物学会貢献賞を受賞。近著に『古生物水族館のつくり方』『古生物動物園のつくり方』(ともに技術評論社)『サピエンス前史』(講談社)など、著書多数。

「2025年 『基本から「なぜ?」まですっきり理解できる 古生物超入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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