ナナメの夕暮れ

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 581
レビュー : 34
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908878

作品紹介・あらすじ

オードリー若林、待望の新エッセイ集!『完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込』から3年。雑誌「ダ・ヴィンチ」での連載に、大幅に書き下ろしエッセイを加えた、「自分探し」完結編!ゴルフに興じるおっさんなどクソだと決めつけていた。恥ずかしくてスタバで「グランデ」が頼めない。そんな自意識に振り回されて「生きてて全然楽しめない地獄」にいた若林だが、四十を手前にして変化が訪れる――。ゴルフが楽しくなり、気の合う異性と出会い、あまり悩まなくなる。だがそれは、モチベーションの低下にもつながっていて……「おじさん」になった若林が、自分と、社会と向き合い、辿り着いた先は。キューバへの旅行エッセイ『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』では第三回斎藤茂太賞を受賞。「生き辛い」と感じている全ての人に送ります。

感想・レビュー・書評

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  • 読んでいる途中で、共感して何度も泣きました。
    ・生きにくい
    ・自分はなぜか人と同じにできない
    ・伸びやかになれない
    ・自分で自分をしばって不自由だ

    そう感じている人には、刺さる言葉がいくつもあるのではないでしょうか。
    自分は人とは違っている、と悩んでいるのは自分だけじゃない、とわかるだけでも救いになります。
    いま私は30過ぎで「この歳になっても人と同じになれない自分」に絶望感がありましたが、この本の「自意識過剰な人間は歳をとると楽になる」という記述を読んで、歳をとることに希望が持てました。
    変わらない自分を一度受け入れて、変われることを楽しみに待ちたいと思います。

    自分の好きなこと、周りの人のいいところを私も書き出してみたいです。

  • オードリー若林さんのエッセイ集。
    その自意識過剰っぷりに共感できておもしろかった。でも40代目前になって、ゴルフを始めたりDJ機材を買ったり女の子と喋れるようになったり、だいぶ丸くなったんだと書かれていますね。これが彼の言うオジサン化ということか。過去の自意識を懐かしむかのような内容が多かった気がします。

    自意識過剰マンはとにかく人からどう見られてるかを気にしていて、自分がすでに誰かの姿を見下し馬鹿にしているから、同じように自分も見下されているんじゃないか、って怖いんですよね。仮に誰も見てなくたって自分が見ている。自分に見張られているから、何にも楽しめない。はしゃいで見下されるのが嫌だから。負のブーメラン。地獄のスパイラル。
    私も、ようやくその自家中毒的構造に気づいたところなので、この指摘に対する共感がすごい。理想とプライドだけ無駄に高くて嫌になる。

    "理想の自分に追いつこうとしているから、今日の自分を生きることはなく、常に未来の理想化された自分を生きている。だから、今日をずっと楽しめなかったんだ。今日じゃないな、今だな、もっといえばこの一瞬を楽しく生きてこられなかったんだ。"

    この部分がグサッと刺さります。
    でも、自意識過剰マンは内でしか生きてないからこうやって俯瞰で自意識を分析するのも得意なわけで、結局この真理に気づいたからと言って人間性は変わらないんじゃないかとも思ってしまう。
    私もあと10年すれば若林さんみたいにもう一皮剥けるのだろうか。「ナナメの殺し方」の項が良かった。はやく自意識から解放されて楽になりたい。

  • 考えすぎてしまう、生き方音痴という若林さんのエッセイです。

    “なぜかできる人は、なぜかできない人の気持ちがわからない。(p212)”という言葉が印象に残っています。生き辛さを感じている、うまく生きることができない人間だからこそ、できないのは私だけではないのだと勇気付けられました。
    また、歳をとることで“ネガティブは、あり余る体力だ。(p195)”と感じるようになるのかな、年齢が解決してくれることもあるのかなと、少し希望も持てました。

  • 誰かが勝手につくった「幸せ」を求めずに、力を入れずに生きることを肯定してもらえた気がした。


    印象に残ったのは、あとがきの「合う人に会う」という言葉。

    合う人を探さないといけないし、合う人には会わないといけないし、合わない人には会わなくてもいい。




    わたしが青森の舞台で見た若林さんは完全なスターだったけど、きっとあの輝きはこのモラトリアムがあったからこその輝きだったのかもしれない。
    たまに、誰のためにこの仕事をしているのか分からなくなると話されていたけど、若林さんの言葉や生き方に励まされている人は、たくさんいます。

  • 自分の生きづらさってこんなことが原因だったのかなー。とぼんやり内省の機会を与えてくれました。こんなにも、自分が思っていたことを、心のモヤモヤを、社会という漠然としたものに対してのやるせなさを、言語化してくれたエッセイ本に出会えて幸せであります。(わかさま大好きなので多少の偏見はあるかもしれません笑)

    下記、特に印象に残り激しく首肯した文をメモとして。

    ------

    ・「なぜそういう生き方をした方がいいのですか?」と聞くと、「お前のためを思って」と言う。そう言う人は「〜のためを思って」という大義を隠れ蓑にして、自分より立場の弱い者から自分の生き方を肯定する言葉をカツアゲしようとする。

    ・今の僕はファンタジーを選ぶ。使命というファンタジーを作り出し、それを自分に信じ込ませる。自分の仕事には意味があると自分を言い聞かせて、虚無気味の世界にカピバラの絵を描く。趣味や娯楽を振り回し、ただ生まれて死ぬという事象にデコレーションしまくる。真実はあまりにも残酷で、あまりにも美しくて、まともに向き合うと疲れてしまうから。真実はたまにくらいがちょうどいい。

    ・自分の生き辛さの原因のほとんどが、他人の否定的な支線への恐怖だった。その視線を殺すには、まず自分が「他人への否定的な目線」をやめるしかない。否定する人がいない世界なら、朝気持ちよく起きることも全然可能なのだ。

    ・外のジャッジに気を取られすぎると、自分のジャッジを蔑ろにしてしまう。

    ・(社会に存在する年功序列、社交辞令などポリティカルコレクトのようなものに対して知りたいという気持ちが沸くことに対して)あくまで生き方音痴が疲れないで生きるためにゲームの攻略本を読むような気持ちであった。同時に、そういう風潮が消滅しつつもあるような今の流れもどこから来ているのか知りたかった。多くの人からしたら自動的に従えば良いのだろうが、理由がわからないとできない僕のようなバカもこの世には存在するのだ。

  • 【オードリー若林、おじさんになる!】極度の人見知りを経て、著者はいかに立派なおじさんになったのか。雑誌『ダ・ヴィンチ』での連載に、書き下ろしを加えたエッセイ集。

  • わかちゃん、自分探しと社会探しが「だいたいわかった」ので卒業。
    オールナイトニッポンをずっと聴いてきたので、リアルに伝わってくるものがある。

  • 若ちゃんは拗らせてるけど...みんななんやかんやで拗らせてるよね...

  • 「現実を生きるための」
    「ベストスコア」
    が特に心に残った。ファンタジーの上手な使い方。大事なことだな。

  • 自分の様な、30代後半の男性には
    特にじんわり共感できる部分が多かった。
    10年早かったら、また全然違う風に読めるんだろうな。
    まえけんさんとの話が好きです。

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著者プロフィール

若林 正恭(わかばやし まさやす)
日本のお笑い芸人。「オードリー」のツッコミ担当だが、当初はボケだった。
2013年に初の著作にして代表作『社会人大学人見知り学部 卒業見込』を刊行し、2017年『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』を刊行し第3回「斎藤茂太賞」を受賞している。2018年8月、『ナナメの夕暮れ』を刊行。
趣味多数、その中に読書と本の帯収集がある。『アメトーーク!』人気企画「読書芸人」の常連。

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