うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間

著者 :
  • 文藝春秋
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レビュー : 25
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163908939

作品紹介・あらすじ

空前の藤井フィーバーに沸く将棋界、突然の休場を余儀なくされた羽生世代の棋士。うつ病回復末期の〝患者〟がリハビリを兼ねて綴った世にも珍しい手記

〈このたび、先崎学九段(47歳)が一身上の都合により2017年9月1日~2018年3月31日まで休場することになりました。〉
2017年8月10日、日本将棋連盟のホームページにこんな告知が掲載されました。折しも藤井聡太四段がデビュー29連勝を成し遂げたばかり。空前の将棋ブームが到来していた最中に、羽生世代のひとりとして将棋界を牽引してきた先崎学九段が突然の休場を発表したのです。

詳しい理由が説明されなかったため様々な憶測がかわされましたが、先崎九段は実はうつ病とたたかっていたのです。本書は、エッセイの書き手としても知られる著者が自らの病の発症から回復までを綴る、心揺さぶられる手記です。

感想・レビュー・書評

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  • 「3月のライオン」の監修を務めたプロ棋士、先崎学さんのうつ病体験記。
    うつは心の病と思われているけど、実は脳の病だということ。世間からの偏見をどうにかしたいという気持ちでこの本を書かれたこと。非常に冷静な口調ですが、将棋への熱意が伝わってきます。自分を救うことは他人を救うことと同じくらい難しい。

  • 「つまるところ、うつ病とは死にたがる病気であるという。まさにその通りであった」

    プロ棋士 の先崎学が、うつ病にかかり、そこから復帰して、またプロとしての将棋が打てるようになるまでを綴ったもの。
    先崎学は西原理恵が麻雀に明け暮れていたいたころに、彼女の漫画に麻雀を打つプロ棋士として登場していたので、妙な親近感がある。

    うつ病は脳の病気だというが、その苦しみが伝わってくる本である。

    プロ棋士であるということが、ほとんど将棋が打てなくなったころには彼の絶望の種にもなったが、同時に回復への希望でもあったのだろう。実兄が精神科医であったことも幸運なことではあったのだろう。

    誰もが、うつ病にかかる可能性はあるのだ、ということと、そこからの回復も周りのサポートによってまた多くの人が可能である。
    自分であっても例外ではないはず。

  • ご自身の闘病経験を赤裸々に語っている。
    棋士らしくといっては何だが、文章は淡々と的確、分析力がすばらしい。
    先生は将棋があったからこそここまで回復されたのだと、読んでいてところどころ涙が出そうになった。

    うつ病の経験者にもそうでないひとにも、また将棋に馴染みのないかたにも是非読んで欲しい一冊。

  • エキナカの書店に面出しで置いてあって、「『3月のライオン』の将棋監修者じゃんか」と軽い気持ちで軽く立ち読み、
    「ここまで淡々と鬱病への罹患→入院→回復の一部始終を脚色なく当事者が書いた本って貴重なんじゃないか?」
    と思い購入。

    そのとおり貴重な内容で、鬱病になったことのない者が鬱病というものを理解しようとする時にとても良い本だと思った。
    それと同時に将棋棋士ってホンマに将棋のことばっかり考えてんねんなとも思った。
    そういう将棋棋士独特の生き方にも触れられました。

    内容は、ちょっと引っ張られて精神が不調になったくらいのリアリティー。
    (リアリティーって表現が適切なのかは分かりませんが。臨場感?真実味?)
    あったことだけを素直に書いてあるからこその読み応えでした。

  • 突如うつ病になり1年間の休養を余儀なくされた棋士の自身の手になる記録。「うつっぽい」とは明確に違う「うつ病」。心の病気ではなく脳の病気であり,例えば30年も将棋を指してきたプロであるにもかかわらず,七手詰め程度の(プロにとっては)簡単な詰め将棋も解けなくなってしまうのだそうだ。入院生活を経て退院するも気分も身体も重いが,このまま将棋が指せなくなってしまうのは嫌だ,と復帰を誓い,仲間の棋士との勉強会に臨む。一進一退の日々。

  • うつ病って、ある日突然、誰でもなる可能性があるということ。誰のせいとかでもなく、脳の異常が起こるということ。何も知らないよりは、知っていた方がいい。入院治療、周囲の反応、他人から言われて嬉しかった言葉や他人の態度の受け止め方など、うつ病を患った本人の経験したこと、感じたことがありのままに書かれている。特に、周囲の協力は欠かせないものだと思った。

  • 発症者しかわからない、リアルな姿。精神科医の兄の「精神科医は自殺させないためだけにいる」という言葉が重い。

  • 鬱の辛さがよくわかる。
    ここまで重度のうつ病患者の体験談は珍しい。

  • プロ棋士が将棋がさせなくなる。体が鉛のようになる。生々しいうつ病の記録。うつ病の極悪期、回復期の苦しみの記録がすごく生々しい。勉強になったと思う。

  • 『うつ病九段』読了。
    何度か泣きそうになった。これはうつの記録であるが著者にとっての「将棋」がある者とない者では回復の速度の差はありそうだなと思った。精神科医の兄の言葉が深く刺さる一冊。読むべき。

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著者プロフィール

先崎 学(せんざき まなぶ)
1970年、青森県生まれの将棋棋士。九段。
エッセイストの側面もあり、多くの雑誌でエッセイ・コラムを持つ。羽海野チカの将棋マンガ『3月のライオン』の監修を務め、単行本にコラムを寄せている。
著書多数。代表作に『フフフの歩』、『先崎学の浮いたり沈んだり』、『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』など。

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