牧水の恋

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 135
レビュー : 22
  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908885

作品紹介・あらすじ

この秋、没後90年を迎える歌人・若山牧水。その短歌は教科書にも取り上げられ、ひろく愛誦されている。 白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ けふもまたこころの鉦をうち鳴しうち鳴しつつあくがれて行く 幾山河越えさりゆかば寂しさのはてなむ国ぞけふも旅ゆくこれらの名歌が生まれた背景には、小枝子という女性との痛切な恋があった。早稲田大学の学生だった牧水が若き日をささげた恋人には、秘密があった。彼女は実はすでに人妻で、郷里に二人の子どもまでいたのである。恋の絶頂から疑惑、別れまでの秀歌を、高校時代から牧水の短歌に共感し、影響を受けてきた人気歌人が味わいつくす、スリリングな評伝文学。

感想・レビュー・書評

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  • ややさんの本棚から♪   白鳥は…素敵な歌ですね。   俵万智さんが、こんな本を出していたとは。なんだかスリリングな本みたいですね。

    • りまのさん
      ありがとうございます!nejidonさん! ややさんにもサンクスです。白鳥て何の鳥だらう。ハクチョウてはなさそやし。
      ありがとうございます!nejidonさん! ややさんにもサンクスです。白鳥て何の鳥だらう。ハクチョウてはなさそやし。
      2020/08/08
    • りまのさん
      いるかさんが大好き !
      いるかさんが大好き !
      2020/08/08
  • 少年のゆめのころもはぬがれたりまこと男のかなしみに入る     若山牧水

    酒と旅と自然を愛した歌人、若山牧水。宮崎から上京して早稲田大学で学び、明治末期には、石川啄木の最期をみとった人物としても知られている。歌人の俵万智は、この度、そんな牧水の学生時代の恋愛に着目した評伝を執筆した。
    若き日の恋人・小枝子は、牧水に次々と恋の歌を詠ませた女性である。

    山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇【くち】を君

    対句を用い、女性の魅力的な「唇」をクローズアップさせた秀歌だ。このような情熱的な恋歌が生まれながらも、二人の関係は、悲恋に終わった。牧水のすぐ傍らに添いながら、「唇」をなかなか許さなかった小枝子には、ある事情があったのだ。
    その事情は、大悟法【だいごぼう】利雄が粘り強い取材で真相に迫っており、本書ではその先行研究も生々しく引用されている。実は小枝子は、2人の子どもがいる人妻であり、牧水と恋仲になった後、さらにほかの男性の影もあった、等々―
    悲恋を経て、牧水は歌集が評価され、歌人として着実に歩んでいった。掲出歌には、「少年」の甘やかな夢から脱し、「男」として大地を踏みしめた質感がある。成人男性の悲しみとともに、精神的な自立も得たのだろう。小枝子への恋心は、晩年も消え去らず、43年の生涯を終えたという。
    さて、本書では、俵万智の初期作品に牧水の影響が大きかったことが明かされている。自作の秘密を評伝の中にとけこませるとは、粋【いき】な趣向と思う。
    (2018年10月7日掲載)

  • 牧水のヘタレ具合に幻滅した。

  • まさに一生一度の恋
    人妻ということを隠していたために
    牧水との最後の一線を超えるまでが
    長い長い・・・ 
    髪をかきむしってもだえる牧水の姿が
    歌から見えて可哀想
    その突っ走りぶり 
    嫉妬や苦悩に たじたじとなります

  • 読了日 2019/10/14

    急に若山牧水に惚れたのですが、
    まずは牧水を白うと思って全集を借り、
    詩歌の読み方がわからずたどり着いた一冊。

    歌人・俵万智による、牧水の「園田小枝子」への恋を解説した一冊。


    牧水の素直な歌もいいけど、
    四章「牧水と私」に出てくる俵万智の歌もよかった。

    気づくのは何故か女の役目にて 愛だけで人生きてゆけない
    (八月の朝 俵万智)

  • 面白かったです。若山牧水の恋について赤裸々な部分についても論じられているのが凄い。

    あの青い中に居る白鳥は二羽か三羽なんだろうなって後半読んでいてはっとさせられました。

    恋に破れ酒に溺れ旅に逃げて
    数々の歌が出来たのだと考えると
    短歌を味わうことが出来る私達は幸福ですが
    やはりもっと幸せな出会いがなかっただろうかと
    考えさせられました。

    人生とは恋とは複雑なものですね。

    俵万智さんの文章はとても読みやすい。

    若山牧水が気になる人は是非お買い求めください。

  • 山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君

     主に、青年期の熱烈な恋愛を短歌作品の評釈、手紙などの資料を交え、牧水の恋の行方を辿っていくというもの。
      晩年、酒を愛し、旅を愛した若山牧水。

    幾山河越え去り行かば寂しさの終てなむ国ぞ今日も旅ゆく
     
     エピローグに、この歌がでてくるのも切ないというか、なんだか頷ける。

  • 白鳥は哀しからずや空の青海のあをにも染まずにただよふ、好き。

  • 恋に溺れ、酒に溺れ、その酒に体を蝕まれ、43歳でこの世を去った若山牧水。この著作はそんな牧水の恋に焦点を当て、彼の創った短歌とともに、手紙や研究書から、その喜びと苦悩をひも解いていく。

    まぁ、こんな人近くにいたらひくな、といったタイプの人です。恋は盲目、みたいな感じを文字通り突っ走ったわけで、このような生き方はうらやましいと思う反面、多くの人は「ここまでは無理」と感じるのではないでしょうか。

    しかしながらですね、そうしたある意味直情的であり、彼が恋した小枝子という女性に病的にどっぷりはまってしまったからこそ、多くの短歌の傑作が生まれたといえるのでしょうね。例えば作曲家のモーツァルト、社会規範にとらわれず性格的に破綻していた彼だからこそ、この世のものとは思えない極上の音楽を生めたように。

    短歌に触れたのは、正直中学高校の国語の授業以来で、こうした作者の実生活、実像とともに作品を眺めると、やはり味わい深いというか、面白いというか、牧水の場合共感とまでいかないまでも、その胸のうちがよりこちらに迫ってきました。特に後半期、小枝子との恋にやぶれてからの歌の方が、なんだか普遍性みたいなものを感じて、じわっとくる感じが強くありました。

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著者プロフィール

俵万智(たわら まち)
1962年大阪府生まれの歌人。同四條畷市、福井県武生市で育ち、福井県立藤島高等学校を経て早稲田大学第一文学部に入学。
1986年『八月の朝』で角川短歌賞受賞。1987年『サラダ記念日』を刊行し、空前の大ヒットとなる。他の歌集に『かぜのてのひら』『チョコレート革命』『プーさんの鼻』『オレがマリオ』など。他の著作に『愛する源氏物語』『俵万智訳 みだれ髪』など。2018年に『牧水の恋』を刊行。

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