日傘を差す女

  • 文藝春秋 (2018年8月9日発売)
3.17
  • (3)
  • (6)
  • (21)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 123
感想 : 17
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784163908816

作品紹介・あらすじ

伝説の男はなぜ死んだのか。



快晴のクリスマス、都心のビルの屋上で、胸に銛が刺さった血まみれの老人の遺体が発見された。老人は和歌山県太地町に住む捕鯨船の伝説の砲手と判明。捜査本部は他殺を裏づける証拠を得られぬまま、自殺と結論づけた。

しかし、その直後、酷似した凶器で殺害された遺体が次々と見つかる。

警視庁捜査一課の草刈大毅と立石豊樹のコンビが、赤坂、和歌山、青森で地を這う捜査の果てにつかんだ真相は……。



男女の哀しみを描いた叙情あふれる伊集院静の真骨頂がここに!

みんなの感想まとめ

男女の哀しみと社会の闇を描いた物語が展開される本作は、捕鯨という伝統と政界、花街という異なる世界が交錯する独特の舞台設定が魅力です。主人公たちが捜査を進める中で、複雑な背景を持つ事件が浮かび上がり、読...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この作者はもっと心に寄り添った丁寧な描き方をする人と思ってたけど、滅多に無い刑事物はストーリーもつながりに欠け、文体も丁寧さを感じない。読むのに疲れた。

  • 永田町のビル屋上で自死した男は、鯨漁の砲手だった。
    政界と花街と鯨漁というものすごい組合せの三題話。

  • <新>
    一体どういう小説を書く作家なのだろうかとづっと思っていました。それが先の『月星夜』を読んでから、あ、また次も読んでみようかな、とやはり思いまして。で、読んで良かったです。これから過去作品にどんどん遡って読んでいく事になるやもしれません。まだ僕自身にも判りませんが。

  • 最後の展開が早くて、ページ足りるのかな?と思いながら読んだ。捕鯨のことや花柳会の闇など、事件の裏に大きな社会的背景があるのかなと思って読んでたら、結構シンプルな事件でガクッときた。個人的には読みやすく、早く読めた。

  •  昨年亡くなった、伊集院さんの作品。

     悪の根を糺す。

  • 作者初のミステリーとのことであるが、伊集院さんは小説よりもエッセイの方が面白いとやはり思ってしまう程度の作品。

  • 初読み作家さん。
    鯨の砲手として伝説の名人とまで言われた老人が、永田町のビルの屋上で鯨用の銛に刺されて死んでいるのが発見されるという、センセーショナルな幕開け。
    その後同じように銛で刺殺された男が発見され、ますます事件は面白くなりつつあったのだが。
    この先は好みによるのだろうが、太地町の鯨漁やその土地柄について掘り下げてくれるのかと思っていたら、話はどんどん離れていったのが残念。
    政治や花柳界のありがちな裏側かー、と思いながら読み進めたが、最後はまた違う方向へ。
    動機は悪くないけれど、何しろハウダニットの部分が雑で残念だった。
    真犯人もそうだし、結局『若い女二人』の目撃談は何だったんだろう。
    また主人公の刑事が高校生の頃に芸妓と付き合っていたというエピソードもいくら小説とはいえ現実的ではなく入り込めなかった。
    警察関係の人物が多いうえに何のために出したのか分からない人物もいたり、様々な要素がありつつもとっ散らかったままな感じがあったり、色々勿体ない作品だった。

  • ミステリー?
    最後まで引き込まれることなく、つながりや意味も響かなかった。
    伊集院さんの作品でこういった思いは初めてなので残念。

  • 著者には珍しい推理小説。
    捕鯨の名砲手、稲本は他殺か自殺か、そこからの連続殺人。で、稲本の過去の恋人の正体が(青森から上京して芸者になる)明らかになり、その謎の死が事件の発端になるんだけど、犯人は意外にも最初に出てきたカイト(凧)の少年だった。それも日傘を差す女、稲本と恋人の菊子との間にできた娘に恋した幼馴染み少年の仕業だったとはね…。
    稲本は結局、少年をかばっての自殺だった。悲しい…

  • 哀切な雰囲気が漂う社会派ミステリ。一見自殺に思えた事件、しかしその後も同じ手口で続く殺人事件。その謎を追いながら、過去の秘められた物語にじわじわと迫るさまがとても心情に働きかける読み心地です。
    捕鯨船の伝説の砲手、というのが、あまり馴染みはないのだけれど。なんだかとてもカッコよく思えて。そして最後にわかる彼の死の真相も、悲しいながらとてもカッコいいのです。やりきれない部分は残るけれど、なんだか清々しくも思えて印象的でした。

  • 伊集院静氏の社会派ではあるが、推理小説ということで
    非常にたのしみにして読みました。
    ただ、ちょっと読みづらく、なかなか進まない感じ
    でした。後半はだんだん引き込まれる感じがありましたが
    最後はなんとなく、消化不良というか結局のところ
    何かよくわからない感じになりました。
    自分には、少し残念でした。

  • 「伊集院静の久しぶりの社会派推理小説」という言葉に期待して手に取った作品。

    赤坂のビルの屋上で発見された、銛が腹に刺さった男の死体。男は和歌山県太地町に住む捕鯨船の伝説の砲手だった。他殺の決めてもなく自殺として片付けられようとしていた時、酷似した凶器で殺害された遺体が次々と発見される。警視庁捜査一課の刑事・草刈と立石が和歌山、青森、赤坂、浅草で地道な捜査をしていく中で明らかになっていく哀しい真相とは。

    海に迫る山、農耕地のない中で生活の糧を鯨漁に求めるしかなかった和歌山・太地町の人々、切り立った崖と海に挟まれ、ささやかな昆布漁しか糧がなく出稼ぎに活路を求めた青森・三厩村の女たち、場所は違えどそれぞれの悲哀が叙情的な言葉で丁寧に紡がれる。
    赤坂という町の懐の深さ。花柳界の女たちの哀しさ。鯨漁が全盛期だった頃、太地町と三厩村の男と女が出会った時、殺人事件の萌芽が芽生えていたのか。

    男たちの事情、女たちの悲哀、それを追う刑事自身の捨てきれない過去、それらが叙情的に描かれていくのがたまらなく心地よいのだが、謎の女、政治家、ヤクザ、フィクサー的な男など怪しい人物が次々に登場し、殺人事件と相まってここまで盛大にばらまいた伏線をどう回収していくのかとワクワクしながら読み、もう残り少ないのにどうなるの~と思った頃、唐突に終わる。
    「え?あの場面は何だったの?」「あの違和感はスルーなの?」とじたばた。最後に見事な伏線回収も鮮やかな真相解明もなく、「うん、作者はミステリー作家じゃないから・・・」と思うものの、だったらこんなに人を殺さなくてもいいのに~とか、伏線らしきものをばらまかなくてもいいのに~とか、どっちつかずの消化不良感がたまらない。
    松本清張ばりの社会派推理小説とはいかないまでも、かなり期待していただけにモヤモヤ感が半端ない。
    刑事の捜査を追うミステリー風にしなくても、廃れた捕鯨と寒村の出稼ぎの悲哀というテーマだけで十分ドラマは作れたのに・・・ともったいない気持ちがいっぱい。

    モヤモヤする箇所が気になって、再読したくなるけれど多分読んでも解決できないだろうから、やめておきます。

  • 20180814 Mリクエスト
    途中挫折

  • 【人は別れを経験して大きくなる】Xマスに都心のビルの屋上で捕鯨船の砲手だった老人の遺体が発見。事件の鍵を握るのは「日傘を差す女」だった。伊集院文学の真骨頂。

全14件中 1 - 14件を表示

この本が好きな人におすすめの本

著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

伊集院静の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×